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【2024年最新】予備試験の内容とは?試験科目・出題形式・出題範囲を徹底解説

更新日:2024-09-09

【2024年最新】予備試験の内容とは?試験科目・出題形式・出題範囲を徹底解説

司法試験の受験資格の取得ルートの一つが、予備試験に合格することです。

予備試験は、司法試験と同様に短答式試験と論文式試験がありますが、司法試験にはない口述試験も含まれます。

さらに、予備試験の合格率は約4%と非常に難易度が高い試験で、合格するためには徹底した予備試験対策が欠かせません。

この記事では、予備試験の試験内容・試験科目・出題傾向や実際の出題例を詳しく解説します。

科目別の難易度や、予備試験対策のポイントもあわせて解説するので、ぜひ最後まで読んでください。

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予備試験の試験科目は司法試験と異なる

予備試験 司法試験
試験形式 3段階形式

  • 短答式試験
  • 論文式試験
  • 口述試験
2段階形式

  • 短答式試験
  • 論文式試験
試験順序
  1. 短答式試験
  2. 論文式試験
  3. 口述試験
  1. 論文式試験
  2. 短答式試験

予備試験は、短答式試験、論文式試験、口述試験の3段階で試験が構成されています。

短答式試験に合格すれば論文式試験を受験でき、論文式試験に合格できれば口述試験を受験できる流れです。

一方で、司法試験は短答式試験、論文式試験の2段階で構成され、口述試験は実施されません。

司法試験は、論文式試験→短文式試験の流れで実施され、どちらにも合格することで最終合格となります。

予備試験のそれぞれの試験の特徴は以下の通りです。

予備試験 特徴 出題形式 難易度
短答式試験 法律基本7科目と一般教養の知識を問う マークシート
論文式試験 法律知識の応用能力と文章作成能力を問う 記述式
口述試験 法律に関する知識や理解度、コミュニケーション能力を問う 面接

【最新】司法試験の内容とは?試験科目や出題形式・出題範囲を徹底解説

予備試験の試験科目・特徴

予備試験は、司法試験の受験資格を得るための試験であり、短答式試験、論文式試験、口述試験の3段階で構成されています。

それぞれの試験では異なる形式と内容が求められ、総合的な法律知識や実務能力が試されます。

それぞれの試験科目や特徴を紹介します。

予備試験の試験科目・特徴
  • 短答式試験
  • 論文式試験
  • 口述試験

短答式試験

短答式試験は、予備試験の最初の関門です。

法律基本科目(憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法、行政法)および一般教養科目の計8科目が出題されます。

一般教養科目は以下の4つの分野になります。

  • 人文科学
  • 社会科学
  • 自然科学
  • 英語

マークシート方式で、各科目で出題される問題数は限られていますが、非常に幅広い知識が求められる点が特徴です。

特に条文や判例の正確な理解が重要で、特定のテーマに対して適切な答えを迅速に見つける力が試されます。

出題範囲が広く、問題数が多いため、ペースに注意しながら解答することが重要です。

司法試験予備試験の効果的な勉強法とは?最短スケジュールで合格するための方法を解説

論文式試験

論文式試験は、予備試験の中でも特に難易度が高いとされる筆記試験です。

短答式試験と同じ法律基本科目に加え、民事実務、刑事実務、そして選択科目が含まれます。

また、令和4年(2022年)以降、論文式試験の一般教養科目が廃止され、選択科目が採用されました。

選択科目では、以下8科目から1科目を選びます。

  • 倒産法
  • 租税法
  • 経済法
  • 知的財産法
  • 労働法
  • 環境法
  • 国際関係法(公法系)
  • 国際関係法(私法)

受験者は事例問題を読み解き、法律を適用して論理的に解答を組み立てる能力が求められます。

特に重要なのは、単に法律知識を記憶しているだけでなく、それをどのように現実の事例に応用するかという応用力です。

また、論理的な文章力も問われ、読みやすく説得力のある答案を作成するスキルが必要です。

論文の書き方を徹底対策し、回答の型を身につけましょう。

司法試験短答式と論文式試験には足切りがある?試験内容や対策を徹底解説!

