通信制高校を選ぶ理由は?意外と難しい高卒認定の理由 更新時間 2024.06.18
進学や転入を検討する際、通信制高校と高卒認定のどちらを選ぶべきか迷うことはありませんか?
どちらにもそれぞれの魅力とメリットがあり、自分のライフスタイルや学習スタイルに合った選択が求められます。
この記事では、高卒認定の仕組みや合格基準、通信制高校との違いについて詳しく解説します。
それぞれの特性を知ることで、どちらが自分に最適な選択かを見極めることができるでしょう。
ぜひ最後までお読みいただき、自分の将来に向けた最良の選択を見つけてください。
高卒認定試験とは?
高卒認定試験(高認)は、高校卒業と同等の学力を証明する試験です。
試験は年2回、8月と11月に実施されます。
高卒認定試験の試験科目について
高卒認定試験は、国語、地理歴史、公民、数学、理科、英語の6科目を中心に行われます。
新しい学習指針の導入に伴い、2024年に高卒認定試験の科目構成が変更されました。
すでに何科目か合格されている方は、文部科学省のサイトより免除申請する科目を確認ください。
| 教科 | 試験科目 | 科目数 | 要件 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 国語 | 1 | 必修 |
| 地理歴史 | 世界史A、世界史B | 1 | 2科目のいずれか1科目必修 |
| 日本史A、日本史B | 1 | 4科目のいずれか1科目必修 | |
| 地理A、地理B | |||
| 公民 | 現代社会 | 1or2 | 1科目もしくは2科目必修 |
| 論理 | |||
| 政治・経済 | |||
| 数学 | 数学 | 1 | 必修 |
| 理科 | 科学と人間生活 | 2or3 | 2科目もしくは3科目必修 |
| 物理基礎 | |||
| 科学基礎 | |||
| 生物基礎 | |||
| 地学基礎 | |||
| 外国語 | 英語 | 1 | 必修 |
地理歴史においては、「世界史A」「世界史B」のいずれか1科目を選択し、「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」から1科目を選択します。
公民は、「現代社会」の1科目を受験するか、「論理」と「政治・経済」の2科目を受験するか選択できます。
理科には5科目があり、「科学と人間生活」を選択すると、「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」の中からもう1科目を選ぶだけで済みます。
これにより、理科の勉強負担が軽減されます。
「科学と人間生活」を選ばない場合は、「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」の中から3科目を選んで受験する必要があります。
参考:文部科学省 「試験科目・合格要件・出題範囲」
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/06033010/__icsFiles/afieldfile/2016/03/07/1232940_01_1.pdf高卒認定試験の合格率
高卒認定試験の合格率は年によって異なりますが、全体の平均合格率は約40%〜50%程度です。
高卒認定試験では、一度合格した科目は次回以降の受験時に免除となるため、科目合格の積み重ねが重要になります。
また、合格した科目に有効期限はありません。
自分の得意科目から取り組むことで、モチベーションを維持しやすくなります。
高卒認定試験の合格点
高卒認定試験の合格点は、各科目で満点の40%以上が基準となります。
ただし、年度や科目によって若干の変動があるため、全ての科目で50点以上を目指すのが理想です。
過去問題を活用し、模擬試験で実力を確認しながら対策を進めることが、合格への近道となります。
時間管理も重要ですので、試験当日のシミュレーションを行いましょう。
また、高卒認定と高卒資格の違いについては「高校中退したら高卒認定と高卒資格どっちが就職に有利なのか解説」の方でも詳しく説明しているので参考にしてみましょう!
