公務員の仕事は収入面なども安定していることから、目指す人もたくさんいます。
公務員になるには公務員試験に合格しなければいけません。
公務員試験では大きく筆記試験・面接に分けられ、筆記試験では教養科目と専門科目によって構成されています。
さらに教養科目ではおもに数的処理や文章理解といった一般知能を問うものと、社会科学や人文科学の一般知識を問うものがあり合格には6割程度ひつようとなります。
そこで今回は、公務員試験の内容や専門科目の種類、専門科目の選び方、勉強方法などをご紹介します。
これから公務員を目指す方や試験内容について興味がある方はぜひチェックしてみてください。
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公務員試験の内容
公務員試験は、一次試験と二次試験で内容が異なります。
一次試験は筆記試験で、教養科目(英数国理社 高校程度)と専門科目(大学の専門課程)の片方もしくは両方を課されます。
一次試験に合格すると人物試験(面接・適性検査)の二次試験に進むことができ、二次試験突破で公務員試験の合格が認められます。
試験 | 形式 | 内容 |
---|---|---|
一次試験 | 筆記試験:5肢択一、記述 | 教養科目:英数国理社 高校程度 専門科目:大学の専門課程で学ぶ内容 |
二次試験 | 人物試験 | 面接・適性検査 |
一次試験の「教養科目」「専門科目」とは?
公務員試験の一次試験では「教養科目」と「専門科目」の2種類があり、職種によっていずれか、もしくは両方が課されます。
教養科目は英数国理社の5科目で、高校までで学ぶ内容が問われ、出題形式は各自治体・職種によって様々ですが、どの職種にもほぼ必須となっています。
専門科目は大学の専門課程で学ぶ内容が問われ、職種によって必要な科目に分けられているので、自分の志望先の試験内容に合わせて対策します。
教養科目 | どの職種でもほぼ必須。高校で学ぶ内容(英数国理社)を問われる。合格点は約6割程度といわれている。 |
---|---|
専門科目 | 大卒程度の国家公務員、都道府県・政令指定都市の公務員試験の大半で必須。受験する区分によって出題範囲が異なる。約7割程度が合格点といわれている。 |
一次試験は出題範囲が広い
公務員試験の一次試験は筆記試験ですが、出題範囲が非常に広いため、出題科目をしっかり把握して対策する必要があります。
一次試験の範囲は、教養科目5科目と専門科目を合わせると約30科目もあります。
教養科目はほぼすべての職種で必須、専門科目は選択できる場合もありますが、広範囲からの出題になるため、事前に勉強が必要な科目を定めておく必要があります。
公務員試験で課される教養科目の種類
公務員試験の教養科目は、一般知能と一般知識に分けられます。
一般知能は数的処理や文章理解を含み、一般知識は社会科学や人文科学などを対象とします。
自治体によって出題内容や範囲が異なる場合がありますので、事前に確認しなければいけません。
なお一般的に、教養科目合格には6割程度の得点が必要と言われています。
国家一般職と地方上級(全国型)の出題数については以下の通りとなります。
科目 | 国家一般職 | 地方上級(全国型) | |
文章理解 | 現代文 | 6 | 3 |
英文 | 5 | 5 | |
古文 | 0 | 1 | |
数的処理 | 判断推理 | 8 | 9 |
数的推理 | 5 | 6 | |
資料解釈 | 3 | 1 | |
社会科学 | 政治 | 1 | 1 |
経済 | 1 | 3 | |
法律 | 1 | 3 | |
時事(社会) | 3 | 4 | |
自然科学 | 数学 | 0 | 1 |
物理 | 1 | 1 | |
化学 | 1 | 2 | |
生物 | 1 | 2 | |
地学 | 0 | 1 | |
人文科学 | 日本史 | 1 | 2 |
世界史 | 1 | 2 | |
地理 | 1 | 2 | |
文学・芸術 | 0 | 2 | |
思想 | 1 | 1 | |
合計 | 40 | 50 |
文章理解
文章理解は基本的に大学入試レベルの力があれば克服できるといわれています。
高校の教科書や参考書を活用し、現代文や英文に慣れることがカギです。
苦手な人は時間をかけて学習し、多くの問題に取り組むようにしましょう。
数的処理
数的処理は教養試験のなかでも問題数が多い科目といわれています。
たとえば、地方上級(全国型,中部・北陸型)の試験の場合は、50問のうち16問程度出題されます。
