宅建試験には50問中5問が免除されるシステムがあるのをご存知でしょうか?
5問が免除されることで他の分野に勉強時間を充てられる等のメリットがたくさんあります。
しかし、全ての受験生がこの5問免除の恩恵を受けられるわけではありません。
この記事では宅建の5問免除の内容をはじめ、5問免除をする為に必要な登録講習の申し込み方法や費用相場について解説していきます。
宅建の登録講習(5問免除)って?
登録講習とは、登録講習は、宅地建物取引業法第16条第3項に基づく講習です。宅地建物取引業に従事している方を対象として、宅地建物取引業に関する実用的な知識および紛争の防止に関して必要な知識を習得し、業務の適正化と資質の向上を図ることを目的としています。
本講習の修了者には、「登録講習修了者証明書」を交付致します。この交付を受けた者は、登録講習の修了試験に合格した日から「3年以内」に行われる宅地建物取引士資格試験において、問題の一部(例年5問)が免除されます。
宅建の登録講習は、宅地建物取引業に従事している人を対象に行われる講習で、登録講習の最後に行われる修了試験に合格すれば、宅建試験の問題の一部(5問)が免除されるというものです。
宅建試験の5問免除は試験合格にどれくらい有利?
宅建試験で5問を免除して試験に挑めるのはかなり有利になります。
宅建は毎年20万人程度が受験し、合格者は3万~4万人程度の合格率約15%の難関国家試験とされており、その年の合格点に1点でも満たない場合不合格になるシビアな試験です。
合格点の周辺ラインには、1点ごとに数千人がいるとされてる中で、既に5点が加点された状態で試験に挑めるのは勉強面・精神面でほかの受験生よりもかなり有利に働きます。
登録講習(5問免除)のメリット・デメリット
宅建の登録講習は宅建試験の5問が免除されるメリットがあるのは上記で説明しました。
では、登録講習のデメリットや他のメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
登録講習のメリット・デメリットを分けて解説していきます。
登録講習(5問免除)のメリット
- 免除される範囲以外に勉強時間を充てられる
- 登録講習の内容が宅建試験の範囲を学ぶ講習なので一石二鳥
- 登録講習修了者は、非修了者よりも宅建試験合格率が高い
登録講習は内容が宅建試験と被る部分が多く、登録講習の勉強を進めるだけで宅建の勉強にもなります。
また登録講習修了者は登録講習を受けていない受験生よりも合格率が高いという統計が出ています。
直近3年分の非5問免除・5問免除者の合格率を見てみましょう。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率(非免除) | 合格率(5問免除) |
---|---|---|---|---|
令和3年(10月実施) | 209,749人 | 37,579人 | 16.9% | 21.3% |
令和2年 | 204,250人 | 34,338人 | 16.0% | 19.4% |
令和元年 | 220,797人 | 37,481人 | 15.2% | 22.9% |
全ての年で5問免除者が非5問免除者の合格率を上回っています。
しかし5問免除者でも合格するのは5人に1人程度なので、勉強量は非免除者と同じように計画的に行う必要がありそうです。
登録講習(5問免除)のデメリット
- 登録講習の受講に費用がかかる
- 登録講習は通信講座やスクーリング等で数か月の時間と日程調整が必要
- 5問免除対象者は、宅建試験本番は、試験時間が10分縮小される
登録講習のデメリットはお金や時間がかかってしまうことが挙げられます。
宅建試験は受験料(7,000円)や参考書・予備校の費用が登録講習の他にかかってきます。
ご自身のスケジュールや予算を加味した上で、登録講習の受講を検討しましょう。
どこの問題が免除される?
登録講習を修了した方には宅建試験で50問中46問目~50問目の5問が免除されます。
46問~50問の内容・範囲は以下の通りです。
- 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること
- 宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること
民法 | 14問 |
宅建業法 | 20問 |
法令上の制限 | 8問 |
税・その他 | 8問 |
上記の表のうち、46~50問目は「税・その他」の範囲になります。
参考書や過去問を解いてみて得意な分野と感じた方は、無理に登録講習を受けなくても良いでしょう。
どのような人が登録講習(5問免除)の対象?
宅建の5問免除は非常に魅力的ですが、全ての受験生が受けられるものではありません。
5問免除を行う為には登録講習を受講しますが、その宅建登録講習の参加条件として以下の2点を満たす必要があります。
- 宅地建物取引業に従事している
- 「従業者証明書」を持っている
宅地建物取引業は、宅建業法の規制の中で、土地・マンションの売買代理行為などを行う不動産取引の専門業者です。
宅建業を看板とする事務所を立ち上げるには、国土交通大臣または都道府県知事から免許を受ける必要があり、かつ専任の宅地建物取引士を常駐させる必要があります。
宅地建物取引業に従事していて従業員証明書をお持ちの方は、登録講習を受けることができます。
宅地建物取引業の会社に入社して1日目のアルバイトの方は登録講習対象?
