掲載依頼・お問い合わせ/リンク集          

[PR]

弁理士の受験者数は減少傾向にある?受験者推移や合格率の変動をデータに基づいて解説

更新日:2024-02-19

弁理士の受験者数は減少傾向にある?受験者推移や合格率の変動をデータに基づいて解説

弁理士は特許申請を行う独占業務を持つ士業ですが、その資格受験者数の推移は年々減少しているようです。

それに伴い相対的に合格率は上昇しており、弁理士資格を取得するのは今がチャンスなのではないかと言われています。

この記事では、近年受験者数が減少していると言われている弁理士の受験者数推移や合格率などをご紹介し、減少している原因を解説していきます。

興味のある方は是非最後までご覧ください。

弁理士の受験者数は減少傾向にある?推移をご紹介

まず最初に、過去5年間の弁理士の受験者数と合格者数の推移を見てみましょう。

年度 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
令和5年度 3,065 188 6.1
令和4年度 3,177 193 6.1
令和3年度 3,248 199 6.1
令和2年度 2,947 287 9.7
令和元年度 3,488 284 8.1

参考:特許庁

この推移から、令和3年度以降合格率が徐々に下がっていることがわかります。

合格率を見て行くと、一番高い令和2年度でも9.7%となっており、合格率10%を下回る難関資格であることが分かります。

弁理士の受験者数減少により合格率が高まっている?

弁理士の合格率は減少する年もありながら、やや増加傾向にある様ですが、これは単純に受験者数の減少が影響しているのでしょうか?

受験者数減少以外に考えられる原因はあるのでしょうか?

受験者数の減少は合格率に影響している

受験者数の減少は確実に合格率の増加に影響を与えています

これは、弁理士という職業は世の中に必要ですので、毎年ある程度の人数が合格できるように線引きするわけですが、それに対して母数の受験者数が減っているからです。

さらに、受験者数が減少している中で受験を希望する方々は、しっかりと対策を練り、学習を積んできた方たちだと考えられます。

以上のことから、受験者数の減少が合格率に影響を与えていると判断できます。

受験者層とリモートワークの関係

過去5年でもっとも合格率が高かった令和2年度の合格者の年齢別内訳は以下のようになっています。

20代 21.3%
30代 43.9%
40代 21.3%
50代 10.1%

合格者の最少年齢は22歳となっており、このことから弁理士の資格試験受験者はほとんどが社会人であることが分かります。

そしてここ数年、コロナウイルスの影響でリモートワークが主流となり、通勤する分の時間や仕事の隙間時間などに資格の勉強をすることができるようになりました。

そのことからも勉強時間を多く確保できるようになれば、合格率が増加しているというのも考えられます。

弁理士受験者が減少したのはなぜ?考えられる原因とは

弁理士の受験者数は減少傾向にある? 原因

弁理士の合格率が上昇しているのは、受験者数の減少が原因として挙げられるわけですが、そもそもなぜ受験者数が減少しているのでしょうか?

ここからは弁理士試験の受験者現象についてを解説していきます。

弁理士は昔より稼げなくなっている

数十年前までの弁理士のイメージは、資格試験は非常に難しいが、資格を獲得し実務経験を積めば一般サラリーマンよりかなり稼げるという資格職業でした。

今でこそ弁理士試験の合格者は200~300人ですが、平成22年~平成25年を見て行くと合格者は700人を超える数おり、弁理士が比較的多い2008年に起きたリーマンショックを機に、特許の出願件数が減少を始めてしまいました。

このことにより、特許の出願件数は減少してるが、弁理士は足りているという飽和状態になってしまった訳です。

そして飽和状態になれば、弁理士一人当たりが稼げる収入は減少するため、資格取得の労力に見合わないという考えに至ってしまいます。

しかし、今でも弁理士の平均年収は約700万円とされており、一般サラリーマンの平均年収432万円を大きく超えているため、原因はこれだけでは無いようです。

他に魅力的な仕事が増えた?

