”ルポライター”とは、ライターと同じように記事を書くことを仕事としています。ルポライターが専門としている分野は「社会問題」や「事件」のことなど、比較的深刻なテーマです。
取材やインタビュー、写真撮影も自ら行ってルポルタージュを書きます。
そのルポライターになるには、就職するのと独立するのではどう違うのでしょうか?年収や仕事内容もご紹介します!
ルポライターとは?
記事を書く職業のひとつと言えば、まず”ライター”を思い浮かべる人は多いでしょう。
”ルポライター”も同様に文章を書くことが仕事ですが、専門で扱っている分野は「社会の中で起きている問題」や「事件」のことなど、比較的重くて深刻な内容です。
ルポライターは自らアポイントを取ってインタビューに赴き、事件などが起きた場所へ行って撮影などもします。
取材したことも踏まえて記事にするため、忍耐力と根性も求められます。
ルポライターになるには、どんな勉強をしなければならないのでしょうか?
ルポライターの勉強ができるところは?
ルポライターになるには、決まった道筋や欲しい資格などはありません。
ただ、記事を執筆するために頭に入れておかなければならない知識は多く、それらは独学でも学校に通っても学べます。
ルポライターになるには「メディア」や「報道」に関する知識が必要であり、学校に行く場合は大学や専門学校を選ぶ人が多いです。
大学ではルポライターに関することよりも、メディアがどのようなものであるかや、報道に関わる者として大切なことを勉強します。
また、専門学校や養成学校に入学すれば、実践的なことやルポライターがどんなものであるのか基本的なことを知ることができます。
ルポライターになるには?
それでは、ルポライターになるには、就職する人と独立してフリーランスで活動する人ではどう違うのかを見ていきましょう。
それぞれのなり方は次のとおりです。
就職してルポライターになる場合
就職しているルポライターになるには、新聞社や出版社などに勤務します。
企業への就職が叶えば、何と言っても安定して仕事の依頼が来ることが特徴です。
金銭面でも毎月給与が支払われるため、能力に応じては年収も上がるでしょう。
主に大学でメディアや報道について学んだ人が、新聞社などで求められる人材です。
もちろん、そこで記者となって活躍し、後に人脈や経験を活かしてルポライターとして独立するパターンもあります。
独立して活動する場合
独立しているルポライターになるには、もっと多くの道があります。
就職している場合と違って全てを自分でやらなければならないので、名前も知られていない頃は仕事もほとんど入らないでしょう。
他にも、有名なルポライターの元で修行させてもらい、取材のお手伝いや現場に同行することで経験を積んで独立する人もいます。
また、自ら企画を出版社に打診したり、インターネット上で自分のサイトを立ち上げ、そこに自分の記事を公開している人もいます。
仕事内容は?
ルポライターになるには、活躍の場がたくさんあります。
紙媒体と言われる新聞や雑誌へ記事が載ることはもちろん、次のような仕事内容をしています。
記事を書くために、とにかく取材
ルポライターとなるには、実の多くの時間を取材やインタビューに費やします。
社会で起きている問題や事件は、とても辛くて悲しいことが多いです。
その渦中にいる人や関係者にアポイントを取り、言葉を選びながらも核心を突いた質問をします。
相手が何でも話してくれるなら良いですが、なかなか心を開いてもらえないことも多々あります。そういった相手の心にどれだけ寄り添い、話を聞き出せるかが大切となってきます。
そして、読者の心を惹き付ける写真を撮影し、記事のまとめに入ります。
テレビ出演や本の出版も
ルポライターが出版する本は「ノンフィクション」と呼ばれ、センセーショナルでショッキングな内容であることもしばしばです。
小説ではなく事実を元にしているため、その後の話などが続編として刊行されることもあります。
また、ルポライターがテレビに出演し、コメンテーターとして事件などに意見を述べたりもします。このように、仕事内容は多種多様です。
テーマはどうやって決めるの?
