法科大学院入試の難易度はどれくらい高い?受験倍率や合格率をもとに徹底解説!

法科大学院入試の難易度はどれくらい高い?受験倍率や合格率をもとに徹底解説!

法科大学院入試の難易度はどれくらい高い?受験倍率や合格率をもとに徹底解説!

法科大学院ルートで新司法試験受験を目指す場合、受験資格を得るためには法科大学院入試に合格することが前提です。

志望校を絞り込むにあたっては、実際の司法試験合格率を考慮し、上位の法科大学院を選ぶことが望ましいとされています。

しかし一方で、最近では法科大学院の閉鎖も増え、入試倍率が低下しているとの噂もあるようです。

実際のところ、法科大学院の入試の難易度はどれくらいなのでしょうか?

本記事では、各法科大学院の入試データや受験者の推移をもとに、難易度について考察します。

法科大学院を検討する方やロースクールの選択に迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

※本ページにはPRが含まれます。

法科大学院入試の難易度はどれくらい

法科大学院入試の難易度はどれくらい

法科大学院入試の難易度について知るには、入試倍率を知ることが先決です。

さっそく、入試倍率のランキングを見ていきましょう。

令和4年度|法科大学院の入試倍率ランキング

令和4年度の入試倍率順にランキングしました。

順位 法科大学院名 受験者数 合格者数 倍率
1 一橋大学 480 92 5.22
2 筑波大学 179 40 4.48
3 専修大学 194 44 4.41
4 日本大学 250 59 4.24
5 上智大学 138 41 3.37
6 東京都立大学 121 41 2.95
7 琉球大学 49 17 2.88
8 慶應義塾大学 1065 382 2.79
9 神戸大学 418 161 2.60
10 東京大学 626 244 2.57
11 早稲田大学 951 373 2.55
12 愛知大学 38 15 2.53
13 九州大学 141 58 2.43
14 関西大学 194 80 2.43
15 明治大学 357 148 2.41

法科大学院の倍率と難易度の関係性

法科大学院の難易度を単純に入試倍率だけで評価すると、一橋大学法科大学院が最も難しく、大阪公立大学法科大学院が最も簡単とされているように見受けられます。

しかし、実際には各大学院ごとに、受験者層や問題の難易度が異なるので注意が必要です。

例えば、東京大学法科大学院の受験者は質が高く、難易度が高い傾向があります。

また、私立の法科大学院では、慶應義塾大学法科大学院が競争が激しいため難易度が上がります。

入試は独自の問題が出題され、実践的なものからアカデミックなものまでさまざまな難易度があり、倍率だけでは法科大学院の難易度を適切に評価することはできません。

転職で資格をとりたい方は「転職で役に立つおすすめ資格!理由や難易度を徹底解説!」から詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください

法科大学院の志願者数は減少している?

法科大学院の志願者数は減少している?

法科大学院入試の難易度を調べるにあたって、志願者や入学定数の傾向も見ていきたいと思います。

志願者数・入学定員数・入学者数とも減少している

以下の表は、令和2年度の法科大学院における入学者選抜の状況です。

入学定員 志願者数 受験者数 合格者数 競争倍率 入学率
令和2年度 2233人 8161人 7369人 3336人 2.21 1711人
令和元年度 2253人 9117人 8090人 3627人 2.23 1862人
ピーク時 5825人 72800人 40810人 10060人 4.44 5784人