現在の弁理士の年齢別割合は、2008年~2018年の間に30代の層が約4割まで減少し、代わりに40代の層が3割ほど増加しています。

つまり、若いうちから弁理士になろうという人が減っていることになります。

これは近年働き方が多様化し、国家資格が無くても副業が可能であったり、稼ぐことができるようになりつつあることが原因だと考えられています。

認知度が非常に低い

特許庁が行った認知度・イメージに関する調査結果では、弁理士の認知度は60.8%となっておりその中でも仕事内容まで把握している人は17.0%でした。

このことから弁理士の認知度は、弁護士や行政書士などと比較し非常に低いことが明らかになりました。

また、令和5年度の合格者の理系割合は76.1%となっており、弁理士になる人の多くは理系出身者であることが分かっています。

これは、特許申請の業務を行う際に、工業系の技術であったり、ソフトウェアに関する特許が増えているためだと考えられています。

しかし、学生時代に、文系では士業系の資格について知る機会があっても、理系ではそもそも士業系資格について知ることがあまりありません。

こういった、若い理系出身者の認知度の低さも、近年の受験者数減少に影響を与えていると考えられます。

特定の分野では現在も弁理士の需要が拡大している

特許申請の件数が、2008年以降減少していると上記に示しましたが、それは全体での話であり、特定の分野では現在も需要が拡大しています。

ここからは弁理士の今後の需要についてご紹介していきます。

農水知財分野

現在、日本ではあまり農業が盛んではなく、食料品などは海外からの輸入に依存している部分が大きくなっています。

そんな中、日本政府は農林水産業を後押しする計画を進めており、そこで弁理士の需要が拡大しています。

具体的には、食料品や花の品種改良を行った時や、ブランドとして扱っている品物を売り出した際の商標登録などが挙げられています。

この需要は、他の技術系分野などと比較しそこまで大きくはありませんが、農林水産業系の知識を持っている弁理士が少ないことから、供給が追い付いていない現状になっています。

また、農林水産業では海外への進出を考えている方もおり、その場合は海外の弁理士事務所と提携している弁理士は有利に仕事を進めることができるようです。

スタートアップ企業が狙い目

大企業の方が特許出願できるような技術を多く持っていたり、案件の費用も高額になるといった意見もありますが、一概にそうとは言えません。

特許を頻繁に出願する企業は、外部の弁理士に依頼するより、自社の内部に「知財部」を設置した方がより効率的かつ安価に特許出願ができると考えるからです。

そこで、注目されているのがスタートアップ企業です。

彼らのほとんどには知財部などが無く、特許出願を考えている場合外部の弁理士に依頼することになります。

そこで、長期契約を結ぶことができれば、その企業が成長し内部に知財部を設置するまでは仕事を受けることができます。

さらにスタートアップ企業では、特許出願のみではなく、知的財産に関する相談も依頼されることが多いため、コンサル業も兼任することができます。

国際特許出願が世界的に増加している

コロナウイルスの影響で、様々な経済活動が打撃を受ける中、国際特許出願は増加しています。

日本企業でも三菱電機などの大企業は、特許申請を国際的に行う傾向が強く、中国企業ではファーウェイなどの国際特許申請が年々増加しています。

これを受けて、英語や中国語ができる弁理士の需要が非常に高まっており、難易度が高いからこそのブルーオーシャンとなっているようです。

さらに、仕事を求めるのであれば、現在も国際特許出願が顕著に増え続けている、アメリカや中国、韓国の弁理士事務所に移籍するという手段もあります。

弁理士の試験を突破し、ある程度実務経験を積んだ上で、将来的な不安を感じるのであれば、国際特許出願方面に舵を切るのも良策なようです。

弁理士を目指すなら今が狙い目!?

ここまでの内容を読んで、結局弁理士を目指すか迷ってしまうという方もいらっしゃるでしょう。

そこで最後に、弁理士を目指すなら今が狙い目の理由を解説していきます。

合格率の上昇や受験者数が減少していること

ここ数年の弁理士資格試験の合格率は、段々と上昇しており、専門のスクールに通ってしっかり対策をすれば、試験に合格しやすくなっている現状です。

また、受験者数の減少や若手層の減少に伴って、今弁理士になれば将来的にライバルが少ない状況で働くことができます

さらに、後数年経てばコロナウイルスの影響も収まり、テレワークではなく当たり前に会社に出社する日々が戻ってくるかもしれません。

そうなる前に、テレワークで少しでも時間を作れる今が、弁理士試験の学習時間を確保できるチャンスだと考えることができます。

将来性も確保されている

それでも弁理士になるかどうか悩んでいる方は、おそらく将来性を気にしているのでしょう。

特許申請の件数が減少していることや、最近では弁理士の仕事が10~20年後にAIに奪われるのではないかという意見もあります。

しかし、現在弁理士が行っている特許申請や商標登録の業務は、そう簡単にAIにとって代わられる物ではありません

おそらくAIが行う特許関連業務としては、弁理士の書類作成の補佐や商標調査の検索を早めるなどの業務になると考えられます。

ですので、弁理士補佐の負担が減ることは考えられますが、弁理士の仕事が顕著に減少するとは考えられません

さらに、最近では企業が弁理士資格を持っていたり、実務経験を有している方を知財部として採用するケースが増えており、弁理士事務所でのみ働く時代は終わりつつあります。

自分で仕事を取ることができなくても、企業に勤めることができるなら安心できるのではないでしょうか。

弁理士の受験者数減少に伴う合格率まとめ

今回この記事では、弁理士資格試験の受験者数が減少していることや、その理由・将来性・今弁理士を目指すべきなのかなどについて解説してきました。

弁理士の受験者数の推移を見てみると、受験者は年々減少していますが、合格者と合格率はともに増加しています。

受験者数の減少理由としては、弁理士が昔に比べ稼ぎにくくなったことや、弁理士の認知度が元々低かったことなどが挙げられています。

また、仕事に関しては、特許申請自体は減少していますが、農林水産業やスタートアップ企業などの特定の分野では需要が増加しています。

受験者数の減少で将来的にライバルが減るでしょうし、国際特許申請が行えるようになれば、将来性もありますので、今弁理士を目指すのが狙い目だと考えられます。