全日制高校から通信制高校への編入に不安な方必見!編入するメリットも紹介 更新時間 2024.11.26
毎日の登校がむずかしい方、学業以外にやりたいことがある方、働きながら高卒の資格を取りたい方は、通信制高校への編入を検討してみることも1つの方法です。
通信制高校は毎日登校する必要がなく、自宅での勉強が基本となる学習スタイルで、全日制高校と同じ「高校卒業資格」が取得できます。
ここでは、全日制高校から通信制高校に編入するときの注意点や、編入の流れを解説しています。
「通信制高校へ編入することって大変?」「編入でやるべきことが知りたい!」という方は、ぜひチェックしてみて下さい。
なお、通信制高校への転入・編入方法や時期、条件などについて知りたい人は以下の記事をご覧ください。
通信制高校へ編入を決める前によくある不安と解決策
通信制高校へ編入するかを決める前によくある不安と解決策をご紹介します。
- 通信制高校は落ちることがありますか?
- 通信制高校に入学すると人生終わりですか?
- 通信制高校に入ると困ることは何ですか?
- 通信制高校は卒業しやすいですか?
- 通信制高校に留年する人はどれぐらいですか?
- 通信制高校の学費はどれぐらいかかりますか?
通信制高校は落ちることがありますか?
通信制高校の入学試験は合格しやすい傾向にあります。
とはいえ、絶対に合格するわけではありません。
入学試験の内容としては書類審査や作文、面接などが多いです。
筆記試験を設けている学校は少ないという特徴があります。
面接では、学習意欲や態度が見られるため、真剣な様子で臨むことが大切です。
面接での態度や発言が学習意欲が感じられないと受け取られた場合に不合格となる可能性があります。
通信制高校への編入を成功させるためにも、通信制高校でしたいことや志望動機をしっかりと答えられるように準備しましょう。
通信制高校の試験を実際に体験してみた!面接や作文のコツを徹底解説
通信制高校に入学すると人生終わりですか?
通信制高校に入学することで人生終わりというわけではありません。
卒業生の進路を見ても、就職や大学進学の実績があります。
「通信制だから」といった偏見にとらわれる必要はありません。
通信制高校は自分のペースで学習できるため、目標達成に向けてしっかりと努力することが大切です。
通信制高校へ行ったら人生が終わり?成功する通信制高校の卒業の仕方
通信制高校に入ると困ることは何ですか?
通信制高校は、対面での授業が少ないため、友達を作る機会が少ないです。
とはいえ、通学頻度は学校により異なります。
また、行事やイベントが多い学校を選ぶことで友達を作るチャンスが増えます。
通信制高校は自己管理が大切です。
計画的に学習を進めるのが苦手な人は、サポート校を利用することも一つの方法となります。
通信制高校は卒業しやすいですか?
通信制高校の卒業要件は達成しやすいと感じる人も多いです。
通信制高校を卒業するのが簡単か難しく感じるかは人によります。
通信制高校を卒業するには、以下の条件を満たす必要があります。
項目 | 情報 |
---|---|
在籍期間 | 36か月以上 |
単位数 | 74単位以上 |
特別活動 | 30単位時間以上 |
自分のペースで学習を進められるため、計画的に取り組むことで卒業を目指せます。
通信制高校に留年する人はどれぐらいですか?
通信制高校は、単位制高校であることが一般的です。
学年制とは違うため、「留年」という概念がありません。
もし単位を取得できなかった場合は、翌年度に単位を取得する形となります。
3年以上の在籍と、必要な単位を取得することで卒業できます。
通信制高校にも留年ってあるの? 入学から卒業までの流れを解説!
通信制高校の学費はどれぐらいかかりますか?
