フリースクールで不登校対策できる?効果やメリット・デメリットを解説 更新時間 2025.11.27
子どもの不登校が続くと、「このままで大丈夫なのか」「家庭だけで支えるのは限界…」と不安を抱える保護者の方は少なくありません。
文部科学省によると、不登校児童の数は過去最多の約35万人で、1年以上も不登校の状態が続いている子どもは7割を超えます。
参照:文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」
そんな中で注目されているのが、子どもの居場所と学びを支えるフリースクールです。
フリースクールでは不登校対策として、子どものメンタルケア・学習支援・学校との連携など、様々なサポートを行っています。
この記事では、フリースクールの不登校対策が効果がある理由や、フリースクールが向いている子どもの特徴を詳しく解説します。
また、フリースクールのメリットやデメリット、費用についてもあわせて解説しますので、フリースクールを検討中の方はぜひ最後まで読んでください。
フリースクールの不登校対策は効果がある理由
フリースクールは不登校の子どもを対象に、民間の団体・施設による学校以外の学びの場です。
「学校に行けない子の居場所」として注目されますが、単なる居場所提供に留まらず、心理面・学習面・社会面の総合的な支援によって不登校改善に効果を発揮する点が特徴。
実際、不登校中の子どもで「早く学校に戻りたい」と思う子どもは3割弱います。
参照:文部科学省「令和2年度不登校児童生徒の実態調査 結果の概要」
フリースクールは学校のような集団生活が負担になっている子どもにとっては、過度なプレッシャーを感じずに安心して過ごせる環境が整っています。
また、フリースクールは民間施設であるがゆえに、個々の子どもの状況に合わせた柔軟な支援ができるのも強み。
学校では対応しきれない部分を補い、子どもが「もう一度、学びたい」「生活リズムを整えたい」と思える土台づくりが可能になります。
ここでは、なぜフリースクールの不登校対策が効果的なのか、4つの理由を詳しく解説します。
【フリースクールの不登校対策は効果がある理由】
- 心のケアでメンタル面を改善するから
- 学習支援で学校復帰をサポートするから
- 学校との連携で出席扱いにできるから
- 社会性を育てるから
フリースクールの基礎知識を教えて!入学までの手順・費用・選び方まで徹底解説
心のケアでメンタル面を改善するから
不登校の多くは「怠け」ではなく、環境要因やストレス、自尊心の低下、学校での人間関係など、心理的な負担が大きな原因になっています。
そのため、まず必要なのは「心が安心できる場所に身を置くこと」です。
フリースクールでは、次のような心のケアが行われています。
- 子どもの気持ちを尊重したコミュニケーション
- 無理に登校を促さない関わり
- 安心できる少人数の環境
- スタッフによる日常的な相談・カウンセリング
- 失敗を責められない空気づくり
学校以外の安心できる環境で過ごすことで緊張状態がほぐれ、意欲や好奇心が自然と回復しやすくなります。
「学校に行かなければならない」というプレッシャーから解放されることで、自己肯定感が育ち、結果的に学校復帰や次のステップにつながりやすくなるのです。
学習支援で学校復帰をサポートするから
不登校期間が長くなるにつれ、多くの保護者が不安に感じるのが学習の遅れです。
しかし学習支援にも力を入れているフリースクールは多く、以下のような方法で子どもの負担を軽減しています。
- 個別指導や少人数指導による無理のない学習環境
- 子どもの学力や理解度に合わせた教材選び
- 学校の授業に戻りやすい基礎学力づくり
- オンライン学習やICT教材を併用した学習
学習面のつまずきを解消することで、子どもが「もう一度、学校に戻れるかもしれない」という自信を持てるようになります。
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学校との連携で出席扱いにできるから
近年は文部科学省の通知により、一定の要件を満たした場合に、フリースクール等の民間施設での学習活動が「出席扱い」と認められるケースが増えています。
フリースクールと学校側で連携を取ることで、以下のメリットが得られます。
- 出席日数にカウントされるため進級・進学で不利にならない
- 不登校による内申への影響を最小限にできる
