医薬品を販売することができる資格は2つあり、薬剤師と登録販売者です。
登録販売者は医薬品の情報をお客さんに提供したり相談に乗ったりすることができますが、薬剤師のように薬を調剤することはできません。
それでも世に出回る医薬品の約95%を取り扱う事ができ、登録販売者の増加はドラッグストアやコンビニ、スーパーなどでも医薬品を取り扱う事ができる大きなきっかけとなりました。
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登録販売者とは。
登録販売者とは、医薬品を販売する事ができる人に認められる資格です。
以前は、薬剤師の不足から無資格で薬を販売するということが横行している時代がありました。
しかし、飲み間違えれば命を奪うことにも繋がりかねないため、販売する人に一定の知識を求める資格ができたのです。
登録販売者の歴史
2006年の薬事法改正までは、薬種商販売業資格という店舗に所属する個人に承認されていた資格がありましたが廃止されて、登録販売者制度が創設されました。
実務経験などの条件を満たすことができれば、店舗への所属情報は不要で、受験資格は個人のものとなりました。
この登録販売者の存在は、薬剤師の薬の販売業務を軽減し、調剤業務に専念させられるなど仕事の効率化を進める事ができ、ドラックストアやコンビニでも長時間薬の販売を行う事ができるようになりました。
ドラグストアでは医薬品登録販売者と名称変更
2019年10月から日本チェーンドラッグストア協会では、「登録販売者」を「医薬品登録販売者」と呼称を変えることが決まりました。
大きな理由としては、やはり2006年から明確に登録販売者制度ができ、ドラッグストアでも「正しく薬を販売できる」資格を持った人がいることで、ドラッグストア市場が大きく成長できてきた背景があります。
そして、スタッフの名札などに「医薬品登録販売者」と書いてあれば、お客さんも薬について相談しやすくなり満足度向上にも繋がるだろうと考えられたからです。
更にスタッフにとっても、資格を持つことに自覚と誇りをが持てるようになると期待されています。
一般医薬品の分類と販売できる専門家表
日頃ドラッグストアに並んでいる薬は、一般用医薬品といって、処方箋がなくても買える身近なお薬です。
ここで、一度一般用医薬品の分類表をまとめました。登録販売者はどの分類の医薬品を対応できるのか見てみましょう。
一般医薬品分類表 | 第一類医薬品 | 第二類医薬品 | 第三類医薬品 |
---|---|---|---|
リスク分類 | 特にリスクが高い物 | 比較的リスクが高い物 | 比較的リスクが低い物 |
具体的なリスク | 安全面で特に注意が必要な物 | まれに入院相当以上の健康被害が 生じる可能性がある成分を含むもの |
日常生活に支障を来すわけではないが、 体の変調、不調が起こる恐れがある成分を含む |
薬の効果例 | 解熱鎮痛剤、禁煙補助剤、 制酸剤胃腸薬など |
解熱鎮痛剤、かぜ薬など | ビタミン剤、整腸薬 |
専門家 | 薬剤師 | 薬剤師または医薬品登録販売者 | 薬剤師または医薬品登録販売者 |
情報提供の必要性 | 義務 | 努力義務 | 不要 |
ここで登録販売者が販売できるとされている第二類、大三塁医薬品は、何と一般用医薬品の約95%を占めるため、これらの販売を全て薬剤師しかできないとすると、到底薬剤師が不足してしまいます。
そのため登録販売者が薬の販売ができるようになると、薬剤師の負担軽減にもなりますし、人件費も抑える事ができますよ。
薬のインターネット販売の条件として
2011年頃から第一、第二類医薬品もインターネットで販売したいという声が高まり、2014年の閣議決定から条件つきで販売が認められるようになりました。
その条件は様々なものがありますが、重要な点として「薬局や店舗販売業の許可を受けている十店舗を所有していること」と、そこには、「薬剤師、または登録販売者が常時配置されていること」が必要です。
このタイミングで改めて登録販売者の必要性は認知されるようになりました。
他にも利用者の安全が守られるように必要な情報を得られやすい環境を整える必要がありますが、大きな改革でした。
現在では一般用医薬品は、第一、第二、第三類医薬品まで全てインターネットでの販売が可能となっています。