入社1日目のアルバイトの方でも「宅地建物取引業に従事している」「従業員証明書を持っている」という2点を満たしている場合は登録講習を受けることができます。
登録講習の受講基準は勤務年数やアルバイト・パート等の雇用形態は関係ありません。
逆に宅地建物取引業に20年勤めているベテラン社員の方でも、紛失等で従業員証明書を提示できない場合は登録講習を受けることができません。
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登録講習の内容
宅建の登録講習は通信講習・スクーリング・修了試験の流れで行われていきます。
登録講習では以下の内容が講習の範囲です。
- 宅地建物取引業法その他関係法令
- 地及び建物の取引に係る紛争の防止
- 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別
- 宅地及び建物の需給
- 宅地及び建物の調査
- 宅地及び建物に係る税務
登録講習の内容は宅建試験の範囲と被っているところが多いので、
5問免除の手続きを進めながら宅建試験の勉強も同時に進められます。
次に登録講習の流れについて確認していきましょう。
登録講習は修了までどれくらいの期間がかかる?
登録講習は申し込みから修了証明書を受け取るまで3か月~4か月かかります。
またスクーリングは平日に行われる場合もあるので、会社員の方は仕事を休まなければいけない場合もあります。
登録講習は宅建試験申し込み前に5問免除を申請するために2~4月に申し込みが混雑するので、
数カ月先にスケジュールを確認しながら宅建試験の申し込みに間に合うように申し込みをしましょう。
実際の講習の流れ
登録講習では、一度通信講座を通して自宅で勉強したうえでそれぞれの実施機関で講習を受け、最終的に終了試験を行います。
それぞれについてもう少し細かくご紹介いたします。
通信講習
申し込みが完了すると登録講習の実施機関から教材が届き、
2か月かけて教材の内容を勉強します。
スクーリングまで期間が空くので注意しましょう。
スクーリング(講義)
通信講習の期間が終了すると次は実施機関の指定する会場でスクーリング(講義)を受講します。
スクーリングは全10時間あり、1日か2日間のどちらかを選びます。
スクーリング中は講師の方が実際に宅建試験で問われる分野を教えてくれるので、宅建の勉強にも活用できそうです。
修了試験
スクーリングの最後の時間に修了試験を行います。
修了試験は4問択一方式で全20問あり、正答率70%の14問以上正解で合格です。
修了試験は合格率9割ほどですが、参加者の反応を見ていると「勉強していないと難しい」とおっしゃっている方もいました。
通信講座やスクーリングだけではなく、宅建試験の勉強も同時に進めて試験範囲に少しでも慣れておくことをオススメします。
合格後に受け取れる修了証明書は3枚(3年分)発行され、登録講習修了後は3年間宅建試験の5問免除を受けることができます。
登録講習(5問免除)の申し込みや費用について
登録講習は2022年1月現在、24社で受けることが出来ます。
登録講習はインターネットや郵送で申し込みの手続きができ、5問免除を受けるには宅建の申し込み時(毎年7月)に登録講習の修了証明書が必要です。
令和4年度(2022年)の宅建試験で5問免除を受けたい場合は2022年の3月までには登録講習の申し込みをする必要があるので注意しましょう。
登録講習(5問免除)の費用相場について
宅建登録講習の費用相場は15,000円~22,000円程度です。
本番の試験では5問免除というメリットがありますが1問当たり3,000円~4,000円ということになるので、
これに高いと感じた方は5問免除を利用せずに勉強を頑張るという選択肢を選んでも良いかもしれませんね。
主要5社の値段比較は以下の通りです。
実施機関 | 料金 |
---|---|
LEC | 18,000円 |
日建学院 | 15,000円 |
TAC | 19,000円 |
総合資格学院 | 16,000円 |
日本宅建学院 | 22,000円 |
最安は日建学院です。どこの会社で登録講習を受けても修了証明書はもらえるので、日程や開催場所が近くにあるのならできるだけ安い場所で申し込むことをオススメします。
結局、登録講習(5問免除)は受けた方がいいの?
結論、登録講習の対象者は受けた方が良いです。
費用や時間はかかってしまうものの、50問中5問が免除されることは勉強の効率化や精神的な負担が減るという面からもメリットが大きいです。
また宅建の試験は年々知名度や重要性が上昇していることから、今後も受験者数や難易度が上がっていくことが予想されます。
宅建試験を早めに合格する為にも登録講習(5問免除)は受けた方が良いでしょう。
宅建の登録講習(5問免除)の内容まとめ
ここまで宅建の登録講習(5問免除)について解説してきました。
もう一度登録講習(5問免除)についておさらいします。
- 登録講習は受けるべき!
- 登録講習を修了すると宅建試験の46問~50問が免除される
- 登録講習の対象者は宅地建物取引業に従事していて従業員証明書を提出できる方
- 登録講習では宅建試験の範囲を学習する
- 登録講習は申し込みから修了証明書の受け取りまで3~4ヶ月かかる
- 登録講習の費用は15,000~22,000円が相場
- 宅建の申し込みに間に合わせるためには3月までには登録講習の申し込みをする必要がある
5問免除を受けられる方は免除していない方に比べて試験で大きなアドバンテージになります。
お金と時間はかかってしまいますが宅建試験合格に向けてぜひ登録講習(5問免除)制度を活用してみてください。