好きなテーマを思う存分書いていると思われがちなルポライターですが、ルポルタージュの本を一冊出版するまでには、長い時間がかかります。
一体、どのようにして取材のテーマが決められていくのでしょうか?
まずは話し合い
ルポライターが自らテーマを決めて出版社に企画として提出しますが、場合によっては出版社側から「このテーマで記事を書いてください」とお願いされることもあります。
あるルポライターは、「何十本と企画を立てても、一本採用されれば良い方」だと厳しさを語ります。
原稿が仕上がっても、そこから編集が入るため、何度も書き直しを命じられることもあります。
普通の小説などとは違い、取材やインタビューを重ねるルポルタージュは、「いつ完成するか」のメドが立っていません。それゆえに、何年もかかってやっと出版につながったり、続編が何度も出版されたりします。
取材することをどこでやめるかは、ルポライターが自分で考えて区切りをつけていきます。
編集者は頼れる存在
厳しい原稿のチェックを行う編集者ですが、ルポライターにとってはとても頼れる存在です。
自己満足ではなく、誰かが読んでくれることを意識して本は作られるため、編集者からの鋭い指摘や厳しい言葉もたくさんあることでしょう。
しかし、「文章を高めることができ、自分を育ててもらっている」と話すルポライターもいます。
ルポライターは一人で何でもやっていると感じるかもしれませんが、本当に一人きりでは何もできません。
相棒とも言える編集者がいるからこそ、質の良い文章が書けるのです。
ルポライターの年収について
時には命をかけて執筆や取材に奔走するルポライターですが、その収入源はどうなっているのでしょうか?
ルポライターは主に原稿料と印税が収入源ですが、いきなり充分な額の年収をもらえるわけではありません。
正社員として勤務しているルポライターであれば、勤めている出版社や編集のプロダクションの規定に沿った給与が支払われます。ボーナスが支給されることもあり、その分結果も出さなければなりませんが、比較的安定していると言えるでしょう。
しかし、独立しているルポライターはそうはいきません。
収入をアップさせるには?
フリーランスで活動している場合、そもそも仕事自体が安定して入ってこない場合がほとんどです。
いくら自分が、面白く、興味があると感じている題材でも、企画を理解してくれる場所がなければ発表すらできません。
契約している企業などがあるならば、ひとつの仕事をこなすごとに給与が出ます。
そのため、ルポライターとして駆け出しの頃は月収が数万円ということもあり、最初は別のアルバイトを掛け持ちする人もいます。
よほど名前が売れてくれば仕事の依頼も殺到するかもしれませんが、無名時代なら自分を売り込んだり、誰かを頼って仕事をもらうなどしなければ収入が全くない状態となってしまいます。
それにより、厳密な月収や年収の額は人による、と言った方が正しいかもしれません。
あるルポライターは、同じ題材で複数の本を出版し、人気を博して作品が映画化までされています。
現在はインターネットが主流のため、ルポライターもWebサイトに記事を執筆している人が多いです。
閲覧数が増えたり、記事の注目度が高まれば単価のアップにつながります。webサイトは取り組みやすいことでも知られているので、ルポライターの経験を積みたいと考えている人にもおすすめです。
あまり稼げないルポライターになるか、それとも人気を博して売れっ子作家のように高収入のルポライターになるかは、自分次第ですね。
ルポライターについてのまとめ
ルポライターになるには深刻な社会問題や事件が起きた時に取材を重ね、インタビューや写真撮影を行って記事にします。
自分が強い関心を持っているテーマで世の中に訴えかけることで、様々な反応が得られます。
ルポライターの取材は命がけで、取材がキャンセルされたり企画そのものがなくなったりと、報われないことも多いかもしれません。
深い悲しみを抱えた相手にインタビューをすることもあるため、神経を使うことも多々あるでしょう。
それでも、ルポライターが自身を持って記事を発表することで、誰も知らなかった真実が明るみになることもあります。
文章を書くことに興味があり、タフな精神力がある人はぜひ目指してみることをおすすめします。