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司法試験とは?試験科目や受験資格・難易度について解説

更新日:2025-05-22

司法試験とは?試験科目や受験資格・難易度について解説
この記事は、有料職業紹介(許可番号:13-ユ-307846)の厚生労働大臣許可を受けている東晶貿易株式会社が作成しています。

弁護士、検察官、裁判官を法曹三者と呼びますが、その実務に就くためには司法試験の合格が必要です。

司法試験の最終合格率は40%程度であり、かなり難易度が高い試験として知られています。

令和7年度の司法試験受験案内は法務省のサイトから確認ができます。

今回は司法試験の試験科目や合格率、司法試験と予備試験の試験科目の違いについてご紹介します。

受験を検討されている方や司法試験について興味がある方はぜひ最後までご覧ください。

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司法試験について

受験資格
  1. 司法試験予備試験の合格者
  2. 法科大学院課程の修了者
  3. 法科大学院課程の在学中受験資格者

※年齢制限なし

回数制限最初に司法試験を受けた日の属する年の4月1日から 5年間の期間
試験内容短答式:憲法、民法、刑法の3科目
論文式:

  • 公法系科目(憲法及び行政法に関する分野の科目)
  • 民事系科目(民法、商法及び民事訴訟法に関する分野の科目)
  • 刑事系科目(刑法及び刑事訴訟法に関する分野の科目)
  • 選択科目(専門的な法律の分野に関する科目として法務省令で定める科目のうち受験者のあらかじめ選択する1科目) の4科目

※選択科目:知的財産法、労働法、租税法、倒産法、経済法、国際関係法(公法系)、国際関係法(私法系)、環境法

合格ライン短答式試験の合格に必要な成績を得た者につき、短答式試験および論文式試験の成績を総合して判定
※短答式試験及び論文式試験において最低ラインに達していない科目が1科目でもあると不合格
受験費用28,000円
試験時期例年7月中旬の4日間

試験は短答式と論文式の2種類があり、短答式試験は1日、論文式試験は3日間(2日目と3日目の間に1日休みあり)で行われます。

短答式試験には足切り点が設定されており、点数を下回ると論文式試験の結果にかかわらず不合格となるため注意が必要です。

短答式試験に合格した受験者の中で短答式試験の得点と論文式試験の合計得点が合格点を超えた場合、司法試験の最終合格者となります。

最終合格した人は司法修習生として約1年間法律実務に飛鳥な技能について学び、最後の修了試験に合格し晴れて弁護士・検察官・裁判官などとして就職します。

令和7年度の司法試験スケジュール

試験実施日論文式試験:7月16日~19日
短答式試験:7月20日
短答式成績発表8月7日
最終合格発表11月12日

参照:令和7年司法試験受験案内

司法試験の受験資格・ルート

司法試験の受験資格と合格までのルート

司法試験の試験科目を知る前に、まずは「試験とは何なのか」について簡単にご説明します。

司法試験の受験資格や試験形式を知ることで、下記でご説明している予備試験との試験科目の違いや試験形式の違いがわかりやすくなるでしょう

現在の司法試験では2つの受験資格が設けられています。

  • 法科大学院を修了する
  • 司法試験予備試験に合格する

司法試験は受験資格を満たさなければ受験することができないため、受験を検討している方はまず上記のどちらかの受験資格を満たす必要があります。

受験資格①法科大学院を修了する

各大学の法科大学院(ロースクール)に入試合格し、2年(既修コース)か3年(未修コース)のカリキュラムを修了することで、受験資格を得ることが出来ます。

また、2023年からは法曹コースができ、大学1年または2年のタイミングで、条件を満たしている学生は大学法学部と法科大学院を最短5年で修了することができるようになりました。

文部科学省「認定連携法曹基礎課程を置く学部 3+2法曹コースの実態調査」

法科大学院を修了して司法試験に挑むのが、最も一般的なルートです。

受験資格②司法試験予備試験に合格する

司法試験予備試験(予備試験)は、その名の通り本来は司法試験の予備として実施が始まった試験で、年齢制限がなく高校生や学部生でも受験をすることができます。

予備試験に合格すれば法科大学院に通わなくても司法試験の受験が可能になるため、最短で司法試験への合格を目指すことができます。

ただし、予備試験の合格率は1.0~4.0%ほどと非常に低く、司法試験と同様の難易度を求められるので合格は決して簡単ではありません。

上記の通り、予備試験を学部生時代に早めに対策をすれば、不合格だったとしてもそのまま法科大学院の入試対策に移行できるので、法曹を目指す学生はどちらも対策をするケースが多いです。

