司法試験を受けるためには司法予備試験の受験が必要ですが、他の国家試験と比べて非常に難易度の高い試験となっています。
司法予備試験では一般科目の出題があり受験者の一般的な教養の知識を試す試験がありますが、最近司法予備試験の改正が行われ、一般教養の試験がなくなると言われています。
一般教養の試験が無くなるとどのような影響が出るのでしょうか。
ここでは一般教養科目の廃止について詳しく解説していくので、司法予備試験の受験を控えている方は確認しておくようにしましょう。
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司法予備試験の一般教養科目は廃止される?
司法予備試験の一般教養科目ですが、廃止されるなどのうわさや曖昧な情報が飛び交っています。
結論から言うと「論文式試験」の一般教養科目は廃止されます。
しかし、廃止されるのは「論文式試験」の一般教養試験のみとなっており、「短答式試験」の一般教養科目は今まで通り出題されるので注意しましょう。
従来の一般教養科目の内容や特徴、「論文式試験」の一般教養科目廃止について詳しく説明していきます。
司法予備試験の一般教養科目とは
従来の司法予備試験の一般教養科目は「短答式試験」「論文式試験」の2つで出題されており、法律だけの知識だけではなく一般的な教養も兼ね備えているかを確かめるためにあります。
従来の一般教養科目の内容や配点はどのようになっているのでしょうか。
今までの「短答式試験」と「論文式試験」の一般教養科目についてまとめました。
短答式試験の一般教養科目
今までの「短答式試験」の一般教養科目は以下のようになっています。
試験形式 | 五択一形式 |
---|---|
出題範囲 | 人文科学・社会科学・自然科学・英語 |
問題数 | 40問程度 |
解答内容 | 40問のうちから20問を自由に選択して解答 |
配点 | 一問3点×20問で60点満点 |
「短答式」では一般教養科目の対策が難しいと言われています。
それは出題範囲が歴史や数学など広範囲で様々な分野から出題されるのが理由です。
さらに、問題のレベルは大学入試レベルの知識が必要となっており、一度勉強から離れてしまった社会人の方や大学へ進学していない方などは「短答式試験」の一般教養科目の対策が難しいと言われています。
論文式試験の一般教養科目
「論文式試験」の一般教養科目は廃止されますが、現在までどのような問題が出題されていたのでしょうか。
従来の「論文式試験」の一般教養科目の試験内容や特徴をまとめました。
試験形式 | 小論文式 |
---|---|
問題数 | 2問 |
解答内容 | 要約・自説展開 |
試験時間 | 1時間 |
配点 | 50点 |
上記が「論文式試験」の一般教養科目の主な内容となっており、小論文式の問題を2問を解くなどシビアな内容となっています。
また、出題範囲に関しては広範囲で対策は難しく、効率やコスパの悪さから対策をせずに受験する方も少なくありませんでした。
しかし、これらの「論文式試験」の一般教養科目は廃止されます。
一般教養科目が廃止されることでの受験生への影響は後程説明します。
一般教養科目はいつから廃止される?
司法予備試験の「論文式試験」における一般教養科目は廃止されますが、いつから廃止がなされるのでしょうか。
一般教養科目の廃止は令和4年度(2022年度)から行われます。
2021年までの試験とは対策や出題内容・出題方法が変わってくるので、しっかり確認して取り組むようにしましょう。
試験科目の変更内容は?
一般教養科目が廃止され従来の試験内容からどのように変更がなされるのでしょうか。
司法予備試験の「論文式試験」の一般教養科目が廃止されて、代わりに選択科目が導入されます。
「論文式試験」における一般教養科目の廃止が行われますが、「短答式試験」で出題される一般教養科目は例年通り出題されますので注意しましょう。
以下が主な変更点となります。
2021年までの司法予備試験 | 2022年からの司法予備試験 |
---|---|
短答式試験 | |
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論文式試験 | |
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「短答式」の試験内容は従来のものと変更はありませんが、「論文式」では変更があります。
どちらの試験も対策を疎かにすると合否に響くので、適切な対策・勉強をすることが大切になってきますね。
「論文式試験」の選択問題の内容は?