2004年に導入された法科大学院制度から、既に20年が経過しました。

この期間中、法科大学院には受験者数の減少や司法試験合格率の低迷、経済的・時間的負担などの懸念がありました。

しかし、近年では志願者の減少が下げ止まり、奨学金制度の拡充、学部の早期卒業制度の利用により学部入学から5年で修了できるルートが広がっています。

また、司法試験合格率も上昇傾向にあり、法学既修者の場合、法科大学院修了後3年目で7割近くが合格しています。

これらのポジティブな傾向から、法科大学院制度は改善されていると見られます。

人気の法科大学院入試の難易度は総じて高い

法曹志望者の数が減少している中、法科大学院の受験者も減少しています。

ただし、法科大学院の募集停止などの事情もあり、入学定員充足率は回復しています。

倍率の高い法科大学院は3倍~5倍程度の競争率であり、依然として人気の法科大学院には簡単には入学できません。

また、倍率は必ずしも入学の難易度と比例しません

法科大学院には偏差値のような指標がないため、複合的な指標で判断する必要があります。

実績の高い上位校は、やはり難易度が高いと考えられます。

出願する法科大学院を選ぶ際には、これらの情報を参考にしていただき、慎重に選定してください。

法科大学院入試の基本情報については「 法科大学院入試とは?試験科目や対策についても解説しています!」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。

司法試験の合格実績と法科大学院入試の難易度との関係性

司法試験の合格実績と法科大学院入試の難易度との関係性

法科大学院入試の難易度と、司法試験の合格実績は比例するのでしょうか?

詳しく解説していきます。

司法試験の合格上位校の入学難易度は相応に高い

法科大学院入試では、「偏差値」のように難易度を具体的に示す指標はありません。

したがって、複数の視点から考察する必要があります。

倍率以外にも、合格実績(合格者数および合格率)が難易度を測る際の重要な要素です。

合格実績は法科大学院のカリキュラムの充実度や学習環境など、入学後の状況にも影響されるため、確定的な指標ではありません。

しかし、志望者が実力の高い層であることは容易に推測できます。

法曹の道を志望する際には、司法試験の合格率を高める観点からも、できれば合格者数や合格率の高い上位校を選ぶことが望ましいでしょう。

ただし、上位校への入学難易度は相当に高いことは言うまでもありませんね。

【大学別】令和5年度の司法試験合格者数と合格率

令和5年度の司法試験の合格者数を、ランキングにて紹介します。

順位 大学院名 合格者数 既修・未修 合格率
1位 京都大 188人 167人・21人 68%
2位 慶應義塾大 186人 168人・18人 60%
3位 東京大 186人 152人・34人 59%
4位 早稲田大 174人 153人・21人 45%
5位 一橋大 121人 110人・11人 67%
6位 中央大 90人 81人・9人 39%
7位 大阪大 78人 68人・10人 43%
8位 神戸大 71人 68人・3人 49%
9位 名古屋大 71人 33人・9人 47%
10位 同志社大 29人 27人・2人 33%
11位 明治大 29人 26人・3人 27%
12位 北海道大 28人 23人・5人 38%
13位 東北大 25人 21人・4人 30%
14位 九州大 22人 20人・2人 23%
15位 立命館大 20人 20人・0人 18%

【大学別】司法試験の合格率ランキング

こちらは合格者数ではなく、合格率をランキングにしたものです。

順位 大学院名 合格率 合格者数
1位 京都大 68% 188人
2位 一橋大 67% 121人
3位 慶応義塾大 60% 186人
4位 東京大 59% 186人
5位 神戸大 49% 71人