高卒認定に独学で合格するコツ
高卒認定試験に独学で合格するためには、計画的な学習と効果的な勉強法が必要です。
以下に、その具体的な方法をご紹介します。
過去問を繰り返し解く
高卒認定試験の対策として最も効果的なのは、過去問を繰り返し解くことです。
過去問を解くことで出題傾向や問題のパターンを把握でき、実際の試験に備えることができます。
また、解答解説を丁寧に読み込み、理解を深めることも重要です。
定期的に模擬試験を実施し、時間配分や実力を確認しながら学習を進めると良いでしょう。
自分が理解しやすい参考書を選ぶ
参考書選びは、学習効率を左右する重要なポイントです。
自分が理解しやすい、かつ試験範囲を網羅した参考書を選びましょう。
口コミやレビューを参考にしつつ、自分に合ったものを見つけることが大切です。
複数の参考書を比較し、わかりやすい説明や豊富な例題があるものを選びましょう。
図解やイラストが多いものも、視覚的に理解しやすいです。
モチベーションを維持するための工夫
独学ではモチベーションの維持が課題となります。
目標を明確にし、スケジュールを立てて計画的に学習を進めることが重要です。
目標達成時には自分へのご褒美を設定するなど、モチベーションを高める工夫をしましょう。
また、オンラインコミュニティやSNSを活用して、同じ目標を持つ仲間と情報交換をすることも励みになります。
高卒認定試験に合格するメリット
高卒認定試験に合格することで、高校に通わずに高卒と同等の学力を証明でき、多くの進路が開けます。
ここでは、具体的なメリットについて詳しくご紹介します。
高校に通う必要がない
高卒認定試験に合格すると、高校に通う必要がなくなります。
この仕組みは、働きながら学業を続けたい人や、自分のペースで勉強したい人にとって大きな利点となります。
特に、不登校や学校生活に馴染めない生徒にとっては、自宅学習で高卒資格を得る手段として非常に有効です。
時間や場所に縛られず、自分のライフスタイルに合わせた学習が可能です。
受験しやすい仕組み
高卒認定試験は年2回実施され、複数回に分けて科目合格を目指すことができます。
一度に全科目を合格する必要がないため、計画的に受験が可能です。
試験は全国各地で行われるため、居住地に関係なく受験がしやすい仕組みになっています。
科目合格には有効期間もないので、時間をかけてじっくりと準備できます。
中卒から大学進学が可能
高卒認定試験に合格することで、中卒でも大学や専門学校への進学が可能です。
高校を経由せずに高等教育機関で学ぶ道が開けるのは、何らかの事情で高校に通えない方にとって大きな魅力と言えます。
大学進学を目指す場合、高卒認定資格は受験資格を満たすための重要なステップとなります。
将来のキャリアに向けて、早い段階で専門的な学問に取り組むことができる点も大きなメリットです。
ただし、高卒認定試験の合格時に18歳未満である場合は、満18歳の誕生日から合格者と認められますので注意しましょう。
ほとんどの科目が高1レベル
高卒認定試験の試験範囲は、ほとんどが中学1年から高校1年生レベルの内容です。
難易度もそれほど高くない試験で、中学卒業後すぐに取り組んでも理解しやすく、独学でも十分に対応できます。
高2・高3の内容が含まれる科目もありますが、基礎をしっかりと押さえれば合格できるような設計です。
過去問題集や参考書を活用することで、効率よく学習を進められます。
高卒認定より通信制高校を選ぶ理由
高校を中退した人が、大学や専門学校へ進学しようとする場合、高卒認定試験か通信制高校に行くかという2つの選択肢で悩むこともあると思います。
では、高卒認定ではなく通信制高校を選ぶのには、どのような理由があるのでしょうか?
正式な高卒資格が得られる
通信制高校に通うことで、正式な高等学校卒業資格を取得できます。
高卒認定試験とは異なり、卒業証書が発行されるため、履歴書に「高等学校卒業」と記載できる点が大きなメリットです。
これは就職活動や進学時に有利に働くことが多く、社会的な信頼性も高まります。
特に大学受験においては、指定校推薦などの制度を利用できる場合もあります。
卒業までのフォローが手厚い
通信制高校では、学校のサポートを受けながら学習を進めることができるため、途中で挫折するリスクが低いです。
教師やカウンセラーによるサポート、同じ目標を持つ仲間との交流が学習意欲を高めます。
また、学習計画の立て方や学習方法についてのアドバイスを受けることで、効率的に学習を進めることができます。
定期的な面接指導やレポート提出があるため、進捗を確認しやすいです。
高校生活を楽しめる
通信制高校では、スクーリングやイベントを通じて高校生活を楽しむことができます。
文化祭や体育祭、修学旅行など、対面での交流があるため、友人を作る機会も豊富です。
これにより、学校生活を楽しみながら学習を進められる点が大きな魅力です。
また、部活動やクラブ活動に参加することで、趣味や特技を伸ばすこともできます。
社会性や協調性を育む場としても、通信制高校は有意義な選択肢です。
通信制高校のイベントについては「通信制高校の文化祭は?生徒の参加は自由!」の方でも詳しく説明しているので参考にしてみましょう!