- 学校復帰への心理的ハードルが下がる
- 学校と子どもをつなぐ「橋渡し役」として機能する
連携に積極的なフリースクールを選べば、子どもの負担を減らしつつ、スムーズな復帰につながります。
なお、すべてのフリースクールが出席扱いになるわけではありませんので、学校とスクール側の連携・活動内容の確認などが必要です。
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社会性を育てるから
不登校が長引くと「他者と関わる機会」が減り、社会性の育成に不安を感じる保護者も少なくありません。
しかし、フリースクールは学校ほど大人数ではなく、ちょうど良い距離感で人と関われる環境が整っています。
以下のように多様な活動があるため、「大人数はしんどいけど、少人数なら関われる」という子どもにはピッタリです。
- グループ活動
- 創作・運動・ゲームなどの体験
- ボランティアや地域活動
- 年齢の異なる子との交流
学校で感じたストレスの原因を避けつつ、人と関わる喜びや楽しさを思い出せるため、社会性を効果的に育てられます。
フリースクールでの不登校対策が向いている子どもの特徴
文部科学省の調査では、不登校になる原因で最も多いのが「先生のこと」「身体の不調」「生活リズムの乱れ」で、その他にもいじめ・人間関係・学習の遅れなど様々なことが影響しています。
参照:文部科学省「令和2年度不登校児童生徒の実態調査 結果の概要」
フリースクールでは、学校とは違う環境で過ごすことでストレスを和らげ、再び社会とつながるきっかけをつくれます。
ここでは、フリースクールが向いている子どもの特徴を詳しく解説するので、お子さまの状態に当てはまる部分があるか参考にしてください。
【フリースクールでの不登校対策が向いている子どもの特徴】
- 学校環境に強いストレスを感じている子ども
- 学校に行けない・行きたくない子ども
- 学校以外の環境であれば人と関われる子ども
- 学校の授業ペースがつらい子ども
- 心を休める居場所が必要な子ども
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学校環境に強いストレスを感じている子ども
学校での集団生活やクラスの雰囲気、先生との関係、課題の多さなど、学校環境そのものがストレスになっているケースは少なくありません。
こうしたストレスが積み重なると、体調不良や朝起きられない、涙が止まらないなどのサインが出てしまうこともあります。
フリースクールは以下の特徴があるため、学校では緊張や不安が大きい子でも安心しやすい環境です。
- 少人数で過ごせる
- 自分のペースで参加できる
- 過度な指示や評価が少ない
- 子どもの気持ちを尊重する雰囲気がある
「学校に行けば体調が悪くなる」「ストレスで表情が固い」などの状況が見られる場合、フリースクールで心身の負担を軽減するのが向いています。
学校に行けない・行きたくない子ども
不登校の理由は一人ひとり異なりますが、以下のような状態が続く場合、まず「安心して過ごせる場所」を確保することが大切です。
- 朝になると体が動かない
- 校門に近づくと涙が出る
- 学校に入ると強い不安に襲われる
- 「行かなきゃ」と思っても心がついていかない
フリースクールは学校のように登校義務がないため、子どもの状態に合わせて通う頻度や滞在時間を調整できます。
「今日はいけるところまで」「まずは午前だけ」といった柔軟な調整ができるため、無理なく生活リズムを整えやすいです。
学校以外の環境であれば人と関われる子ども
不登校の子ども全員が「誰とも関わりたくない」わけではありません。
むしろ、学校環境に合わないだけで、場所や相手が変われば笑顔になれる子も多いです。
以下のようなタイプの子どもは、フリースクールの雰囲気と非常に相性が良いです。
- 同年代の子とは緊張するが、年齢の離れた子や大人とは話せる
- 学校のクラスは苦手だが、好きな活動では積極的になる
- 少人数なら他者と安心して関われる
フリースクールは学校よりも人間関係のストレスが少なく、無理のない範囲で対話や共同活動に参加できます。
「人と関わるのは好きだったんだ」と再確認できることも多く、社会性の回復にもつながります。
学校の授業ペースがつらい子ども
学校は決められた時間割と一斉授業が基本です。
しかし自身のペースと合わず、「授業についていけない」「長時間座り続けるのがつらい」「失敗を恐れて発言できない」などのストレスを抱える子どももいます。