上位5位においては、うち4校が国立大学でした。

中でも、一橋大学の合格者数はランキング5位だったものの、合格率では2位と優れた結果を残しています。

法科大学院の難易度が高いと言われる5つの理由

法科大学院の難易度が高いと言われる5つの理由

志願者の数は減少傾向にありましたが、近年の法科大学院の入試難易度は高くなることが予想されています。

その理由について、詳しく解説していきましょう。

1. 制度改革による需要の増加

法科大学院の難易度が高まる一因として、最近の法曹コースの設置・在学中受験の制度改革が挙げられます。

これにより法曹を目指しやすくなり、法科大学院の人気が一段と高まるでしょう。

2. 司法試験への対策が必要

法科大学院は、司法試験の受験資格を得るための養成機関です。

入試内容も一定の法律知識が要求されるため、受験者は司法試験も見据えた対策を入試の段階から行う必要があります。

3. 上位ロースクールの競争が激しい

上位ロースクールを目指す場合、例えば東京大学法科大学院や慶應義塾大学法科大学院など、競争が非常に激しくなります。

これらのロースクールは高いレベルの受験者が集まり、難易度も一層高まります。

4. 受験する法科大学院によって対策方法が異なる

法科大学院ごとに入試の傾向や形式が異なるため、受験生は志望校に合わせた戦略を練る必要があります。

複数の法科大学院を受験する場合、それぞれの特徴に対応することが重要です。

5. 論理的思考力の要求

法科大学院入試では単なる法律知識だけでなく、論理的思考力も問われます。

論述式試験が主体となるため、法律の知識を論理的かつ明確に表現できる能力が必要です。

40代からでも異業種に転職したい!という方は「40代からでもやり直せるおすすめ資格はある?転職にも使える資格も紹介!」から詳しく見ることができます。参考にしてみてください。

法科大学院の競争倍率と入試難易度

法科大学院の競争倍率と入試難易度

各大学院の倍率を見ると、8割以上の法科大学院が2倍台の競争倍率に収まっているのが分かります。

一見すると、実質的な競争倍率はそれほど高くないように思えますが、実際はどうなのでしょうか?

入試における複数の要素から見ていきましょう。

法科大学院の入試における試験制度

法科大学院の入試における試験制度は変遷しています。

かつては適性試験や法学既修者試験が一般的でしたが、近年はこれらの試験が実質的に廃止され、個別入試のハードルが低くなる傾向が見られます。

ただし、一橋大学法科大学院や東京大学法科大学院など、各大学院が独自の要件を設けており、受験者は募集要綱を確認し、準備を行ことが不可欠です。

特に私立法科大学院では、既修者と未修者向けに異なる試験形式が用意され、社会人向けの入試も存在します。

新型コロナウイルスの影響により受験日程の変更が頻繁にあるため、詳細は各大学院のHPで常に確認することが重要です。

法科大学院の入試対策

法科大学院入試は「売り手市場」で、現実には多くの大学院が定員割れしています。

しかし、競争に成功するためには一定の成績が不可欠です。

志願者数減少に流されず、確実な入試対策が求められます。

過去問解答や合格者の模範解答を通して実力を確認し、予備校の添削指導を利用すると有益でしょう。

既修者コースを複数校受験しようと考えている方は、大学4年の夏から翌年までが入試期間になるのが一般的です。

効率的な学習と司法試験も考慮した、戦略的な受験準備が必要になるでしょう。

既修者コースと未修者コース

法科大学院には通常「未修者コース」と「既修者コース」の2つがあります。

この区分は法学部出身か否かに拠らず、法学部生でも未修者コースを受験でき、逆に法学部生以外も既修者コースが選択可能です。

通常、既修者コースは2年間、未修者コースは3年間の学習期間があり、法学部生がじっくり学びたい場合は未修者コースを選ぶことも少なくありません。

早期に司法試験の受験資格を取得したい場合は、既修者コースが選ばれることもありますが、合格率は必ずしも短期間が有利とは限らないので要注意です。

純粋な未修者でも、大勢の既修者を上回る成績で上位で合格する方もいます。

司法試験合格を目指すなら、自身の進むべきコースを検討しましょう。

法科大学院の難易度は総じて高く、さまざまな要因に左右される

法科大学院の難易度は総じて高く、さまざまな要因に左右される

法科大学院の難易度は倍率だけでなく、受験者層や各大学院の独自の入試問題の難易度にも左右されることが分かりました。

例えば、一橋大学法科大学院が高い難易度とされつつも、各大学院ごとに質の異なる受験者層が存在し、実際の難易度は一概に言えません。

入試は実践的な問題からアカデミックな問題まで多様であり、それぞれの大学院が独自の特徴を持っています。

法科大学院受験を成功させるためには、各大学院の入試要項を確認し、個々の状況に合わせた戦略を構築することが不可欠です。

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