受験資格の有効期限に要注意

司法試験には受験資格の有効期限があるため注意が必要です。

法科大学院経由の場合、修了日以降の最初の4月1日から5年間が有効です。

また予備試験経由の場合は合格日以降の最初の4月1日から5年間受験可能です。(司法試験法第4条第1項第1号)

司法試験は毎年1回、7月中旬に実施されるため、受験資格を得てから連続して5回受験することができます。

なお、単位の関係で秋に法科大学院を修了する方もいますが、受験資格の有効期限は「修了日以降の最初の4月1日から5年間」となります。

つまり次年度の4月1日から数えて5年間が受験資格の有効期限ということですね。

実際5回の受験に失敗し、受験資格を失う方も少なくありません。

もし受験資格を失った場合、もう一度チャレンジしたいのであれば再度法科大学院に入学して修了するか、予備試験に合格することで、再び受験資格を得ることができます。

社会人が司法試験予備試験に独学で合格するには?6つの勉強方法を紹介!

司法試験の出題形式別の配点形式

短答式試験

短答式試験では、マークシート形式で出題が行われます。

科目問題数試験時間配点
民法30問~38問75分75点
憲法20問~25問50分50点
刑法20問~25問50分50点

司法試験の短答式試験は択一式で行われ、「憲法」「民法」「刑法」の3科目が出題されます。

短答式試験は175点満点で、例年の合格基準点は100点前後を推移しているため、合格には7割程度の得点率が求められます

司法試験の短答式試験は不合格になると以降の論文式試験を採点してもらえない足切り制度があります。

各科目4割に満たない場合(民法30点未満、憲法と刑法は20点未満)、合計が合格点を超えていても短答式試験不合格となってしまいます。

確実に合格を狙うなら6割以上得点できようにしっかり対策する必要があるでしょう。

論文式試験

論文式試験は、その名の通り記述形式で出題されます。

科目問題数試験時間配点
公法系科目
(憲法・行政法)
2問240分(1問につき2時間)100点
民事系科目
(民法・商法・民事訴訟法)
3問300分(1問につき2時間)300点
刑事系科目
(刑法・刑事訴訟法)
2問240分(1問につき2時間)200点
選択科目1問180分100点

司法試験には短答式試験の他に論文式試験があり、こちらがメインとなる最難関試験です。

論文式試験は、法律基本7科目と呼ばれている「憲法」「行政法」「民法」「商法」「民事訴訟法」「刑法」「刑事訴訟法」から出題されます。

それに加えて「倒産法」「租税法」「経済法」「知的財産法」「労働法」「環境法」「国際関係法」の中から1科目を選んで解答する選択科目があるなど、短答式試験に比べて試験範囲がかなり広いところが特徴です

論文式試験では全ての科目で六法全書が貸与され、六法を参照しながら2時間の試験時間内に最大8枚の解答用紙に答案を書き上げます。

提示された選択肢を選ぶ短答式試験と比べて、勉強した各法律の知識や過去判例をしっかり理解・応用して実際に論証が立てられるかを問う実践的な試験といえます。

司法試験の難易度は高い?他資格とのランキング比較や合格率・偏差値・勉強時間の目安について解説

司法試験の合格率・難易度

年度合格率受験者数合格者数
平成27年23.1%8,016人1,850人
平成28年22.9%6,899人1,583人
平成29年25.9%5,967人1,543人
平成30年29.1%5,238人1,525人
令和元年33.6%4,466人1,502人
令和2年39.2%3,703人1,450人
令和3年41.5%3,424人1,421人
令和4年45.5%3,082人1,403人
令和5年45.3%3,928人1,781人
令和6年42.1%3,779人1,592人

