社会保険労務士と行政書士はそれぞれの補完性が高く相性が良い資格です。
上記のような難関資格を保有していることで自身の市場価値や信頼を高められるのはもちろん、ビジネスチャンスを広げられるメリットが期待できます。
そのため両方の資格を活かして開業している人は多く、実際にダブル取得することで多くのメリットが期待できます。
社会保険労務士・行政書士の仕事に興味がある方はダブルライセンスを目指しましょう!
こちらの記事では、社会保険労務士と行政書士の違いや特徴・ダブルライセンスのメリットなどを詳しく解説していきます。
これからいずれかの資格取得を目指す方、既に一方の資格を取得している方に役立つ内容となっているため、ぜひ最後までお読みください。
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社会保険労務士と行政書士の違いは?
社会保険労務士と行政書士は同じ士業系の資格として人気がありますが、両資格の詳しい違いについては知らない方も多いでしょう。
まずは社会保険労務士と行政書士の違いについて見ていきましょう。
社会保険労務士は社会保険や労務管理のエキスパート
社会保険労務士は社会保険や労務関係のエキスパートで、法人個人関係なく頼られる場面が多い仕事です。
労働保険や社会保険年金の事務手続きを始め、企業において労働時間の管理や給与計算を行う仕事が主となります。
なお社会保険労務士の業務は「1号業務」「2号業務」「3号業務」に分類され、それぞれ下記のような業務を行います。
- 1号業務:労働社会保険諸法令に基づく申請書類の作成、提出代行
- 2号業務:企業で備え付けるべき帳簿類(就業規則・労働者名簿・賃金台帳など)の作成
- 3号業務:人事や労務管理のコンサルティングや指導
上記のように、社会保険労務士は社会保険関係や労務管理の面において専門性を発揮します。
行政書士は官公庁への書類申請や手続き代行のエキスパート
行政書士は官公署への書類申請や手続き代行のエキスパートで、取り扱うことができる書類は1万種類を超えます。
許認可申請や権利関係関連の行政手続きが主な仕事で、本業が忙しくて役所での手続きを行う時間が無い事業主に代わり書類作成や提出を代行します。
官公署へ提出する書類は書き慣れないものが多く、作成や必要書類の準備に時間がかかってしまうことが少なくありません。
また少しでも書類に不備があると再作成・再提出が求められることから、専門家である行政書士が頼られているのです。
行政書士は「面倒な書類作成などの手続きを代行してくれる人」として、様々な場面で頼られています。
試験難易度の違い
社会保険労務士・行政書士ともに難関国家資格として知られていますが、ここ5年の合格率を比較すると下記のようになります。
年度 | 社会保険労務士 | 行政書士 |
---|---|---|
令和5年度 | 6.4% | 13.98% |
令和4年度 | 5.3% | 12.13% |
令和3年度 | 7.9% | 11.2% |
令和2年度 | 6.4% | 10.7% |
令和元年度 | 6.5% | 11.5% |
出典:(一財)行政書士試験研究センター 最近10年間における行政書士試験結果の推移
厚生労働省 第55回社会保険労務士試験の合格者発表
社会保険労務士は6~8%程度、行政書士試験は10~15%程度で推移していることが分かります。
また行政書士には受験資格が設けられていないのに対して、社会保険労務士には学歴や保有資格などの受験資格が設けられています。
これらのことを踏まえると、社会保険労務士試験の方が難しいと考えられますね。
「簡単な資格から勉強したい」と考えている方は、まず行政書士の勉強から着手すると良いでしょう。
社会保険労務士と行政書士をダブル取得するメリット
いずれも難関資格である社会保険労務士と行政書士をダブル取得することで、様々なメリットが期待できます。
以下では、社会保険労務士と行政書士をダブル取得する具体的なメリットを解説していきます。
業務の幅が広がるので収入の安定につながる
社会保険労務士と行政書士は得意としている分野が異なるため、ダブル取得できれば業務の幅が大きく広がります。
独立開業している方であれば、自身が取り扱える業務の幅が広がることは案件受注の増加に繋がり収入の安定化・多角化というメリットが期待できるでしょう。
例えば行政書士として開業している人が社会保険労務士としても開業すると、会社の設立手続きから社会保険の手続きや労務管理までノンストップで請け負うことが可能になります。
既存の顧客に対して行えるサービスが広がるのはもちろん新規顧客の獲得のチャンスも広がることから、収入増加という経済的なメリットは非常に大きいです。
補完性が高いため相乗効果が期待できる
社会保険労務士と行政書士はいずれも法律を学ぶ試験であるため、補完性が高いです。
行政書士は幅広い官公署への手続き業務を行うことができますが、社会保険労務士法や税理士法などで規定されている他資格の「独占業務」には手が出せません。
しかし行政書士に加えて社会保険労務士を取得できれば、社会保険関係の手続き代行や労務管理なども行うことが出来るようになります。
反対に社会保険労務士の試験では民法や行政法を学ばないため、審査請求や行政訴訟に関して無知な社会保険労務士も少なくありません。
行政書士の勉強を通じて民法や行政法の知識を習得できるため、実務においても幅広い法律知識を活かせるようになるでしょう。
自身の人材価値が高まる
前述してきたように社会保険労務士と行政書士はいずれも難関資格のため、ダブルライセンスは自身の人材価値を高めることが出来るでしょう。
難関資格を保有していることで周囲から下記のような印象を持ってもらえます。
- 当該資格に関する専門知識を有している
- 頭が良い=仕事もできる、頼れる
- 何かと結果を出してくれる
「資格を有している」という事実だけでも人材価値は高まりますが、対外的に与える印象という面においても有利に作用すると考えられます。
また自身の人事価値が高まることで既存の顧客との信頼関係が強化される他、様々な方面から頼られるようになる点もメリットです。
社会保険労務士と行政書士のダブル取得は簡単?
