いじめによる不登校の子どもにフリースクールは効果ある?おすすめの理由・選び方を解説 更新時間 2025.11.27
いじめを要因とした不登校は増加傾向にあり、文部科学省の調査ではいじめ認知件数は過去最多の約77万件です。
また、不登校者数小・中・高の不登校者数は過去最多の約42万人で、いじめによる不登校者の割合は10%程度を占めます。
参照:文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」
こうした状況に対して、フリースクールは少人数制や個別支援体制により、心理的負担の軽減や学習継続を可能にする選択肢として位置付けられています。
本記事では、いじめが原因で不登校になった子どもにフリースクールがおすすめな理由や、子どもと相性の良いフリースクールの選び方・注意点を詳しく解説します。
また、いじめにより傷ついている子どもとの接し方についても解説しているので、ぜひ最後まで読んでください。
いじめによる不登校にフリースクールがおすすめな理由
いじめが原因で学校に行けなくなる状況は、いじめ防止対策推進法で「重大事態」と位置付けられており、元の環境での学習継続が難しいケースが多いとされています。
そのため、文部科学省は学校以外で学ぶ選択肢の活用を認めており、フリースクールもその1つです。
ここでは、いじめが原因で不登校の子どもにフリースクールが適している理由を、環境・制度・支援体制の観点から分かりやすく解説します。
【いじめによる不登校にフリースクールがおすすめな理由】
- フリースクールは子どもの心を休ませる居場所になる
- 少人数環境で人間関係のストレスが少ない
- 条件を満たせば出席扱いになる制度がある
- 学習面でのサポートが充実している
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フリースクールは子どもの心を休ませる居場所になる
フリースクールは、学校でのいじめやストレスから離れて心身を落ち着かせるための環境として利用できます。
文部科学省は不登校の時期を「休むことに意味がある場合がある」と示しており、無理に学校へ戻るより、安全な場所で回復を優先することが重要です。
フリースクールでは登校を強制されることもなく、子どものペースで過ごせるため、安心して心を休められます。
個別学習・体験型プログラム・行事等のイベントなど活動内容が多彩にあり、「小さなできる」を積み重ねたり、学校以外で安心できる対人関係を築けるので、子どもの自己肯定感の向上にもつながります。
▼フリースクールの活動内容の例
- 個別/授業形式の学習
- 社会見学・職場体験
- 自然観察・農業体験
- 調理体験
- スポーツ
- 音楽・美術など
少人数環境で人間関係のストレスが少ない
フリースクールに在籍する子どもの人数は1~5人程度が最も多いです。(文部科学省調べ)
少人数での活動となるため、大人数のクラスで起きやすい人間関係のトラブルや圧力が軽減されます。
また、人数が少ないことで、スタッフが子ども一人ひとりの様子を細かく見守れる点もメリットです。
▼少人数制のメリット
- 人間関係のトラブルが起きにくい
- 子どもの変化に気づきやすい
- 落ち着いた環境で安心して過ごせる
フリースクールによっては心理カウンセラーなど、専門家が在籍している場合もあります。
そのため、心身が疲弊している子どものメンタルケアを細やかなに対応できる点も強みです。
条件を満たせば出席扱いになる制度がある
フリースクールでの活動は、一定の条件を満たすと在籍校の校長判断で「出席扱い」として認められる制度があります。(参照:文部科学省より)
条件には、学校との連携や学習状況の報告などが含まれます。
▼出席扱いのポイント
- 学校とフリースクールが定期的に連携している
- 子どもの活動内容が学習として適切
- 保護者との連絡体制が整っている
出席扱いになることで、内申への影響や進路への不安を軽減できます。
学習面でのサポートが充実している
不登校中、学習の遅れが心配になる保護者は多いのではないでしょうか。
フリースクールの多くは、個別の学習支援や理解度に合わせた学び方が用意されています。
そのため、学校に戻る場合や進学を目指す場合にも、子どものペースに合わせた学習計画を作れます。
ただし、フリースクールの中には学習に重きを置かない方針のところもある点に注意が必要です。
また、子どもの心の傷が深い場合、学習サポートが得意なフリースクールより、心のケアや安心できる居場所として、子どもの休息を最優先にできるフリースクールの方が適している場合もあります。
いじめによる不登校中のフリースクール選びのポイント
フリースクールといっても、居場所型・学校復帰型など様々な種類があります。
しかし大切なのは、いじめで傷付いている子どもが安心して過ごせる環境が整っているかどうかです。
ここでは、フリースクールの後悔しない選び方のポイントを詳しく解説します。
【いじめによる不登校中のフリースクール選びのポイント】
- 常に子どもに目が届く環境が整っていること
- いじめ防止の仕組みが明確にされていること
- 個別サポートがしっかりしていること
- 費用・通学距離・運営体制のバランスが合っていること
フリースクールとは?メリット・デメリットや種類・出席扱いの有無・費用を徹底解説!