口述試験

口述試験は、論文式試験に合格した受験者のみが受けられる最終試験です。

合格することで、司法試験の受験資格を取得できます。

口述試験の試験科目は以下の3つです。

  • 民事訴訟実務
  • 刑事訴訟実務
  • 法曹倫理

口述試験は面接形式で実施され、法律の実務に即した知識を、面接官の前で適切に応答できるかが試されます。

民事実務、刑事実務、そして法曹倫理に関する知識が問われますが、単なる知識の暗記だけでなく、実際の法廷や法律業務においてどのように判断し行動するかが重要です。

受験者の法律知識を実践的に使う力や、法律問題に対して柔軟かつ適切に対応する力が問われるため、実践的なトレーニングを重ねましょう。

司法試験予備試験の口述(面接)試験とは?問題テーマの傾向・合格するポイントを紹介

令和6年(2024年)【短答式試験】予備試験の出題例・出題傾向

予備試験の短答式試験は、マークシート形式の正誤判のが中心です。

ここでは、令和6年(2024年)最新の短答式試験問題から、科目ごとの出題例を紹介します。

なお、過去の短答式試験の試験問題はすべて、法務省の『令和6年司法試験予備試験問題』で確認できます。

【短答式試験】予備試験の短答式試験の出題例・出題傾向
  • 憲法の出題例と傾向
  • 民法の出題例と傾向
  • 刑法の出題例と傾向
  • 商法の出題例と傾向
  • 民事訴訟法の出題例と傾向
  • 刑事訴訟法の出題例と傾向
  • 行政法の出題例と傾向
  • 一般教養の出題例と傾向

憲法の出題例と傾向

憲法

〔第1問〕(配点:3)
次の対話は、刑事収容施設被収容者に対する人権の制約に関する教授と学生の対話である。教授の各質問に対する次のアからウまでの学生の各回答について、それぞれ正しい場合には1を、誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は、アからウの順に[No.1]から[No.3])
教授.まず、刑事収容施設内における被収容者の喫煙の自由が認められるか否かについて伺います。最高裁判所は、未決勾留による被拘禁者の喫煙を制限することの合憲性が争われた事件の判決(最高裁判所昭和45年9月16日大法廷判決、民集24巻10号1410頁)にお
いて、どのような判断をしていますか。
ア.たばこは単なる嗜好品であることからも、喫煙の自由が憲法第13条の保障する基本的人権に含まれるものではないことを明示し、施設内における喫煙制限の措置は、そもそも憲法上の権利を制約するものではないとしています。[No.1]
教授.次に、新聞紙等の閲読について伺います。最高裁判所は、未決勾留による被拘禁者の新聞紙の閲読を制限することの合憲性が争われた事件の判決(最高裁判所昭和58年6月22日大法廷判決、民集37巻5号793頁)において、新聞紙等を閲読する自由の制限が認められるか否かを審査するに当たり、いかなる判断枠組みを示していますか。
イ.被拘禁者の新聞紙や図書等を閲読する自由の制限が許されるためには、その閲読を許すことにより施設内の規律及び秩序を維持する上で放置できない程度の障害が生じる相当の蓋然性があると認められることが必要であるとしています。[No.2]
教授.では、信書の発信をめぐってはどうでしょうか。最高裁判所は、受刑者による親族以外への信書の発信を不許可としたことの合憲性が争われた事件の判決(最高裁判所平成18年3月23日第一小法廷判決、集民219号947頁)において、いかなる結論を出しているのかについて説明してください。
ウ.受刑者による親族でない者との間の信書の発受は、受刑者の身柄の確保、受刑者の改善、更生の点において障害が生じる一般的、抽象的おそれがあることから、刑務所長が信書の発信を不許可としたことは違憲ではないとしています。[No.3]

引用元:法務省『短答式試験問題集[憲法・行政法]