社会保険労務士と行政書士のダブル取得は不可能ではありませんが、かなり難しいのが現実です。
とはいえダブルライセンスを実現することで得られるメリットは非常に大きいため、大変でも目指す価値はあります。
以下では、社会保険労務士・行政書士のダブルライセンスを目指す際のコツやポイントを解説していきます。
どちらを先に勉強するべき?
まずは行政書士の勉強に取り組むことをおすすめします。
行政書士の方が難易度が易しいことに加えて、行政書士は法律を勉強する際の基本的な用語から学べるためです。
特に、法律の勉強をしたことが無い方は法律学習の基礎から学べる行政書士の勉強から着手するのが無難でしょう。
また、社会保険労務士には「学歴による受験資格」「実務経験による受験資格」「試験合格による受験資格」が設けられています。
行政書士試験に合格していれば「試験合格による受験資格」に該当し、「学歴による受験資格」「実務経験による受験資格」をクリアしていなくても社会保険労務士の受験資格を得られます。
そのため「受験資格をクリアする」という面から見ても、行政書士の取得を先に目指すのがおすすめです。
試験科目の重複はほとんど無い
前述したように行政書士と社会保険労務士はそれぞれ補完性が高い資格ですが、下記のように試験内容に関しては重複がほとんどありません。
<行政書士の試験範囲>
- 基礎法学
- 憲法
- 民法
- 行政法
- 一般知識(政治・経済・社会・情報通信及び個人情報保護・文章理解)
<社会保険労務士の試験範囲>
- 労働基準法
- 労働安全衛生法
- 労働者災害補償保険法
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律
- 雇用保険法
- 健康保険法
- 厚生年金保険法
- 国民年金保険法
- 労務管理その他の労働および社会保険に関する一般常識
強いて挙げるとすれば、「行政書士の一般知識」「社会保険労務士の一般常識」間でわずかに重複の可能性がある程度でしょう。
つまり勉強面においてはそれぞれ0から勉強する必要があり、ダブル取得の負担はかなり重いと言わざるを得ません。
このように、それぞれの試験で試験科目の重複はほとんど無い点は知っておきましょう。
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社会保険労務士と行政書士の兼業は可能?
社会保険労務士と行政書士を兼業することは可能です。
実際に兼業で開業している人もいることから、ダブルライセンスを目指している方はモチベーションを高く保って勉強を頑張りましょう。
前述したように社会保険労務士と行政書士は補完性が高く相性が良いため、それぞれの資格の強みを活かせばビジネスチャンスを広げることができます。
自身のスキルアップに繋がるのはもちろん仕事の幅が広がり収入の多角化も狙えるため、興味がある方は兼業に挑戦する価値が大いにあります。
なお兼業する場合は行政書士会・社会保険労務士会いずれにも年会費を納める必要がある点には注意しましょう。
いずれの試験も予備校や通信講座の利用がおすすめ
繰り返しになりますが社会保険労務士と行政書士は難関資格であるため、独学で合格するのは簡単ではありません。
そこで効率よく勉強して着実に合格に近付きたい場合は予備校や通信講座の利用をおすめします。
難関試験に対して独学で勉強すると不明点や疑問点が蓄積され、モチベーションを失ってそのまま挫折してしまうケースが多々あります。
また高いお金を支払っていないことで「やっぱりやめた」という考えに至りやすく、感情面でも独学は挫折しやすいと言えるでしょう。
しかし予備校や通信講座を利用すれば、長年の指導に裏打ちされた分かりやすい講義を受けながら効率良く試験勉強を進めることが可能です。
もし不明点や疑問点が出てきた場合でも適宜講師に質問できる環境が整っているため、安心して勉強に取り組めるでしょう。
このように「勉強の効率」「モチベーションの維持」という観点から見ても、確実に合格を目指す場合は予備校や通信講座の利用をおすすめします。
社会保険労務士と行政書士の違いとダブルライセンスについてまとめ
この記事では、社会保険労務士と行政書士の違いやダブルライセンスのメリットなどを解説してきました。
いずれの資格も難関国家資格ですがその分価値の高い資格であるため、ダブル取得できれば自身の価値を大きく高めることに繋がります。
また社会保険労務士と行政書士両方の業務範囲をカバーすることで、業務の幅が広がり収入が安定するなど経済的なメリットも期待できます。
どちらかの資格に興味を持っている方は、ぜひダブルライセンスを目指して勉強を頑張っていきましょう!