常に子どもに目が届く環境が整っていること
いじめを経験した子どもは、人への不信感や強い不安を抱えていることが多く、安心して過ごせる環境が何よりも大切です。
フリースクールは少人数で運営されることが多く、スタッフが子どもの表情や変化に気づきやすい点が特徴。
自治体のガイドラインでも、安全な施設環境と丁寧な見守り体制が必要とされています。
参照:今治市「「愛と心をつなぐ不登校対策事業」におけるフリースクールの選定に係るガイドライン」
まずは子どもが安心して利用できるか、スタッフの人数は十分か、しっかり子どもを見守れる環境かどうかを確認しましょう。
いじめ防止の仕組みが明確にされていること
いじめが理由で学校に行けなくなった子どもには、「ここでは同じ思いをしない」という安心感が必要です。
多くのフリースクールでは、いじめを許さない方針が共有され、子ども同士の違いを尊重する環境づくりが行われています。
また、いじめ防止のルールが明確化されていたり、子ども同士の関わりにスタッフが常に目を配るので、人間関係に不安を抱えた子どもが再び安心して人と関われるようになるための環境が整っています。
ただし、フリースクールだからといって必ずいじめが起こらないわけではありません。
万一に備えて、いじめ防止ルール、トラブル時の対応ルールなどが明確になっているフリースクールを選ぶと安心です。
個別サポートがしっかりしていること
いじめによる不登校の場合、心の負担と学習の遅れの両方に対応できるサポートが大切です。
まず、心理カウンセラーなどの専門家との連携サポートで、子ども一人ひとりに合わせた心のケアができるのか確認しましょう。
また、「復学しても勉強についていけないのでは…」など学習の遅れによるプレッシャーで子どもが負担に感じないよう、子どものペースで学べる個別学習に対応しているかも確認すると良いです。
まずは心の回復を最優先にし、学習の意欲がわいた時にスムーズに対応できます。
費用・通学距離・運営体制のバランスが合っていること
いじめを経験した子どもは、新しい場所に移るだけでも大きな負担がかかります。
そのため、無理なく通える距離や環境であることが大切です。
フリースクールは民間運営が多く、費用や運営体制に差がありますので、長期的に通えるかどうかも確認すると安心です。
また、学校と連携し「出席扱い」にできる施設かどうかも、後々の進路を考えるうえで重要なポイントです。
フリースクールを比較する際のポイントを以下にまとめましたので、参考にしてください。
| 比較ポイント | チェックポイント |
|---|---|
| 費用 | 入会金・月謝・追加費用は明確か |
| 通学距離 | 子どもが負担なく通える距離か |
| 運営体制 | 施設の運営実績や安定性 |
| 出席扱い | 学校との連携実績があるか |
なお、近年はオンライン型フリースクールも増えており、外にでることが難しい子どもにおすすめです。
いじめによる不登校でフリースクールに行く時の注意点
いじめが理由で不登校になった場合、次にどの環境へ進むかは子どもにとって大きな負担になることがあります。
フリースクールは傷ついた心を休めるために効果的な選択肢ですが、すべての子どもに適しているわけでもありません。
事前にフリースクールの注意点やデメリットを把握して、子どもの負担を最小限にしましょう。
【いじめによる不登校でフリースクールに行く時の注意点】
- 子どもを無理に通わせない
- フリースクールでもいじめが起きる場合がある
- フリースクールによって質に差がある
不登校で支援を受けるメリット!再び登校できるようになります!
子どもを無理に通わせない
いじめを受けた子どもは強い不安や心身の疲れを抱えているため、まずは「無理をさせないこと」が大切です。
国の基本方針でも、不登校の支援は「登校だけを目標にしない」ことが明確に示されています。(参照:文部科学省より)
不登校の時期には、休養や気持ちを整理する時間が必要になる場合があります。
状況に応じて、自宅訪問やオンラインで関われる支援があるフリースクールを選ぶと、子どもの負担を減らしてスタートできます。
フリースクールでもいじめが起きる場合がある
フリースクールは学校よりもいじめのリスクが低いと言われていますが、どんな場所でも人が集まればトラブルの可能性はあります。
人数が増えるほど人間関係が複雑になり、スタッフの目が届きにくくなる点は学校と同じです。
そのため、いじめを防ぐためのルールや、トラブルが起きたときの対応がしっかり決まっているかを確認することが大切です。
理念に「違いを尊重すること」が明確に書かれている施設は安心感があります。
フリースクールによって質に差がある
フリースクールは民間運営が多く、費用・スタッフの専門性・運営方針などに大きな違いがあります。
公的な基準が統一されていないため、運営体制や学習支援の内容を事前に確認することが重要です。
費用の説明が明確かどうかや、スタッフが不登校支援に詳しいかどうかは、安心して通えるかを判断するうえで重要なポイントになります。
また、見学や相談を通して、子どもの様子に合った環境かどうかを実際に確かめることが大切です。
【いじめによる不登校】フリースクールに通う子どもとの接し方
いじめが原因で不登校になった子どもは、強い不安や自己否定の気持ちを抱えていることが多く、家庭での関わり方が回復の大きな支えになります。
ここでは、子どもとの接し方において大切なポイントをまとめました。
【【いじめによる不登校】フリースクールに通う子どもとの接し方】
- 安心感を与える声掛けを意識する
- 子どもの回復を最優先に考える
- 親が避けるべきNG行動を知っておく
不登校になる原因ランキング10選│原因がわからないときの対処法を解説!
