弁理士試験は例年の合格率6%程度と国家資格の中でも難易度が高い試験として知られています。
弁理士試験合格に必要な勉強時間は約3,000時間となっており、1~2年間程度の学習期間が必要だとされています。
今回の記事では、弁理士試験の合格に必要な勉強時間と勉強期間、勉強方法などについて紹介します。
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弁理士試験の合格には3,000時間必要
弁理士試験の合格には2,000時間~3,000時間は必要だといわれています。これは毎日5時間勉強しても1年7ヵ月かかる計算になります。
もちろん学習状況や習熟度によって必要な勉強時間は人それぞれ異なりますが、全くの0から弁理士の勉強を始める初学者の方は3,000時間の勉強時間が必要と考えておいた方がいいでしょう。
3,000時間という勉強時間から、弁理士試験の難易度の高さや長期間勉強を続ける必要があることがわかります。
早期合格を目指すなら毎日のスキマ時間にコツコツ学習を進めることや、効率的な勉強方法で勉強時間を短縮させる意識が大切になります。
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弁理士試験の勉強時間と他の資格の勉強時間を比較
弁理士試験の合格に必要な勉強時間は3,000時間といわれていますが、果たして他の資格と比べると勉強時間は多い方なのでしょうか?
弁理士の他にも難関試験とされる士業資格はありますので勉強量の目安として以下の表にそれぞれの資格に必要な勉強時間をまとめました。
資格名 | 勉強時間 | 合格率 |
---|---|---|
司法試験 | 5,000時間~6,000時間 | 約40% ※最終合格率 |
弁理士試験 | 2,000時間~3,000時間 | 約6% |
司法書士試験 | 2,000時間~3,000時間 | 約4% |
税理士試験 | 1,500時間~2,000時間 | 約20% |
社会保険労務士試験 | 1,500時間~2,000時間 | 約6% |
土地家屋調査士試験 | 800時間~1,000時間 | 約10% |
行政書士試験 | 400時間~600時間 | 約10% |
国家資格の中でも最難関とされる法曹三者(弁護士・裁判官・検察官)資格に必要な司法試験には5,000時間~6,000時間の勉強時間が必要とされており、弁理士試験の倍以上の勉強時間となっています。
ですが、その他の行政書士や土地家屋調査士といった国家資格と比べると弁理士試験の方が3倍程度の勉強時間が必要で、司法試験の次に勉強量が必要な国家試験であることがわかります。
そのため、勉強時間から見ても弁理士は比較的に難関な部類に入る資格といえます。
1年で弁理士試験に合格するためのスケジュール
試験形式 | 学習期間 |
---|---|
短答式試験 | 11月~5月下旬 |
論文式試験 | 5月下旬~7月下旬 |
口述式試験 | 7月下旬~10月下旬 |
弁理士試験は短答式筆記試験は5月下旬、論文式筆記試験は7月上旬から下旬、口述式試験は10月下旬に行われるため、受験前年の11月から学習をはじめるといいでしょう。
弁理士試験ではまず短答式試験に合格しなければ論文式試験や口述式試験を受けることができません。
前年の春から学習を始める場合でも年内は特許法、実用新案法、意匠法、商標法の四法に重点を置いて学習するようにしましょう。
さらに短答式試験に特有の不正競争防止法、著作権法、条約については試験が近づく年明けに集中的に学習すると定着します。
2年で弁理士試験に合格するためのスケジュール
弁理士試験に2年で合格を目指す場合、1年目は四法の趣旨を理解することに専念するのがいいでしょう。
2年目の春からも1年目と同様のスケジュールで進めてもいいですし、受験年の正月頃から論文試験の準備を少しずつ始めるのもひとつです。
さらに試験直前にはこれまで学んだ知識を過去問を解くことでアウトプットし、知識を確実なものにすることが大事です。
試験直前に模擬試験や答案練習会に参加したり、問題を解く順序やペース配分を確認しておくと本番でも安心して臨めます。
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弁理士試験について
勉強時間の解説の前に弁理士試験とは一体どのような試験なのか簡単な概要から解説していきます。
弁理士として活動するには1年に1回実施される弁理士試験に合格し、弁理士会へ登録する必要があります。
弁理士試験には受験制限がなく、年齢、性別、学歴、国籍問わず誰でも受験することができますが、実際の受験者の男女比は男性が約7割、女性が約3割の割合となっており社会人がほとんどです。
受験願書提出 | 3月中旬~4月上旬 |
---|---|
短答式筆記試験 |
|
論文式筆記試験 |
|
口述試験 |
|
最終合格発表 | 10月下旬~11月上旬頃 |
合格証書発送 | 11月上旬頃 |
受験資格 | なし |
受験手数料 | 特許印紙:12,000円 |
弁理士試験の内容
試験(試験日程) | 特徴 | 合格率 |
---|---|---|
短答式 |
| 10%~18 % |
論文式 |
| 25%程度 |
口述式 |
| 90%以上 |
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弁理士試験の合格率は6%程度
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
令和6年 | 3,160人 | 191人 | 6.0% |
