社会保険労務士は労務管理・社会保険などの専門家であり、人気の国家資格の一つです。
士業と言えば男性が多いイメージですが、実は社会保険労務士はキャリア形成を目指す女性におすすめできる職業と言えます。
この記事では主婦や働くママなど、女性に向けて社会保険労務士の働き方や年収などについて解説していきます。
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女性の社会保険労務士の割合はどのくらい?
士業のような国家資格といえば、男性の職業というイメージが強い傾向にあります。
しかし、社会保険労務士試験の合格者数を見ると、女性の合格者も多くいることが分かります。
実際に社会保険労務士として働く女性はどのくらいいるのか解説していきます。
女性の社会保険労務士の割合
社会保険労務士として登録している方の割合は、2023年度で男性が67.3%、女性が32.7%となっています。
10人に3人以上は女性ということから他の士業と比べると女性の比率が高く、現在約14,000名が女性の社会保険労務士として登録されています。
日本社会全体で女性の社会進出が進んできていることもあり、女性の社会保険労務士も珍しい存在ではなくなってきています。
2010年度時点で女性の割合は26.5%でしたが、年々女性の割合が増加しているため、今後も女性の社会保険労務士の人数は増えていくと思われます。
働き方改革などライフワークバランスの見直しが進む昨今、女性が子育てをしながら働きやすくなっていることが女性の社会保険労務士増加につながっていると考えられます。
他の士業と比べる女性の割合
弁護士や税理士など、他の士業と社会保険労務士の女性の割合を比べると下記の表の通りとなりました。
士業名 | 男性の割合 | 女性の割合 |
---|---|---|
弁護士 | 80.2% | 19.8% |
税理士 | 84.4% | 15.6% |
司法書士 | 81.0% | 19.0% |
社会保険労務士 | 67.3% | 32.7% |
出典:弁護士白書 2023年版
表の示す通り、士業の中で社会保険労務士の女性の割合は高いことが分かります。
女性の割合が多い分、会社などに所属して働く場合に会社から子育てに対する理解が得られやすいことが期待できます。
また自分と同じような子育て中の主婦など、同じ境遇にいる方に相談しやすいというメリットもあります。
この先も社会保険労務士として働く女性が増えていくことが予想されるので、女性が働きやすい企業や事務所が増えていくことが期待されます。
社会保険労務士は女性にこそおすすめ
社会保険労務士は他の士業と比べると、多くの女性が活躍している職業だということを紹介してきました。
社会保険労務士は女性にこそおすすめできる職業だと言われています。
ここからはなぜ女性におすすめなのか、その理由について解説していきます。
事務作業がメイン
社会保険労務士の業務は給与の計算や社会保険の手続きなど、事務作業がメインです。
体力が求められる仕事ではないため、男性の方が有利ということはありません。
社会保険労務士に求められることは専門知識や正確性です。
性別や年齢に関係なく、知識と経験を積むことで十分に活躍することができるでしょう。
相談を受ける仕事が多い
社会保険労務士は企業に勤めている場合は他部署から質問や相談を受ける機会が多く、社会保険労士事務所に勤めている場合はコンサルティングなどの対応もあります。
そのため、コミュニケーション能力が高い方は社会保険労務士として活躍できる可能性が高まります。
女性は男性に比べてコミュニケーション能力が高い方が多い傾向にあるので、相手の立場に立って親身に相談に乗ることに長けています。
コミュニケーション能力に長けた人材を求める企業は多くあるので、就職・転職市場でも女性の需要が高いことが予想されます。
保険の申請や給与の計算など緻密な作業が多い
社会保険労務士の仕事は、保険の申請や給与の計算といった細かい作業が多いです。
女性の方が男性より細かい違いなどに気がつきやすい傾向があり、正確さを求められる事務作業で力を発揮しやすいと思われます。
保険の申請や給与計算に誤りがあると大きな問題に発展する恐れがあるため、正確性の高い人材を求める企業が多いです。
ママや主婦でも社労士として活躍できる
女性のキャリアは、結婚や出産などのライフイベントで途切れてしまうことが多々あります。
しかし、社会保険労務士は主婦や子育て中のママでも活躍が期待できる職業ということからも、女性におすすめできる士業の一つと言われています。
ここからはその理由について解説していきます。
キャリア形成に有利
社会保険労務士は難関の国家資格と言われており、合格者数はあまり多くありません。
その分、合格者は社会保険や労務管理の知識を持った専門家として就職や転職に有利になります。
子育て中の場合、正社員として働くことが難しい場合も多いかと思います。
しかし、社会保険労務士では子供が大きくなるまではパートタイマーとして短時間働き、落ち着いたら正社員として転職するといった働き方も可能です。
キャリアが途切れやすい女性にとっては柔軟に働き方を変えやすいといった点でおすすめできます。
独立開業しなくても働ける
士業の資格といえば、自分の事務所を開業するイメージを持つ方が多いかもしれません。
独立開業すれば社会保険労務士の業務に加えてスタッフの管理や経営管理などやることが多く、主婦や子育て中の女性にとっては時間の確保が難しくなることが懸念されます。