解答|No.1:2、No.2:1、No.3:2、

憲法は、日本国憲法に基づく判例学習が主なポイントです。

憲法の条文は比較的抽象的なため、判例を通して具体的な理解を深めることが求められます。

特に人権や統治機構に関する判例は出題頻度が高いため、基本的な条文と判例の対応を把握することが鍵となります。

司法試験・予備試験合格に向けた憲法の勉強法とは?短答式・論文式ごとに解説

民法の出題例と傾向

民法

〔第1問〕(配点:2)
法人に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.1])
ア.法人は、保佐人になることができる。
イ.法人は、民法上の組合の組合員になることができる。
ウ.法人は、遺言執行者になることができない。
エ.会社は、定款に明示された目的を遂行する上で間接的に必要となるに過ぎない行為をしたときであっても、その行為により権利を有し、義務を負う。
オ.法人は、名誉毀損によって受けた無形の損害について、その賠償を請求することができない。
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.ウ オ

引用元:法務省『短答式試験問題集[民法・商法・民事訴訟法]

解答|No.1:5

民法は、条文数が多く範囲が広いため、全体的な理解が必要です。

契約や物権、不法行為に関する問題が中心となり、特に細かな条文の解釈や、判例に基づく具体的な適用が求められます。

法定地上権や隣地通行権など、あまり出題されない分野も出ることがあるため、幅広くカバーする学習が大切です。

司法試験・予備試験の民法が難しい理由は?論文式試験の勉強法と学習スケジュール・おすすめ参考書を紹介

刑法の出題例と傾向

刑法

〔第1問〕(配点:3)
業務妨害罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、正しいものを2個選びなさい。(解答欄は、[No.1]、[No.2]順不同)
1.業務妨害罪における「業務」は、適法なものであることを要するから、行政上の許可を受けていない営業行為や行政取締法規に違反する営業行為は、同罪で保護されることはない。
2.業務妨害罪における「業務」は、職業その他継続して従事する事務又は事業をいい、営利を目的とするものであることを要する。
3.甲は、利用客のキャッシュカードの暗証番号等を盗撮する目的で、2台の現金自動預払機が設置されている銀行の無人出張所において、一方の現金自動預払機にビデオカメラを設置し、同現金自動預払機に客を誘導する意図で、一般の利用客を装い、もう一方の現金自動預払機を
2時間にわたり占拠した。この場合、甲に偽計業務妨害罪が成立する。
4.以前A高校に勤務していた甲は、同校卒業式の開式直前に、式典会場である体育館において、予定された式典の進行を止めさせる目的で、参列の保護者らに対して大声で騒ぎ立て、これを制止しようとした教頭に怒号するなどして同会場を喧騒状態に陥れた。この場合、甲に威力業
務妨害罪が成立する。
5.甲は、弁護士Aの弁護士としての活動を困難にする目的で、Aが携行していた弁護士業務にとって重要な書類が在中するかばんを奪い取って自宅に隠匿した。この場合、甲に偽計業務妨害罪が成立する。

引用元:法務省『短答式試験問題集[刑法・刑事訴訟法]

解答|No.1、2:3、4(順不同)

刑法では、犯罪の構成要件や違法性、責任について問われます。

基本的な条文をしっかりと理解し、実例問題に対応できるように学習を進めることが重要です。

特に判例を用いた問題が多く、学説対立の理解も必要です。

商法

商法

〔第16問〕(配点:2)
取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)の発起設立に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[№16])
ア.発起人は、設立時取締役になるか否かにかかわらず、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない。
イ.発起人は、設立時代表取締役を選定しなければならない。
ウ.株式会社の成立により発起人が受ける報酬についての定めは、株式会社を設立する際の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。
エ.発起人がその引き受けた設立時発行株式の払込金額の払込みを仮装した場合には、当該発起人から当該設立時発行株式を譲り受けた者は、善意でかつ重大な過失がないときであっても、当該設立時発行株式についての株主の権利を行使することができない。
オ.発起人は、株式会社の成立の前に、創立総会を招集しなければならない。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ

引用元:法務省『短答式試験問題集[民法・商法・民事訴訟法]

