不登校になる原因ランキング10選│原因がわからないときの対処法を解説! 更新時間 2025.01.21
不登校になってしまう原因は、友人や先輩からのいじめや嫌がらせ、学力不振、家庭環境、コロナ禍による生活の変化などがあげられます。
また現代では、「無理をしてまで学校に行かないくていい」というスタンスが芽生えつつあり、ポジティブな理由で不登校になる生徒も増えているようです。
ある日突然、子どもが「学校に行きたくない」と言い出した場合、親は必死で原因を見つけようとしますが、本人も理由が分からないケースは少なくありません。
この記事では、不登校になってしまう原因を探りながら、原因が分からないときの対処法について徹底解説しています。
また不登校になったときのNG行動ややるべきことも紹介していますので、不登校による悩みを抱えている方は参考にしてみてください。
【2025年最新版】不登校になる原因10選!
令和2年度の不登校生徒数は、小学校・中学校・高校を合わせると約24万人となっており、いつ誰が不登校になってもおかしくない時代です。
本章では、不登校になる原因を1位〜10位までランキング形式でご紹介しています。
ひと昔前にはなかったような原因も上がっていますので、気になる方はチェックしてみてください。
1位.学校での人間関係
不登校になってしまう理由で、もっとも多いのが「人間関係」です。
友人や同級生だけに限らず、先輩や後輩、先生との問題も原因の1つとして考えられます。
社会問題になっているいじめ問題も、クラスメイトは分かっているが大人だけが気づかない場合が多く、事件やトラブルが起こって初めて分かったというケースも少なくないでしょう。
いじめを受けた本人も、「親を心配させたくない」という思いから誰にも相談できず、問題が発覚しづらくなっています。
また令和2年度に実施された不登校児童の実態調査によると、「最初に行きづらいと感じ始めたきっかけ」について、30%の小学生が「先生が原因」と答えていました。
人間関係というと、友人とのトラブルやいじめを連想してしまいがちですが、先生の態度や発言が原因で学校へ行かないケースがあることを覚えておく必要があります。
2位.無気力
人間関係の次に多いのが、子どもの現代病とも考えられる「無気力」です。
無気力は中学生や高校生に加え、好奇心が旺盛な小学生にも多く、不登校の大きな問題となっています。
意外かもしれませんが、真面目で落ち着いていて、平均以上の学力を持った生徒に多いのが特徴です。
「学校に行きたい!」「遊びたい!」といった行動力がなく、自分の意見や要望もあまりありません。
周囲ははっきりした原因が分からず困惑してしまうことも多く、対処法もむずかしい不登校の1つとなっています。
3位.勉強の遅れ・成績が悪い
学業不振で学校に行かないケースも、不登校の原因の10%近くを占めています。
「勉強がついていけない」「成績が伸びない」「テストの点が悪い」という悩みが原因で、授業を受けるのが辛くなり学校に行けなくなってしまうのです。
また受験勉強の疲れや親からの過剰な期待、進路や進学への不安から、不登校になってしまう学生も少なくありません。
中学受験や高校受験でワンランク上の学校へ合格したものの、授業が始まってみると周囲のレベルについていけずフェードアウトしたり、受験で燃え尽きてしまったりするケースも当てはまります。
4位.学校に馴染めない
新しいクラスや学校に馴染めず、「自分の居場所がない」と感じて不登校になる子どももたくさんいます。
このケースは新年度を迎え、進学やクラス替えをするタイミングに多いのが特徴です。
新しく出来たグループの輪に入れなかったり、休み時間に一緒に過ごす友人がいなかったりすると不登校になってしまうのです。
また親の仕事の都合で転校になり、新しくゼロから友だちを作らないといけないケースも、子どもは大きな負担を感じて学校に行きたくなくなってしまうことがあります。
さらに最近は、学校に対して恐怖心や不信感を抱いたり、集団生活が苦手な子どもいたりして、スムーズに学校に行くことがむずかしくなっているようです。
5位.家族関係や家庭環境
不登校の理由が家庭内にあるケースも、実はめずらしくありません。
両親の離婚や日常的な言い争いなどで子どもがストレスを感じ、学校や友だちとの関わりを避けるようになるケースもあります。
またリストラなどによる生活の困窮によって、親が子どもに八つ当たりしたり追い詰めたりして、次第に心を閉ざしてしまう子どもも少なくありません。
