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体育教師になるにはどんな資格が必要?倍率が高く年収が低いのは本当?

更新日:2021-11-10

体育教師になるにはどんな資格が必要?倍率が高く年収が低いのは本当?

教師を目指す人の中でも、体育教師になりたいと思う人は多いようです。

生徒と共に身体を動かし、運動の楽しさを教えられる体育教師になるにはどんな資格が必要なのでしょうか?

年々高くなるという倍率と年収の厳しさは本当なのか、大学の選び方、資格取得にもポイントがあるのかを解説いたします。

体育教師の仕事って?

体育教師仕事

体育教師になるには、学生時代には見えない「教師」という仕事の内容を知っておく事が大切です。

中学・高校の体育教師の基本的な仕事は、専門教科である保健体育の授業を、学習指導要領に従って1年間の指導計画を立て、それに沿って授業を行う事です。

学科である「保健」と実技の「体育」の両方の面から健康のすばらしさ、スポーツの実技指導をする等、心と身体を育む大切な仕事でもあります。

部活動では運動部の顧問として専門的な指導をしたりすることも大切な仕事になります。

専門の体育指導以外にも様々な業務がありますが、どんな仕事にもやりがいと大変さはあるものです。

体育教師のやりがい

体育教師になるには、やはりやりがいを持って生徒に寄り添って指導して頂くことが大切です。

自分が学生時代に打ち込んできた部活動の顧問・コーチになって、後輩の指導・育成に携われることは、とてもやりがいを感じられる業務でしょう。

他にも体育祭や文化祭等、様々な学校行事で生徒たちと触れ合い、共に作り上げていくことで感動を分かち合えたり、生徒の悩みに真摯に向き合う事で信頼関係を築けることもやりがいに繋がります。

運動が苦手な生徒が、自身の指導で上達し、運動する事を楽しんでくれるようになることも強くやりがいを感じられる事でしょう。

体育教師の大変さ

体育教師になるには、大変さもある程度覚悟しておく必要があるでしょう。

運動が苦手な生徒のやる気を引き出す為、運動が苦手な生徒の気持ちに寄り添う事は、運動が出来る人には少し難しいかもしれません。

生徒の中には不登校やいじめの問題に対面している子供もいます。そういった子供に指導する事も大変でしょう。

部活動の顧問・コーチになれば土日祝日の休みも、夏休みや冬休みも無くなります。残業手当も休日出勤手当も基本的にはありません。

体育教師になるにはどんな資格が必要?

体育教師資格

体育教師になるには、当然ですが国家資格である教員免許(教育職員免許状)が必要です。有効期限は10年間であり、全国各地の学校で有効になります。

教員免許には二種・一種・専修と3種類あり、それぞれ取得条件が違います。

取得条件だけでなく、勤務できる校種にも差が出てきますので、3種類の違いを詳しくお話していきましょう。

卒業する学校は全て教員養成課程を履修しているものとします。教員採用試験は公立であれば都道府県や政令指定都市の教育委員会、私立であれば各学校や自治体で行われます。

二種教員免許状

短期大学卒業後、各都道府県の教育委員会に授与申請を行い、教員採用選考試験に合格する事で取得できる免許状です。勤務できる校種は次の通りで、高等学校の教員にはなれません。

高等学校の教員になりたいのであれば、二種の上の一種教員免許状を取得する必要があります。

短期大学で体育教師になるには武蔵丘短期大学か東京女子体育短期大学の2校があります。

    二種免許状で取得できる校種
  • 幼稚園教諭二種免許状
  • 小学校教諭二種免許状
  • 中学校教諭二種免許状
  • 特別支援学校教諭二種免許状
  • 養護教諭二種免許状
  • 栄養教諭二種免許状

一種教員免許状

四年制大学卒業後、各都道府県の教育委員会に授与申請を行い、教員採用選考試験に合格する事で取得できる免許状です。勤務できる校種は次の通りです。

中学校と高等学校の専門科目ごとに教員免許状が必要となります。

四年制大学で体育教師になるには日本体育大学、東京女子体育大学、法政大学をはじめ17校あります。

    一種免許状で取得できる校種
  • 幼稚園教諭一種免許状
  • 小学校教諭一種免許状
  • 中学校教諭一種免許状(教科名)
  • 高等学校教諭一種免許状(教科名)
  • 特別支援学校教諭一種免許状
  • 養護教諭一種免許状
  • 栄養教諭一種免許状

専修教員免許状

大学院で修士の学位を取得後、各都道府県の教育委員会に授与申請を行い、教員採用選考試験に合格する事で取得できる免許状です。勤務できる校種は次の通りです。

一種と同じく、中学校と高等学校の専門科目ごとに教員免許状が必要となります。

    専修免許状で取得できる校種
  • 幼稚園教諭専修免許状
  • 小学校教諭専修免許状
  • 中学校教諭専修免許状(教科名)
  • 高等学校教諭専修免許状(教科名)
  • 特別支援学校教諭専修免許状
  • 養護教諭専修免許状
  • 栄養教諭専修免許状