一方でフリースクールは個別指導を採用しているところが多く、子どもの理解度と性格に合わせて柔軟に学習進度を調整できます。
また、興味に合わせた学習を取り入れたり、学校復帰を目指して学び直しをすることも可能です。
フリースクールであれば、「勉強が苦手だから学校がつらい」という子どもも、学習のハードルを下げることで自己肯定感を回復できるでしょう。
心を休める居場所が必要な子ども
学校復帰がゴールのフリースクールばかりではありません。
不登校の背景には、目には見えにくい心の疲れが隠れていることが少なくないです。
「まず心を整えること」が必要な子は、以下のような環境が整っているフリースクールが向いています。
- ソファでゆっくり過ごせる
- 好きな活動だけ参加する
- 無理に予定をこなさなくていい
- 子どものペースを尊重してくれるスタッフがいる
フリースクールが子どもにとって安心して過ごせる居場所になることで、徐々に心の疲れが回復していきます。
フリースクールで不登校対策をするメリット
フリースクールは、学校以外の「安心できる学びの場」として多くの子どもを支えています。
学校では難しかった関わり方や学習方法が可能になり、無理のないペースで自信を取り戻せる点が大きな特徴です。
ここでは、フリースクールの主な3つのメリットを紹介します。
【フリースクールで不登校対策をするメリット】
- 子どもが安心して過ごせる
- 個人のペースで学習できる
- 学校復帰の意欲が高まる
不登校で支援を受けるメリット!再び登校できるようになります!
子どもが安心して過ごせる
フリースクールは学校のようなプレッシャーが少なく、子どもの気持ちを尊重した環境が整っています。
少人数で過ごせるため人間関係の負担が軽く、緊張や不安が和らぎやすい点も魅力です。
実際、文部科学省の調査ではフリースクールの約4割が生徒数1~5人の少人数制で、約6割がスタッフの人数1~5人で運営しています。
参照:文部科学省「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」
生徒数とスタッフ数のバランスが取れているため、子ども一人ひとりに合わせたきめ細やかなサポートが可能です。
「ここなら大丈夫」と思える場所ができることで、心の回復がスムーズに進みます。
個人のペースで学習できる
フリースクールでは、子どもの理解度や体調に合わせて学習を進められます。
分からない部分を個別に教えてもらえるため、学習のつまずきが解消しやすいのが特徴です。
実際、9割弱のフリースクールが個人での学習サポートをしています。
参照:文部科学省「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」
無理なく続けられるペースが選べることで、「できた」という成功体験を積みやすくなります。
学校復帰の意欲が高まる
安心して過ごせる環境と学習サポートが整うことで、子どもに「また学校に戻りたい」という気持ちが自然に生まれやすくなります。
学校と比べると負担が軽いため、少しずつ対人関係や生活リズムを取り戻す練習にもなる点もメリットです。
「前よりも自信がついた」と前向きになることで、復帰後の学校生活をイメージしやすくなります。
フリースクールで不登校対策をするデメリット
フリースクールには多くのメリットがありますが、利用前に知っておきたい注意点も存在します。
中でも費用や制度面は家庭への影響が大きいため、事前の確認が欠かせません。
ここでは注意すべきデメリットを詳しく解説します。
【フリースクールで不登校対策をするデメリット】
- 費用面の負担が大きい
- 出席扱いされない場合がある
- 学校復帰が目的ではないフリースクールもある
費用面の負担が大きい
フリースクールは民間施設であるため授業料や入会金が必要になり、公立学校より負担が増える傾向があります。
文部科学省の調査では、授業料の月額負担の平均額は約3.3万円、入学金の平均額は約5.3万円です。
参照:文部科学省「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」
ただし、フリースクールによって活動内容が大きく異なり、月額費用が数万円〜数十万円になるケースもあります。
長期間利用すると家計への影響が大きくなるため、利用前には料金体系や追加費用の有無をしっかり確認しておくことが大切です。
