高校中退は絶対にだめ!デメリットだらけの進路から抜けだす方法 更新時間 2024.10.24
不登校や学業不振、病気、家庭の事情など、高校を中退する理由はさまざまです。
しかしどんな事情であれ、高校を中退したいと考えている人は、高校中退で生じるデメリットを知っておく必要があります。
高校を中退したあと、あなたの進路や就職はどのように決まっていくのでしょうか?
本記事では、高校中退後に生じるデメリットや、それを抜け出す方法について解説しています。
高校を辞めたい方はもちろん、すでに高校を中退している方も参考になる内容です。
高校を中退しても、あなたの人生は終わりではありません。
将来的に後悔しないよう、これから起こすべき行動を一緒に探してみましょう。
高校中退したら何をすればいいですか?中退後の進路や就職への影響などを解説高校中退で生じるデメリットとは?
高校の中途退学率はわずか1.1%ですが、人数にすると約35,000人が何らかの理由で高校を中退しています。
文部科学省の調査によると、中途退学に至るおもな原因は学校生活が合わない、学業に適応できない、進路変更などが多くを占めている現状です。
では、高校を中退することで生じるデメリットについて解説していきましょう。
中卒や高校中退は就職活動で苦労する
高校を中退して就職しようと考えている人も多いと思います。
とくに経済的な理由で中退を検討している方は、早く働いて稼ぎたいと思っているでしょう。
しかし高校中退者の場合、最終学歴は「中卒」になってしまうことをご存知でしょうか?
求人票をみれば分かる通り、今は「大卒以上」を求める企業が多く、中卒で応募できる企業はほとんどないのが現状です。
仕事を選り好みしなければ就職先はありますが、給料が極端に安かったり肉体労働だったりと、職業が限定されてしまうのがデメリットになります。
中卒者の就職先として多いのが、サービス業や小売業、介護職など、人手不足や肉体労働と呼ばれる職業です。
「公務員になりたい」「大企業で活躍したい」という目標があっても、学歴がひっかかって求人に応募できないという現実が待っているでしょう。
経歴に残る
なんといっても経歴に残ってしまうことが一番のデメリットではないでしょうか。
経歴というのはあとあと必ず響いてきます。
就職の際は、必ず大きなハンデになることを覚悟しておかなければなりません。
特に面接の際には、学歴をメインに聞いてくる企業も少なからずあります。
もちろん経歴が全てではないですが、将来を考えると重要になってきます。
中退してから今後の人生を後悔しないように、予め中退する場合はリスクをしっかりと知っておくべきです。
大学進学へのハードルが高くなる
高校を中退してしまうと、当然ながら大学に進学できません。
大学を受験するには、以下のいずれかの資格が必要です。
- 指定された専修学校の高等課程を修了した者
- 高等学校卒業程度認定試験(旧大検)に合格した者
- 高等学校もしくは中等教育学校を卒業した者
大学受験は何歳からでもチャレンジできますが、やはり現役の高校生と比べると受験勉強は困難になるでしょう。
「大学に行きたくなったら高卒認定に合格すれば問題ない」と思っている人もいますが、実は大きな落とし穴があります。
高卒認定は学力認定テストであって、高卒の資格取得にはなりません。
つまり大学受験に失敗したり、大学を中退したりすると「学歴は中卒のまま」ということです。
何だかんだ言っても、日本はまだ学歴重視社会。
条件のいい就職先の多くが、「大卒以上」の学力を求めていることを覚悟しておきましょう。
社会的地位が低い
中卒というだけで格下に見られたり、馬鹿にされたりするケースも少なくありません。
そんな相手を無視できるなら問題はありませんが、学歴は一生あなたにつきまとう問題です。
