通信制高校の部活が良い！？強豪校を紹介

結論からいうと、通信制高校にも部活動はあります。

一般の全日制高校と同様に、生徒たちは学業だけでなく、興味や特技に合わせてさまざまな部活動に参加することが可能です。

部活動は、不登校や学校に行けない状況にある子供たちにとっても、大切な社会的な交流や成長の場となります。

ただし学校によっては、部活動がない通信制高校もあるため、高校で部活を始めたい方は事前の情報収集が欠かせません。

通信制高校にはどんな部活があって、他校との試合などもあるのでしょうか？

通信制高校の部活動の特徴について、詳しく解説します。

通信制高校の部活動の種類

通信制高校の部活動には、スポーツ系、文化系、芸術系などさまざまな種類があります。

野球、サッカー、バスケットボールなどのスポーツ部から、美術、演劇、写真などの文化系部まで、実にさまざまです。

また珍しいもので、サーフィン部やeスポーツ部、サバゲー部、ユーチュー部、和太鼓部なども存在します。

通信制高校では、生徒の多様なニーズに対応するため、特色ある部活動が展開されているのが特徴です。

通信制高校にもインターハイがある

通信制高校の生徒たちも、全日制高校のインターハイに相当する大会があります。

「全国定時制通信制体育大会」と呼ばれるこの大会は、公益財団法人全国高等学校体育連盟が主催しています。

令和5年度も、軟式野球や陸上、バスケットボール、サッカーなど、11種目のスポーツ競技が実施されました。

部活動を通じて、友情やスポーツマンシップを深め、成長する機会となっています。

全日制高校の部活との違いは？

通信制高校と全日制高校の部活動の違いは、以下のような点です。

• 活動時間
• 練習の頻度
• 上下関係

通信制高校は自宅学習が基本ということもあり、部活の活動時間は少なめです。

全日制高校のようなハードな部活は少なく、健康管理や趣味、息抜きなどが目的で活動されていることが多いでしょう。

また通信制高校は学年制じゃないことから、上下関係もさほど厳しくなく、のびのびと活動できるのも特徴の1つです。

「通信制高校に行ったらスポーツ系の部活を頑張りたい！」という方に向けて、スポーツ強豪校を紹介していきたいと思います。

クラーク記念国際高等学校

クラーク記念国際高等学校は、2016年に甲子園に出場した強豪校です。

通信制高校でありながら、野球部は甲子園でベスト4に入る実績を持っており注目を集めています。

また女子硬式野球部は「東北楽天ゴールデンイーグルス」と提携し、卒業生がプロ入りを果たすほどの強豪チームです。

そのほかにも、女子バレーボールや男子サッカー部、女子ラグビー専攻といった強化指定スポーツクラブでは、最高レベルの設備と環境でプロが指導するスポーツ教育を実践しています。

