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作業療法士の平均年収はどのくらい?中央値は?年齢での違いも調査

更新日:2024-11-21

作業療法士の平均年収はどのくらい?中央値は?年齢での違いも調査

作業療法士を目指すにあたり、やはり年収も気になりますよね。

作業療法士の平均年収は日本人の平均年収と比較してやや低い傾向ですが、これにはあるからくりがあります。

本記事では作業療法士の平均年収や中央値とからくり、ボーナスなどのお金事情、将来性についてまとめました。

また、30歳をモデルケースとした年収アップの秘訣を実体験をもとにお伝えします。

作業療法士を目指す人や作業療法士のお金事情が気になる人は参考にしてください。

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作業療法士の平均年収はどのくらい?

作業療法士の平均年収はどのくらいなのでしょうか。

厚労省の調べによると、作業療法士の平均年収は410万円でした。

日本人の平均年収が国税庁の発表では436万円なので、全職種の中ではやや低い傾向といえます。

続いて、性別や年代で作業療法士の平均年収に差があるのか見てみましょう。

男女別でみる作業療法士の平均年収

作業療法士の平均年収は男女で違うのでしょうか。

厚労省が男女の平均年収を調査しているので紹介します。

性別 平均年収
男性 422万円
女性 394万円

引用:厚生労働省/令和元年賃金構造基本統計調査/賃金構造基本統計調査に関する統計表

専門職なので男性も女性も仕事内容は同じですが、男性が女性に比べてやや高い傾向がありました。

これは、ライフイベントである出産や育児などによる休暇があることが影響していますが、作業療法士は6:4の割合で女性の方が多く、今後女性の活躍が増えていくことは間違いありません。

年代別で見る作業療法士の平均年収

作業療法士の平均年収は、年代別だとどのくらい違うのでしょうか。

厚労省が20歳~70歳まで5年ごとの平均年収を調査していたので紹介します。

年代 平均年収
20~24歳 320万円
25~29歳 388万円
30~34歳 423万円
35~39歳 468万円
40~44歳 489万円
45~49歳 511万円
50~54歳 582万円
55~59歳 558万円
60~64歳 445万円
65~69歳 443万円
70歳~ 582万円

引用:厚生労働省/令和元年賃金構造基本統計調査/賃金構造基本統計調査に関する統計表

年収は50~54歳でピークを迎えています。

70歳以上で高い年収なのは、それに見合う高い能力があるからです。
また、よく見てみると日本人の平均年収を超えてる年代が多いです。

ではなぜ作業療法士の平均年収は低いのでしょうか。
もう少し探ってみました。

作業療法士の年収の中央値を紹介!年収は結局低い?

作業療法士の年収の中央値は420万円でした。

調べられてはいませんでしたが、ここ10年以上毎年5,000人程度の合格者がでていて、現在作業療法士は全国に10万人程度です。

ここから年代別の平均年収も使うと計算できます。

また、作業療法士の数が毎年5000人程度と急激に増えだしたのは十数年前からでした。
そのため、平均年収も年収の中央値も若い世代の年収に引っ張られることとなり低く出る傾向にあります。

今後は若い世代が多く入ってきつつも30代以降の人数も増加するため、平均年収はあがっていくことが予想されます。

ですから、作業療法士の年収が低いということではありませんので安心してください。

作業療法士の一ヵ月の平均給与やボーナスはどのくらい?

作業療法士の一ヵ月の平均給与やボーナスはどのくらいなのでしょうか。

厚労省の調べによると以下の通りでした。

平均給与 28万7千円
平均ボーナス 64万6千円

引用:厚生労働省/令和元年賃金構造基本統計調査/賃金構造基本統計調査に関する統計表

日本人の一ヵ月の平均給与は、厚労省の調べでは35万円、ボーナスは77.4万円です。

作業療法士は10年目までで全作業療法士の50%とまだまだ若い業界なので、現状では一般に比べると低い傾向にあります。

男女別でみる作業療法士の1ヵ月の平均給与とボーナス

続いて性別や年代別によって作業療法士の1ヵ月の平均給与やボーナスに差があるのか見てみましょう。

男女の1ヵ月の平均給与は以下の通りでした。

性別 1ヵ月の平均給与 平均ボーナス
男性 29万7千円 65万5千円
女性 27万5千円 63万5千円

引用:厚労省/令和元年賃金構造基本統計調査/賃金構造基本統計調査に関する統計表

このように女性の方が低い傾向でした。

年収と同じように出産や育児などライフイベントの影響がありますが、これも年収と同じように作業療法士は6:4で女性の方が多く、今後は活躍の場も増えてくるため、女性の管理者も増えてきて給与やボーナスも増えることが予想されます。

