学費が払えない!通信制高校の学費を安くするには? 更新時間 2023.07.05
現在の日本は貧困家庭が非常に多く、高校に行かず働いている子どもがいます。
しかし高校を卒業していないと就職の幅は極端に狭くなり、本人もステップアップができずに生活に苦しむことが予想できます。
学費が払えないと進学を諦めている方は、通信制高校を検討してみてはいかがでしょうか?
通信制高校は毎日登校する必要がないため、アルバイトをして学費を稼ぎながら卒業することが可能です。
今回は高校3年間でかかる学費を紹介しながら、学費を安くする方法についても徹底解説します。
「通信制高校ってどうして学費が安いの?」
「学費が払えないとどうなるの?」
など気になる方は、ぜひ最後までお付き合いください。
高校3年間でかかる学費はいくら?
高校で必要な学費において、公立より私立の方が高いというのは誰もが知っていることでしょう。
では具体的にどのくらい金額が違うのか、詳しくみていきたいと思います。
文部科学省が調査した、令和3年度の学費の内訳はご覧の通りです。
内訳 | 公立高校 | 私立高校 |
---|---|---|
入学金 | 16,143円 | 71,844円 |
授業料 | 52,120円 | 288,443円 |
学校納付金等 | 32,805円 | 115,808円 |
図書・学用品・実習材料費 | 53,103円 | 64,259円 |
教科外活動費 | 39,395円 | 47,013円 |
通学関係費 | 91,169円 | 129,155円 |
修学旅行費 | 19,556円 | 26,549円 |
その他 | 4,970円 | 7,291円 |
合計 | 309,261円 | 750,362円 |
高校3年間で必要な費用は、公立高校で約90万円、私立高校は約210万円でした。
公立高校に通う生徒は自宅近くの学校を選びがちなことから、通学にかかる交通費も私立よりも4万円ほど安くなっています。
学校外活動費は年間30万円もかかる
高校生活で必要なお金は学費だけではありません。
塾や習い事、芸術文化活動、スポーツ活動といった「学校外活動費」も必要です。
全日制高校は学校外活動費が高い傾向があり、文部科学省の調べでは、公立で約20万円、私立で約30万円という結果でした。
大学や専門学校への進学が80%を超える現代において、塾や予備校の費用は節約できないと考える親御さんも多いかもしれません。
学費を節約するには、この学校外活動費を抑えることが重要になります。
高校の学費に困っている方は必見! 「高校の学費が払えない時の対処法!学費を安く高校を卒業するには?」を参考にしてみてください!
学費を抑えたい人に通信制高校をおすすめする理由
全日制高校の学費が払えない方は、通信制高校を検討しましょう。
学費を抑えたい方に通信制高校をすすめる理由は、以下の5点です。
- 私立の通信制高校も授業料が実質無償化
- 自宅学習で交通費や交際費を最小限にできる
- 塾や予備校に通わず大学進学受験が目指せる
- 修学旅行の自由参加や制服不要の学校がある
- アルバイトと学業の両立が可能
では、それぞれ詳しく解説しましょう。
私立の通信制高校も授業料が実質無償化!
2010年に始まった「高等学校等就学支援金制度」をご存知でしょうか?
経済的な理由で進学できない家庭の救済処置として、国の主導でスタートした政策です。
当初の支援額は公立高校はカバーできましたが、授業料が高い私立高校は完全な無償化にはなりませんでした。
しかし2020年4月の制度改正により、年収590万円未満の世帯は年間39万6,000円まで支給されることになったのです。
通信制高校は単位制になるので、1単位あたり1万2,030円まで支給され、授業料が実質無償になります。
この制度は世帯年収が国の定めた金額以下であれば、返還不要というのが大きなメリットです。
自宅学習で交通費や交際費を最小限にできる
通信制高校は自宅学習が基本のため、毎日通学する必要がありません。
そのため電車代やバス代などの交通費を、最小限に食い止めることができます。
また全日制でしたら、放課後に友人とカフェに行ったり食事をしたりといったお誘いもありますよね。
友だち同士の大切なお付き合いなので仕方ないですが、何度も続くとお小遣いだけでは足りなくなることもあるでしょう。
通信制高校は登校する日数も少ないので、交際費がほとんど必要ないのもメリットです。
塾や予備校に通わず大学進学受験が目指せる
「通信制高校の学力は全日制に比べて劣る」と考えている人もいますが、そんなことはありません。
通信制高校の中には、大学進学を見据えた高度な授業を行っている学校もあります。
中でも、私立高校はきめ細やかなサービスが売りで、塾や予備校に通わず大学進学を目指すための進路指導が充実しています。
完全マンツーマン指導や少人数制クラスで、自分の苦手分野を克服しながら、得意分野はさらに伸ばすことが可能です。
修学旅行の自由参加や制服不要の学校がある
通信制高校にも修学旅行や遠足などがありますが、基本的に参加は自由です。
学校には社会人や不登校、引きこもりの生徒も多いため、生徒の負担になることを強要しません。
高校の修学旅行の平均費用は、国公立で9万円ほど、私立で12万円ほどになります。
学費をできる限り抑えたいなら、「修学旅行に参加しない」という選択肢もあるのです。
また制服も同じように、着用するのもしないのも生徒の自由というのが通信制高校の校風です。
私服の方が楽なら制服を購入する必要もありませんし、入学時の出費を抑えられます。
アルバイトと学業の両立が可能
スクーリングがない日を自由に使えるのは、通信制高校ならではのメリットです。
調査によると、通信制高校でアルバイトしている生徒の割合は約28%で、3人に1人がアルバイトをしている計算になります。
また学校によっては、半数以上の生徒がアルバイトをしているケースもあり、勉強との両立を図っている生徒が多いようです。
アルバイトはお金を稼げるだけでなく、社会に出てから役立つコミュニケーション力やマナーを身につける絶好の機会になるでしょう。
他にはどんな通信制高校があるのか気になる方は必見! 「偏差値60以上の難関大学を目指せる通信制高校一覧!通信制高校の大学進学は不利?有利?」を参考にしてみてください!