出席扱いされない場合がある
フリースクールでの活動が出席扱いになるケースは増えているものの、すべての施設で必ず認められるわけではありません。
文部科学省の調査によると、実際に出席扱いとなった生徒数は約4万人で、不登校児童数約35万人に対して非常に少ないです。
参照:文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」
出席扱いが認められるためには、学校とフリースクールの連携が必須です。
そのため、出席扱いを希望する場合は、学校とフリースクール両方に確認することが重要です。
学校復帰が目的ではないフリースクールもある
フリースクールには「学校復帰」を重視するスクールと、「無理に戻さず、子どものペースを大切にする」ことを目的にしたスクールがあります。
そもそも、不登校は「問題行動ではない」と教育機会確保法で明記されており、学校復帰をゴールとしないフリースクールは多いです。
そのため、「学校に戻れればいい」と考えている家庭と、スクール側の方針が合わないミスマッチが生じることがあります。
目的の違いによるミスマッチを避けるなら、事前見学や説明会に必ず参加しておきましょう。
フリースクールの不登校対策に関してよくある質問
フリースクールの不登校対策について、よくある質問に回答しました。
【フリースクールの不登校対策に関してよくある質問】
- フリースクールではどんな不登校対策をしてもらえる?
- 子どもの不登校対策で親が注意することは?
- フリースクールで本当に学校復帰できる?
フリースクールではどんな不登校対策をしてもらえる?
フリースクールでは、メンタル面のサポート、学習支援、生活リズムの改善、社会性の育成など、多角的な不登校対策が行われます。
スタッフやカウンセラーが子どもの気持ちに寄り添い、安心できる環境づくりを重視しているのが特徴です。
また、学校と連携して出席扱いを支援したり、学校復帰に向けて段階的にステップアップするサポートも受けられます。
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子どもの不登校対策で親が注意することは?
親が最も注意したいのは、「子どもを無理に動かそうとしないこと」です。
子どもが安心できる環境やペースを尊重し、変化を焦らずに見守る姿勢が大切です。
また、家庭内で否定的な言葉を避け、できたことを積極的に認めてあげることで、心の回復がよりスムーズになります。
必要に応じて学校や専門機関に相談し、親だけで抱え込まないことも重要なポイントです。
フリースクールで本当に学校復帰できる?
多くのフリースクールでは、学校生活に戻れるようサポート体制が整っています。
安心できる環境で過ごしながら学習面や生活リズムを整えることで、徐々に自信を取り戻す子どもも少なくありません。
ただし、学校復帰を目指すかどうかは子どもの状態によって異なり、必ずしも復帰が目的ではないスクールもあります。
文部科学省の調査によると、不登校児童約35万人に対し1~1ヶ月半程度で学校復帰した子どもと、1ヶ月半~3ヶ月程度で学校復帰した子どもはどちらも2割程度です。
一方で、3ヶ月以上不登校の状態が続いている子どもは5割を超えています。
参照:文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」
復帰を希望する場合は、「学校復帰支援」に力を入れているフリースクールを選びましょう。
フリースクールは不登校対策に効果がある!
フリースクールとは、学校とは異なる安心できる環境で、子どもの心の回復や学習の立て直しをサポートしてくれる場です。
心理面・学習面・社会性の育成など多面的な支援を受けられるため、不登校改善の大きなきっかけになるケースも少なくありません。
また、子どもの状態に合わせて柔軟に通えること、学校との連携により出席扱いが可能な場合があることなど、家庭にとってもメリットは多岐にわたります。
一方で、費用やスクールごとの方針の違いを確認する必要があるため、「どのフリースクールが子どもに合うか」を丁寧に見極めることが大切です。
不登校は決して珍しいことではなく、できる対策も1つではありません。
その子らしく安心して過ごせる場所を選び、焦らず、少しずつ前へ進んでいくことが最も重要です。
フリースクールは、そのための強力なサポートとなる存在だと言えるでしょう。