解答|No.16:1

商法は、特に会社法を中心に出題されます。

会社設立や取締役の責任など、企業活動に関連する法律が問われるため、実務的な知識も求められます。

条文に基づいた確実な理解が重要です。

司法試験・予備試験合格を目指す商法の勉強法とは?短答式・論文式ごとに紹介

民事訴訟法

民事訴訟法

〔第31問〕(配点:2)
訴訟代理人に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[№31])
ア.訴訟代理人が数人あるときは、送達は、その一人にすれば足りる。
イ.訴訟係属後に当事者である法人が合併により消滅したときは、その当事者から委任を受けた訴訟代理人の訴訟代理権は消滅する。
ウ.弁護士法第25条第1号の規定に違反することを理由として訴訟行為を排除する旨の決定に対しては、自らの訴訟代理人の訴訟行為を排除するものとされた当事者は、即時抗告をすることができる。
エ.訴訟代理人は、委任を受けた事件について移送の申立てをするときは、特別の委任を受けなければならない。
オ.当事者から委任を受けた訴訟代理人が復代理人を選任した場合において、その訴訟代理人が死亡したときは、復代理人の代理権は消滅する。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ エ
(参照条文)弁護士法
(職務を行い得ない事件)
第25条 弁護士は、次に掲げる事件については、その職務を行つてはならない。ただし、第3号及び第9号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。
一 相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件
二~九 (略)

引用元:法務省『短答式試験問題集[民法・商法・民事訴訟法]

解答|No.31:1

民事訴訟法では、訴訟手続きや証拠法など、法的手続きを理解することが重要です。

特に訴えの提起から判決に至るまでの流れをしっかりと把握しておく必要があります。

刑事訴訟法

刑事訴訟法

〔第14問〕(配点:2)
犯罪の証明に関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。ただし、判例がある場合には、それに照らして考えるものとする。(解答欄は、[№20])
ア.刑事裁判における有罪認定に必要とされる「合理的な疑いを差し挟む余地のない程度の立証」とは、反対事実が存在する疑いを全く残さない場合をいうものではなく、反対事実が存在するとの疑いをいれる余地があっても、健全な社会常識に照らして、その疑いに合理性がないと一般的に判断される場合には、有罪認定を可能とする趣旨である。
イ.情況証拠は、一般的に、目撃供述や被告人の自白といった直接証拠に比べて証明力が低いから、情況証拠によって事実を認定すべき場合には、直接証拠によって事実を認定すべき場合よりも証明の程度が高度である必要がある。
ウ.証拠の証明力は、裁判官の自由な判断に委ねられるが、裁判官の恣意的な判断を許すものではないから、その判断は、論理則や経験則に照らし合理的なものでなければならない。
エ.略式手続は、公判を開くことなく書面審理によって行われる簡易な手続であるから、犯罪の証明の程度は、証拠の優越で足りる。
オ.共謀共同正犯における共謀の事実は、共謀共同正犯における「罪となるべき事実」に含まれるから、刑事訴訟法の規定により証拠能力が認められ、かつ、公判廷における適式な証拠調べを経た証拠による証明を要する。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ

引用元:法務省『短答式試験問題集[刑法・刑事訴訟法]

