転入と編入の違いってなに?高校生活での違いを比較 更新時間 2022.12.23
「学校を変えたいときはまず中退した方がいいの?」
「別の高校に移ったらどこからやり直しになるんだろう?」
この記事では、このような疑問や不安にお答えします。
高校に行きながら別の高校へ移るか、一旦学校を辞めてから再入学するか、2つは似ているようですが、実際にはまったく違う高校生活を送ることになります。
転入と編入の違いを理解して、どちらを選ぶべきかを考えていきましょう。
高校における転入と編入の違い
「転入」と「編入」って似ているようで、実はまったく違うものです。
まずは2つの違いについて、詳しく説明していきますね。
転入は転校と同じ意味
転入とは、今在籍している学校を辞めずに別の高校へ入学することです。
つまり「転学」「転校」と同じ意味で、空白期間なく学校を変わることを指します。
学年の途中であっても、同級生と同じタイミングで卒業を目指すことが可能です。
編入は高校をやめた人がもう1度入学すること
編入とは、すでに以前の高校を退学した生徒が、他の高校に再入学することをいいます。
空白期間があるため、場合によっては同級生よりも長い期間、学校に在籍しなければなりません。
しかし「9月に中退して10月に編入する」といったタイミングで編入できた場合、同級生と一緒に卒業できる可能性が高くなります。
転入と編入では入学できる時期が異なる
転入するか編入するかを決める際、覚えておく必要があるのが「入学できる時期」です。
このタイミングを知らないと、のちのち後悔することになるますので、よく確認しておくことをおすすめします。
転入の場合はいつでも入学できる
転入は時期を問わず、通年受け入れている学校が多いです。
とくに私立の通信制高校は全国から生徒を募集している学校が多いため、好きなタイミングに好きな学校へ移れるのがメリットになります。
空白期間なく学校を変われる転入は、就職の際の履歴書にも「中退」や「退学」と記載する必要はありません。
編入は4月と10月に限定される
編入の場合は、新しい学校に移れる時期が決まっていることがあります。
通信制高校の入学は、基本的に「4月」と「10月」になっており、編入もそれに合わせて行うことが多いです。
しかし、私立の通信制高校では随時受け付けている学校もあるので、よく確認してから手続きを進めましょう。
転入・編入しても以前の単位は引き継げる?
転入や編入おいて気になるのが、「以前の学校で取得した単位が新しい学校でも引き継げるか?」ということではないでしょうか。
ここでは、単位の引き継ぎについて分かりやすく解説していきます。
転入も編入も引き継げるのは前年度までの単位
転入でも編入でも、以前の学校で取得した単位が引き継げるため、1年生の学習からやり直す必要はありません。
しかし注意しなくてはならないのが、どちらの場合も「前年度までの単位しか引き継げない」という点です。
これは、全日制高校が「学年制」を採用していることに理由があります。
学年制は1年間をかけて単位を取得する仕組みになっているため、年度の途中で別の学校に移ったり中退したりした場合、その年度の単位は認定されない決まりです。
例えば、以前の高校が前期と後期の2期制を採用していたとします。
2年生の前期の単位を取り終えて転入・編入したとしても、次の学校で引き継げるのは1年生の単位のみになるということです。
空白期間がある編入学の方が不利
転入と編入のタイミングによっては、編入の方が単位の取得期間に関して不利になることが考えられます。
例えば2年生の5月ごろに転入した場合、残りの11ヶ月で1年間に必要な単位を取得するのは現実的に可能です。
しかし同じように2年生の5月に中退して、10月に編入すると、残りの半年で年間の単位を取得するのは不可能に近いでしょう。
短期間で多くの単位を取得できれば、同級生と同じタイミングで卒業できますが、かなりの努力が必要になります。
転入と編入の手続きや流れ
新しい高校を決めたら、今の学校に転校する旨を伝えたり、個人的に学校とやりとりをする必要があります。
本章では、転入と編入の流れや、必要な手続きについて簡潔に解説します。
転入の流れと手続き①
転入する場合は、まず現在通っている高校に転校する旨を伝え、必要な書類を発行してもらいます。
新しい高校によって若干違いはありますが、基本的には以下の書類です。
- 在籍証明書(在学証明書)
- 成績証明書(単位修得証明書)
- 在籍校校長の転学照会書
書類を手に入れたら転校先の高校へ連絡を入れ、こちらからも転校の意思表示をします。
その際、転入試験を受ける必要がありますが、通信制高校の場合は「面接・筆記試験・作文」が行われることが多いです。
学力試験を行う場合は、「学力で合否を判断する」というより、「現在の学力を把握するための試験」と考えて問題ないでしょう。
編入の流れと手続き②
編入の場合は、新しい学校と個人でのやり取りをすることがほとんどです。
ただし、編入に必要な書類がある場合には、以前通っていた高校へ書類発行をお願いする必要があります。
編入の際にも入試がありますが、転入と同様に「面接・筆記試験・作文」を行うことが一般的です。
一度高校を中退しているため、現在の学力に不安を感じる人も多いかもしれません。
しかし通信制高校「学力」よりも「やる気」を重視しており、入試で不合格になることはほとんどないと考えて大丈夫でしょう。
通信制高校の転入と編入についてもっと詳しく知りたい方は是非 「通信制高校の入学手続きは簡単?転入と編入についても解説」を参考にしてみてください!
今すぐ学校を辞めたいけど転入・編入どちらがおすすめ?
転入と編入の違いについて解説してきましたが、
「今すぐ通っている学校を辞めたいけど、転入できるタイミングまで我慢した方がいいの?」
と疑問に思う方もいるかと思います。
どちらが良いかは、状況や体調によって変わってきますが、今も学校に通っているのなら「転入」を選ぶ方がいいでしょう。
まだ学校に在籍しているなら転入がベスト
高校卒業の条件は、以下のようになっています。
- 3年間で74単位以上を修得する
- 30単位時間以上の特別活動
- 3年以上の在籍
3つ目の「3年以上の在籍」に関しては、在籍期間も以前の学校から引き継げるようになっています。
転入の場合は、在籍期間を継ぎ目なく引き継げるため、同学年の人と同じタイミングで卒業することが可能です。
もし規定の単位数を満たしていたとしても、在籍日数が足りなければ卒業ができません。
よって、空白期間を生じない転入の方が有利に卒業できるようになっています。
通信制高校の編入について詳しく知りたい方は是非 「通信制高校への転入を考えている高校生の方へ」を参考にしてみてください!
私立の通信制高校なら転入と編入に大きな違いはない
転入と編入の違いについて、入学できる時期や流れなどをご紹介しました。
空白期間がない転入の方がおすすめですが、私立の通信制高校では入学時期などを柔軟に受け付けてくれる傾向があります。
公立の通信制高校では4月の年1回のみしか編入を受け付けていないのに対し、私立では複数回受け入れのタイミングがあるのも大きな違いです。
編入であっても本人の頑張り次第で、同級生と同じタイミングに卒業できる可能性が高まります。
まずは行きたい高校を絞って情報を収集し、転入や編入が可能かを問い合わせてみましょう。
その際に、以前の学校の単位がどこまで引き継げるかを確認して、今後の進め方を決めるのがベストな方法です。
通信制高校の私立と公立の違いについて詳しく知りたい方は是非 「通信制高校の私立と公立は何が違うの?学費・授業など徹底比較」を参考にしてみてください!