その他取得しておくと良い資格

体育教師になるには、他にどんな資格を取得しておくと良いのでしょうか。

それは「健康運動指導士」や「運動実践指導士」の資格は持っていて困ることはありません。

その他、体育に限った資格ではありませんが、学校心理士の資格や板書する時に役立つボールペン字等の資格、生徒にお金の大切さを教える時に役立つファイナンシャルプランナーの資格等も持っていて損はありません。

生徒との関係や部活動の指導にも役立つ神経言語プログラミングの資格も取得しておくといいでしょう。

体育教師になるには学歴が必須?

学歴

上記で教員免許状の資格取得には最低でも短期大学卒業が必要であるように記述していますが、実は専門学校で二種・一種教員免許状を取得できる学校があるんです。

CMでもおなじみかもしれませんが「資格の大原」でおなじみの大原学園専門学校を筆頭にスポーツの専門学校やコースがある学校では二種・一種教員免許状を取得する事が可能です。

短期大学や四年制大学だけでは無い、違う可能性もあると言う事がわかりましたが、取得可能な免許状の種類は入学前にきちんと確認しておきましょう。

体育教師の採用倍率と年収は?

採用倍率

教員免許状の取り方はご理解頂けたかと思いますので、採用倍率と年収についてお話していきましょう。

教員免許状を取得しても、体育教師になるには採用してもらわないとなれませんし、体育教師としての収入も得られません。

体育教師は他の教科に比べ、倍率が高い傾向があります。中学でも最高で13.1、高校では82.0の倍率なんです。

採用状況によっては倍率が高すぎて希望の学校に入ることが出来ないので、隣県や私立等と併願して採用試験を受ける人も少なくありません。

体育教師の採用倍率

教員採用試験の倍率は年々受験者は減っているのに対して、合格者は増えています。ですが、人気の職種であることに変わりは無いので、一定の倍率があります。

平成31年度の公立学校の採用試験の倍率は、中学校全体で最低でも2.4、最高で13.1となっています。

体育教師は様々な教科の中でも倍率が高い教科に属していて、各学校にも1~2人しか枠がありませんので、狭き門と言えるでしょう。

平成31年度(30年度実施)公立学校教員採用選考 最終選考実施状況をPDFで見る

引用:教育新聞

体育教師の年収

次に体育教師になるには教師の給料・年収も気になるはずですので、給料・年収についてお話しましょう。

こちらは総務省の平成30年地方公務員給与実態調査結果等の概要より、抜粋させていただきました。

地方公務員の職種別平均給与月額(全地方公共団体)
職種区分平均年齢平均給料月額諸手当月額平均給与月額平均給与月額
(時間外勤務手当等除いたもの)
高等学校教育職H3044.8375,27566,081441,356416,207
H2944.8377,21864,432441,650417,629
小・中学校教育職H3042.6357,44159,767417,208399,747
H2942.8359,80658,656418,462401,345

抜粋:総務省

この表にあるのは平均40歳の方の月収が概算で出ていますが、20代・30代はどうなっているのでしょうか?

地方公務員でもある公立の教師の初任給は平均20万円程で、民間企業とさほど変わらないといえます。教師の給料・年収は「級」と「号」で変わります。

「級」とは仕事の責任の大きさ、難易度で分類が決められており、管理職(教頭や校長等)にならない限りは変わりません。

「号」は職務の年数や習熟度(担任・顧問の有無等)により変わるので、勤務年数が経ち習熟度が上がれば、給料・年収も上がりますし、基本的には級が変わらない限りは毎年1万円づつ昇給していく仕組みです。

高校教師の年収の場合ですが、20代で約300万、30代で約400万、40代で約500万と長く勤める事で年収が上がっていくシステムになっています。

体育教師になるにはどんな資格が要る?高倍率で低年収は本当?まとめ

体育教師になるには?というテーマに基づきお話させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?

教員免許状を取得するにも専門学校・短大・大学とあり、中学校・高等学校の体育教師になるには大学を卒業する必要がある事が分かっていただけたと思います。

倍率も、他の教科より高く狭き門ではありますが、生徒たちとより深く関わることが出来るのも体育教師の醍醐味であったりもします。

年収は一般の民間企業とさほど変わらない時期もありますが、勤務年数に応じて上がっていきますし、習熟度という独特な年収の上げ方もあるので努力のし甲斐もあります。

生徒の気持ちに寄り添った体育教師になるには、あなたの素質と努力が必要です。是非とも生徒から「体育教師が先生で良かった」と言われるような体育教師を目指してくださいね。