参照:法務省:司法試験の結果について

司法試験の合格者数は一時2,000人近くまで増えましたが、現在は1,500人前後で安定しています。

令和5年からは法科大学院在学中に司法試験を受験できるようになり、受験者数と合格者数が増えたと考えられます。

合格率は例年25%前後でしたが、現在は受験者数の減少に伴い、40%程度を推移しています。

合格率のみでみると高そうに見えますが、足切りがあることでかなりレベルの高い受験者がほとんどであるため難易度はかなり高いといえるでしょう。

また受験者の属性を個別に見ると、予備試験合格者の司法試験合格率は約90%と高い水準です。

一方で、法科大学院修了者の合格率は各法科大学院によって異なるため一概には言えませんが、既修者コース修了者の合格率が50%を超える一方、未修者コース修了者の合格率はどの法科大学院でも低いのが現状です。

合格点は年度によって異なりますが、概ね800点前後となっています。

司法試験の難易度は高い?他資格との比較や合格率・偏差値・勉強時間の目安について解説 

司法試験短答式の内容と勉強のポイント

司法試験の短答式試験は足切り制度がある試験ですが、各科目の内容や勉強のポイントはどのようなものがあるのでしょうか?

ここでは、短答式試験の試験科目である「憲法」「民法」「刑法」の3つにわけて、それぞれの内容や勉強でのポイントを詳しくご説明していきます。

①憲法

短答式試験の憲法は、分野別にすると「総論」「人権」「統治」の分野から出題されます。

憲法は非常に高い知識レベルが求められる問題が多く出題されるため、苦手とする受験生が多い試験範囲です

とはいえ憲法は日本という国の法律の基礎となるため、これから法曹として働いていく上で避けては通れない大変重要な試験範囲です

あまり馴染みのない条文が多いため、すぐに過去問に取り掛かるのではなくしっかり六法や参考書を使ってインプットをしてから問題集に移行する勉強がおすすめです

〔第1問〕(配点:3)
外国人の人権に関する次のアからウまでの各記述について,bの見解がaの見解の根拠となって
いる場合には1を,そうでない場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[No.1]か
ら[No.3])
ア.a.国は,在留期間中の憲法の基本的人権の保障を受ける行為を在留期間の更新の際に消極
的な事情としてしんしゃくすることができる。
b.外国人に対する憲法の基本的人権の保障は,外国人在留制度の枠内で与えられているに
すぎない。[No.1]
イ.a.憲法第93条第2項の「住民」と,憲法第15条第1項の「国民」とは統一的に理解さ
れるべきであり,憲法第93条第2項の「住民」は,日本「国民」であることがその前提
となっている。
b.地方公共団体の政治・行政は,国の政治・行政と互いに関連しており,地方公共団体が
国の事務を処理することもある。[No.2]
ウ.a.憲法第22条第2項は,「何人も」との文言を用いているため,国籍離脱の自由は,我
が国に在留する外国人にもその保障が及ぶ。
b.憲法による基本的人権の保障は,権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解
されるものを除き,我が国に在留する外国人に対しても等しく及ぶ。[No.3]

【引用】法務省:令和5年司法試験問題「短答式試験問題集[憲法]」

②民法

短答式試験の民②題が出題されるなど、単純に記憶をしただけの知識では対応できない問題も出題されます

そのため短答式試験の民法では、選択肢がある程度絞り込めるくらいの知識をインプットしてから問題演習でさらに知識をブラッシュアップする実戦で覚えていく勉強がおすすめです。

民法は試験範囲がかなり広いため、どこから手を付けて良いかわからないという方は論文式試験と試験範囲が被っている範囲から勉強を進めていくことも効果的です

〔第1問〕(配点:2)
胎児に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わ
せたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.1])
ア.AがBの母Cとの間で締結した、Aの所有する甲土地をBに無償で与える旨の第三者のため
にする契約は、その成立の時にBが胎児であったとしても、そのためにその効力を妨げられな
い。
イ.胎児の父が胎児を認知するには、胎児の母の承諾を得なければならない。
ウ.胎児を受贈者として死因贈与をすることができる。
エ.胎児が不法行為により損害を受けたときは、胎児の両親は、出生前に胎児を代理して加害者
に対し損害賠償請求をすることができる。
オ.胎児の母は、認知の訴えを提起することができない。
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ オ 5.ウ エ