しかし前述の通り、社会保険労務士は専門性が高いので企業の総務・人事部門などからの需要が高いです。
社会保険労務士の資格は持っていないものの企業の人事部門で働いている方は多くいるので、資格を持っているだけで差別化に繋がることが期待できます。
このように、一定の収入を得るために必ずしも独立開業する必要がないことが、主婦や育児中の女性におすすめできる点となっています。
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女性が社労士資格を持つメリット
ここまでキャリア形成や働き方といった面で女性が社会保険労務士になるメリットを紹介してきました。
実は社会保険労務士の資格にはキャリア面以外にも様々なメリットがあります。
ここからは女性はもちろん、男性の方でも社会保険労務士の資格を持つメリットについて紹介していきます。
家計の管理に役立つ
社会保険労務士の専門分野には年金や健康保険といった普段の生活や将来の人生設計に関わることが多くあります。
そのため、将来に備えていくら貯金しておけば良いか、保険はどのように選ぶべきかなど家計の管理にとても役立ちます。
特に昨今は年金制度の改正なども多いため、家計管理をしている女性を中心に非常にメリットの高い資格と言えます。
家族に対して就職や転職についてアドバイスができる
社会保険労務士としての知識があると、パートナーが転職するときや子供が将来成長して就活を始める時に、転職・就職先の企業の労働条件などを見極めてアドバイスをすることができます。
転職・就職先の企業がブラック企業かどうかは入る前は見極めが難しいですし、入社してからも実は労働基準法に違反しているのに気が付かずに働いているケースもあるかと思います。
社会保険労務士は労働基準法などの労務管理についての知識があるので、家族のキャリア設計について考えていくことができます。
子供の教育に役立つ
年金制度などの社会保障について学ぶことは人生設計において非常に重要ですが、今の学校教育では詳細を教えてくれないのが現状です。
社会保険労務士の資格を持っていれば、世の中の社会保障の仕組みについて子供に教育することができます。
子供が社会の中で生きる力を育むために、社会保険労務士としての知識を役立てることが期待できます。
女性の社会保険労務士の年収はいくら?
残念ながら、日本は世界の中でも男女の賃金差が大きい国です。
女性は出産や子育てなどによってキャリアが中断することが多く、企業側が給料アップを抑制していることや非正規雇用者が多いことが原因です。
社会保険労務士では女性の年収がどのくらいなのか、詳しく解説していきます。
女性の社会保険労務士の年収
社会保険労務士と日本人の平均年収を下記の通りまとめました。
項目 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
社会保険労務士 | 483.7万円 | 415.7万円 |
日本人の平均年収 | 532万円 | 293万円 |
厚生労働省が発表した「令和元年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、女性の社会保険労務士の年収は415.7万円、男性は483.7万円となっています。
日本人の平均年収は433万円ですが、男性に限ると532万円、女性は293万円となっていることから考えると、社会保険労務士は男女格差の少ない職業と言えるでしょう。
これは社会保険労務士が専門性の高い職業のため、子育て中にも柔軟に働けることや正社員として復帰しやすいことが要因と考えられます。
独立開業型と勤務型の年収差
社会保険労務士は企業や事務所に勤めて給料をもらうパターンもあれば、自分で事務所を開いて収入を得ることもあります。
企業に勤める社会保険労務士の年収は、おおよそ400万円〜500万円と言われています。
他の職種と同じように20代の頃は給料が低く、年齢を重ねるに連れて給与水準が上昇していく傾向にあります。
一方、独立開業型では事務所が成功すれば、性別に関係なく年収1,000万円以上を得ることが期待できます。
しかし、軌道に乗るまでは年収100万円〜200万円ということも珍しくなく、人によって差が大きいことが特徴です。
独立開業を目指す場合、成功は個人の営業力やスキルによって左右されるので、相応の努力が必要となります。
社会保険労務士は女性におすすめ!まとめ
この記事では女性に向けて社会保険労務士の働き方やおすすめできる点、年収などについて解説してきました。
今回の内容のまとめは下記の通りです。
- 社会保険労務士の3割が女性で、他の士業と比べて社会保険労務士の女性の割合は多い
- 事務仕事が中心で、家計管理など普段の生活に社会保険労務士の知識が活かせるため女性におすすめできる
- 資格や仕事内容の専門性が高いため、パートタイマーや正社員といった様々な働き方を選ぶことができる
- 年収は女性の平均年収よりも大幅に高く、男女差が少ない
女性は結婚や出産によってキャリアが途切れ、子供が成長したあとに正社員として復帰しにくいことが日本社会の課題となっています。
しかし、社会保険労務士のように専門性の高い仕事に就くことによって、キャリアを積むという選択肢を諦めずに済むかもしれません。
結婚や子育てがあっても自分のキャリアを築いていきたい女性の方は是非、社会保険労務士を目指してみてはいかがでしょうか。