コロナ禍で生活が一変した母子家庭の貧困問題も、ニュースなどでよく取り上げられていますが、満足にご飯を食べれない子どもも日本にはたくさんいます。
経済的な理由から親子の関係に溝ができ、未成年でありながら飲酒したり非行に走ったりするなど、家庭の数だけ問題はさまざまです。
6位.朝起きられないなど生活の乱れ
次も家庭内の問題の1つですが、不規則な生活が原因で朝起きれず、不登校になってしまうケースもあります。
文部科学省の調査によると、34%の子どもが「生活リズムの乱れ」によって不登校になったと回答しています。
テレビゲームやスマホでの寝不足に加え、勉強や習い事、部活動などとの両立で十分な睡眠時間がとれず、朝起きられない原因の1つになっています。
7位.原因が自分でも分からない
実は不登校になった原因が、本人も周囲も分からないというケースはあります。
勉強についていけない訳でもなく、友人とトラブルなどがあった訳ではないのに、なぜか学校に行きたくない・行けないという子どもが20%以上も該当することが分かりました。
不登校の原因が分からないとき、親はあらゆる手を使って原因を見つけ出し、学校に行かせようとします。
しかし対処法を間違ってしまうと、子どもはさらに心を閉ざし、学校に行かなくなってしまうので注意が必要です。
このときの正しい対処法については、本記事の次の章で詳しく解説しています。
8位.身体の不調
「低血圧」などの体質が原因で、不登校になってしまうケースも少なくありません。
また学校に行こうとするとお腹や頭が痛くなる子どもも多いです。
文部科学省による「最初に行きづらいと感じ始めたきっかけ」の調査について、小学生の約26%、中学生の約33%が、「身体の不調」が原因で不登校になったと答えています。
この場合、体質による体調不調が、実はストレスや心の病が原因だったということも考えなくてはいけません。
とくに小さい子どもの場合、精神的なストレスに本人が気づけないケースもあるので、大人が注意深く見守ってあげることが重要になるでしょう。
9位.発達障害
発達障害とは、生まれつきの脳機能の障害です。
教科によって得意・不得意に大きな差があったり、文章や物事の理解に時間がかったりするなどの症状がみられます。
しかし知能的能力には問題がないことから、親や周囲が気づきにくいという特徴があります。
そのため「わがまま」「自己中心的」「扱いにくい子ども」など、批判されてしまうことも少なくありません。
気分の浮き沈みが激しかったり、状況に合わせた行動ができなかったりして、不登校になってしまうケースもみられます。
しかし「障害」を「個性」と捉える専門家もいて、過ごしやすい環境を整えてあげながら子供にあったサポートをしていくこと重要だと説いています。
また、類似したものとして、起立性機能障害についてまとめている記事もありますので、「起立性機能障害とは?起立性機能障害に通信制高校がおすすめな理由を紹介!」も是非ご覧ください。
10位.学校に行く理由が理解できない
「なぜ学校に行かなくてはならないのかが理解できない」「行かなくてもいいと思った」
と考えている不登校児童は、15%近くにのぼります。
ほとんどの子どもは「学校へは当然行くもの」と考えていますが、一部の子どもは「学校へ行く意味」を考え、「行かなくてもいい」と判断しているようです。
今はインターネットなどを通して学校と同じような学習ができるため、わざわざ学校へ行かなくても勉強できると考えているのでしょう。
学校が合わなかったり、自分の好きなことだけに集中したかったりすれば、学校以外の場で学ぶことを選択しても不思議ではありません。
しかし学校に行かないことで出席日数が足りず、内申点に影響して進学がむずかしくなるケースも考えておく必要があります。
日本にあける不登校の現状
日本では不登校の児童生徒が増加し続けており、社会問題として注目されています。
特に近年の統計では、小・中学生や高校生の不登校が過去最多を記録しており、背景にはさまざまな要因が絡み合っています。
ここからは、小中学生および高校生の現状について具体的に解説します。
小中学生の不登校の現状
2022年度の文部科学省の調査によると、小中学生の不登校者数は約29万人※と、前年度より約2割増加し過去最多を記録しました。
参考:文部科学省|令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要より
不登校生徒数は10年連続で増加しており、在籍生徒全体に占める割合は3.2%と上昇しています。
特に中学生の不登校者が多く、思春期特有の心の不安定さや家庭との関係性の問題が要因となるケースが目立ちます。