【引用】法務省:令和5年司法試験問題「短答式試験問題集[民法]」

③刑法

短答式試験の刑法は対象の条文から満遍なく出題されるため、試験範囲は民法同様広いです。

しかし刑法は比較的ひっかけのないシンプルな問題が多く、しっかり対策すれば重要な得点源にもなり得る試験範囲です

また短答式試験の刑法の試験範囲は多くの部分が論文式試験と重複しているため、両方の試験範囲を共通して勉強することができます。

刑法は「判例がどのような立場に立ったものであるか」を意識して解いていく問題が多いため、インプットや問題演習の時間で「判例の立場」を良く整理してから解いていく勉強がおすすめです

判例集を使って様々な判例に触れることも効果的です。

〔第1問〕(配点:4)
次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し、正しい場合には1を、誤っている場合
には2を選びなさい。(解答欄は、アからオの順に[No.1]から[No.5])
ア.甲は、客観的にわいせつ性を有する書籍につき、その内容を確認して理解したものの、この
程度では刑法上のわいせつな文書には該当しないと考え、同書籍を多数の者に販売した。この
場合、甲にわいせつ物頒布罪は成立しない。[No.1]
イ.甲は、A方前路上に置かれていた自転車を、Aの所有物と認識して持ち去ったが、実際には
同自転車は捨てられた物であり、誰の所有にも占有にも属さないものであった。この場合、甲
に遺失物等横領罪が成立する。[No.2]
ウ.甲は、男性Aが、酩酊して暴れ回る女性Bを介抱するために取り押さえているのを見て、A
がBに対し無理矢理わいせつ行為に及ぼうとしていると誤信し、Bを助けるため、自己の暴行
の内容を認識しつつAに暴行を加え、傷害を負わせた。甲の暴行の程度が、甲が認識した急迫
不正の侵害に対する防衛手段としての相当性を超えていた場合であっても、甲に傷害罪は成立
しない。[No.3]
エ.甲は、乙に対し、A方に侵入して金品を窃取するように唆したところ、乙は、犯行を決意し、
A方に侵入しようとしたが、施錠を解錠できず、犯行を断念した。帰路において、乙は、B方
に侵入し、Bから金品を強取した。甲の教唆行為と乙のB方における住居侵入及び強盗との間
に因果関係が認められない場合であっても、甲に住居侵入罪及び窃盗罪の教唆犯が成立する。
[No.4]
オ.甲は、乙が窃取したバッグを、これが盗品かもしれないがそれでも構わないと思って購入し
た。この場合、甲に盗品等有償譲受け罪が成立する。[No.5]

【引用】法務省:令和5年司法試験問題「短答式試験問題集集[刑法]」

司法試験の論文式の内容と勉強のポイント

司法試験の論文式試験は司法試験の中でも1番の山場と言われるほど多くの受験生が苦手としている試験です。

そのためしっかり得点することができれば、受験生の中で大きな差別化を図ることができます

論文式試験には「公法系」・「民事系」・「刑事系」といった系統別に分かれた必須科目と8科目から1科目を選んで解答する「選択科目」の全4科目から出題されます。

ここではそれらの試験の内容を科目別に詳しくご説明します。

①公法系(憲法・行政法)

司法試験の論文試験では、憲法と行政法の2科目が「公法系」に該当します。

公民系の論文試験では、「弁護士が弁護依頼当事者の利益を実現する立場で案件を理解して起案すること」が問題として出題されます。

具体的には、受験生は問題文中の当事者の意見が「違憲」を主張することであれば、それを立証して起案する答案を執筆していくことが必要です。

つまり、問題文中の当事者(弁護依頼者など)が何を求めているかを理解し、それを法的な知識と観点で起案する力が問われます

司法試験の論文式試験を徹底解説!試験科目や特徴をご紹介!

②民事系(民法・商法・民事訴訟法)

司法試験の論文試験では、民法・商法・民事訴訟法の3科目が「民事系」に該当します。

民事系の問題の最大の特徴は事案が複雑であるところです

一件に訴訟が複数提起されているような問題もあれば、当事者や関係者が多数登場する事例が問題になることもあります

民事系の問題に取り組む場合は、問題文を焦らずにしっかり理解して当事者の関係図を書きながら頭の中を整理するなどの工夫が必須です。

そのため民事系の論文式試験で高得点の答案を作成するためには、問題文中の事実事項を整理した上で問題に当てはまる正確な法律に則して論じていく力が必要になってきます。

③刑事系(刑事法・刑事訴訟法)

