中小企業診断士は合格率が約5%で、非常に難易度が高い資格です。
そのため、特に働きながら資格取得を目指している方は、計画的な学習が求められます。
この記事では、中小企業診断士の難易度が高い理由や合格率の推移、他の資格の難易度を比較解説します。
勉強のポイントも紹介しているので、ぜひ最後まで読んでください。
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中小企業診断士の試験難易度は高い
中小企業診断士の試験難易度は高いです。
他の資格と比べても難易度が高いとされる理由を解説します。
- 必要な勉強時間の目安は1,000時間以上だから
- 1次試験は絶対評価・2次試験は相対評価だから
- 合格基準点があるから
必要な勉強時間の目安は1,000時間以上だから
中小企業診断士試験に合格するためには、約1,000時間以上の勉強時間が必要とされています。
試験は1次試験と2次試験の2段階で構成されており、それぞれの試験対策に必要な理想の勉強時間は以下の通りです。
試験 | 勉強時間 |
---|---|
1次試験 | 800時間 |
2次試験 | 200時間 |
学習期間を1年とする場合、1日あたりに必要な勉強時間は約2~3時間です。
中小企業診断士は働きながら受験する方が多いので、毎日の勉強時間を確保したり、週末にまとめて勉強する時間を設けるなど、長期的な学習計画と高いモチベーションが求められます。
また、学習範囲が広く、経済学や経営学、財務・会計、経営法務など多岐にわたります。
知識をしっかりと身に付けるためには、効率的に学習を進めることが大切です。
1次試験は絶対評価・2次試験は相対評価だから
マークシート形式の1次試験は絶対評価で、各科目で一定の基準点をクリアすることが必要です。
一方で、2次試験は相対評価で行われていると言われています。
2次試験の合格率は毎年20%程度なので、他の受験者との相対的な評価によって、上位20%以上の点を取る必要があると言えるでしょう。
絶対評価は自分自身の努力と知識の深さが試される一方、相対評価では他の受験者との競争が重要です。
評価方法を理解したうえで、それぞれの試験形式に応じた試験対策を意識しましょう。
合格基準点があるから
中小企業診断士試験には、各試験ごとに設定された合格基準点が存在します。
以下の表は1次試験と2次試験の合格基準点です。
合格基準点 | 合格基準点 |
---|---|
1次試験 | 総点数の60%以上であって、かつ1科目でも満点の40%未満がないこと |
2次試験 | 筆記試験:総点数の60% 以上で、かつ、1科目でも満点の 40% 未満がないこと 口述試験:評定が 60% 以上であること |
参照元:一般社団法人 中小企業診断協会『試験に関するよくある質問(FAQ)』
中小企業診断士の合格基準をクリアするためには、各科目で高い理解度と知識を持ち、安定して高得点を取ることが求められます。
中小企業診断士試験の合格率は?
中小企業診断士試験の合格率は非常に低いです。
以下に1次試験、2次試験、および全体の合格率をリストアップします。
- 1次試験の合格率
- 2次試験の合格率
- ストレート合格率
1次試験の合格率
1次試験の合格率は約20~30%です。
過去10年の合格率の推移を以下表にまとめました。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
令和5年度(2023年) | 18,755名 | 5,560名 | 29.6% |
令和4年度(2022年) | 17,345名 | 5,019名 | 28.9% |
令和3年度(2021年) | 16,057名 | 5,839名 | 36.4% |
令和2年度(2020年) | 11,785名 | 5,005名 | 42.5% |
令和元年度(2029年) | 14,691名 | 4,444名 | 30.2% |
平成30年度(2028年) | 13,773名 | 3,236名 | 23.5% |
平成29年度(2027年) | 14,343名 | 3,106名 | 21.7% |
平成28年度(2026年) | 13,605名 | 2,404名 | 17.7% |
平成27年度(2025年) | 13,186名 | 3,426名 | 26.0% |
平成26年度(2024年) | 13,805名 | 3,207名 | 23.2% |
年度によって合格率が変動しています。
近年は合格率が30%前後で安定しています。
2次試験の合格率
2次試験の合格率はさらに低く、約20%前後となっています。
以下は、過去10年の2次試験の合格率の推移を示した表です。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
令和5年度(2023年) | 8,241名 | 1,555名 | 18.9% |
令和4年度(2022年) | 8,712名 | 1,625名 | 18.7% |