安心感を与える声掛けを意識する
いじめを経験した子どもは、「自分は悪い」と感じたり、罪悪感を抱えたりしやすい傾向があります。
そのため、「なんで学校に行かないの?」など理由を問い詰めるのではなく、「そうなんだね」「今はどんな気持ち?」など穏やかに話を聞いたり、子どもの気持ちを肯定してあげることがポイントです。
子どもの気持ちに寄り添う言葉をかけることで、子どもは安心して本音を話しやすくなります。
否定的な言葉やアドバイスは避け、子どものペースを尊重する声掛けを意識しましょう。
子どもの回復を最優先に考える
いじめの被害を受けた子どもは特に休む時間が必要であると、教育機会確保法でも明確にされています。
まずは安心できる環境を整え、心が回復することを優先させましょう。
焦って登校を促すようなことはせず、日々の小さな変化を尊重にしながら見守ることが大切です。
親が避けるべきNG行動を知っておく
いじめでつらい経験をした子どもを責めたり、追い詰めるような言動は必ず避けましょう。
具体的なNG言動を以下にまとめましたので、子どもとの接し方に悩んでいる方は参考にしてください。
| NGな言動 | 具体例 |
|---|---|
| 子どもを責めたり否定する | 「どうして学校に行かないの?」 「行けないのは甘えているだけでは?」 「みんな頑張っているのに、あなたはどうしてできないの?」 「いじめられる方にも原因があるんじゃない?」 |
| 子どもの気持ちを軽く扱う | 「そんなの気にしなくていいよ」 「考えすぎだよ」 「そのくらいのこと、誰にでもあるよ」 |
| 追い詰めてしまう | 「明日は絶対に学校に行こうね」 「勉強が遅れるから早く行かないと」 「フリースクールでもいいから、とにかくどこかに行って」 |
| 子どもの発言や行動を否定する | 話を最後まで聞かずに「それは違う」と断言する 子どもが話している途中で意見をかぶせる 泣いたり落ち込んでいる様子を見て「しっかりしなさい」と叱る |
| 親の意見・アドバイスを押し付ける | 「こうすればいいじゃない」 「あの子と仲直りしたら?」 「嫌なことがあったら先生に言えばいいでしょ?」 |
| 兄弟や他の子と比較する | 「お兄ちゃんはちゃんと行っていたよ」 「同級生はみんな学校に行っているよ」 |
| 親の不安が伝わってしまう言動をする | 大きなため息をつく イライラした態度を見せる 子どもに聞こえる場所で「どうしたらいいの…」と不安を吐き出す 無表情・無会話の時間が続く |
親の不安や焦りは子どもに伝わりやすく、家庭の雰囲気にも影響します。
親自身も自分を責めすぎず、必要に応じて支援を受けながら子どもをサポートすることが大切です。
いじめによる不登校・フリースクールに関するよくある質問
「いじめが原因で不登校になった子どもにフリースクールは合う?」など、よくある質問に回答しました。
【いじめによる不登校・フリースクールに関するよくある質問】
- いじめが原因の不登校の子どもにフリースクールは効果がある?
- 不登校中のフリースクールは登校扱いされる?
- フリースクールに問題点・デメリットはある?
不登校あるある15選!不登校の方にしてはいけないNG行動あるあるも紹介!
いじめが原因の不登校の子どもにフリースクールは効果がある?
フリースクールは少人数で過ごせるため、人間関係の不安が強い子どもでも安心しやすい環境です。
文科省の基本指針でも「学校以外の学びが有効」と示されており、休養と回復の場として効果が期待できます。
少人数制なのでスタッフの目が行き届きやすく、強制がない環境で自分のペースを取り戻せる点が、いじめで傷ついた子どもの回復につながります。
不登校中のフリースクールは登校扱いされる?
条件を満たせば、在籍校の校長判断で「出席扱い」になります。
学校とフリースクール、保護者の連携が必須ですので、フリースクール選びの際は学校との連携実績を確認しておくと安心です。
フリースクールに問題点・デメリットはある?
フリースクールは民間運営のため、費用・支援内容・スタッフの専門性に差がある点がデメリットと言えます。
見学や説明会を通じて、子どもの状態に合った施設かどうかを事前に確認することが大切です。
なお、フリースクールだからといっていじめの可能性は0ではない点にも注意してください。
いじめが原因の不登校にはフリースクールの利用を検討しよう
いじめが理由で学校に行けなくなった子どもには、まず安心して過ごせる環境と心身を回復させる時間が必要です。
フリースクールは、国の方針でも認められている「学校以外の学びの場」として、不安の少ない環境で学習と心のケアを両立できる施設です。
子どもの状態に合った支援が受けられるフリースクールを選ぶことで、回復に向けた一歩を無理なく踏み出すことができます。