司法試験の論文試験では、刑事法と刑事訴訟法の2科目が「刑事系」に該当します。

刑事系の論文式試験では問われている法律的な論点は基本的なものが多く、過去の判例によって規範が確立しているものがほとんどであるため、多くの受験生が正確に論証を書き出してくることが予想されます。

そのため司法試験でよく言われる「あてはめ」の部分の説得力や精度が最も論証の評価に差が出やすい科目です

問題となっている要件の事実を的確に書き出す「事実の摘示」と、その事実がなぜ要件を満たすのかを論じる「事実の評価」をわかりやすく書き分けるのが高評価をもらえる答案の書き方です。

④選択科目

司法試験の論文式試験には選択科目があり、受験生は計8科目の中から1科目を選択して解答します。

  • 倒産法
  • 租税法
  • 経済法
  • 知的財産法
  • 労働法
  • 環境法
  • 国際関係法(公法)
  • 国際関係法(私法)

論文式試験の選択科目では、自分が得意な科目や一般的に合格率が高いと言われている科目を選び、試験勉強の時点で戦略を練っていくことが大切です

ここからは各法律科目の特徴についてご説明していきます。

倒産法

倒産法とは​​破産法、(会社法による)特別精算、民事再生法、会社更生法の総称で、倒産法という法律はありません。
司法試験では上記のうち破産法と民事再生法が試験範囲となり、各1問ずつ出題されます。

倒産法は民事系科目と関連している法律のため、民事系科目が得意な受験生から人気があります

また破産法と民事再生法は共通点が多いため、勉強では破産法を中心に民事再生法との違いも意識しながら過去問演習をしていくことが効果的と言えるでしょう

租税法

租税法は、所得税法を主軸として法人税法と国税通則法から出題されます。

租税法は受験生から人気があまりない科目ですが、試験範囲が比較的狭いというメリットもあるため、使い方次第では試験を有利に進める存在となります。

租税法では所得税法の中でも所得分類が良く出題されるため、基本的には所得税法を勉強していきましょう。

法人税法との違いや判例を使った勉強も効果的です

経済法

経済法は、主に独占禁止法に関する問題が出題されます。

人の生命や身体、財産などを保護する他の法律と違い、市場の競争機能という抽象的な概念を扱う法律であることが最大の特徴です

経済法では、どのような事業活動が独占禁止法の対象となるかどうかを「条文に該当するか」「市場に悪影響を及ぼすか」の2つの視点から勉強することが重要になってきます

知的財産法

知的財産法は特許法・実用新案法・意匠法・著作権法・商標法などの総称を指しており、司法試験では特許法と著作権法が試験範囲となります

知的財産法は「特許権に基づいて差止請求ができるか」「特許侵害による損害賠償請求が認められるか」という視点から問題が出題されることが多いため、様々な判例を使って勉強していくことが重要です

労働法

労働法は民法の特別法ということもあり、民法的な発想や債権法的な発想が要求される試験範囲です。

また労働法は選択科目の中で1番人気がある科目であり、特に教材が充実しているところも特徴です。

しかし労働法は試験範囲が広いため、「みんな選んでいるから」という理由で選択するのは少し危険です

労働法では予備校などが出している論証集などを暗記し、あてはめによる「考慮要素」と「相場感」に磨きをかけるという勉強方が効果的です

環境法

環境法は環境基本法をはじめとする環境10法が試験範囲となり、選択する受験生が少ないところが特徴です

しかし、環境法は環境10法の知識を問う問題というよりは適切な条文を環境10法の中から牽引できるかどうかを問う問題が多いため、インプットはそこまで大変ではありません。

そのため環境法では環境10法の基本構造を理解するとともに、過去問を使って問題が「どこの法律の条文を指しているか」をしっかり理解して適切な条文を牽引する勉強が効果的です

国際関係法(公法)

国際関係法(公法)は国際法・国際経済法・国際人権法の3法から出題され、国家間で起こる紛争や国家規模の問題に対する解決策が問われます。

国際関係法(公法)はインプットが多い範囲ですが、過去問から似たような出題が多い範囲でもあるため、国際法に関する基本知識をしっかり理解しながら過去問演習を何周も繰り返す勉強法が効果的です

