通信制高校とはどんな学校?普通高校との違いやどういう人が通っているのかなどを解説 更新時間 2024.09.12
通信制高校という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
言葉を聞いたことはあっても「通信制高校って気になるけどどういう学校なんだろう」「通信制高校も結局学校だから毎日通わないといけないのかな」など通信制高校について疑問に思うこともありますよね。
本記事では、通信制高校と普通高校の違いやどのような人が通っているのかなどを解説しています。
通信制高校がどんな学校なのかという疑問を解消できます!
それでは通信制高校についてみていきましょう。
通信制高校と普通高校の違いは何ですか?
通信制高校と普通高校はどのようなところが違うのかについて以下の5つの項目に分けて解説します。
- 入試や入学時期の違い
- 登校日数の違い
- 学習方法の違い
- 学習制度の違い
- 費用の違い
入試や入学時期の違い
通信制高校の入学試験は、主に面接や書類審査によって行われることが多いです。
また、年度初めの4月だけでなく、年中を通じて入学のチャンスがある学校もあります。
一方、全日制・定時制や普通高校では、学力を測る筆記試験が一般的です。
全日制の公立では5科目、全日制の私立高校や定時制高校では、3科目の筆記試験が実施される傾向にあります。
入学時期も年度初めの4月のみに限られることが多いです。
登校日数の違い
全日制高校では生徒は平日毎日登校します。
登校日数は、長期休業日を除いてカレンダー通りなことが一般的です。
一方で、通信制高校の生徒は週に数日または年に数回のスクーリング日が登校日となります。
全日制の高校のように毎日学校に通学する必要がなく、登校日数が少ないことが特徴です。
なお、登校日数は学校により異なります。
学習方法の違い
普通高校では、教室での教師による授業が行われます。
一方で、通信制高校では参考書や動画授業などの自宅での自習が主となります。
自習学習やレポート提出などで学びを進めます。
学習制度の違い
全日制・定時制の高校では学年制が採用されていることが一般的です。
学年制では、1学区ごとに取得必要な単位数が決まっています。
一方で、通信制高校では単位制が採用されています。
単位制の場合は、学区ごとに必要な単位数が決まっておりません。
したがって、留年するという心配はありません。
個々のペースで必要単位を取得していけます。
なお、単位制と学年制の違いについては以下の記事をご覧ください。
費用の違い
公立の通信制高校の費用は、普通高校に比べて低コストです。
また、私立の通信制高校でも普通高校に比べて低コストで済む場合があります。
通信制高校の学費については以下を参考にしてください。
- 公立:年5万円
- 私立:年25万円
通信制高校はどんな学校ですか?特徴を紹介
通信制高校はどんな学校なのか特徴についてご紹介します。
- 入試は書類選考や面接など
- 入学時期は4月と10月が多い
- 登校日数は学校により違う
- 学習方法は動画授業やレポート提出
- 学習制度は単位制
- 費用は公立が年間5万円程度で私立が年間25万円程度
入試は書類選考や面接など
通信制高校では、一般的な筆記試験はないことが多いです。
通信制高校での応募者の選考は書類審査や面接により実施されます。
筆記試験を設けている通信制高校もありますが、多くはありません。
入学時期は4月と10月が多い
多くの通信制高校では、入学時期が4月と10月の年に2回です。
春と秋に新しい学生を受け入れます。
なお、4月と10月以外にも入学日を設定している学校もあります。
登校日数は学校により違う
通信制高校には、学校に行って授業を受けるスクーリングという日があります。
通信制高校のスクーリングは週に1日から数日程度が一般的です。
また、年に数回のみのスクーリングで単位を取得できる学校もあります。
登校日数は学校により異なります。
学習方法は動画授業やレポート提出
通信制高校は、自宅での学習が中心となります。
参考書やオンラインで提供される動画授業などで学習を進めます。
そして、レポートを作成して提出することが一般的です。
学校に通学しないでも、学習を進められます。
学習制度は単位制
通信制高校では単位制を採用しています。
単位制のため、生徒は自分のペースで学習を進められるというメリットがあります。
通信制高校での単位は、レポートの提出や試験などで取得可能です。
費用は公立が年間5万円程度で私立が年間25万円程度
通信制高校の費用は公立と私立で異なります。
公立では年間約5万円が一般的です。
私立では間約25万円が目安となります。
通信制高校はどういう人が通うのですか?