通信制高校よりも高卒認定受験が向いている人の特徴
「通信制高校と高卒認定はどちらが正解なの?」と考える方もいるでしょう。
結論からいうと、それは人によって異なります。
この章では、高卒認定試験が向いている人の特徴を具体的に説明します。
自分で学習計画を立て実行できる人
高卒認定試験に向いているのは、自分で学習計画を立てて実行できる人です。
高卒認定試験では、学校のスケジュールに縛られず、自分のペースで学習を進めることが求められます。
時間管理能力が高く、目標に向かってコツコツと努力できる人は、他者のフォローはあまり必要としません。
学習計画を立て実行する力がある人は、高卒認定試験に挑戦する価値があります。
わからない問題も独学で理解できる人
わからない問題に直面したとき、自力で調べて理解できる人は高卒認定試験に向いています。
独学での学習には、自分で問題を解決する力が必要です。
インターネットや参考書を駆使して調べることができる人、疑問点を解消するために積極的に情報を集められる人は、高卒認定試験に適しています。
自己解決能力が高い人にとって、独学での試験準備は有効です。
中学までの学習が理解できている人
高卒認定試験は、高校の基礎的な内容を問う試験ですが、中学までの学習内容が理解できていることが前提です。
中学までの学習内容に自信があり、高校の基礎を独学で学べる人は、試験合格の可能性が高まります。
特に数学や英語などの基礎科目で、中学レベルの知識がしっかりと身についていることが重要です。
基礎がしっかりしている人は、短期間で効率的に学習を進めることができます。
通信制高校と高卒認定のどちらにするかで迷ったら?
「自己管理は得意だけど継続が難しい……」
「勉強は理解できてるけど誰かにサポートしてほしい……」
このように、どちらを選択するか迷ったら、以下の方法で再度検討してみてください。
自分の学習スタイルを考える
通信制高校と高卒認定のどちらを選ぶかは、自分の学習スタイルによって決まります。
通信制高校は、学校のカリキュラムに従って計画的に学習を進められる点が魅力です。
定期的なスクーリングや面談でサポートを受けられるため、学習の進捗を管理しやすくなります。
一方、高卒認定は独学で進めるため、自分で学習計画を立てて実行できる人に向いています。
自由な時間が多い分、自己管理能力が求められます。
生活スタイルや体調を考える
通信制高校と高卒認定のどちらを選ぶかは、「朝起きれるか」「スクーリングできるか」「学費を払えるか」など、あなたの生活スタイルや体調で選択するのがおすすめです。
通信制高校は、定期的なスクーリングやレポート提出が求められるため、ある程度のスケジュール管理が必要になります。
一方、高卒認定は自分のペースで学習を進められるので、体調が不安定な時期でも無理なく勉強を続けられ、学費も不要です。
自分の体調管理が重要な人や、自由な時間を確保したい人、お金に余裕がない人は、高卒認定が向いているかもしれません。
将来の目標に合わせて選ぶ
将来の目標に合わせて、通信制高校と高卒認定のどちらが適しているかを考えましょう。
通信制高校は、高校生活を送りながら卒業資格を得たい人や、大学や専門学校への進学を目指す人に適しています。
指定校推薦などの進学ルートが開かれている場合もあります。
一方、高卒認定は、早く社会に出て働きたい人や、短期間で学歴を取得したい人に向いています。
自分の将来の目標に最も合った選択をすることが重要です。
通信制高校と高卒認定で迷ったら向き不向きで決めよう!
通信制高校と高卒認定のどちらを選ぶか迷ったときは、自分の向き不向きを考えて決めることが大切です。
通信制高校は、定期的なスクーリングや学校のサポートを受けながら学習を進めたい人、または高校生活を楽しみたい人に向いています。
一方、高卒認定は、自分のペースで学習を進められる自己管理能力がある人や、短期間で高卒資格を取得したい人に最適です。
自分の学習スタイルや将来の目標に最も合った選択をすることで、充実した学びの時間を過ごすことができるでしょう。
ただし、高卒認定を選択した場合、大学などに進学しなければ最終学歴が「中卒」になることを理解しておきましょう。
高卒認定を取得したあなたには、ぜひその資格を活かして大学へ進学し、さらに高い目標を目指してほしいと思います。
大学進学は専門的な知識を深め、キャリアの選択肢を増やす大きなステップです。
大学での学びは、新しい発見や貴重な人脈を築く機会を提供し、未来への大きな投資となるでしょう。
大学進学に強い通信制高校については「AO入試のある通信制高校はある?進学に強い通信制高校を厳選紹介」の方でもまとめているので参考にしてみましょう!



