通信制高校とは?授業はどんな雰囲気なのか徹底解説 更新時間 2022.11.07
通信制高校の基本は「自主学習」です。
そのため全日制高校のように毎日通学する必要はありませんが、ときどき登校して授業を受ける日もあります。
学校で授業を受けることを、通信制高校では「スクーリング」と呼び、どんな学校でも必ず受けなくてはなりません。
普段は自宅での学習がメインの通信制高校ですが、学校では一体どんな授業が行われているのでしょうか?
今回は、通信制高校の授業の様子や雰囲気、スクーリングの仕組みについて解説していきたいと思います。
通信制高校への入学や編入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
通信制高校のスクーリングとは?
通信制高校のスクーリングとは、学校に登校して先生から直接指導を受けることを言います。
普段、自宅で学習していることが多い通信制高校の学生は、どんな授業を受けているのでしょうか?
通信制高校の授業ではレポートの疑問を解消
通信制高校では、レポートの提出、スクーリング、単位認定試験を74回以上繰り返し、単位を習得していく仕組みです。
74単位を習得することで、無事に高校卒業の資格を取得することができます。
しかし基本が自宅での学習になるため、分からないことや解決できない問題はスクーリングで解消することになります。
疑問を解決して学習を深めていくためにも、先生から直接指導を受けられるスクーリングは欠かせません。
スクーリングは卒業するための絶対条件
レポート提出に関して分からないことがない場合は、スクーリングする必要がないのでしょうか?
答えは「NO!」です。
スクーリングは高校を卒業するための絶対条件ですので、登校しないと卒業の資格を満たすことができません。
通信制高校を卒業するための条件は、以下の3つです。
- 3年間で74単位以上を習得する
- 30単位時間以上の特別活動
- 3年以上の在籍
通信制高校で単位を取得するには、年に1〜2回実施されている「単位認定試験」に合格する必要があります。
その試験を受けるための資格が、「レポート提出」と「単位ごとのスクーリング」です。
つまり、スクーリングをしなかった場合は、単位の習得ができないということです。
2番目の「特別活動」とは、ホームルーム活動や学校行事、生徒会活動などへの参加を指します。
特別活動は1回50分の授業を30回出席しますが、自宅から活動に参加できるもののあります。
スクーリングを通して友だちや先生と触れ合える
全日制高校と比べると、通信制高校の登校回数は圧倒的に少ないです。
通信制高校に通う生徒の中には、「不登校だから1回も登校したくない」「すべて通信で済ませたい」と考える人も少なからずいます。
しかし一方で、「友だちを作りたい」「高校生らしい学校生活がしたい」と願っている人も少なくありません。
そんな人にとって、スクーリングは同じ学校に通う生徒や先生と関われる唯一のチャンスでもあります。
通信制高校は公立と私立でスクーリング回数がまったく違う!