通信制高校はどのような人が通うのかについてご紹介します。
- 夢に向かって活動している人
- 働きながら高卒資格取得を目指している人
- 高校中退した人や不登校経験がある人
夢に向かって活動している人
通信制高校には、芸能やスポーツなどの分野で活躍したいと考えている人も通っています。
通信制高校は、全日制の高校に比べて毎日学校に通う必要がありません。
芸能やスポーツなどの分野での活動をしながら、高卒資格を取得できます。
学業以外に専念したいことがある人にも向いていると言えます。
働きながら高卒資格取得を目指している人
通信制高校は、全日制の高校と比べて通学の負担が少ないです。
仕事を持つ人や、働きながら学びたいと考えている人も通っている学校です。
一度、学業から離れた人でも、高校卒業資格の取得するチャンスを得られます。
学校への通学が少ないため、仕事と学業を並行して進められます。
高校中退した人や不登校経験がある人
また、通信制高校は、さまざまな事情で高校を中退したことがある人も通っています
通信制高校は、学校環境に馴染めず、不登校の経験がある生徒にとっても自宅で学習できる環境があります。
自宅で学習を進めることができるため、さまざまな事情で高校に通えなくなった人にも再度学ぶ機会を提供します。
通信制高校に行くとどうなるの?
通信制高校に行くとどうなるのかについてご紹介します。
高卒資格を取得できる
通信制高校を卒業すると、全日制高校や定時制高校の卒業生と同等の高等学校卒業資格が取得できます。
通信制高校に行って卒業した人の最終学歴は「高卒」です。
日々の学校生活に通うことが難しい人でも、自宅で学びながら高校卒業資格を目指せます。
通信制高校卒業後の進路
文部科学省の調査によると、通信制高校を卒業した生徒の約40%が進学を選んでいます。
また、約20%の生徒が直接就職へと進む道を選んでいます。
残りの40%は進学も就職もせず、さまざまな道を選んでいることが推測されます。
通信制高校は、幅広い選択肢を提供する教育の場と言えます。
通信制高校の仕組みとは
ここからは通信制高校の授業やスクーリングなどの仕組みについてお話していきましょう。
全日制や定時制の高校では、基本的に毎日通学するので朝から夕方までの授業になります。
授業の開始時間も普通の高校なら中学校の通学時間とあまり変わりません。定時制の場合は自分で時間を選択できます。
定時制高校の場合は、基本的には昼過ぎからのスタートですが、遅い時間を希望する場合は夕方からの時間を選べるのも良い点です。
では通信制高校の学習の進み方を確認していきましょう。
課題の添削
通信制高校の課題の添削は学校から出される課題を提出する形で進んでいきます。
学校側が提出回数を決めていて、その回数しっかりと提出することが必要です。
課題の内容は主に教科書などで学習した問題を解き、レポートに記入して高校に提出します。
レポートは、大体月に5本以上は提出する流れになります。
スクーリング
スクーリングとは実際に学校に足を運び、対面で授業を受ける形式です。
課題を進めていく中で「わからないところが出てきたらどうしよう」と不安になることもありますよね。
スクーリングは単位習得に必要なものでそういった不安に対応するために設けられています。
自由参加ではなく、科目ごとで日数が設定されているのもスクーリングの特徴です。
設定されている日数・時間は参加しなければ単位が認められないので注意が必要です。
学校ごとで日数や時間も異なるので、行きたい学校が決まったらスクーリング日数なども確認しておきましょう。
e-ラーニング
レポート課題に合わせてe-ラーニングを採用している通信制高校も多いです。
e-ラーニングを実施することで、自宅でも学校と同じような授業を受けることも可能になりました。
オンラインで授業を受けられるので、分からないことを先生に直接質問したり、解説してもらえるという環境ができています。
単位の取得方法について
単位制という制度に疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
それでは単位を取るということはどういうことなのかを考えていきましょう。
単位制は大学に似ている
単位制の方式は大学の形式と非常に似ています。
修得すべき単位数などに違いはありますが、大学の形式とほとんど変わりません。
各科目で単位が決まっている