スポーツコースの生徒は週5回の登校日があり、午前中は授業を受け、午後からは専門科目として練習を行います。

通信制高校は授業の時間が少ないため、残りの時間を部活動に割くことが可能です。

また寮も完備しており、スポーツに打ち込みたい生徒が部活動に集中できる環境が整っています。

第一学院高等学校

第一学院高等学校は、世界で活躍する香川真司選手をはじめ、サッカー日本代表にも選ばれた柿谷曜一朗選手や酒井宏樹選手を輩出した実績を持つ強豪校です。

この学校にはスポーツコースがあり、2007年からスポーツコースサッカー部が設置され、2020年にはスノーボード部とスケートボード部が新設されました。

スポーツコースサッカー部では、サッカーを中心としたカリキュラムが組まれ、専門スタッフの元でトレーニングを行うことができます。

また、茨城県の全国高等学校体育連盟に加盟しているため、全日制高校が出場する大会にも参加することが可能です。

地球環境高等学校

地球環境高等学校は、2002年に長野県佐久市に開校した通信制高校です。

設立した2002年に、サッカー部が全国高校サッカー選手権大会に出場したことでも広く知られています。

野球部は2004年に設立され、甲子園出場高校を指導した経験を持つ監督を迎えています。

その成果もあり、2012年の第84回選抜高等学校野球大会において、通信制高校としては初めて甲子園に出場しました。

さらに、卒業生の中にはプロ野球チームに入団した生徒もいるほど、高いレベルの野球を目指す生徒が多く集まっています。

地球環境高等学校では、週1日または3日登校するコースのほか、6月と11月に5日間だけ登校すればよいコースなど、柔軟な学習スタイルが採用されているのが特徴です。

スポーツに集中して取り組みたい生徒にとっても、学業と部活動の両立がしやすい環境と言えるでしょう。

星槎国際高等学校

星槎国際高等学校には、バスケットボール部やサッカー部、アーチェリー部、フットサル部、バドミントン部、テニス部など、多様な部活動が存在します。

高等学校体育連盟に加盟しており、毎年多くの部活動が東京都の「全国定時制通信制体育大会」に出場しているスポーツの強豪校です。

中でも、星槎国際高等学校が力を入れている部活が「野球部」です。

野球部は宮澤杯野球大会で全国準優勝を果たすなど、その実績は素晴らしいものがあります。

通信制高校でありながら、週5日にわたる練習を行うなど、「好きなことを思いっきりやってみよう！」という教育方針が深く根付いている学校です。

青森山田高等学校

青森山田高等学校は、甲子園に11回出場し、ベスト8の成績を持つ実力派の高校です。

通信制高校であることはあまり知られていませんが、甲子園の常連校として広く知られています。

平日は3時間、休日は5時間を野球の練習に充てるなど、青森山田高校は野球部の熱心な取り組みが特徴的です。

さらに、青森山田高校には強力なサッカー部も存在します。

全国高校サッカー選手権大会では準優勝を果たすなど、高い実績を残しています。

高円宮杯U-18サッカーリーグ2019のファイナルでは優勝を勝ち取るなど、サッカーでもその実力が認められています。

通信制高校は、eスポーツの活動に力を入れている学校が多くあります。

eスポーツは高い集中力や戦略的思考を要求するため、生徒たちの頭脳とチームワークの成長に寄与することが期待されているスポーツです。

ますます人気が高まるeスポーツの強豪校を解説します。

学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校

N高校のeスポーツ部は、毎年夏に開催される全国の高校生eスポーツ大会「STAGE:0」で4年連続優勝を達成するなど、各大会で優秀な成績を収めている強豪校です。

部員たちはコミュニケーションツール「Slack」を使って雑談を楽しんだり、ゲーム好きには欠かせないボイスチャットアプリ「Discord」を活用したりして交流を深めています。

大会を目指す本格派の部員もいれば、好きなゲームをプレイして楽しむ部員もいて、色んな生徒が部活に参加しています。

eスポーツ部は、チーム戦でも個人戦でも勝利を手にするためにスキルと戦略が不可欠です。

そのため、生徒たちはプロゲーマーチームを指導パートナーに迎え、大会や試合でより一層の成果を挙げることを目指しています。

ルネサンス高等学校

ルネサンス高等学校は、2018年に日本の高校で初めてeスポーツコースを開講した通信制高校です。

2023年4月には、新設の池袋キャンパスでもeスポーツコースを開講しました。

ルネサンス高校の場合は部活ではなく「コース」としてeスポーツ取り入れており、充実したゲーミング環境が整備された教室で、全国大会で好成績を収めた選手たちを育成しています。

ルネサンス高校グループは通信制を基本としていますが、eスポーツコースは通学を前提としたコースです。

このコースを選んだ生徒たちはプロゲーマーへの道を選ぶケースもありますが、自分の新しい道を見つけたり、好きなゲームをきっかけに不登校を克服したりといった成果をもたらしています。

eスポーツ高等学院

通信制高校と連携したeスポーツ専門の学校「eスポーツ高等学院」は、プロゲーマーやストリーマー、ゲーム実況、プログラマー、ゲームアナリスト、ゲームライターなどを目指せる専門学校です。