解答|No.20:4

刑事訴訟法では、刑事事件における手続きの流れや、被疑者の権利保護についての知識が問われます。

特に、刑事手続きにおける具体的な事例に基づいた出題が多く見られます。

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行政法

行政法

〔第13問〕(配点:2)
行政上の法律関係に関する教員と学生による以下の対話中の次のアからウまでの【 】内の各記述について、最高裁判所の判例に照らし、正しいものに○、誤っているものに×を付した場合の組合せを、後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は、[№25])
教員:行政上の法律関係については、民事法の規定がどこまで適用されるかが問題となりますね。
学生:例えば、(ア)【国税滞納処分による差押えについては、国家が権力的手段をもって強制的に行うもので、対等な私人間の経済取引とはその本質を異にするため、私経済上の取引の安全を保障する規定である民法第177条は適用されません。】
教員:公営住宅の使用関係についても議論がありますね。
学生:(イ)【公営住宅の使用関係については、基本的に私人間の家屋賃貸借関係と異なるところはないため、公営住宅法及びこれに基づく条例に特別の定めがない限り、原則として民法及び借地借家法が適用されます。】
教員:会計法第30条については、国を当事者とする公法上の金銭債権に限って適用されるとの見解もありますが、判例はどう言っていますか。
学生:(ウ)【会計法第30条は、国の権利義務を早期に決済する必要があるなど主として行政上の便宜を考慮した規定であるとして、国の安全配慮義務違反を理由とする国家公務員の国に対する損害賠償請求権についても同条所定の消滅時効期間の適用を認めました。】
(参照条文)会計法
第30条 金銭の給付を目的とする国の権利で、時効に関し他の法律に規定がないものは、これを行使することができる時から5年間行使しないときは、時効によつて消滅する。国に対する権利で、金銭の給付を目的とするものについても、また同様とする。
1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○
4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ×
7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ×

引用元:法務省『短答式試験問題集[憲法・行政法]

解答|No.25:6

行政法は、行政手続きや行政救済に関する法律が中心です。

特に、判例を通じて行政機関の行為に対する法的制約について理解することが求められます。

司法試験の行政法の勉強法は?短答式・論文式試験それぞれのおすすめ学習法と基本書・判例集・演習書を紹介

一般教養

一般教養

〔第1問〕
20 世紀前半の東中欧の少数民族問題に関する以下の文章を読み、空欄(ア)から(オ)に入る語句の組合せとして適切なものを、後記1から5までの中から選びなさい。なお、文章中の数値は、野村真理「失われた世界へ―東ガリツィアの戦間期からホロコーストまで―」(大津留厚編『中央ヨーロッパの可能性 揺れ動くその歴史と社会』)によるものである。(解答欄は、[№1])
20 世紀初頭の東中欧において、多くの民族が、ロシア、ドイツ、オーストリア=ハンガリーという三つの帝国に分割支配され、国民国家の形成を阻まれてきたが、第一次世界大戦後、自分たちの独立国家を手にした。しかし、その実態は、大きな多民族国家であった帝国に代わり、複数の小さな多民族国家が誕生したということであった。例えば、新生ポーランドでは、少数民族として(ア)系や(イ)系を中心に非ポーランド系の国民が人口の 30 %を占めていた。特に、(ウ)やルーマニアと国境を接する東ガリツィア地方(当時のポーランド南東部)では、(ア)系が人口の 62 %、(イ)系が人口の 12 %以上を占め、ポーランド系は人口の 4 分の 1 以下であった。ただし、この地方の中心都市ルヴフでは、1931 年の統計によるとポーランド系は人口の半数、(イ)系は人口の 30 %以上を占め、(ア)系は少数であった。
(エ)を前提に第二次世界大戦が開始されると、東ガリツィアは、まず(ウ)に占領され、そして(オ)年にはドイツに占領された。両占領国の政策は陰惨であり、また占領下でもポーランド系と(ア)系、(イ)系の民族対立が続いたため、この地には苛烈な惨禍がもたらされた。第二次世界大戦後、東ガリツィアは(ウ)に併合されて、(ア)系以外の諸民族のほとんどは国外退去となった。
西寄りに国境が移動した戦後ポーランドは、ポーランド系が圧倒的多数を占めて、ほぼ単一民族国家となった。
1.ア ユダヤ イ ウクライナ ウ ベラルーシ
エ ミュンヘン協定 オ 1939
2.ア ウクライナ イ ユダヤ ウ ソ連
エ モロトフ=リッベントロップ協定 オ 1939
3.ア ウクライナ イ ユダヤ ウ ソ連
エ モロトフ=リッベントロップ協定 オ 1941
4.ア ユダヤ イ ウクライナ ウ ベラルーシ
エ ミュンヘン協定 オ 1941
5.ア ウクライナ イ ユダヤ ウ ソ連
エ ミュンヘン協定 オ 1939

引用元:法務省『短答式試験問題集[一般教養科目]

解答|No.1:3

一般教養科目では、法律以外の社会常識や論理的思考力が問われます。

人文科学、社会科学、自然科学、英語の4分野から出題されます。

司法予備試験の一般教養科目0点でも合格できる?勉強方法や対策方法も紹介!