また、小学1年生から中学3年生までの傾向を見ると、学年が上がるごとに不登校者が増加する傾向がありますが、中学2年生と3年生では横ばいとなっています。
不登校の原因として最も多いのは「無気力や不安」であり、全体の半数以上を占めます。
さらに、生活リズムの乱れや友人関係、家庭環境の変化も主な要因として挙げられます。
こうした問題を解決するためには、家庭と学校、そして専門機関が一体となった支援が求められています。
高校生の不登校の現状
高校生においても不登校者数は増加しており、2022年度の調査では約6万人が不登校とされ、前年度から18.8%増加※しました。
参考:文部科学省|令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要より
高校生の不登校率は2.0%で、小中学生に比べると割合は低いものの、その増加傾向が顕著です。
特に、欠席日数が90日以上の長期不登校者も一定数存在し、本人や家庭が抱える問題が複雑化していることがうかがえます。
高校生の不登校の原因としても「無気力・不安」が最多ですが、小中学生と異なり、「生活リズムの乱れ、あそび、非行」が割合としてやや増加しています。
また、親子関係の問題は高校生では少し減少しており、自主性の高まりや進路選択に伴うプレッシャーが原因となるケースが増えています。
高校生の場合は義務教育ではないため、不登校が中退や転校につながるケースも多いのが特徴です。
そのため、フリースクールや通信制高校といった柔軟な学びの場の選択肢を検討することも重要です。
学校と家庭、そして社会全体が協力し、彼らの進路をサポートする仕組みを強化することが求められます。
不登校の子どもにやってはいけないNG行動
不登校の原因が分からないとき、親や周囲がやってはいけないことは以下の5つです。
- 学校に行きたくない理由を問い詰める
- 無理やり学校に通わせる
- 子どもと距離を置く
- 他の子どもと比較する
- 子どもが嫌がることをさせる
ここからは、それぞれの内容について詳しく解説していきます。
学校に行きたくない理由を問い詰める
不登校になった子どもに「どうして学校に行きたくないの?」と理由をしつこく聞くのは避けましょう。
子ども自身も、自分の気持ちを言葉で説明できない場合が多いものです。
理由を求められることで、子どもは「答えなければならない」というプレッシャーを感じたり、「親を心配させている」という罪悪感を抱く可能性があります。
大切なのは、子どもが自分のタイミングで気持ちを話せるように、親が辛抱強く待つ姿勢を見せることです。
話をする際も、批判や評価を避け、子どもの言葉にじっくりと耳を傾ける環境を整えることが重要です。
無理やり学校に通わせる
「学校に行くのが当たり前」という考えから、無理に登校を促す行動は逆効果になるケースが多いです。
学校に行けない理由があるにもかかわらず、無理やり通わせようとすると、子どもの不安感が増し、心に深い傷を残す可能性があります。
また、無理に行かされることで、学校への恐怖や嫌悪感が強まり、さらに拒否感が高まる危険性もあります。
まずは、学校に行けない理由や背景を理解し、家庭が子どもにとって安心できる居場所であることを示すことが優先されます。
子どもと距離を置く
不登校という状況に戸惑い、親が距離を取ってしまうことは、子どもの心に大きな影響を与えます。
「見放された」と感じると、さらに孤立感を深め、親子関係が悪化する恐れがあります。
特に、不登校の子どもは家庭での親の態度や関心に敏感であり、親からの関わりが薄れると心の負担が大きくなることがあります。
「学校に行かなくても、あなたを大切に思っている」という姿勢を言葉や態度で示し、子どもの安心感を高める努力が必要です。
他の子どもと比較する
「あの子はちゃんと学校に行っているのに」「どうしてあなたはできないの?」と他の子どもと比較する発言は避けるべきです。
こうした言葉は、子どもの自己肯定感を大きく損ない、「自分はダメだ」と感じさせてしまう要因になります。
一人ひとりの感じ方や抱える悩みは異なるため、他者と比べるのではなく、子どもの気持ちやペースに寄り添う姿勢が重要です。
子どもの成長や回復をサポートするには、その子に合ったアプローチを見つけることが大切です。
子どもが嫌がることをさせる
不登校の子どもに対し、「これくらいはやるべき」と考え、勉強やスポーツ、家事などを無理にさせようとする親もいるでしょう。
しかし、無理強いは子どもの心に大きな負担をかけ、結果としてやる気や自信をさらに失わせる原因になります。