令和3年度(2021年) | 8,757名 | 1,600名 | 18.3% |
令和2年度(2020年) | 6,388名 | 1,174名 | 18.4% |
令和元年度(2029年) | 5,954名 | 1,088名 | 18.3% |
平成30年度(2028年) | 4,812名 | 905名 | 18.8% |
平成29年度(2027年) | 4,279名 | 828名 | 19.4% |
平成28年度(2026年) | 4,394名 | 842名 | 19.2% |
平成27年度(2025年) | 4,941名 | 944名 | 19.1% |
平成26年度(2024年) | 4,885名 | 1,185名 | 24.3% |
上位20%以上が合格する相対評価と言われており、1次試験を突破した受験者もここで一定数が不合格となります。
2次試験は、筆記試験と口述試験の2種類です。
事例問題が出題され、実際のビジネスシーンを想定した問題に対して、適切な解決策を提案する能力が求められます。
ストレート合格率
1次試験と2次試験のストレート合格率は、約5%前後で低いです。
年度 | 1次試験の合格率 | 2次試験の合格率 | 全体の合格率 |
---|---|---|---|
令和5年度(2023年) | 29.6% | 18.9% | 5.4% |
令和4年度(2022年) | 28.9% | 18.7% | 5.4% |
令和3年度(2021年) | 36.4% | 18.3% | 6.6% |
令和2年度(2020年) | 42.5% | 18.4% | 7.8% |
令和元年度(2029年) | 30.2% | 18.3% | 5.5% |
平成30年度(2028年) | 23.5% | 18.8% | 4.4% |
平成29年度(2027年) | 21.7% | 19.4% | 4.2% |
平成28年度(2026年) | 17.7% | 19.2% | 3.4% |
平成27年度(2025年) | 26.0% | 19.1% | 5.0% |
平成26年度(2024年) | 23.2% | 24.3% | 5.6% |
ストレート合格率は、1次試験と2次試験の合格率をもとに算出しています。
ただし、中小企業診断士の1次試験で科目合格した科目は、事前申請すれば翌年と翌翌年の受験が免除されます。
そのため、合格有効期限を活かして、複数年をかけて合格を目指す方も多いです。
ストレート合格率は合格率は非常に低く、難易度が高いです。
しかし長期間の学習計画によって、試験に合格する可能性を高められます。
中小企業診断士の合格者の傾向
一般社団法人 中小企業診断協会が公表している最新の統計調査をもとに、中小企業診断士の合格者の傾向をまとめました。
- 男女の割合
- 受験者の職業
- 平均年齢
男女の割合
性別 | 1次試験 | 2次試験 | ||
---|---|---|---|---|
申込者数 | 合格者数 | 申込者数 | 合格者数 | |
男性 | 23,170名 | 5,123名 | 7,985名 | 1,421名 |
女性 | 2,816名 | 398名 | 616名 | 134名 |
参照元:一般社団法人 中小企業診断協会『令和5年度の試験について』
中小企業診断士の1次試験と2次試験の申込者の割合は、男性が約90%、女性が約10%でした。
男性の申込者の方が、圧倒的に多いです。
合格者の男女比率も9:1程度で、申込者数の男女比率と大きく変わりません。
受験者の職業
中小企業診断士試験1次試験の受験者数の職業を、以下にまとめました。
職業 | 申込者数 | 合格者数 |
---|---|---|
経営コンサルタント自営業 | 117 | 28 |
税理士・公認会計士等自営業 | 270 | 46 |
上記以外の自営業 | 182 | 28 |
経営コンサルタント事業所等勤務 | 211 | 62 |
民間企業勤務 | 5,494 | 1,043 |
政府系金融機関勤務 | 176 | 38 |
政府系以外の金融機関勤務 | 726 | 106 |
中小企業支援機関 | 125 | 17 |
独立行政法人・公益法人等勤務 | 105 | 11 |
公務員 | 370 | 60 |
研究・教育 | 41 | 7 |
学生 | 149 | 28 |
その他(無職を含む) | 635 | 81 |
学生の受験者は全体の1.7%程度です。
ほとんどの受験生が、働きながら中小企業診断士試験に臨んでいます。
中小企業診断士と他の資格の難易度を比較
中小企業診断士試験の難易度は、他の資格と比較しても高いとされています。
以下に合格率と勉強時間で、それぞれの資格の難易度を比較しました。
- 合格率で比較
- 勉強時間で比較
合格率で比較
中小企業診断士試験の合格率と、他の資格との違いを以下の表にまとめました。
国家資格 | 合格率 |
---|---|
中小企業診断士 | 5%前後 |
司法書士 | 3~5% |
社会保険労務士 | 4~6% |
