行政書士は法律の専門家として人気の高い国家資格で、毎年多くの方が受験しています。
行政書士試験を受けた方の中には、残念ながら不合格になってしまった方もいるかと思います。
頑張って勉強したのに不合格になってしまった方は、特に落ち込んでしまっているのではないでしょうか。
この記事では行政書士試験に落ちた方に向けて、不合格の理由と合格するにはどうすれば良いかについて解説していきます。
行政書士試験に落ちたは当たり前?
頑張って勉強した行政書士試験に落ちてしまうのは辛いことだと思います。
一方で行政書士試験の難易度から落ちるのは当たり前という見方もあります。
ここからは行政書士試験の難易度などについて解説していきます。
行政書士試験の難易度
行政書士試験の合格率はおおよそ10%で推移しています。
令和5年の試験では46,991名の受験者のうち合格者数は6,571名となっており、40,420名もの人が不合格になっています。
これだけ不合格者がいるため、行政書士試験に落ちるのはある意味当たり前と言えるでしょう。
行政書士は司法書士や弁護士など他の法律系国家資格と比べると比較的取得しやすいため、簡単に合格できると考えてしまう方もいるようです。
しかし、国家資格として取得後にメリットが大きいからこそ決して簡単には合格できない難易度となっています。
行政書士試験の平均受験回数
行政書士試験合格者の平均受験回数は2回前後と言われています。
この数字はあくまで平均のため、1回で合格する方もいれば何回も受け続けてようやく合格する方など様々なパターンがあります。
人によって合格に必要な勉強量には差があるので、あまり回数を気にする必要はなさそうです。
不合格になったとしても落ち込まないことが大切です。
行政書士試験不合格はなぜ?考えられる理由
前述したように、行政書士試験には1回で合格する方と何回も落ちる方がいます。
合格者と不合格者の差を比較することで、どのような対策が必要なのか見えてくるでしょう。
ここからは、行政書士試験に落ちる方にありがちな不合格理由について解説していきます。
勉強が足りていない
そもそもの勉強量が足りていない場合、行政書士試験に合格するのは難しいでしょう。
前述した通り行政書士試験は合格率10%前後となっており、難関資格の1つと言えます。
あまり勉強しなくても合格するという幻想は捨てて、しっかりと勉強時間を確保することが必要です。
平日は仕事で忙しい方も休日は多めに勉強するなど、工夫して時間を作っていきましょう。
勉強の効率が悪い
行政書士試験には法令科目と一般知識の試験があり、法令だけでも憲法・民法・商法など多くの種類があります。
主題範囲が広い分、1つの科目ばかりに時間をかけるなど効率の悪い勉強をしていては合格が難しいでしょう。
例えば法令科目と一般知識では配点が8:2となっているため、一般知識の勉強に時間をかけて完璧にしても効果は低いです。
配点の高い科目や出題頻度が多い科目に勉強時間を割きましょう。
独学のため内容を正確に理解できていない
初めて法律を学ぶ方にとって、行政書士試験の内容はなかなか頭に入ってこないものです。
独学の方にありがちなのが書籍などで勉強しても内容を理解できておらず、たくさん勉強したにも関わらず得点が伸びなかったといったパターンです。
独学でも合格される方はいますが、確実に理解を深めるには対策講座などの受講も検討が必要になります。
勉強方法を絞れていない
行政書士試験にはインターネット上の解説動画・有料の通信講座・様々なテキスト・問題集など数多くの勉強媒体があります。
しかし色々な勉強方法に手を出す方は合格の可能性が低くなります。
テキストも同じ内容のものにいくつも手をつけるより1冊を完璧にした方が得点力がつきます。
多くの人が経験するのが、複数のテキストをそれぞれ最初の方だけ勉強して次に移ってしまうパターンです。
解説動画や通信講座も、複数同時に手をつけてしまうとどれも終わらずに中途半端な理解で終わってしまう可能性があります。
勉強方法は初めに決め、計画的に勉強を進めていくことが重要です。
行政書士試験に不合格になったときに考えるべきこと
行政書士試験で残念ながら不合格になった場合、次にどのような対応をとるのかは人によって様々です。
ここからは、行政書士試験不合格後に考えるべき対応について解説していきます。
再受験する
行政書士の資格を諦めたくない方は再受験で合格を目指しましょう。
行政書士試験は年に1回行われているため、毎年受験のチャンスがあります。
受験回数や年齢に上限はないので、合格するまで受験を繰り返すことが可能です。
次こそは必ず合格するという決心のもとしっかりと対策を立てましょう。
他の法律系資格に挑戦してみる
行政書士に近い他の法律系資格の取得を目指すのも有力な選択肢の1つです。
行政書士試験の内容は他の法律系国家資格と重複するところが多くあります。
特に司法書士に至っては憲法・民法・商法と3科目が被っているため、行政書士試験で勉強した内容が無駄にはなりません。
