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歯科技工士の年収は?国家試験の概要や仕事の将来性についてご紹介

更新日:2021-05-08

歯科技工士の年収は?国家試験の概要や仕事の将来性についてご紹介

あまり聞き慣れない職業かもしれませんが、歯科医療の分野では歯科医師のように働く歯科技工士という職業があります。

歯科医師の年収は他の業種に比べて高いことで有名ですが、歯科技工士の年収事情はどのようになっているのでしょうか。

歯科技工士の資格を得るための国家試験の概要や仕事の将来性も含めて詳しく紹介していきます。

歯科技工士とは?

歯科技工士

歯科技工士とは、歯科医師の指示の下患者に合った入れ歯や差し歯、矯正器具やマウスピースなど歯科医療器具を専門のスキルと技術で作成するプロフェッショナルです。

一部の歯科技工士はデンタルクリニックや病院等で勤務する方もいますが、半数以上は「歯科技工所」というデンタル器具等を実際に作成するための職場に勤務します。

歯科医師が患者の虫歯や歯周病など直接的に診察や治療を行うのに対して、歯科技工士は歯科医師の診察後にカルテを受け取り、そのカルテによってデンタル器具を作成するため間接的に治療に携わります。

歯科技工士の主な仕事

歯科技工士の主な仕事は歯を含めた口内に関するさまざまな医療器具を作成することです

抜歯の際に装着することになる差し歯や入れ歯、歯科矯正の際に必要となるワイヤー型の矯正器具やプラスチックのマウスピースなど実に様々です。

患者によって歯の形や骨格が異なり基本的にはそれらの器具の作成は全て手作業で行われるため、高度なスキルと手先の器用さというものが歯科技工士には求められます。

人工物を口の中に装着することになるわけですからサイズや型が合わないと患者は常に不快な思いをせざるを得なくなるため、精密な技術力も必要となるのです。

歯科技工士になるには資格は必要?

歯科技工士は業務をこなす上で高度な専門スキルと知識を要するため、歯科技工士になるためには歯科技工士の国家試験に合格しなければなりません。

しかし、誰もがその国家試験を受験することができるというわけではなく、試験資格を満たすためには一定の学力が必要となります。

高校卒業後に歯科技工士を育成するための学部や学科が設置されている4年制大学や専門学校、もしくは厚生労働大臣や文部科学大臣が指定する歯科技工士の養成学校を卒業できれば国家試験の受験資格が与えられ、合格後に各クリニックや歯科技工所で採用されます。

歯科技工士国家試験の概要や合格率

歯科技工士国家試験では、学科試験と実地試験の2部構成となっております。

学科試験では、口や口腔など歯科医療の観点からの解剖学や有床義歯技工学、矯正歯科技工学など全部で8科目出題され、いずれも歯科技工士として業務を行う際に必要不可欠な専門的な知識が問われます。

実地試験では実際に歯型などを用いて人工義歯の作成やカービングを行います。

試験内容は全国統一になっており、毎年一度行われます。

気になる歯科技工士国家試験の合格率ですが、平成29年度の試験では94.7%となっています。

大学や専門学校等では国家試験に直轄した指導が行われるため、しっかり卒業することができればそれほど難しい試験ではありません。

歯科技工士の気になる年収事情

歯科技工士

歯科技工士の気になる年収事情ですが、初任給の平均が15万〜17万円、年収にしておよそ400万円前後と言われています。

もちろん歯科技工士として経験を積み、多くの業務をこなしていけばキャリアアップや昇給はありますが、歯科医師医師の平均年収はおよそ700万円、看護師の場合500万円前後となっているため他の医療系専門職の平均年収と比べると比較的低水準となっております。

歯科技工士の年収は職場の規模や年齢によっても異なる

個人のスキルやキャリアに加えて、歯科技工士の年収は勤務先である歯科技工所や病院の規模、また年齢によって大きく変動することがあります。

平成25年度の厚生労働省の調査によると、従業員が10人以上の小規模な事務所の平均年収が432万円なのに対して、1000以上いる比較的大規模な歯科技工所の場合、平均年収は615万円まで上がります。

また、年齢別の平均年収を見てみると、20〜24歳が338万円、30〜34歳が373万円となっていおり、スキルやキャリアが上がれば統計的に見ても平均年収は増加傾向にあります。

そのため歯科技工士として駆け出しの時期は給与の面、また残業など労働時間の面でも大きな負担を強いられることになります。

歯科技工士の仕事の需要や将来性

歯科技工士は非常に高度な専門スキルと知識を必要とする職業であるため、なろうと思ってもなれるものではありません。

医療系の専門職の一つということもあり、需要が安定している職業と言えます。

特に地方エリアにある医療事務所や歯科技工所では人手不足が叫ばれているため、国家資格取得後に就職先が見つからないというようなケースはほとんどありません。

しかし近年ではマウスピースや義歯等を作成する際に3Dプリンターなど最新技術が導入され、また海外製品の輸入も増えてきていることから、歯科技工士は将来性がある職業とは言えません。

というのも3Dプリンターなど最新技術を用いたほうがコストの削減や業務の効率化につながることから業界内では非常に注目を集めつつあるため、徐々に歯科技工士の仕事が減ってきていると言えます。

とはいっても業務において必ず人間の手が必要となる行程があるため、歯科技工士の需要がゼロになることは考えづらいでしょう。

歯科技工士の年収や国家試験の概要まとめ

今回は歯科技工士に関して、資格のとり方や国家試験の概要、平均年収や仕事の将来性について詳しく紹介しました。

歯科技工士になるための方法や基本的に一つで、大学や専門学校等でスキルや知識を学び卒業したあと、国家試験に合格することによって歯科技工士として働き始めることができます。

歯科技工士の年収は他の医療系専門職に比べて比較的低水準となっており、また3Dプリンターなどの最新技術の導入によって業務の幅が徐々に狭まっているという非常に厳しい現状にあります。

しかし、歯科技工士の業務が全て機械によって代替するということはなく、歯科医療の現場において必要不可欠な職業であるため一定の需要のある職業と言えます。