「論文式試験」の一般教養科目が廃止され、新たに選択問題が課されます。
以下の科目が選択の科目になることが法務省より公式な発表がありました。
倒産法・租税法・経済法・知的財産法・労働法・環境法・国際関係法(公法系)・国際関係法(私法系)の8科目から選択することができます。
内容に関しては、一題で配点50点・試験時間は従来とほぼ変わらず一時間程度となっているようです。
「論文式試験」の一般教養科目の廃止されても、新たに選択問題の対策が必要になってきます。
司法予備試験の選択科目はどう選ぶべき?
先ほどご紹介したように、2022年度から導入される選択科目は下記のような選択肢があります。
・倒産法
・租税法
・経済法
・労働法
・知的財産法
・労働法
・環境法
・国際関係法(公法系)
・国際関係法(私法系)
8つの選択肢の中から、試験を受ける際にはどのような判断基準を持って選べばいいのでしょうか。
勉強のしやすさ
これが最も重要な要素かもしれませんが、勉強のしやすさといっても様々な要素があります。
選択している方が多ければ教材の量も多く、何よりポピュラーな科目であればアドバイスを受けられる機会も多いです。
また全体的な勉強量が多くても、上記の理由から学習スピードは早くなることが予想できます。
実は選択科目の分布はかなり偏っており、しっかりと事前に調査しておくことが重要と言えるでしょう。
実務で活用できるかどうか
法曹としての将来像を持ちたい方なら、選択科目が実務に活かせるかどうかも考えた方が良いでしょう。
依頼の解決に繋がるような、社会的なニーズの高い選択科目を学習すれば実務でもメリットがあることは確実です。
企業から求められる人材になりたいのなら知的財産法などがおすすめで、民事系に強い科目はまた別にあります。
以上の2点を総合して、最もおすすめできる科目として何が挙げられるのでしょうか。
労働法がおすすめ
現状で特に決まっていないのであれば、選択科目には労働法を選ぶのがおすすめです。
受験者の3割が選ぶというメジャーさから、書店などには質の高い教材が多く並んでおり学習のしやすさはトップレベルとなっております。
また実務への役立ち度もかなり高く、どのような案件にせよ必要となる法律です。
非常におすすめできる科目となっておりますので、受験される際にはぜひご検討ください!
一般教養科目廃止の影響は?
一般教養科目は令和4年度(2022年度)から廃止されますが、受験者にとってどのような影響が出るのでしょうか。
受験者の主な影響についてまとめて見ました。
試験は易化する?難化する?
一般教養科目が廃止されることで、負担が減ったと思う方もいらっしゃると思いますが受験生への負担は減っていません。
むしろ、一般教養科目の代わりに法律関係の選択科目が課されたことで、同様に対策する必要があります。
従来の「論文式試験」の一般教養科目は対策をしない受験生が多く、あまり大きな差は生まれませんでした。
しかし、試験内容の変更で法律科目重視するようになるため、何も対策を立てずに行くと周りと大きな差がついてしまうかもしれません。
よって「論文式試験」の一般教養科目の廃止は受験生への負担が増えた、難化する可能性があると言えます。
一方で易化するとの意見も
従来の一般教養科目では、最低限不合格にならない点数を取ればいいという認識が多くされていました。
というのも一般教養科目と異なり、選択科目の論文式試験ではこれまでの学習が活かせることもあるためです。
例えば倒産法などは民事系科目の知識を活かすことができ、問題のイメージもしやすいと言われています。
このような理由から、全体的な学習時間が微減し易化したとも言えるという声もあります。
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一般教養科目の負担が無くなった分、法律の方の勉強の内容をさらなる対策、効率的な学習が重要視されます。
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司法予備試験の一般教養科目廃止|まとめ
司法予備試験における一般教養科目の廃止やその影響について詳しく紹介してきました。
一般教養科目は令和4年度(2022年度)から「論文式試験」のみで廃止され、代わりに選択問題になります。
よって内容が未知数で従来よりも注意深く対策を組んでいかなければなりません。
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