令和5年(2023年)【論文式試験】予備試験の出題例・出題傾向

予備試験の論文式試験の出題内容もすべて、法務省の公式サイトに掲載されています。

令和5年(2023年)の論文式試験の出題例は以下の通りです。

論文式試験・刑法

【事例1】
1 甲は、かねてより会社の上司であるXから執ように叱責されるなどしていたことに恨みを募らせ、登山が趣味のXを登山に誘って山中に連れ出し、Xを殺害した上でXが滑落によって事故死したように装い、犯跡を隠蔽しようと考えた。甲は、某月1日、Xを登山に誘い、Xが喜んで応じたことから、同月10日、Xと2人で1泊2日の登山に出掛けた。
2 甲とXは、同日午前10時頃から登山を始めたが、同日午後4時頃、天候が急変して降雨となったため、当初の登山計画を変更し、山頂付近にあった無人の小屋で一晩を過ごすことにした。
甲は、同日午後5時頃、疲れていたXが上記小屋内で熟睡したことから、この機会にXを殺してしまおうと決めた。ちょうどその頃、雨が止んだため、甲は、Xを殺した後にXの滑落死を装うための場所をあらかじめ探そうと思い立ち、上記小屋周辺を下見しておくことにした。甲は、しばらくの間、上記小屋を離れ、外に出ることにしたが、外にいる間にXに逃げられないようにするため、同日午後5時5分頃、同小屋の出入口扉を外側からロープできつく縛り、内側から同扉
を開けられないようにした。なお、上記小屋は、木造平屋建てで、窓はなく、出入口は上記扉1か所のみであった。
3 その後、甲は、上記小屋から歩いて約100メートル離れた場所に、高さ約70メートルの岩場の崖があるのを確認し、同日午後6時頃、同小屋に戻り、上記ロープをほどいた。Xは、同日午後5時頃に熟睡した後、一度も目を覚まさなかった。

〔設問1〕
【事例1】において、甲に監禁罪が成立するという主張の当否について、具体的な事実関係を踏まえつつ、反対の立場からの主張にも言及して論じなさい。

引用元:法務省『論文式試験問題集[刑法・刑事訴訟法]

上記の通り、論文式試験は文量が多いです。

しかし、試験時間は1科目につき60~70分程度で回答する必要があります。

時間が限られているため、回答の型を決めること、スピーディーに書くことが重要です。

試験中は六法全書を参照できますが、確実にタイムマネジメントするためにも、事前に科目ごとに過去問を徹底分析し、何度も繰り返し解きましょう。

予備試験の論文の書き方や模範解答例を解説!答案構成の書き方や目安時間・初めてでも書けるコツを紹介

令和5年(2023年)【口述試験】予備試験の出題例・出題傾向

予備試験の口述試験では、民事実務・刑事実務などの試験科目に関する問題をテーマに、面接官の問いに口頭で答えます。

令和5年(2023年)の問題テーマの出題例は以下の通りです。

口述試験の問題のテーマ

  • 民事・・・所有権に基づく建物退去土地明渡請求訴訟における実体法及び攻撃防御方法に関する諸問題、弁護士倫理上の諸問題
  • 刑事・・・特殊詐欺事案を踏まえた詐欺罪及び窃盗罪の諸問題(実行行為・共謀等)、逮捕・捜索差押えに関する諸問題