高校の学費が払えないと退学になる?
学費を滞納しても、すぐに退学や除籍になることはありません。
学校側もなんとか卒業させようとするので、1~2ヶ月の学費滞納は待ってくれます。
しかし3ヶ月以上になると学校から通知が送付され、これに応じないとしかるべき処置がとられます。
未納の学費があると卒業証書を発行しない学校もあり、それまでの学習や学費がムダになってしまう可能性もあります。
ただし指定期間までに学費を収めれば、処分を受けることはありません。
「本当は通いたかったのに学費が払えないから辞めざるをえない」という状況はとても悲しいことです。
3年間の学費を安定して払い続けるためにも、家計とのバランスを見ながら高校を選択するようにしましょう。
通信制高校の学費を安くする3つの方法
授業料の実質無償化によって学費は安くなりましたが、世帯収入によっては受給を受けられない家庭も少なくありません。
ここからは、通信制高校の学費をさらに安くする3つの方法をご紹介します。
高校生等奨学給付金制度で授業料以外の学費をカバー
就学支援金制度は「授業料」を対象としているため、それ以外の出費は自費になります。
そこをカバーしてくれるのが、平成26年度から開始された「高校生等奨学給付金制度」です。
対象になるのは授業料以外の教育費で、教科書や学用品、修学旅行などにあてられます。
入学する際だけでなく、会社の倒産やリストラなどで家計が急変し、非課税世帯になったとみなされた場合でも支給されるので安心です。
受給条件はお住まいの地域によって違いますので、学校や役所へ問い合わせてみましょう。
【収入制限あり】国の教育ローンに申し込む
国の教育ローンに申し込むことも、学費を安くする1つの方法です。
融資を受ける際は、子どもの人数と世帯年収の上限が定められています。
子どもの人数 | 世帯年収(所得)の上限額 |
---|---|
1人 | 790万円(600万円) |
2人 | 890万円(690万円) |
3人 | 990万円(790万円) |
4人 | 1,090万円(890万円) |
5人 | 1,190万円(990万円) |
国の教育ローンは借りた直後から返済がスタートし、固定金利は1.95%、期間は最長18年となっています。
ただし勤続年数や居住年数によって、上限額が暖和されるケースもあります。
さらに、ひとり親家庭や世帯年収200万円以内の場合では、通常より低い金利で融資を受けることが可能です。
融資金は、入学金や受験費用、定期券代、在学のためのアパート代など、多様な用途に対応しています。
【収入制限なし】民間の教育ローンに申し込む
一定の年収があって国のローンを組めない方は、民間の教育ローンがおすすめです。
主に銀行や信用金庫、信販会社、JAが取り扱っており、収入制限などの条件はありません。
ただし「国の教育ローンよりも金利が高い」「年収が低いと利用できない」といったデメリットがあるので注意が必要です。
国の教育ローンと同様、多様な教育資金に対応しているので、「就学支援金だけでは足りない」という方にもおすすめできます。
ただし融資限度額や金利は金融機関によって異なるため、いくつか比較検討して選ぶようにしてください。
高校卒業が目的なら学費が安い通信制高校がおすすめ!
現代の日本では、約95%の中学生が高校に進学しています。
しかし残りの5%は、何らかの事情で高校に行けない、働かざるを得ない状況に陥っているのも事実です。
「学費が払えないけど高校に通いたい」という方は、通信制高校への進学を検討してみましょう。
自宅学習といっても、教科書をみながら1人黙々と勉強するだけではありません。
オンラインで授業を視聴したり、先生や生徒と交流できたりするのが、近年増えている通信制高校の学習スタイルです。
自由な時間をたくさん確保できる通信制高校なら、アルバイトで学費を稼ぎながら高校卒業を目指すことができます。
通信制高校のメリット、デメリットについて詳しく知りたい方は是非 「通信制高校に通う5つのメリットデメリット!対策も合わせてご紹介!」を参考にしてみてください!