整体師に向いている人の特徴とは？整体師に必要な資格と時間を解説

整体とは、体の歪みを手技で矯正する施術法です。

国家資格はなく、 民間資格で整体師として活躍することができます。

資格を取得せずとも、整体師としての道は閉ざされるわけではありません。

未経験者であっても、お店で実務を積みながら資格を目指すことが可能です。

身体の調和と健康をサポートする専門家

整体師は、身体の不調やバランスの問題にアプローチし、手技を用いて症状の改善や健康促進を図る専門家です。

筋肉や関節、神経などの機能に関する知識を活かし、クライアントの健康と快適な生活をサポートします。

近年、スマートフォンやパソコンの長時間利用により、肩こりや腰痛、自律神経の乱れなどで

身体不調を訴える人が増加しています。

そのため、整体師の 需要は今後も高くなるでしょう。

整体師が行えない行為とは

整体師が行えない行為は、以下の通りです。

整体師は医療資格を持たないため、診断や治療行為は行えません。

具体的な病状の診断や処方、外科的な介入は医師の領域です。

また整体師とは別に、国家資格の「柔道整復師」や「あん摩マッサージ指圧師」が存在します。

これらの資格者は「その他の保健医療従事者」として活動しており、施術が「 健康保険の対象」となることがあります。

しかし、整体師が提供する施術は保険の対象外であり、完全な自費診療です。

行える施術にも制限があるため、整体師の役割を理解した上で目指したい職業を選択しましょう。

整体師が活躍できる場所

整体師はさまざまな場所で活躍することができます。

整体院やマッサージスタジオ、リラクゼーション施設などで働くことが一般的です。

また、スポーツチームやフィットネスセンターでアスリートや一般の人々に施術を提供し、身体のケアをサポートする仕事もあります。

さらに高齢化社会の影響を受け、福祉や介護施設での需要も高まっており、活躍できる場所が 一気に広がっているのが現状です。

整体師の資格について詳しく知りたい方は「整体師は国家資格なの？整体師に必要な資格をご紹介」から詳しく見ることができます。ぜひ参考にしてみてください！

整体師は揉みほぐしができればいい、という単純な職業ではありません。

患者さんの年齢層や悩みは多岐にわたるため、さまざまなスキルが必要になります。

では、整体師に向いている人の特徴を紹介していきましょう。

1. 人とのコミュニケーションが得意なこと

整体師はクライアントと深いつながりを持ち、症状や不調について正確に理解する必要があります。

優れたコミュニケーション能力を持つことで、クライアントの話を注意深く聞き、適切な施術をすることが可能です。

これにより、個々のニーズに合った カスタマイズされた施術を提供できるでしょう。

2. 忍耐力と思いやりがあること

施術には時間がかかることがあり、症状の改善には時間と努力が必要です。

整体師は患者さんとの長期的な関係を築くことが多いため、忍耐力を持ち、体調改善に努めなくてはなりません。

同時に、患者の状態や感情に対する思いやりを持つことで 安心感を提供し、施術の効果を高めることができます。

3. 解剖学や生理学に興味があること

整体の分野は常に進化しており、新しい技術や知識が登場します。

整体師として成功するためには、解剖学や生理学などの基本的な知識だけでなく、最新のトレンドや研究結果にも常にアンテナを張ることが大切です。

好奇心旺盛で学ぶ意欲のある人は、 より深い理解と高度なスキルを獲得することができるでしょう。

整体師の資格を取るために必要な費用は？と思った方は「整体師に資格は必要？整体師になるための時間や費用についてご紹介」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。