他にも社会保険労務士や宅地建物取引士などは行政書士試験を経験した方にとってとっつきやすい内容となっています。
いずれの資格も需要の高い国家資格ですので、取得する価値が高いです。
資格は取らずに企業の法務部門に就職する
資格の取得ができなくても、企業の法務部門に就職するという選択肢もあります。
実は企業の法務部門の多くは法律系国家資格の有資格者を置いていません。
そのため行政書士や司法書士の資格を持っていれば就職の際に有利になりますが、必ずしも必須というわけではありません。
「行政書士の資格は取れなかったけれど法律に関わる仕事がしたい」という方は企業の法務部門への就職も考えましょう。
行政書士試験に合格するための方法とは
前述したような不合格の要因を洗い出ししっかりと対策をすれば、行政書士試験に合格する確率が高まります。
ここからは、行政書士試験に合格するための方法について解説していきます。
勉強時間を確保する
前述したように行政書士試験に落ちる方の多くはそもそもの勉強量が足りていない傾向にあります。
行政書士試験に合格するには初学者の場合は1,000時間、ある程度法律の知識がある方でも600時間ほどの勉強時間が必要となります。
まずはしっかりと勉強時間を確保することから始めましょう。
日頃は仕事で忙しい方でも土日は4時間以上時間を確保するなど、生活の中で勉強する習慣をつけていくことが効果的です。
試験までの期間から逆算して1日にどのくらいの勉強時間が必要か考えて勉強を進めましょう。
計画的に勉強する
行政書士試験は出題範囲が広いため、合格するには計画的に勉強を進める必要があります。
試験日までの日数から民法の勉強には何ヶ月、といったように具体的なスケジュールを立てましょう。
無計画に勉強を進めると、試験直前になって手をつけていない科目が残る可能性があるので注意が必要です。
使用するテキストや問題集もあらかじめ決めておいて、色々なものに手を出さないようにしましょう。
必要に応じて予備校や通信講座を受講する
独学には限界があるため、場合によっては予備校や通信講座の利用も考えましょう。
予備校や通信講座ではある程度勉強スケジュールを管理してもらえるので勉強を継続しやすいというメリットがあります。
もちろん独学の方が効率よく勉強できる方もいるので、自分に合った勉強方法を早めに確立しておくことが重要です。
来年度合格を目指すなら独学?予備校?通信講座?
行政書士試験の勉強方法には独学・予備校・通信講座の受講などがあります。
ここでは合格するにはどの勉強方法を選ぶべきかについて解説します。
独学
独学のメリットはお金がかからないことです。
「今回残念ながら不合格になったけどあと少しで合格できた」といった方は独学でも十分に合格の可能性があります。
一方で合格までの道が遠い方にはあまりおすすめできません。
独学の場合は勉強時間の配分が難しかったり分からない部分を質問できなかったりするなどのデメリットがあるためです。
予備校
予備校はプロの講師がしっかりと教えてくれるため、確実に合格を目指したい方におすすめです。
勉強スケジュールも予備校側で管理してくれるため、自分の意思で勉強を続けるのが苦手な方には特に適しています。
また対面で講座を受けるためモチベーションを維持しやすいというメリットもあります。
一方、大手予備校では費用が20万円代になるなど値段が高いというデメリットがあります。
「不合格でもあと少しで合格できそう」という方はあえて予備校に通う必要はないと言えます。
通信講座
通信講座は独学と予備校の中間的存在と言えます。
予備校よりは自らの意思で勉強する必要がありますが、独学と比べるとプロが監修した教材や講座を受けることで得点力をつけやすいです。
費用も予備校より安いため、独学か予備校か迷われている方は通信講座という選択肢も有力な候補となります。
行政書士試験に落ちたは普通?不合格になったら考えることまとめ
この記事では行政書士試験に落ちた方に向けて、不合格の理由と合格するにはどうすれば良いかについて解説してきました。
今回の記事の内容は下記の通りです。
- 行政書士試験は合格率10%前後と難易度が高い
- 行政書士試験不合格の理由は勉強時間が足りていない・勉強の効率が悪いなど
- 行政書士試験に不合格になった場合→1年後に再受験する/他の法律系国家資格に挑戦する/企業の法務部門に就職するなどの選択肢がある
- 行政書士試験に合格するためには勉強時間の確保と勉強計画をしっかりと立てることが重要
- 行政書士試験合格までもう少しの場合→独学がおすすめ
- 合格が遠い場合→予備校や通信講座の受講がおすすめ
行政書士試験に合格するのは決して簡単なことではありませんが、取得する価値の高い資格の一つです。
不合格になったからといって落ち込む必要は全くありません。
この記事を参考に次こそは合格できるように頑張っていきましょう。