登録販売者の資格試験とは
登録販売者の試験は年に1回各都道府県ごとに開催されています。
それぞれの県により情報公開時期や開催の日程、受験料や合格発表日は異なりますので、ご注意ください。
試験科目
登録販売者の試験は、多肢択一式によるマークシート方式です。
前半、後半に分け、それぞれ2時間ずつ計4時間の筆記試験となります。
試験時間割も県に寄って異なりますが、出題内容は大まかには同じです。
関西広域連合:登録販売者試験案内
- 前半
・医薬品に共通する特性と基本的な知識 20問
・主な医薬品とその作用 40問
- 後半
・人体の働きと医薬品 20問
・薬事関係法規・制度 20問
・医薬品の適正使用・安全対策 20問
試験日程
各都道府県に寄って試験日程や合格発表日は異なる為、各都道府県の公式サイトをご確認ください。
また、4月27日現在では2020年の登録販売者の試験に関して情報を公開している都道府県はありませんでした。
下記に目安の日程をまとめてみましたので、ご確認ください。
- 募集期間:5月中旬から6月中旬から情報開示
- 試験日程:8月から9月
- 合格発表:10月頃
受験料
受験料も各都道府県によって異なります。
凡そ、目安の料金として、10,000円から15,000円です。
ちなみに、東京都は13,600円、大阪は12,800円、愛知県は10,000円、三重県では15,000円でしたので参考にしてください。
これからの登録販売者資格の役割
現在政府は医療費の負担を減らす為にも、病院を受診する前に「自分で自分の健康を維持、管理し、軽い体調不良は自分で治す」セルフメディケーションという考え方を広めようとしています。
そこで、身近なドラックストアで風邪薬や頭痛薬などの販売をしている登録販売者の役割はますます重要となってくるでしょう。
介護の現場でも求められ始めている?!
実は、既に登録販売者の資格は薬局やドラックストア、コンビニなどを越えて、介護施設や訪問介護、在宅医療の現場でも求められるようになってきています。
例えばそれぞれの現場で、患者さんが薬をちゃんと飲めているか、また、長く飲み続けている薬に対して新しいサプリや薬を重ねて飲むようになった時に、飲み合わせが悪くないかなどの確認をする必要があるのです。
お客さんにとっても、「薬に対して資格で認められた知識がある人」と思ってもらえるため、信頼関係を気付きやすくなると考えられています。
登録販売者の資格は持っていて当たり前?!
年々登録販売者の資格は、様々なところで求められ例えば昇進条件として求められるようにもなってきました。
そのため、医療関連の現場で働くにあたり登録販売者の資格は持っていることが徐々に当たり前になっていく可能性があります。
勿論、持っていないよりは持っていた方がいいので、是非これからも医療関連施設で働く見込みがある方は早めに取っておくことをおすすめします。
さぁ今すぐ!合格に向けて勉強開始しよう!
少しでも登録販売者の資格試験をやってみようかなと思った方は、今すぐ講座受講をおすすめします。
恐らくほとんどの方は仕事をしながらの学習になると思います。
独学でも勉強できるのですが、学習内容が分かりやすくまとめられた講座を使用する方が効果的に学習する事ができますよ。
特に通信講座なら安価に!自分の空いた時間で学習を進めることができますよ!登録販売者の資格試験合格目指して、頑張ってください!
2020年登録販売者の資格に合格!試験日程や仕事内容 まとめ
いかがでしたでしょうか。
2006年に登録販売者制度が始まってから、ドラックストアやスーパー、コンビニでの医薬品の販売は拡大し、病院に行かなくても手軽に薬を手に入れられるようになりました。
今後も国を挙げて、自分で自分の健康を守る「セルフメディケーション」という考え方を推進していく流れがあり、今後も登録販売者の需要は高まっていく事は間違いないでしょう。
更に、これまであまり登録販売者と接点がないように見えた介護や在宅医療の現場においても、この資格があることでお客さんからの信頼を得られることができるでしょう。
2020年の試験日程はまだ公開されていませんが、おおよそ8月から9月に試験は実施されることが多いので早めに準備して合格をつかみ取りたいですね。
今年は、コロナウィルスの影響を受ける可能性は高いので常に最新の情報を得ていくように心がけましょう。