先ほどの内容を例にしたものです。
「現代文」という科目があるとします。
「現代文」は4単位認められる科目です。
卒業には合計で74単位必要になるので、そのうちの4単位として扱われるということですね。
「現代文」の単位が認定されると、74単位のうち4単位修得しできます。修得しなければならない単位数は残り70単位。
こうして少しずつ単位を習得をしていき、74単位を少しづつ削って単位数が0になれば卒業できる制度が単位制といわれる制度です。
■単位認定について
単位の認定には2つの方式があります。
まずは、レポートの提出です。
通信制高校の学習はレポートが中心になります。
そのため、しっかりと自分で学習を進めて提出することが重要です。
学習した内容が理解できていることを確認するためにテストを受けます。
そのテストでしっかりと点数を取得できた場合は単位認定です。
忘れてはならないのがスクーリングになります。通信制だからといって、一切学校に通わなくて良いわけではありません。
単位ごとにスクーリング日数が指定されているので、その日数はしっかり通学する必要があります。
学校ごと、コースごとでスクーリング日数は変わるのでしっかり確認しましょう!
通信制高校に関する疑問をQ&A形式で紹介!
通信制高校に関する疑問をQ&A形式にまとめてみました。
素朴な疑問から、気になる情報まで細かく答えています。
通信制高校に入りたいけど、わからないことがあるという人は参考にしてみましょう。
通信制高校に関する質問一覧
- Q.通信制高校から大学進学は可能?
- Q.通信制高校には年齢制限がある?
- Q.現在全日制高校に在学していますが転校することは可能ですか?
- Q.通信制高校に留年制度はありますか?
- Q.通信制高校の選び方は?
- Q.通信制高校への転入と編入の違いは?
Q.通信制高校から大学進学は可能?
通信制高校から大学進学することは可能です。
大学に進学することは可能ですが、通信制高校から進学している割合は全日制高校と比べて大きく下回っています。
通信制高校は大学進学に不利と噂している人達もいますが、通信制高校だからといって落とされることはありません。
ただし、通信制高校は勉強カリキュラムが全日制高校に比べて難易度が優しかったり大学進学を選択する人が少なかったりするので、進学する割合が必然的に少なくなります。
大学進学は可能ですが、通信制高校と比べて不利な点はいくつかあるので、乗り越える必要があります。
通信制高校で大学入試を視野に入れている方は「通信制高校でも大学進学はできる?大学進学に強いおすすめ通信制高校」にも詳しい詳細が書かれているので参考にしてみましょう!
Q.通信制高校には年齢制限がある?
通信制高校に入れる条件をもっている人は中学校又はこれに準ずる学校を卒業した人なので、年齢制限はありません。
さまざまな理由がある人が入学するため、年齢層は幅広く70歳の人が通っている学校もあります。
ただし、一度高校を卒業している人は入学できないので注意しましょう。
Q.現在全日制高校に在学していますが転校することは可能ですか?
転校は可能です。
今在学している学校で取得している単位や出席日数によって転入する学年が決められることもあります。
多くの通信制高校は転入・編入を随時受け付けているので、気軽に相談してみましょう。
Q.通信制高校に留年制度はありますか?
通信制高校は基本的に単位制を採用しているので、留年するという概念がありません。
ただし、必修科目単位をすべて修得して卒業する必要があります。
卒業が必要以上に時間がかかってしまうこともあるので、必修科目の単位は落とさないようにしましょう。
まれに通信制高校で学年制採用をしている学校がありますが、学年制の場合留年がありますので注意して下さい。
Q.通信制高校の選び方は?
学校選びに際しては、以下のような様々なことを総合的に判断する必要があります。
- 学費
- 通学範囲
- 登校頻度
- 教育内容
- 入学時期
学校が公立か私立かを判断し、学費の違いを理解することが大切です。
スクーリングがあるため、通学できる範囲内に学校があるか確認しましょう。
また、自分の学習目標や将来のビジョンに合った学習内容やサポートが提供されているかを調べることを推奨します。
入学や編入、転入時期なども学校により異なるため、事前に調べるようにしましょう。
Q.通信制高校への転入と編入の違いは?