不登校の子どもは、心のエネルギーが不足しており、物事に対して前向きな姿勢を持つのが難しい状態にあることを理解する必要があります。
「何もしないのは良くない」という親心から強制することは、子どもにとって「自分は理解されていない」という思いを強める結果につながる恐れがあります。
また、「やらなければならない」というプレッシャーが、かえって無気力や抵抗感を引き起こし、親子の信頼関係に悪影響を与える可能性もあります。
不登校の子どもに対して保護者ができること
不登校の子どもに寄り添い、回復を支援するためには、親として何ができるのかを冷静に考えることが重要です。
- 積極的に子どもとコミュニケーションを取る
- 学校やスクールカウンセラーに連絡する
- 不登校支援団体に相談する
- 学外での遊びや学びの場を提供する
家庭内での対応に加え、学校や専門機関と連携しながら適切なサポートを行うことで、子どもの心の負担を軽減し、前向きな一歩を踏み出す助けとなります。
以下では、保護者が実践できる具体的な対応策について詳しく解説します。
積極的に子どもとコミュニケーションを取る
不登校の子どもにとって、親が自分を理解しようとする姿勢を見せることは何より重要です。
ただし、問い詰めるような形ではなく、子どもが安心して話せる雰囲気を作ることが大切です。
「無理しなくてもいい」「今のあなたで大丈夫」という安心感を与える言葉をかけながら、日常会話を通じて徐々に気持ちを聞き出すよう心がけましょう。
また、これまでの努力や存在そのものを認める言葉を伝えることで、子どもの自己肯定感を高められます。
親が味方であると感じられると、心の負担が軽減され、少しずつ前向きな気持ちを取り戻す手助けとなるでしょう。
学校やスクールカウンセラーに連絡する
親だけで不登校の問題に向き合うのは難しい場合もあります。
学校やスクールカウンセラーとの連携は、子どもの状況を多角的に理解し、適切なサポートを得るために重要な手段です。
教師やカウンセラーから、学校での人間関係や学習面での悩みなど、家庭では把握しづらい情報を得られることもあります。
さらに、学校との関係を保ち続けることで、子どもが戻りやすい環境を作る助けにもなります。
保護者自身も、専門家と話すことで心の負担が軽くなり、子どもへの接し方に自信が抱けます。
不登校支援団体に相談する
不登校の子どもを支援する団体に相談するのも効果的です。
専門家によるアドバイスだけでなく、同じような経験を持つ保護者とつながる機会が得られることも大きなメリットです。
相談を通じて、地域の支援サービスや具体的な解決策についての情報を得られる場合もあります。
また、団体によってはカウンセリングや支援プログラムを提供していることもあり、子どもが新たな一歩を踏み出すきっかけになるでしょう。
孤立感を減らし、親子共に前向きな気持ちで取り組める環境を整えることが大切です。
学外での遊びや学びの場を提供する
学校以外の学びの場や活動に目を向けることも、不登校の子どもを支援する一つの方法です。
- フリースクール
- 教育支援センター
- オンライン学習など
また、自然と触れ合う活動や趣味を通じた学びなど、学校とは異なる経験を積むことで、心がリフレッシュされることもあります。
外出が難しい場合は、家庭教師を活用するのも一つの選択肢です。
子どもの興味を尊重しながら無理のない範囲で新しい挑戦を支援することで、少しずつ意欲や自信を回復させる助けになるでしょう。
不登校の原因は十人十色!困ったときは専門家に相談を
不登校になる原因や、原因が分からないときの対処法について解説しました。
不登校になる原因は人それぞれで、いろんな問題が複雑に絡み合っているケースも少なくありません。
とくに本人も原因が分からないケースは、周囲だけで問題を解決しようとせず、専門機関や医療機関などを視野に入れてサポートしてもらいましょう。
不登校になってしまったときに大切なのは、子どもの行動や思いを否定せず、共感してあげることです。
子どもの気持ちを尊重することで、些細なことでも素直に話してくれるようになるでしょう。
今はインターネットの普及やコロナ禍によって、これまでになかった悩みや問題を抱える子どもが増えています。
また、不登校を克服するきっかけとなった出来事についてまとめている記事については、「不登校を克服するきっかけとは?親や周囲ができることは?」をご覧ください。
子どものSOSを早期発見し、適切な対策ができるよう、不登校の原因を把握して子どものようすを注意深く見守りましょう。