令和5年 | 3,065人 | 188人 | 6.1% |
令和4年 | 3,177人 | 193人 | 6.1% |
令和3年 | 3,248人 | 199人 | 6.1% |
令和2年 | 2,947人 | 287人 | 9.7% |
令和2年を除いてここ5年の弁理士試験の合格率は6%程度で推移していることが分かります。
他の士業の中でも弁理士試験は司法書士・社労士の次くらいに難易度が高い試験と言われています。
先ほども述べたように平均受験回数が2回以上であることも踏まえると、独学だと難しいでしょう。
合格者の平均受験回数は2.41回
受験回数 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
初回 | 29 | 15.2 |
1回~5回 | 148 | 77.5 |
6回~10回 | 11 | 5.8 |
11回~15回 | 3 | 1.6 |
16回以上 | 0 | 0 |
平均受験回数 | 2.41 |
参照:令和6年度弁理士試験統計
弁理士試験の難易度が高いと言われる理由には合格者の受験回数が多いことも挙げられます。
令和6年度(2024年)弁理士試験では、合格者の平均受験回数は2.41回でした。
上記の表からもわかるように10回以上も受験している方もいることから難易度の高さがわかります。
弁理士試験の試験科目
弁理士試験の難易度の高さの理由として、試験科目が多く出題範囲が広いことが挙げられます。
弁理士試験は「短答式試験」と「論文式試験」と「口述試験」に分けられており、短答式試験は5科目、論文式試験は4科目から出題され、1科目毎に覚える内容が多いのが特徴の試験です。
そのため、合格するには1科目毎の対策が必要になり、膨大な勉強量を要するため非常に難易度の高い試験となっています。
以下に短答式試験と論文式試験の試験科目をまとめましたので参考にしてください。
弁理士短答式試験の試験科目
- 特許・実用新案に関する法令
- 意匠に関する法令
- 商標に関する法令
- 工業所有権に関する条約
- 著作権法及び不正競争防止法
弁理士論文式試験の試験科目
- 特許・実用新案に関する法令
- 意匠に関する法令
- 商標に関する法令
- 選択科目(理工I~V、法律の内1科目を選択)
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弁理士試験は独学でも合格できる?
前述した通り、弁理士試験は合格率6%~9%前後の非常に難関な試験ですが、独学の受験でも合格することはできるのでしょうか?
結論から先に述べますと独学での合格は非常に難易度が高いですが不可能ではございません。
弁理士試験の歴史は長く人気な資格ということもあって市販の参考書や問題集の種類が多く独学でも対策を立てやすくなっています。
ただし、参考書を買いあさったり闇雲に勉強する方法では合格は遠のいてしまうでしょう。
そこで以下では独学受験をされる際のポイントについて解説しておりますので、独学での受験を検討中の方は是非ご確認ください!
弁理士試験の科目別の対策
ここでは、短答式・論文式・口述式試験の各科目別に弁理士試験の対策について紹介します。
短答式試験
弁理士試験の短答式試験では条文と判例を理解することが重要です。
各制度の手続きの流れを意識しながら重要な条文や判例について知識を整理していきましょう。
弁理士試験の出題範囲は広いため、短期間で効率的に学習したい方には通信講座や予備校の講座を受講することをおすすめします。
また、条文や判例を理解した後は過去問に取り組むことも大事です。
なぜなら短答式試験では過去に出題された問題が再度出題されることが多いからです。
できれば10年分、少なくとも5年分の過去問を繰り返し解くことで、解けない問題を減らすようにすると自信につながるでしょう。
短答式試験の対策として特許法、実用新案法、意匠法、商標法の主要四科目は出題割合が約6~7割を占めているため重点的に学ぶことがポイントです。
しかし各科目には合格基準が設定されており、科目ごとに一定の点数を取得しなければ不合格となるため、バランスよく学習することも忘れないようにしましょう。
論文式試験
論文式試験では短答式試験で習得した知識をベースに、時間制限内に論理的な文章を作成するための訓練が求められます。
論文式試験の問題は複数のパターンに分類でき、それぞれのパターンに適した答案の書き方があります。
書き方のパーターンを習得することで論文の解答方法や答案作成法、学習方法を理解し、より論理的な文章をスムーズに作成できるようになります。
また模擬試験を受けることで自分の位置を把握し、本番の環境に慣れることができるのでおすすめです。
口述試験
弁理士試験の口述試験は90%以上の合格率を誇り、条文、趣旨、判例、事例に関する問題が出題されます。
例年、試験会場では試験委員2名と受験生がテーブルを挟んで座り、口頭試問が行われます。
出題内容は短答・論文で学習したものであり、口述試験専用の必須知識はありませんが、書面での試験とは異なり、相手との対話を通じて回答する形式であるため、試験委員との適切なコミュニケーションが求められます。
短答・論文の学習を十分に行った受験生でも、口頭試問では緊張やコミュニケーション不足から思うようにいかないことが少なくありません。
口述試験対策としては短答・論文で学んだ内容を復習し、簡潔に回答することが求められます。
弁理士試験の経験者や他の受験生に問題を出してもらい、口頭試問の練習を行うことも効果的です。
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