通信制高校の学費は、公立と私立で大きく異なります。
通信制高校の公立と私立の学費の目安は以下のとおりです。
項目 | 情報 |
---|---|
公立 | 年間4万円程度 |
私立 | 年間20万~60万円程度 |
また、自治体や学校によっては学費の免除や補助制度を利用できる場合があります。
特に私立通信制高校の費用が負担に感じられる場合は、学費免除制度を活用するとよいでしょう。
通信制高校への編入前の不安を無くすために確認しておきたいこと
全日制高校から通信制高校へ編入する際は、以下の5つに注意して志望校を決めましょう。
- 行きたい通信制高校が狭域か広域か
- 行きたい通信制高校が公立か私立か
- 編入に必要な条件を満たしているか
- 編入できる時期はいつか
- 1年間で習得できる単位の上限はいくつか
ではそれぞれの注意点について、詳しく解説していきます。
行きたい通信制高校が狭域か広域か
まずは、自分が行きたい高校が住んでいる地域の通学範囲かを確認しましょう。
通信制高校にも、小・中学校にあるような「学区」が存在します。
公立通信制高校は、地方公共団体の住民が対象であるため、学区が制限されていることがほとんどです。(近年は学区制を廃止している都道府県が増えつつあります)
公立は都道府県内に1〜3校ほどしかなく、入学条件は「学校と同じ都道府県に居住する人か勤務する人」に限られます。
一方で、私立には全国から生徒を募集する「広域」の通信制高校と、通学範囲が限定された「狭域」の通信制高校があります。
狭域の通信制高校は、本校がある都道府県の周辺地域からの生徒を対象に入学を受け入れていたり、関東エリアや関西エリアなど広い範囲で生徒を募集しています。
自分が住んでいるエリアによっては入学できない学校もあるので、希望する学校がどのタイプかを調べておくことが重要です。
行きたい通信制高校が公立か私立か
公立の通信制高校は「通信教育」が基本なので、年間4〜5万円ほどの学費で入学可能です。
一方で私立の平均学費は20万〜100万円ほどとなっており、選択するコースや登校日数によって費用が大きく異なります。
公立と私立は学費に開きがある分、学習スタイルや設備、学べる内容などにも差が生じます。
例えば、私立ではネットを活用したオンライン授業や、好きな時間に視聴できる動画授業を備えています。
レポート提出もメールやアプリで完結するため、手間がかからないのがメリットです。
一方、公立ではレポートを郵送しなければならず、「気づいたら提出期限を過ぎていた!」ということも珍しくないです。
また私立ではファッションや美容、トリマー、介護士、調理師などの資格が取れるコースや、大学受験に特化した進学クラスも用意されています。
学費の安い公立を選ぶか、設備や専門コースが充実した私立を選ぶか、親御さんも交えて話し合ってみましょう。
編入に必要な条件を満たしているか
志望校へ出願する前に、志願先へ単位照合のお願いをしましょう。
転入や編入は、どの学校にでも出願できるわけではなく、全日制高校で習得済みの単位と、編入したい学校のカリキュラムなどを照合し、入学が可能かどうかを確認しなくてはなりません。
そして志望校の校長に認められた場合にのみ、出願が可能になります。
編入できる時期はいつか
転入や編入ができる時期は、志望する学校ごとに異なります。
公立の通信制高校では年に1回(4月)、もしくは年2回(4月・10月)のみ転入・編入学を受け入れているのが一般的です。
一方で私立の場合、以下のように随時受け入れていることも多く、学校ごとに確認が必要になります。
学校 | 転入時期 | 編入時期 |
---|---|---|
ヒューマンキャンパス高等学校 | 4月〜12月まで毎月1日 | 随時(おもに4月・10月) |
ルネサンス高等学校 | 随時 | 4月・7月・10月・1月 |
鹿島学園高等学校 | 臨時 | 臨時 |
N高等学校 | 応相談(ネットコースは随時) | 4月・7月・10月・1月 |
1年間で習得できる単位の上限はいくつか
あらかじめ志望校を絞り込んだら、「単位修得上限」も確認しましょう。
単位修得上限とは、1年間に習得できる単位数の上限のことで、学校ごとに異なります。
基本的には「25〜30単位」で設定されていることが多く、学校ごとに取り決められています。
全日制高校で習得した単位を確認した上で、卒業に必要な74単位を何年で習得できるかをチェックしておきましょう。
通信制高校に編入するメリットは?