例えば中卒という理由だけで、交際相手の親に結婚を反対される人もたくさんいます。
中卒は、高卒や大卒と比べても給料が少なく、正社員になれる可能性も低くなってしまうため、親が不安になるのは仕方のないことでしょう。
世間的なイメージは決して良くなく、就職や結婚などのイベントで「学歴差別」にあうリスクも高くなります。
生涯年収が少なくなる
多くの場合、高校を中退することで、将来の収入が減少する可能性は高くなるでしょう。
中卒と高卒の生涯収入には、おおよそ2千万円の差があります。
この差額は小さいように感じられるかもしれませんが、このデータは定年まで正社員として働いた場合の収入を比較したものです。
実際には、高校中退者が正社員として働き続けるケースは限られており、年齢が上がるにつれて格差はさらに広がるでしょう。
現代は大卒であっても、正規雇用として採用されることは簡単ではありません。
最終学歴が中卒の場合、定年まで正社員として働ける会社に出会える確率は、明らかに低くなるでしょう。
キャリアアップが見込めない
学歴がない状態で就職しても、職業的な成長が難しいことがあります。
キャリアのステップアップや昇進が難しくなるため、満足度や達成感を感じづらくなるでしょう。
これは中卒に限らず、高卒でも言えることです。
実際に大企業では、いくら仕事ができても「高卒だから」という理由で出世レースから外れてしまう社員も少なくありません。
学歴が原因でキャリアパスが制限されてしまうことは、人生における大きなデメリットといっても過言ではないでしょう。
自己評価の低下
自己評価とは、「自分の性格や能力を自分自身で評価すること」です。
自分の能力を客観的に見つめることで、良い点や改善点に気付くことができます。
しかし自己評価は、ポジティブな要素だけではありません。
自分の成果を過小評価することで、自信を失うことがあるからです。
中でも高校中退という学歴は、「中卒だから」「他の人と比べて私は…」といった自己否定感を生む可能性もあります。
再就学の困難さ
一度学業を離れると、再び学校に戻ることは時間的・経済的にも困難を伴います。
新たなスケジュールの調整や学費の問題、学力の問題など、さまざまなハードルが存在します。
また全日制高校の場合は募集人数が少なく、倍率が高い狭き門です。
しかし、これだけ多くのデメリットがある中で、高校へ再入学するのは最善の選択と言えるでしょう。
高校を中退するべきか悩んでいる人は、「中退」という選択肢ではなく、別の高校への転入を考えるのがおすすめです。
新しいスキルのチャンスが奪われる
学校で得られる新しいスキルは、将来のキャリアに大きな影響を与える可能性があります。
しかし高校を中退すると、将来得られるはずだった新しい知識やスキルを逃してしまうことに。
また就職に役立つ資格を取得したくても、受検資格がないとチャレンジすらできません。
例えば、安定した職業の代表格である「公務員試験」の多くも、高卒以上または高卒程度の学力を証明できないと受験資格を得られないのが現実です。
高校中退を考えている方は、自分の将来を真剣に考えて行動するようにしましょう。
高校中退のデメリットから抜けだす方法
高校中退のままでいると、デメリットが多いことが理解できたと思います。
この状態を抜け出すには、「高校卒業の資格を取得する」の1択です。
さらに大学へ進学するか、就職するかは本人の希望次第ですが、ここでは以下の4パターンの進路プランをご紹介していきます。
- 1.通信制・定時制高校へ編入学して大学へ進学する
- 2.通信制高校で資格を取得して就職する
- 3.高卒認定取得から大学進学を目指す
- 4.全日制高校へ再入学する
すでに高校を中退している人も、まだまだ人生をやり直すチャンスがあります!