通信制高校にも「公立」と「私立」があり、スクーリング回数や授業内容が異なります。
では、それぞれの違いや特徴についてご紹介していきましょう。
公立の通信制高校は月2回のスクーリングが必要
地方自治体が運営している公立の通信制高校は、全国に78校あります。
私立と違うのは「入学できる人が限定されている」という点で、近隣の在住者や在勤者のみに限られます。
スクーリングは月に2回ほどが原則で、決まった日に登校しなければ単位が習得できない場合が多いようです。
私立は週5日〜年3日と幅広い
私立の場合は、さまざまな生徒の要望に対応できる体制を整えている学校が多いです。
「出来るだけスクーリングせずに卒業したい」という生徒には、年3〜5回のスクーリングで卒業できるコースを設けていたり、「高校生活を満喫したい」という方は週1〜5回のスクーリングができる仕組みを作っています。
私立の通信制高校は学校ごとに特色があり、スポーツに力を入れていたり、美容系に特化していたりとさまざま。
どんな学校かを知るためには、資料を取り寄せるだけじゃなく、オープンキャンパスや学校説明会に足を運んでみてください。
学校に通っている先輩たちの様子をみたり話を聞いたりすることで、リアルな学校生活がイメージできるでしょう。
通信制高校の授業スケージュール
通信制高校のスケジュールは、全日制高校とはまったく違います。
学校によって異なる点はありますが、スクーリングの日の大まかなスケジュールをご紹介します。
登校時間は全日制高校よりも遅い
通信制高校の1限目の授業は、9時半前後からはじまるケースが多いです。
全日制高校と比べても遅めのスタートなので、起立性調節障害などで朝早い通学がむずかしい人でも通いやすくなるでしょう。
また通勤ラッシュを避けられるのも、学生にとっては嬉しいポイントになると思います。
午前だけ・午後だけの半日授業が多い
通信制高校の授業時間は40分〜50分で、午前のみか午後のみの半日で終わることがほとんどです。
しかし私立の通信制高校では9時〜16時のように、全日制と同じ授業時間を設けている学校もあります。
午前中は通常の授業を受け、午後からは専門課程の授業を受けるというケースも多いでしょう。
また大学進学コースを選択している場合も、5〜6限目まで授業が設定されていることがほとんどです。
通信制高校の授業は学校によって大きく違う
通信制高校の中には、美容師やネイリスト、ファッション、ゲーム、声優、漫画、eスポーツなど、 さまざまな専門分野が学べるコースが設けられています。
専門コースを選ぶと、午前中は卒業に必要な単位習得のための授業を、午後は選択したコースの授業を受けることが多いです。
また1、2年目で74単位を習得し、3年目は専門コースの資格取得に集中する仕組みをとっている学校もあります。
学校によって授業の流れは大きく変わりますので、何かしらの専門課程を受講されたい方は学校に問い合わせてみましょう。
また、通信制高校の学費については通信制高校の費用はいくら?無償化や支援金を徹底解説にて解説しているので、気になる方は是非ご覧ください。
通信制高校の授業で注意すべきポイント
通信制高校へ通うときの、気を付けておくべきポイントをご紹介します。
通信制高校でも遅刻や欠席はNG
通信制高校には不登校の経験者もたくさんいますが、だからと言って遅刻や無断欠席が通用するわけではありません。
学校によっては規則に厳しく、遅刻や欠席が単位認定に影響する場合もあるので注意しましょう。
「決まった日に学校に行ける自信がない」という方は、登校をサポートしてくれる学校を選ぶのがおすすめです。
制服がある学校でも必ず着る必要はない
通信制高校にも、制服が用意されている学校があります。
有名なブランドやデザイナーが手掛けた制服などもあり、リボンやネクタイの種類が選べたり、私服と組み合わせた着こなしが楽しめたりするような学校もあるようです。
しかし全日制高校のように、制服着用は必須ではありません。
経済的な事情も考慮して、制服の購入は自由になっている学校がほとんどです。
また、通信制高校の制服について、「【まるでドラマ?】制服がかわいい通信制高校一覧!」にてまとめていますので、是非ご覧ください。
通信制高校でもスクーリングは必須!
通学が少ないイメージの通信制高校でも、月に2回〜年数回のスクーリングは卒業のために欠かせません。
授業ではレポートの解説や単位認定試験の対策が行われるなど、通信制高校ならではの授業内容になっています。
またスクーリングは、数少ない友だちや先生と交流ができる場でもあり、通信授業とは違った雰囲気が味わえる時間です。
通信制高校は自主学習が基本なので、スクーリングによって問題や疑問が解決できるからこそ、学習を進められるといえるでしょう。
通信制高校でも、私立はいろんな通学スタイルに対応しているのが特徴です。
スクーリング回数で通信制高校を選ぶなら、生徒に応じて柔軟に対応してくれる私立の通信制高校をおすすめします。
最後に、通信制高校のより詳しい現状について、「今知っておくべき!通信制高校の現実|8つのメリットとデメリット」にてまとめていますので、是非御一読ください。