自身の収入がいくらあるか赤裸々に語る小説家はいないといっても過言ではない、謎に包まれることが多い小説家の収入問題。
また、小説家の収入の大部分を占めている「印税」ですが、どのように計算するのかご存知ですか?
この記事では、小説の印税の計算方法について紹介していきます。
さらに、ベールに包まれた小説家の印税についてや、国内の人気小説家の印税はいくらぐらいなのかを紹介していきます。
意外と知らない?印税について
よく耳にする「印税」というワードですが、印税についてはっきり説明できる方はもしかすると少ないのではないでしょうか?
印税の計算方法を紹介する前に、印税とは一体なんなのかを説明していきたいと思います。
そもそも印税とは一体なに?
「印税」とは、簡単に説明すると、小説を出版した際に著者が出版社から受け取るお金のことです。「税」という文字から税金なのでは?と勘違いされる方も多いですが、税金とは関係のないものです。
印税は著者と出版社の間で取り決められられるので、特にいくら以上でないといけないなどの規定はありません。
また、出版社によって印税の支払いのタイミングは異なります。
印税の支払い方法には2通りある?
印税には2通りの支払い方法があり「印刷部数契約」と「実売契約」に分けられます。
基本的な考え方は、小説が売れなくても刷った部数の印税が収入として入るか、売れた部数の印税のみの収入なのかどうかということになります。
- 印刷部数契約・・・印刷し発行した部数だけ印税が支払われる。小説が売れなくても発行部数分は保証される。
- 実売契約・・・小説が実際に売れた数分を集計し、印税が支払われる。ただし、初版発行時には一定部数の印税が支払われる。
印税と著作権の関係性は?
書籍の場合、著者の死去50年まで著作権が適用されます。したがって、著者の死去50年間の間は当然印税も支払われます。
肝心の印税の支払先は、著作権を相続された遺族などに支払われる仕組みになっています。
また、相続者がいない場合や死去50年以上経った場合は、著作権は消滅し印税の支払いもなくなります。
印税の計算方法とは?
印税について説明したところで、早速印税の計算方法を紹介していきます。
この印税の計算方法を覚えてしまえば、小説の印税がいくらになるのかが丸わかりになるかも?
印税の計算方法を紹介!
印税の計算方法は「小説の定価」×「発行部数(印刷部数)」×「印税率」で、おおよその金額の計算ができるといわれています。
意外と印税の計算は簡単。この計算式さえ覚えてしまえば印税の計算はバッチリですよね?
印税率はどのくらい?
印税の計算方法で一番重要なのが「印税率」です。印税は掛け算式の計算方法なので1%の差は大きいです。
小説の一般的な印税率は10%前後といわれており、人気小説家であればあるほどパーセンテージが高いとされています。
印税率は各出版社によって異なり、5~15%と設定されることが多いのだとか。
電子書籍の印税率は高い?
最近では、インターネット上の電子書籍サービスが普及していますよね?電子書籍は印刷代がかからないため、印税率が高く設定されていることが特徴です。
中でも「Amazon Kindle」は、印税率がなんと35%となっています。
ただし、電子書籍は売上部数で計算し印税が支払われるもで、小説自体が売れないと印税としての収入が見込めない仕組みになっています。
人気小説家の印税はどのくらい?
印税の計算方法を紹介したところで、国内の人気小説家は実際にいくらぐらい印税をもらっているのでしょうか?
人気小説家の代表作に焦点を当てながら、印税の計算をしてみましょう。※印税率は10%、文庫本の定価で計算しています。
人気の小説家「東野圭吾」の印税とは
国内で最も有名でダントツの人気を誇る東野圭吾さんは、年収が25~30億円ともいわれています。
東野圭吾さんといえば、代表作は「容疑者Xの献身」「マスカレード・ホテル」「白夜行」「流星の絆」「手紙」など。
代表作の発行部数をもとに、印税がいくらなのか計算してみましょう。
- 「容疑者Xの献身」 275万部 × 670円 × 10% = 1億8425万円
- 「マスカレード・ホテル」 355万部 × 760円 × 10% = 2億6980万円
- 「白夜行」 200万部 × 1,000円 × 10% = 2億円
- 「手紙」240万部×690円×10%= 1億6560万円
人気の小説家「村上春樹」の印税とは
「世界のムラカミ」とも呼ばれている、日本国内にとどまらず世界的にも知名度がある人気作家の村上春樹さん。
そんな村上春樹さんの代表作は「ノルウェイの森(上下)」「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」「IQ84」など。
さっそく、代表作の発行部数をもとに印税はいくらくらいに計算してみます!
- 「ノルウェイの森(上下)」 1000万部 × 560円 × 10% = 5億6000万円
- 「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」 162万部 × 750円 × 10% = 1億2150万円
- 「IQ84」 300万部 × 590円 × 10% = 1億7700円
- 「騎士団長殺し」 130万部 × 550円 × 10% = 7150万円
人気の小説家「宮部みゆき」の印税とは
年収が数億円ともいわれている宮部みゆきさんは、国内でもトップレベルの人気女性小説家ですよね。
そんな宮部みゆきさんの代表作で挙げられるのは「ソロモンの偽証」「悲嘆の門」「模倣犯」「杉村三郎シリーズ」など。
さて、そんな代表作の印税はいくらくらいなのでしょうか?計算してみました!
- 「ソロモンの偽証」 247万部 × 750円 × 10% = 1億8525万円
- 「悲嘆の門」 150万部 × 670円 × 10% = 1億50万円
- 「模倣犯」 420万部 × 790円 × 10% = 3億3180万円
小説の印税の計算方法とは?人気小説家はいくら稼ぐ?まとめ
いかがでしたか?
小説の印税の計算方法を使用して、人気小説家の印税がいくらくらいなのかを計算してまとめてみました。
人気小説家のベストセラー小説となると、やはり印税だけで1億円以上の収入があるようです。
印税の計算方法を覚えておくだけで、人気の小説家や話題の小説がいくらくらい収入があるかの目安になるので是非活用してみてくださいね。