通信制・定時制高校へ編入学して大学へ進学する
高校中退という学歴を挽回するには、通信制高校や定時制高校に編入し、大学へ進学するのがおすすめの方法です。
ただし定時制高校の場合は入学できる時期が4月のみになってしまうため、来春を待たなくてはなりません。
通信制高校であれば、入学時期は4月に限定されておらず、学校によっては通年入学OKの高校もあります。
さらに編入学時の学力試験もなく、面接や作文のみで入学が決まるケースが多いです。
また通信制高校は年に数回の通学で高卒の資格が取得できるので、不登校だった生徒や働きながら高校を卒業したい人にも最適です。
「勉強が苦手」「今すぐ別の高校でやり直したい」という場合は、通信制高校へ編入することを検討してみましょう。
通信制高校で資格取得を目指す
通信制高校ではさまざまなカリキュラムを用意し、高校在学中に資格が取得できる専門コースがあります。
以下は、通信制高校で取得できる主な資格です。
- 調理師
- 美容師
- メイク、ネイリスト、エステテシャン等の美容系の資格
- プログラマー等のIT系の資格
- ビジネスマナー検定、電卓検定、簿記などのビジネス系資格
- トリマー、家庭犬トレーナー等のペット系の資格
- スポーツトレーナー
- 介護初任者研修
- 医療事務、調剤薬局事務などの医療系の資格
「高校卒業」と「将来に役立つ資格」を同時に取得し、周囲よりいち早く現場で活躍できるので、高校中退というハンデを払拭することができるでしょう。
高卒認定取得から大学進学を目指す
「もう高校へは通いたくないけど、大学には進学したい」という方は、高等学校卒業程度認定試験を受けて、大学進学の資格を取得する方法があります。
高卒認定試験は全部で8科目あり、すべてに合格しなくてはなりません。
しかし1度にすべて合格する必要はなく、合格した科目は「科目合格」として次の試験では免除されます。
ただし試験は年に2回のみなので、十分な試験対策が必要不可欠です。
さらに進学したあと学校を中退してしまうと、最終学歴は「中卒」のままになってしまうので、学校選びを間違えないことも大切になります。
高卒認定を受ける場合は、「進学先で中退しないこと」が重要なポイントになるでしょう。
全日制高校へ再入学する
もう一度受験して、全日制高校へ再入学するという選択肢もあります。
しかし、中退した問題を解決しないまま再入学すると、同じことを繰り返してしまう可能性が高いです。
2度も中退を繰り返すと、進路を立て直しづらくなり、進学や就職はさらにむずかしくなってしまうでしょう。
自分がどうして高校を中退してしまったのか、その原因を追求し、高校卒業の資格を取得できるもっとも有効な手段を選択してください。
高校中退者が通信制高校を選ぶメリット
前章の『高校中退のデメリットから抜けだす方法』では、4つの進路を紹介しました。
その中でも高校中退者におすすめしたいのは、「通信制高校に編入学する」という方法です。
通信制高校を選ぶメリットをまとめると、以下の通りになります。
- 留年という概念がなく卒業しやすい
- 年に数回の通学で卒業できる
- 時間を有効に使える
- 不登校や学力不振に関するサポートが手厚い
- 専門課程コースで将来に役立つ学習ができる
- 以前の高校で取得した単位を引き継げる
では、1つ1つ詳しく解説していきましょう。
留年という概念がなく卒業しやすい
全日制と通信制高校との大きな違いは、「学年制ではなく単位制」を導入している点です。
全日制は1年間で取得すべき単位数が決まっており、単位が足りないと留年になってしまいます。
さらに不足した単位だけでなく、その学年の単位をすべてやり直さなくてはならず、定時制高校も同様です。
一方で通信制高校の場合、1年間に必要な単位を生徒自身が決められるため、全日制のように留年する心配がありません。
通信制高校を卒業するための条件は、以下の3つです。
- 1.必履修科目を含む74単位以上の単位取得
- 2.36ヶ月以上の在籍期間
- 3.30単位時間以上の特別活動
また転入・編入のどちらでも、以前の学校で習得した単位を引き継げるケースもあり、自分のライフスタイルに合わせて勉強を進めることができます。
年に数回の通学で卒業できる
高校中退者の中にはいじめや友人関係など、何らかの理由で学校に行けなくなった学生も多いでしょう。
不登校から退学に至るケースはめずらしくなく、1度学校に行けなくなると回復するのは容易ではありません。
しかし通信制高校であれば毎日登校する必要がなく、自宅などの安心できる場所で学習を進めることができます。
多くの通信制高校でオンライン授業が導入されており、週1日〜や年数回のスクーリングで卒業できる仕組みです。
通信制高校のスクーリングについて詳しく知りたい方は是非 「卒業するためには絶対必要?通信制高校のスクーリングとは!」を参考にしてみてください!