年代別で見る作業療法士の1ヵ月の給与やボーナス

作業療法士の1ヵ月の給与やボーナスは年代別でどのくらい違うのでしょうか。

厚労省が調べたデータを紹介します。

年代 1ヵ月の給与 平均ボーナス
20~24歳 24万2千円 28万8千円
25~29歳 27万2千円 61万4千円
30~34歳 29万6千円 67万3千円
35~39歳 32万8千円 74万4千円
40~44歳 33万3千円 88万8千円
45~49歳 35万円 90万円
50~54歳 40万5千円 95万5千円
55~59歳 38万7千円 93万1千円
60~64歳 27万1千円 119万1千円
65~69歳 30万4千円 67万5千円
70歳~ 41万9千円 78万6千円

引用:厚労省/令和元年賃金構造基本統計調査/賃金構造基本統計調査に関する統計表

50~54歳で収入のピークを迎えるようです。

60歳以上でも高い給与やボーナスをもらっていますが、定年退職を迎えてもなお働ける高い能力だからこその結果です。

作業療法士の将来は大丈夫?

作業療法士の将来は間違いなく安泰です。
まず、職域が拡大・多様化しているため、働き口がなくなることはありません。

また、AI化やロボット化が進んでも代われない職業だからです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

働き口が拡大・多様化しているので安心

作業療法士の働き口は拡大・多様化してきています。

一昔前の主な働き口は病院や介護老人保健施設、デイサービス、訪問看護ステーションなどでした。

しかし最近では例えば介護保険分野のデイサービスや訪問看護ステーションが増えてきており、働き口が拡大しています。

加えて小学校や就労支援施設での作業療法士の有用性が認知され始めており、働き口が増え多様化しています。

これらは作業療法の定義が2018年に改定されたこととも関わっています。

変更前の定義

身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせること。

変更後の定義

作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。

作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す。

引用:日本作業療法士協会

どちらの働き口が多いか考えた場合、明らかに後者ですよね。

こういった背景もあり、作業療法士の働き口は拡大・多様化しているため、将来は安泰と言えます。

AIにとってかわる仕事ではない

作業療法士の仕事はAIやロボットでは代わることができません。

イギリスのオックスフォード大学でAIなどの研究をしているマイケル・A・オズボーン准教授が2013年に出した論文で「雇用の未来」というものがあります。

「雇用の未来」の論文サイト

この論文では10~20年後にコンピューターにとって代わられる仕事と代わられにくい仕事が紹介されていますが、作業療法士は702の職業のうちAIに代わられないランキングで6位となっています。

なぜなら作業療法士の仕事は個別性が高くてパターン化することが難しい上に、コミュニケーション能力がとても大切な仕事だからです。

例えば、患者の性格に合わせた工夫や患者の痛みや嬉しさへの共感などは、人間でないと難しいといわれています。
そのため、将来AI化やロボット化が進んでも働き続けることのできる職業と言えます。

作業療法士の仕事内容を詳しく知りたい方はこちらの記事をあわせて読んでください。

作業療法士の難易度は?仕事内容・報酬相場を徹底分析

作業療法士で年収アップして稼ぐには?具体例つきで紹介

作業療法士として年収をアップしていくには、どのようなことができるのでしょうか。

大きく分けて、管理職になる・専門を極める・転職の3つがあります。

それぞれ詳しく見てきましょう。

管理職になる

作業療法士は働いている施設で管理職になることもできます。

~例~

病院
・副主任 ・主任 ・係長 ・課長 等

デイサービス
・副主任 ・主任 ・施設長 等

例えば病院に務める30歳作業療法士が、各職位についていた場合の年収の一例は以下の通りとなります。

職位 年収
副主任 479万円
主任 513万円
係長 547万円
課長 593万円

勤務先によって幅はあるでしょうが、管理職になると30歳でも日本人の平均年収を超えます。

このようにいわゆる出世を目指すのは、作業療法士の年収アップに有効な手段となります。

専門を極める

作業療法士には様々な専門分野がありますが、なにか一つを極めることも年収アップにつながります。

極めるとは論文を書いてその道で認められることです。

そうすると講演の依頼や執筆の依頼が来るようになり、報酬が支払われることになります。

以下は報酬の一例です。

原稿1万字:3万円~
講演:1万円~/1h

このように、なにか一つを極めていくことが年収のアップにつながることも多々あります。

転職する

転職も年収アップにつなげることができます。

特に介護保険分野は歩合制やインセンティブがあるところも多いため、自分の働き方次第で年収をアップさせることができます。

もちろん収入面以外の働き甲斐や福利厚生など考えるべき点は多くありますが、手っ取り早く稼ぐことを最優先に考えるのであれば転職も年収アップに有効な方法です。

作業療法士の年収まとめ

作業療法士の平均年収は410万円で日本人の平均年収436万円よりは低いです。

しかし、それは若い世代の多さによるものであり、実際は低くないことが分かりました。

当たり前に働いていれば年収も日本人の平均年収を超えるのは、作業療法士を目指す上で安心材料ですね。

もちろん、年収をアップさせようと思えば管理職になる・専門を極めるなど自身の努力は必要不可欠ですが。

将来もなくならない職業でもあるので、気になった人はぜひ作業療法士を目指してみるのはいかがでしょうか。