引用元:法務省『令和5年司法試験予備試験口述試験における問題のテーマについて 』

口述試験の出題範囲は様々です。

条文番号を問われるケースもあります。

論文式試験と同様に、試験中に六法全書を参照できますが、なるべく参照せずに答えると好印象です。

ただし、沈黙が続かないように注意してください。

どうしても思い出せない時、回答が分からない時などは、六法全書を参照しながらで良いので焦らずに答えましょう。

論文式試験の合格者のうち、95%前後が口述試験に合格しています。

落とすための試験ではありませんので、真摯に答える姿勢を持って試験に臨みましょう。

焦らず、面接官の誘導に逆らわないことが重要です。

司法試験予備試験の過去問の傾向とは?短答式・論文式・口述式まとめ

予備試験の科目別の難易度・合格率

予備試験合格者の司法試験最終合格率は約90%と非常に高いです。

予備試験に合格すれば、司法試験合格の可能性が高まると言えるでしょう。

しかし、予備試験の難易度は4%前後と低いです。

ここでは、予備試験の科目別の難易度・合格率を詳しく解説します。

予備試験の科目別の難易度・合格率
  • 短答式試験の難易度・合格率
  • 論文式試験の難易度・合格率
  • 口述試験の難易度・合格率

【最新】予備試験の合格率は?合格者数・合格ラインの状況や大学別・社会人合格の割合を紹介

短答式試験の難易度・合格率

試験年度 受験者数 合格者数 合格率
令和5年(2023年) 13,372人 2,685人 20%
令和4年(2022年) 13,004人 2,829人 21.7%
令和3年(2021年) 11,717人 2,723人 23.2%
令和2年(2020年) 10,608人 2,539人 23.8%
令和元年(2019年) 11,780人 2,696人 22.9%

引用元:法務省『司法試験予備試験の結果について

予備試験の短答式試験の合格率は20%前後です。

短答式試験は、広範な法律知識を効率的に習得する必要があります。

難易度は中~高程度で、全体的に正確な知識を持っているかが重要になります。

特に、憲法や民法は範囲が広いため、重点的に対策を行いましょう。

司法試験短答式と論文式試験には足切りがある?試験内容や対策を徹底解説!

論文式試験の難易度・合格率

試験年度 受験者数 合格者数 合格率
令和5年(2023年) 2,562人 487人 19.1%
令和4年(2022年) 2,695人 481人 17.8%
令和3年(2021年) 2,633人 479人 18.2%
令和2年(2020年) 2,439人 464人 19.0%
令和元年(2019年) 2,580人 494人 19.1%

引用元:法務省『司法試験予備試験の結果について

論文式試験は、短答式試験とは異なり正確な答えがない試験であり、知識だけでなく多角的な視点や応用力が求められます。

合格率は17~19%で、短答式試験よりさらに低いです。

暗記だけではカバーできない内容ですので、しっかりとした試験対策が必要になります。

口述試験の難易度・合格率

試験年度 受験者数 合格者数 合格率
令和5年(2023年) 487人 479人 98.3%
令和4年(2022年) 481人 472人 98.1%
令和3年(2021年) 476人 467人 98.1%
令和2年(2020年) 462人 442人 95.7%
令和元年(2019年) 494人 476人 96.4%