国際関係法(公法)は基本知識さえしっかり押さえておけば、過去問を解くことで合格レベルの答案は作れる穴場科目と言えるでしょう

国際関係法(私法)

国際関係法(私法)は個人間における国際紛争の解決に利用される法律であり、司法試験では準拠法選択の問題や国際民事手続法が試験範囲として出題されます

国際関係法(私法)は受験生から根強い人気がある選択科目で、教材や予備校の講義は比較的充実しています。

国際関係法(私法)では条文の趣旨がしっかり答案に反映されているかという点が重要視されるため、各条文の趣旨までしっかり勉強することが求められます

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司法試験と予備試験の違い

次に、予備試験の選択科目について解説をしていきます。

基本的に、予備試験の試験科目は、司法試験と多くの部分で重複しています。

ただし、下記の試験科目は、予備試験にのみ用意されており、司法試験にはない内容です。

※2022年から予備試験に選択科目が導入され、司法試験と同様の選択科目が追加されました。それに伴い、以前は予備試験にのみあった一般教養科目が廃止されました。

実務基礎科目

予備試験では論文式試験の科目に法律実務基礎科目が追加されます。

法律実務基礎科目はより実践を想定した試験科目となっており、民事系と刑事系の2科目があります。

民事系では主に要件事実・準備書面問題・法曹倫理が問われることに対し、刑事系では、刑事手続・事実認定・法曹倫理を問う問題が出題されます。

口述試験

予備試験には、前述した法律実務基礎科目を口述形式で問う口述試験があります

口述試験は予備試験独自の試験で、試験官の質問に口頭で即座に答える試験形式になっています。

口述試験の合格率は約95%と非常に高く、短答式試験と論文式試験に合格してきた受験生からするとそこまで難易度は高くない試験と言えるでしょう。

予備試験の選択科目はどれがおすすめ?選び方や各科目を紹介

司法試験合格後の流れ

先にも述べたように、司法試験合格後に放送として活動するには1年程度の司法修習を済ませなければいけません。

ここでは、司法試験合格後の流れについて紹介します。

①司法修習

司法修習は法律実務に基づいた教育が行われるカリキュラムであり、実務に必要な知識や技術の教育・指導が行われています。

経験豊富な実務法曹が指導し、司法修習生は多様な法的事象に対処するための基礎力を上げることを目標にしています。

法曹には高度な倫理観や職業意識が求められるため、法曹倫理の習得が重要な修習テーマとして挙げられます。

司法試験の合格者が司法修習に申し込む際、合格発表から数週間以内に申込書類を提出しなければいけません。

司法研修所の導入修習から始まり、分野別実務修習、選択型実務修習、集合修習を経て、最終的に司法修習生考試に進むのが一般的な流れです。

最後に司法修習生考試に合格すると、司法修習の課程は終了し、合格者は判事補、検事、または弁護士になる資格を得られます。

➁司法修習生考試(二回試験)

司法修習生考試は修習生が判事補などの資格を取得するために修習期間の終了時に受ける試験です。

法曹として活動するためには司法試験に加えて考試にも合格する必要があり、一般的に二回試験と呼ばれることもあります。

試験に合格しなければ資格を得ることができないため、司法修習生にとっては卒業試験とも言えます。

試験内容は民事裁判、刑事裁判、検事、民事弁護、刑事弁護の5科目で構成されており、試験は1日1科目ずつ行われ、各科目の解答時間は7時間半です。

試験期間は5日間連続で実施されるため、高い集中力と相応の気力・体力が求められます。

法務省の資料によれば、ほとんどの司法修習生が考試に合格しており、司法試験に比べて難易度が低いとされています。

司法試験にチャレンジしよう

今回は司法試験の試験科目や合格率、司法試験と予備試験の試験科目の違いについてご紹介してきました。

司法試験は短答式試験と論文式試験で構成されており、短答式試験では足切り制度があるため7割程度の正答率が求められます。

法曹業界への就職を考えているのであれば司法試験への合格が必要であり、「予備試験ルート」又は「法科大学院ルート」のいずれかによってまずは受験資格を獲得しなければいけません。

また司法試験合格には3,000~8,000時間の勉強時間が必要であり、試験には5回の受験制限があることも念頭に置かなければいけません。

司法試験合格を目指す方はアガルートといった通信講座の利用も検討してみて下さい。

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