「転入」は、他の高校から通信制の高校に転校することです。
一方で、「編入」は一度学校を退学してから入り直すことを指します。
転入と編入の違いを詳しく知りたい方は以下の記事をご参考にしてください。
自分の目的に合わせて通信制高校を選ぶことが大事!
通信制高校について説明していきましたが、まず目標を見つけることが大切です。
高校を卒業することが目標でも良いので、通信制高校に通って何を成し遂げたいのかまず考えましょう。
なんとなく通ってしまうと、卒業できずに挫折してしまう可能性があります。
どんな事情があっても受け止めてくれるのが通信制高校なので、不安を抱いている人は学校に相談して学校側のサポート体制を確認することが大事ですね。
たとえ資金面に問題があっても、柔軟に対応できる通信制高校もあるのでまずは相談してみましょう。
資格の取得や専門分野への進学に興味がある場合でも、対応できる学校も多いので事前に下調べをしておくことが大事ですね。
学費が気になる方もいると思いますので、こちら「学費が安い通信制高校をご紹介!」も参考にしてみてください!
また自由度の高い通信制高校だからこそ、資格取得に向けて学習を進めることもできます。
資格取得できる通信制高校への進学もおすすめ
通信制高校は、就職に不利な印象がありますよね。
しかし通信制高校は就職に不利にはなりません。
それどころか在学中に資格や検定を取得しておくことで、就職を有利に進めることができますよ。
通信制高校に通う生徒は、自分の個性や能力を伸ばしたい人が多いので、在学中に興味のある分野を磨くことも可能です。
自由時間の多い通信制過程だからこそ、専門分野を磨ける環境が整っているといえます。
特に美容系やIT系の資格取得をサポートしてくれる通信制高校も多数あるので、興味のある方は調べてみましょう。
また就職を有利にするための資格については、「【就職に有利】資格が取れる通信制高校で就職を有利にしよう」を読んでみてください。- 公認会計士・税理士
- 調理師免許・看護師資格・美容師資格
- 医療事務資格・薬剤師資格
- IT系資格(プログラミング・情報処理)
<取得できる資格例>
専門分野を学べる通信制高校も数多くある
通信制高校に進学したい人でも、専門分野を学ぶことができます。
ただ専門分野を学べる通信制高校は、登校日数が多く設定されていることが多いので事前に確認しておきましょう。
ただ普通科の全日制高校に通うよりも、専門性を高めることができるかもしれません。
専門性が高まれば高まるほど、就職活動を有利に進めることもできますよ。
スポーツに打ち込める環境が整っていたり、漫画家になれるコースがあったりと様々な通信制高校があります。
想像しているよりも多くの選択肢があるので、気になる方は資料請求をしてみましょう。
今後何をするのかを考えて選ぶことが大切
自分はここがだめだからと思わずに、今後何をしたいか考えてみましょう。
通信制高校は自分の個性をしっかり伸ばしてくれる学校が多いので、心配な人も学校がしっかり対応してくれるので安心です。
通信制高校は無理に他の生徒たちと歩幅をあわせる必要がないので、自分のペースですすめることができます。
自分の可能性を信じて、まずは学校に相談してみてください。
通信制高校とはオンラインでレポートの添削などで行われる学校
ここまで通信制高校の概要を説明してきました。通信制高校についてお分かりいただけましたでしょうか。
通信制高校は学校ごとに非常に様々な特色がありますよね。
学校ごとの特色を知るなら、資料請求して各学校を知ることをおすすめします!
ぜひ自分の理想の高校生活を目指して、参考にしてみてください!
最後に、通信制高校だからと言って大学入試や就職が不利になるわけではありません。
しかし、通信制高校で時間に余裕があるうちに資格を取っておくと後々就職もしやすくなります!
こちら「資格が取れる通信制高校で就職を有利にしよう」も参考にしてみましょう!