したがって、数的処理は重点的に学習しておくことが合格を左右するといっても過言ではありません。
数的処理では、「判断推理」「数的推理」「資料解釈」が出題されます。これらの科目は、何度も過去問を解き、解法に慣れておきましょう。
問題を繰り返し解いていくと、解法パターンがわかってくるはずです。
社会科学
社会科学から出題される「政治」「経済」「法律」は、専門科目と重複することが多いです。
専門科目がある場合は、専門科目の学習で理解を深めながら教養科目もカバーするといいでしょう。
また、「時事(社会)」は国際関係や社会問題、最新情報が出題されるため、問題集だけでなく新聞やニュースをチェックし、時事情報を把握する必要もあります。
自然科学
自然科学の「生物」と「地学」は暗記科目であり、比較的得点しやすいため、理系科目が苦手な人はこれらから取り組むことがおすすめされます。
一方、「数学」「物理」「化学」は高校レベルの問題が出題されるといった違いがあります。
理系科目が苦手な人にとっては得点しにくいですが、基礎的な問題は解けるようにしておくといいでしょう。
過去問などを活用して計算問題を解き、各科目の公式や基礎知識をしっかりと身につけるのが鉄則です。
人文科学
人文科学の「世界史」「日本史」「地理」は暗記科目であり、特に「思想」「文学・芸術」も同様に暗記が求められます。
人文科学は理系科目よりも得点しやすいため、苦手な人は優先して学習することをおすすめされます。
「思想」では思想家やその思想のキーワードを組み合わせて答える問題が出題され、「文学・芸術」では著者や作品の組み合わせを問う問題が主体となる傾向にあります。
人文科学もまた先の自然科学と同様に過去問を解いて知識を習得し、理解を深めることが重要です。
公務員試験で課される専門科目の種類
公務員試験の専門科目は多くありますが、一つずつ紹介するとキリがないため、こちらでは地方の行政職(国家一般職)の公務員試験で出題される専門科目についてご紹介します。
以下の3科目は多くの専門科目で頻出ですが、科目の選択制を採用している試験はもちろん、専門科目の出題範囲は職種によって異なるため、ご注意ください。
公務員試験で頻出の専門科目
- 法律科目
- 行政科目
- 経済科目
分野 | 科目 | 出題数 |
---|---|---|
法律 | 憲法 | 5 |
行政法 | 5 | |
民法 | 5 | |
労働法 | 2 | |
刑法 | 0 | |
行政 | 政治学 | 5 |
行政学 | 5 | |
社会政策 | 0 | |
国際関係 | 5 | |
経済 | ミクロ経済学 | 5 |
マクロ経済学 | 5 | |
財政学 | 5 |
その他の職種の公務員試験の専門科目については、以下のサイトから確認できます。
⇒公務員試験総合ガイド
専門科目①法律科目
公務員は、法律に基づいて業務を遂行するため、法律の知識を身に付けていなければなりません。
そのため専門科目である法律は、大卒程度の公務員試験で重要科目として全ての職種で出題されています。
公務員試験に出題される法律は8つあり、その他の分野と比較してもボリュームが多いです。
8つの科目の中でもほとんどの職種で出題されるのが「憲法・民法・行政法」の3つで、法律科目の基本として知られています。
専門科目②行政科目
行政科目は、政治学・行政学・社会政策・国際関係と表に記載はありませんが社会学の5科目出題されます。
行政科目の特徴は、法律科目と比較して特別重要な項目が無く、暗記がメインという点です。
ただし、ただ内容を暗記すれば良い訳ではなく、行政の最新の動向など時事的な問題も多く出題されるため、忘れずに対策しましょう。
専門科目③経済科目
経済科目は、大卒程度の公務員試験で専門科目が出題される場合、ほとんど出題される頻出科目です。
専門科目だけでなく、教養科目の社会に分類される政治・経済でも出題されるため、得点源にしたい科目の一つです。
経済とは人の生活に必要なサービスや財貨を生産・分配・消費する社会の活動のことを指します。
経済科目は、国民や住民のために、政策を公正・的確に執行することが仕事の公務員にとって、必要な知識とされています。
公務員試験の専門科目の選び方
専門科目は、内容が大学の専門課程で学ぶ内容なため、奥が深く、すべて覚えることは不可能に近いです。
専門科目だけでなく、教養科目の勉強もするとなると、時間的に準備が間に合わなくなってしまうでしょう。
そこで重要なのが専門科目の選び方です。
ただ闇雲に勉強するのではなく、優先順位をつけて効率よく取り組むと公務員試験合格へグッと近づけるはずです。