引用元:法務省『司法試験予備試験の結果について

口述試験の合格率は非常に高く、例年95~98%です。

論文式試験までの難易度は高いですが、論文式試験を突破できれば高確率で合格できると言えるでしょう。

ただし、必ず合格できるわけではありませんので、口述試験対策も忘れずに行いましょう。

予備試験の難易度が高いと言われる理由とは?司法試験とも比較して解説

予備試験で高得点を取るための科目別対策

予備試験で高得点を取るためには、各科目ごとに適切な学習戦略を立てることが重要です。

科目ごとの対策方法を詳しく解説します。

予備試験で高得点を取るための科目別対策
  • 短答式試験の勉強のポイント
  • 論文式試験の勉強のポイント
  • 口述試験の勉強のポイント

司法試験・予備試験のおすすめ過去問集・論証集15選!短答・論文それぞれにおすすめな一冊

短答式試験の勉強のポイント

短答式試験では、法律の基本的な知識を正確に記憶することが求められます。

科目数が多く、条文の細かな部分まで問われるため、効率的な暗記が必要です。

特に憲法や民法、刑法では基本的な条文や判例をしっかりと押さえ、商法や行政法などの科目では、出題される条文や判例を絞って学習するのが効果的です。

また、出題範囲が広く、出題数が多いので、ペースに注意しながら時間内にどんどん解いていくことも求められます。

短答式試験は努力次第でしっかり点数が取れる試験です。

過去問を繰り返し解いて試験の傾向を掴みつつ、インプットとアウトプットを繰り返して記憶の定着を図りましょう。

司法試験・予備試験の短答式試験のおすすめ勉強法は?過去問・問題集を使った対策方法から合格までの勉強スケジュールまで解説

論文式試験の勉強のポイント

論文式試験では、単なる暗記だけではなく、事例に基づいて法律を応用する能力が求められます。

特に、論理的な思考力と文章力が重要です。

憲法や民法などの科目では、判例の知識を基に、どのように法律を適用するかを考えましょう。

また、過去の事例問題を解き、自分で答案を作成してみることで、実際の試験に向けた練習を積むことが重要です。

答案作成に慣れることで、論理的にわかりやすい文章を書く力が身に付きます。

予備試験の選択科目はどれがおすすめ?選び方や各科目を紹介

口述試験の勉強のポイント

予備試験の口述試験は面接形式の試験です。

法律の実務的な知識を、1~2人の面接官に口頭で説明する能力が試されます。

面接官からの問いに対して、的確かつ論理的に解答することが求められるため、実際の法律実務を意識した勉強が必要です。

なお、論文式試験の試験日は9月中旬、合格発表は12月中旬で、口述試験は例年翌年1月に実施されます。

試験日までに法律実務に関連する書籍や判例を読み込み、各科目の基本的な流れを把握しておきましょう。

また、模擬試験や練習を通じて、口頭で自分の考えを整理し、発表する能力を鍛えておくと、本番でも焦らず自信を持って答えられるでしょう。

司法試験予備試験の勉強時間は?合格までの勉強計画・1日の勉強スケジュールを社会人・大学生向けに解説

予備試験~司法試験を受験するまでの流れ

予備試験の受験や合格発表から、司法試験を受験するまでのスケジュールは以下の通りです。

予備試験~司法試験を受験するまでの流れ

  • 【予備試験】2月~3月|願書交付/受付
  • 【予備試験】7月中旬|短答式試験の実施
  • 【予備試験】8月初旬|予答式試験の合格発表
  • 【予備試験】8月初旬|予答式試験の合格発表
  • 【予備試験】9月中旬|論文式試験の実施
  • 【予備試験】12月中旬|論文式試験の合格発表
  • 【予備試験】翌年1月|口述試験の実施
  • 【予備試験】翌年2月上旬|最終合格発表
  • 【司法試験】翌年3月~4月|司書交付/受付
  • 【司法試験】翌年7月中旬|司答式試験/論文式試験
  • 【司法試験】翌年8月初旬|短答式試験の合格発表
  • 【司法試験】翌年11月上旬|最終合格発表

予備試験や司法試験は、基本的に例年同じスケジュールで試験等が実施されます。

試験や合格発表日、申込期間などをそれぞれ把握して、最適な学習計画を立てましょう。

2024年(令和6年)司法試験の試験日程や時間割・合格発表日まとめ

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アガルートの予備試験最短合格カリキュラムとは?特徴や評判を紹介

予備試験の試験内容・科目を把握して事前対策しよう

難易度が高い予備試験に合格するためには、試験の内容や科目をしっかりと把握し、それに応じた対策を行うことが非常に重要です。

短答式試験では、広範囲にわたる法律知識が求められますが、特に憲法や民法、刑法といった基本的な法律科目の対策も怠ってはいけません。

論文式試験では、法律知識を実際の事例に適用する応用力が試されるため、事前に判例や過去の事例問題を徹底的に分析しましょう。

口述試験では、実務的な問題解決能力や倫理観が問われるため、事前に模擬試験や面接練習を通じて準備を行うことが必要です。

勉強のポイントとして、まずは短答式試験の基本知識を固め、その後論文式試験での応用力を鍛えることを目指しましょう。

最終的には口述試験に備えて、実務的なシナリオに基づいた練習を繰り返すことをおすすめします。

予備試験のスケジュールも把握して、計画的に学習を進めると効率的です。

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