時間を有効に使える
通信制高校は、時間を有効に使えるメリットを提供します。
高校中退者にとって、これは重要なポイントです。
通信制高校のカリキュラムはオンライン学習や自宅学習が中心であり、スケジュールを柔軟に調整できる点が利点です。
高校中退者が再び学び直す場合、日常のスケジュールに合わせて学習することで、モチベーションを保ちながら進めることができます。
また通信制高校では個別指導が受けられることが多く、理解が追いつかない部分や苦手科目を克服できるのもメリットです。
きめ細かいアドバイスによって学習の質を高めることができ、無駄なく効果的な勉強が行えます。
高校の学費に困っている方は必見! 「高校の学費が払えない時の対処法!学費を安く高校を卒業するには?」を参考にしてみてください!
不登校や学力不振に関するサポートが手厚い
通信制高校にも「公立」と「私立」があり、全日制と同じように、私立校は学費が高めの設定です。
しかし設備や施設、教員数が充実しており、さまざまな生徒に対応できる環境が整備されています。
例えば、社会福祉士や心理カウンセラーなどの資格を持った専門家が常駐し、精神的なサポートに力を入れているのも1つです。
また生徒同士のコミュニケーションを支援してくれたり、授業の遅れをカバーしてくれたりと、状況や症状に合わせた個別対応ができる学校もあります。
高校に入り直すだけでは解決できない心の問題や学力の問題も、通信制高校なら弱点を克服して大学に進学できたり、新しい友人関係や特技を見つけ出せたりするチャンスに恵まれます。
ただし公立の通信制高校は、こういった個別や少人数制のサポートがありません。
手厚いサポートを希望する場合は、教員数が多く設備が充実した私立の通信制高校を選択しましょう。
専門課程コースで将来に役立つ学習ができる
通信制高校の中には、美容師やネイリスト、調理師、医療事務などの資格が取得できる学校も多いです。
また社会人に求めらる「思考力」「判断力」「コミュニケーション能力」などを、実践的に身につけられるカリキュラムを取り入れている学校もあります。
文部科学省の調査によると、通信制高校の就職率は約20%で、高い就職率を実現していることが分かります。
さまざまな専門コースを設け、就職に有利な知識やスキルを習得することで、高校を卒業するころには「即戦力として活躍できる人材」に成長できるでしょう。
今の時代、大卒が当たり前になっており、高校を卒業しても就職は容易ではないのが現実です。
しかし通信制高校で専門資格や技術を習得できれば、就職もスムーズに進むことが期待できます。
通信制高校のメリット、デメリットについて詳しく知りたい方は是非 「今知っておくべき!通信制高校の現実|8つのメリットとデメリット」を参考にしてみてください!
以前の高校で取得した単位を引き継げる
全日制高校から通信制高校へ転入・編入する場合、以前の学校で習得した単位を引き継げます。
例えば2年生の途中で退学した場合、1年次の単位は認められ、残りの単位だけで卒業が可能です。
過去の努力が無駄にならないのに加え、学費を抑えることもできます。
ただし1年生の途中で退学した場合は単位を持っていないため、最初から学習をやり直さなくてはいけません。
自分がどの単位をどれだけ修得しているかは、以前の学校に問い合わせて確認してみましょう。
高校中退しても通信制高校へ編入すれば人生をやり直せる!
高校を中退すると、社会のレールから外れてしまったような気持ちになる人も多いと思います。
全日制の高校を普通に卒業し、普通に大学に進学し、普通に就職することが当然と考えている方が多いでしょう。
しかし普通の行動ができなったからと言って、自分の人生を悲観する必要はありません。
高校を中退したあと違う学校に編入し、無事に高校卒業を果たした学生はたくさんいます。
近年、通信制高校の自由度の高さが注目され、高校を中退した学生や不登校で悩んでいる学生から人気です。
さらに令和2年4月から、私立の通信制高校も就学支援金が受けられるようになり、世帯年収が590万円以下の場合「授業料が実質無料」になりました。
これまで通信制高校という選択肢がなかった人、通信制高校について詳しく知りたいという方は、これを機会にどんな学校があるのか調べてみましょう。
高校中退をしても再入学するべき理由について詳しく知りたい方は是非 「高校中退しても再入学はできる!再入学すべき理由と方法についてご紹介!」を参考にしてみてください!