通信制高校に編入することのメリットについて以下の5つご紹介します。
- 高校卒業資格が取得できる
- 大学進学を目指せる
- 自分に合った方法で学習を進められる
- 新しい環境で挑戦できる
- 自分の夢に向かって進める
高校卒業資格が取得できる
通信制高校を卒業することで、全日制高校と同等の高校卒業資格を取得できます。
就職活動においても不利になることはありません。
通信制高校を卒業することで得た高校卒業資格は、就職に役立つはずです。
全日制高校が合わなかった人でも、自宅で自分のペースで学習できる通信制高校の場合は卒業できる可能性があります。
高校卒業資格を取得することで、就職に活かしたり大学進学を目指せたりします。
大学進学を目指せる
通信制高校では、自分のペースで学習を進めながら大学進学を目指せる学校です。
進学支援プログラムや受験対策講座が用意されている通信制高校もあります。
さらに、指定校推薦の枠を活用できる学校もあります。
全日制高校と同じように大学進学を目指すことが可能です。
通信制高校でも大学進学はできる?大学進学に強いおすすめ通信制高校!
自分に合った方法で学習を進められる
通信制高校は、基本的に自宅での学習で単位を取得します。
スクーリング日には学校に通う必要があります。
また、学校によっては登校日数を調整できることが通信制高校の特徴です。
健康上の理由や家庭の事情がある場合でも自宅で学習を進められます。
また、時間を効率的に使い、専門知識を身につけたり、興味のある分野を深く学んだりすることも可能です。
自分のライフスタイルや目的に合わせた学習ができるというメリットがあります。
新しい環境で挑戦できる
全日制高校から通信制高校への編入することは、新しい環境で再スタートを切る良い機会になります。
今までの学習環境が合わなかった人でも、自分に合ったカリキュラムを選べる通信制高校の場合は、学ぶ意欲を持ちやすくなるはずです。
通信制高校はさまざまな学校から選べるため、自分に合った学習内容や環境などを見つけやすい点もメリットとなります。
自分の夢に向かって進める
通信制高校は、自分のペースで学習できるため時間を確保しやすいことが特徴です。
アスリートや芸術家、音楽家などで活躍したい人々も在籍しています。
学校の授業時間に縛られず、学習を進められるため練習などに使う時間を確保できます。
また、専門的なコースやカリキュラムを持つ学校もあります。
ビジネスやプログラミング、美容など、全日制高校では学べないカリキュラムを提供しているというメリットもあります。
通信制高校は、夢の実現に向けた最適な選択肢となる可能性があります。
全日制高校から通信制高校へ編入する流れ
全日制高校から通信制高校へ編入する流れを、以下の6ステップにまとめました。
STEP1 志望校を決める
STEP2 志望校へ単位照合を依頼する
STEP3 在籍していた学校へ書類発行の依頼をする
STEP4 志望校へ願書を提出する
STEP5 編入試験を受ける
STEP6 試験に合格したら編入手続きを行う
ここを押さえておけば、編入の手続きをスムーズに行うことができるでしょう。
STEP1 志望校を決める
まずは志望校を決めるのが第一ステージです。
気になった学校に資料請求をして、学校方針や学習内容、コース、学費などを調べましょう。時間に余裕があれば、学校説明会や体験授業に参加するのも良い方法です。
学校の雰囲気を肌で感じることで、入学したあとのミスマッチを減らせます。
STEP2 志望校へ単位照合を依頼する
行きたい学校を絞ったら、志望校に単位照合を依頼します。
これまで習得した単位が無駄にならないよう、また編入が可能かどうかも合わせて確認してみましょう。
STEP3 在籍していた学校へ書類発行の依頼をする
学校ごとに若干違いはありますが、編入にあたっては以下の書類が必要です。
願書の提出タイミングに合わせて、以前の高校に連絡をとり用意してもらいましょう。
1. 成績証明書
2. 単位修得証明書
3. 在籍証明書