こちらも部活動ではなく、eスポーツを専門的に学べる学校として、2022年4月に開校しました。

元サッカー日本代表のプロ選手であり、プロスポーツの解説やコメンテーターとして活躍する「北澤 豪氏」が名誉学院長です。

eスポーツ高等学院では、eスタジアムで授業が行われます。

Eスタジアムはeスポーツのために特別に作られた空間で、超大型メインビジョンや500台以上のハイスペックゲーミングPCなどが設置されています。

さらに、音響、照明、防音配信ブース、エントランスホール、ケアトレーニングスペースなど、最先端の設備が充実した環境です。

明聖高等学校

明聖高等学校は、千葉県千葉市中央区に本校がある千葉県初の通信制高等学校です。

硬式野球部やサーフィン部をはじめ、eスポーツ部の活躍が注目を浴びています。

明聖高校のeスポーツ部は、現在、千葉本校と中野キャンパスの2つの場所で活動しています。

部活動は週3回、1日2時間ほど。

時間が短いので、部活以外の時間で自主練習に取り組み実力を伸ばしています。

明聖高校のeスポーツ部は、2020年に始まった第3回全国高校生eスポーツ選手権の「ロケットリーグの部」に参加。

順調に勝ち進み、ブロック決勝戦まで進出しました。

明聖高校の生徒たちはeスポーツを「遊び」とは捉えず、日頃の練習の成果を発揮できる活躍の場として真剣に取り組んでいます。

ヒューマンキャンパス高等学校

ヒューマンキャンパス高等学校では、専門コースの一環としてeスポーツを学べる通信制高校です。

一流のプロ選手から直接指導を受けることで、「ゲームが強いだけ」ではなく、ファンやスポンサー企業に応援される魅力的な選手に成長することを目指しています。

また、提携する「Human Academy CREST GAMING」span>のプロ選手から、直接学べるセミナーやイベントも人気です。

プレイスキルやコミュニケーション能力など、eスポーツ業界の就職に必要なことをプロから直接学ぶことができます。

結論からいうと、通信制高校の部活動に参加することが、就職や進学に直接的に役立つことはありません。

プロ入りや、全国大会で活躍するほどのレベルとなれば別ですが。

しかし部活動に夢中になれることは、高校生の特権の特権でもあります。

仲間と切磋琢磨した経験や汗を流した時間、大会で成果を発表した体験は、豊かな高校時代には欠かせない要素でしょう。

通信制高校でも部活動が盛んな高校はいくらでもありますので、中学から継続したい部活、新しく挑戦したいスポーツなどがあれば積極的に参加してみてください。

部活動が盛んな通信制高校を紹介しましたが、すべての通信制高校が該当する訳ではありません。

ここでは、通信制高校へ進学する際に知っておきたい>部活事情を解説していきます。

スポーツができるグラウンドや体育館がない

私立の通信制高校は全国から生徒を集っており、最寄りの学習センターへ集まってテストやスクーリングを実施します。

設備が充実しているのは本校くらいですので、すべての生徒が部活動に参加できるとは限りません。

グラウンドや体育館などの設備が整っている本校に通学できなければ、野球やサッカーなど広い施設が必要な部活には参加できないことを念頭に入れておきましょう。

毎日登校する概念がない

通信制高校は自宅学習やオンライン学習が基本なので、毎日登校して放課後に部活をする全日制高校のような活動はできません。

部活動があっても週1〜3回だけ、月2回のスクーリングのときだけなど、曜日や時間が制限されてしまうので要注意です。

「本格的に毎日やりたい！」という人は、スポーツの強豪校と呼ばれるような通信制高校に入学し、寮に入って生活するのが主流でしょう。

通信制高校の部活動事情や、強豪校について紹介しました。

基本的には楽しくのびのびと活動する部活が多いですが、甲子園など全国大会に出場するレベルの部活動も存在します。

スポーツ系だけでなく、eスポーツ部やアニメ部、吹奏楽部など、文化系の部活動も盛んです。

また学校にやりたい部活がなくても、生徒の意見を尊重して設置してくれる学校もあるでしょう。

通信制高校は他の生徒と接する機会も少ないので、部活動に参加することで仲間を増やしたり、絆を深めていったりといった社交性を向上させることができます。

またリーダーシップや責任感の重要性を身につけるきっかけにもなるため、自己成長の機会にもつながるでしょう。