税理士 | 約20% |
行政書士 | 10%前後 |
宅建士 | 15~17% |
FP1級 | 13% |
公認会計士 | 10% |
中小企業診断士の合格率は約5%で、司法書士や社会保険労務士など、代表的な難関国家資格と同程度に低いです。
一方で、税理士の合格率は約20%、宅建士が15~17%、FP1級は13%で、中小企業診断士より高くなっています。
合格率のみで難易度は断言できませんが、中小企業診断士の難易度は、他の資格と比べて高いと言えるでしょう。
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勉強時間で比較
中小企業診断士試験の勉強時間の目安は、他の国家資格と比較しても長いです。
国家資格 | 勉強時間 |
---|---|
中小企業診断士 | 1,000時間 |
司法書士 | 3,000時間 |
社会保険労務士 | 500~1,000時間 |
税理士 | 4,000時間 |
行政書士 | 600〜1000時間 |
宅建士 | 300時間 |
FP1級 | 400~600時間 |
公認会計士 | 3,000時間 |
例えば、宅地建物取引士の勉強時間が300時間程度であるのに対し、中小企業診断士は1,000時間以上必要とされています。
必要な勉強時間の目安は、社会保険労務士や行政書士と同程度です。
勉強時間の長さからも、試験の難易度は高いと判断できるでしょう。
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中小企業診断士試験に合格するための勉強法
中小企業診断士試験に合格するためには、計画的な勉強法が重要です。
以下に効果的な勉強法をリストアップします。
- 計画的な学習計画を立てる
- 過去問を繰り返す
- 模擬試験で実践力を身に着ける
- 通信講座を受講する
計画的な学習計画を立てる
まず、長期的な学習計画を立てることが重要です。
各科目の学習スケジュールをしっかりと立て、計画的に進めることで効率的な学習が可能となります。
勉強時間の目安は1,000時間です。
1日の勉強時間と試験日から逆算して、最適な学習計画を立てましょう。
計画的な学習が成功の鍵です。
過去問を繰り返す
過去問を繰り返し解くことで、試験の出題傾向を把握することができます。
過去問の分析を通じて、自分の弱点を見つけ出し、重点的に補強しましょう。
また、過去問を解くことで、自信を持って本番に臨むことができます。
模擬試験で実践力を身に着ける
模擬試験を受けることで、本番の試験環境に慣れることができます。
実際の試験と同じ形式で練習することで、時間配分や問題解決のスピードも向上します。
模擬試験は、本番の試験をシミュレーションするための最適な方法です。
これにより、緊張感やプレッシャーに慣れることができ、本番でも冷静に対応することができるでしょう。
通信講座を受講する
通信講座を受講することで、専門的な知識を効率的に学ぶことができます。
プロの講師からの指導を受けることで、独学では難しい部分も克服できます。
通信講座は、自分のペースで学習できる点が大きなメリットです。
また、最新の試験情報や対策を提供してくれるため、常に最適な学習方法を取り入れることができます。
通信講座の活用は、合格への強力なサポートとなります。
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中小企業診断士試験の受験でよくある疑問
中小企業診断士試験に関するよくある疑問に答えます。
以下に代表的な質問とその回答をリストアップします。
- 中小企業診断士試験の難易度は高い?低い?
- 中小企業診断士の合格率はどれくらい?
- 独学でも中小企業診断士は合格できる?
中小企業診断士試験の難易度や合格率・試験日・勉強方法・勉強時間まとめ
中小企業診断士試験の難易度は高い?低い?
中小企業診断士試験の難易度は高いです。
試験範囲が広く、各科目での高い理解度が求められます。
また、1次試験と2次試験の両方で高い成績を収めることが必要です。
試験内容は実務に直結しており、ビジネスにおける幅広い知識と応用力が試されます。
合格率が約5%と低いことも難易度の高さを物語っています。
中小企業診断士の合格率はどれくらい?
中小企業診断士試験の合格率は低いです。
1次試験の合格率は約20~30%、2次試験の合格率は約20%前後、ストレート合格率は約5%とされています。
合格するためには、長期的な学習計画を立て、効率的に学習を進めることが求められます。
独学でも中小企業診断士は合格できる?
独学でも中小企業診断士試験に合格することは可能です。
しかし、計画的な学習と効率的な勉強方法が重要です。
過去問を繰り返し解くことや、模擬試験を受けることで実践力を身に着けることが求められます。
独学に限界や不安、孤独を感じる方は、通信講座の活用も検討してみましょう。
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