専門科目の選び方ポイント
- 第一志望の科目を基準に選ぶ
- 頻出の科目を選ぶ
第一志望の専門科目を基準に選ぶ
公務員試験の専門科目は、職種によってそれぞれ異なりますが、出題範囲が似ている職種も中にはあります。
第一志望の専門科目と出題範囲が被った職種へ併願することで、範囲の広い専門科目を必要な科目のみに絞って勉強できます。
ただし公務員試験の併願は、併願数に制限がなく10~20回試験を受けることもできるため「日程調整・体調管理」が困難です。
本命の試験を疎かにしないためにも、併願数はほどほどにすると良いでしょう。
第一志望 | おすすめの併願先 | おすすめポイント |
---|---|---|
国家公務員 | 国家公務員 | ・職種ごとの日程が被りにくく、併願しやすい ・職種が違っても問われる専門科目の範囲が似ている |
地方上級公務員 | 地方上級公務員 | ・拘らなければ併願先が豊富 ・国家公務員と地方上級公務員の併願者が多い |
民間企業 | ・滑り止めになる ・面接の練習としても有効 |
頻出の科目を選ぶ
公務員試験は、職種によって出題範囲が様々ですが、頻出の科目も当然ながらあります。
前述した併願した試験と内容が被ることがあるのも、頻出の科目のことが多いです。
公務員試験で頻出の科目を得意科目にできたら合格に一気に近づけるため、得点源に出来るように対策することをおすすめします。
頻出の専門科目:代表例
- 法律科目⇒民法・憲法・行政法
- 行政科目⇒行政学・政治学
- 経済科目⇒ミクロ経済学・マクロ経済学・財政学or経営学
公務員試験の勉強方法
専門科目の優先順位を立て、第一志望と併願先の職種を決めたなら、後は公務員試験合格を目指して勉強するだけです。
しかし「何から始めたらいいの?」と不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
こちらでは「何から始めたらいいか分からない…」という方に向けて、公務員試験の勉強方法についてご紹介します。
公務員試験の勉強方法
- 独学で勉強する
- スクールの対策講座を受講する
勉強方法①独学で勉強する
公務員試験に独学で合格することは不可能ではありませんが、非常に難しいです。
独学は、参考書や問題集を買うだけで対策できるため、金銭的に最もコストの低い勉強方法ですが、闇雲に勉強しても結果は付いてきづらい可能性があります。
結果が付いてこないと、勉強に飽きてきてしまい、モチベーション低下の恐れもあります。
公務員試験合格に必要な勉強時間は1,000時間を超えるため、自分でスケジュールの管理や毎日長時間コツコツと勉強など出来る方でやっと適性があるといえます。
勉強方法②スクールなど対策講座を受講する
独学に自信の無い方は、通信講座や予備校などの対策利用を受講すると良いでしょう。
通いのスクールは講師に直接質問できる・同じ志を持つ仲間と勉強できるため、モチベーションが維持しやすいです
通信講座は、自宅で予備校と同じクオリティの勉強ができるため、人気が高いサービスです。
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- 手厚いサポート体制
- 合格実績が多い
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全試験共通の一般教養はもちろん、多くの専門科目も講座が開講しており、単科で自分に必要な科目に絞った受講が可能です。
資料請求をすると講座の一部をテキストとして送られてくるので、受けたい講座の教材サンプルに一度目を通してから受講を検討すると良いでしょう。
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公務員試験合格には科目ごとの戦略が必要
- 専門科目は公務員試験の一次試験
- 専門科目は対策が難しい
- 頻出の専門科目がある
- 勉強する科目を絞ってから対策する
専門科目は、公務員試験の一次試験で出題される筆記試験で、職種によって出題範囲が異なるため、全ての科目を対策するのは難しいです。
そのため、法律科目のような頻出の科目を得意科目にすることで、合格に効率よく近づけます。
自分が受けたい職種の専門科目の範囲を把握し、勉強する範囲を絞って対策するだけでなく、併願するために他の公務員試験についても調べる必要があります。
このように、公務員試験の合格には多大な時間と労力が必要です。
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