学校ごとに指定の書式を設けている場合がありますので、事前に志望校へ確認した上で、在籍していた学校へ依頼してください。
STEP4 志望校へ願書を提出する
志望校から願書を取り寄せたら、証明写真を添付して提出しましょう。
保護者が書いても、本人が書いても問題ありません。
ただし不備や誤字・脱字がないよう、二重チェックをすることをおすすめします。
また願書と合わせて、作文の提出が求められる学校もあります。
作文のテーマは志望動機や抱負などが一般的で、300字〜400字くらいのボリュームが一般的です。
STEP5 編入試験を受ける
通信制高校の入学試験では、面接や書類選考を行うケースが多く、学力試験がない学校もあります。
また当日提示されたテーマに沿って、試験会場で作文を書く場合もあるようです。
面接では、髪型や服装などのマナーに注意しましょう。
服装については、中学時代や全日制高校の制服、もしくはスーツを着用しておけば問題ありません。
通信制高校の校則は全日制高校ほど厳しくありませんが、ピアスやネイル、髪の色には注意して、当日を迎えるようにしてください。
STEP6 試験に合格したら編入手続きを行う
入試の結果は、1週間ほどで届きます。
編入試験をパスしたら、期日までに入学の手続きを行いましょう。
手続きがすべて完了したら、晴れて通信制高校の生徒です。
通信制高校での生活についてより詳しく知りたい人は、 【通信制高校にも留年ってあるの? 入学から卒業までの流れを解説!】 を読んでみてくださいね。
全日制高校から通信制高校へ編入するのはむずかしい?
全日制高校から通信制高校へ編入するのは、どのくらいむずかしいのか気になりますよね。
実は、通信制高校は「学習したい!」という生徒を広く受け入れている学校なので、偏差値によって受験生を切り分けることはありません。
入学試験で不合格になることも滅多にないので、安心して挑戦してください。
通信制高校の入試は面接と作文のみでOK
通信制高校への編入がむずかしくない理由として、「学力テストがない」ことがあげられます。
また学力試験があったとしても、学力が足りないから不合格になることはほとんどありません。
あくまでも中学の基礎を理解しているか、どのくらいの学習レベルかを理解するためのツールとして活用しています。
面接と作文を重視する理由は、「通信制高校でどんなことを学びたいか」「どんな学校生活を送りたいか」を知るためです。
通信制高校への転入や編入はめずらしくない
平成29年に行われた文部科学省の調査によると、通信制高校に在籍している51%が転入学や編入学の生徒でした。
「こんな時期の編入って目立たないかな・・・」
「全日制高校を辞めた理由を聞かれたらどうしよう」
など不安を抱えている人でも、安心して、高校を移籍できます。
通信制高校に編入する理由は実にさまざまで、「学力不振」「人間関係」「病気・ケガ」「無気力」など。
この記事を見ている人の中にも、同じように何か悩みを抱えて全日制高校を中退した人が少なくないでしょう。
通信制高校は自分のペースで学習ができ、全日制高校を辞めた人が再度チャレンジできる環境が整えられています。
通信制高校についてより詳しく知りたい人は、 【通信制高校の豆知識が知りたい!どういう勉強をするの?】 を読んでみてくださいね。
全日制高校から通信制高校への編入はめずらしいことではない!
通信制高校の生徒数は21万人を超え、これからも増え続けると予想されています。
全日制高校から通信制高校に編入するのはめずらしいことではなくなり、進学先の新しい選択肢として人気を集めています。
ただし編入にはさまざまな問題や注意点があるので、志望校に確認をしてスムーズに編入できるよう準備しておきましょう。
通信制高校はレポート中心の自主学習で、自由度の高い学校生活を送れるのが魅力です。
また色んな分野を専門的に学べ、学業以外のことにも夢中になれる環境が整えられています。
通信制高校は学校ごとに特徴や強みが異なりますので、気になる学校はすべて資料請求して、たくさんの選択肢から自分に合った学校を選びましょう。