次に、整体師の仕事に向いていない人を解説します。

1.自身の健康管理ができない人

整体師の仕事は、体力的にも精神的にもハードです。

長時間立ちっぱなしで施術を行うことや、患者のニーズに応えるために 集中力を保つことが求められます。

エネルギッシュでない人や疲れやすい人は、この仕事に向いていないかもしれません。

また、整体師はクライアントに健康アドバイスを提供する立場にあります。

しかし、自身の健康を管理できない人は、クライアントに信頼を与えにくいでしょう。

整体師としての姿勢と実践が一致することが重要です。

2. クライアントの利益を優先できない人

整体師は患者の健康を最優先に考える必要があります。

患者さんの利益を1番に考えられない人は、適切な施術やアドバイスを提供することが難しくなるでしょう。

その気持ちは患者さんにも伝わり、信頼されなくなる可能性が高くなります。

整体師という仕事は、 思いやりと倫理観が求められる職業と言っても過言ではないでしょう。

3. 学習意欲がない人

整体の分野は常に進化しています。

新しい知識や技術に対する学習意欲がない人は、クライアントに最良のケアを提供することができません。

現在、成功していたとしても、 常に学び続ける姿勢が重要です。

1. 解剖学と生理学の深い理解

整体師は身体の構造と機能を理解する必要があります。

解剖学と生理学の知識を深めることで、症状の原因や改善方法を正確に把握し、 適切な施術を提供できるでしょう。

2. コミュニケーションスキル

クライアントとのコミュニケーションは、施術の成果に大きく影響します。

クライアントの 症状や希望を理解し、適切なアドバイスや説明を行うコミュニケーションスキルが重要です。

3. 手技の熟練度

整体の施術は手技によって行われます。

適切な圧力や技術を使い、クライアントの体に対するアプローチを熟知することで、施術の効果を最大限に引き出すことができます。

熟練度を上げるためには、やはり 多くの経験が必要不可欠です。

たくさんの施術を積み上げ、体の不調を取り除くプロを目指しましょう。

4. 柔軟な問題解決能力

クライアントの症状は一律ではありません。

異なる状況や身体の特性に対応するため、柔軟な問題解決能力が重要です。

状況に応じて 施術プランを調整し、最適な結果を得られるよう努力しましょう。

5. エンパシーと思いやり

クライアントの状態を理解し、感情面でもサポートするためにはエンパシーと思いやりが必要です。

患者の立場に立ち、その ニーズや不安を理解することで、より良い施術体験を提供できます。

これは整体師に限ったことではなく、どんな職業にも当てはまる要素だと言えます。

患者さんの悩みに共感したり、思いやりなどを持ったりすることで、患者さんは居心地の良さを感じることができるでしょう。

【国家資格】柔道整復師

柔道整復師は、国家資格の一つであり、けがや病気の予防・治療を行う専門家です。

柔道整復師科が設置されている4年制大学か3年制の短期大学、もしくは専門学校で3年以上学ぶことで、国家資格の受験資格が得られます。

柔道整復師の資格を持つことで、より高度な施術やリハビリテーションが可能です。

資格を持って活躍できる場所は、整骨院や接骨院、整形外科クリニックなどで治療・リハビリテーションに携わるほか、スポーツジムや福祉介護分野でも需要があります。

柔道整復師の国家試験は毎年一度行われ、身体やケガに関する 広範な知識が求められます。

試験は「必修問題で総点数の80％以上」「一般問題で総点数の60％以上」を満たすことで合格です。

【国家資格】あん摩マッサージ指圧師

あん摩マッサージ指圧師は、マッサージや指圧を行いながら体の調子を整える専門家です。

あん摩マッサージ指圧師養成コースを備えた４年制大学、もしくは専門学校で3年以上学ぶことで、国家試験の資格が得られます。

あん摩マッサージ指圧師国家試験は筆記試験方式で実施され、 6割の正答率で合格です。

合格率は85％ほどと、 比較的高めになっています。

あん摩マッサージ指圧師の資格があれば、鍼灸院や病院、クリニック、介護・福祉施設、美容分野、スポーツ分野で活躍することができるでしょう。

【民間資格】アロマセラピスト

アロマセラピーの資格はさまざまで、試験の難易度によって受講期間が変わります。

中でも知名度が高いのが、「アロマテラピー検定1級2級」の試験です。

AEAJ（日本アロマ環境協会）が実施しており、年に2回試験が行われています。

アロマテラピー資格は、基礎的な知識・スキルを修得するものから、仕事に活かせる資格までさまざま。

資格取得を目指すのであれば、学ぶ目的をはっきりさせ 自分に合った講座を選びましょう。

【民間資格】カイロプラクティック

カイロプラクティックとは、神経系と筋骨格系の関係に着目し、身体の調和を回復する手法です。

主に手技を用いて関節や骨格のバランスを整え、神経の正常な働きを促進します。

身体の歪みや不調の原因を取り除くことを目指せるこの施術は、痛みの軽減や健康増進に効果的です。

整形外科や薬物治療に頼らずに、 自然な治癒力を引き出すことを重視します。

資格を取得するには、カイロプラクターの養成学校で学ぶか、民間が実施する資格認定試験を取得するのも1つの方法です。

【民間資格】リラクゼーションセラピスト

リラクゼーションセラピストは、ストレスや緊張を和らげ、心身のリラックスを促す専門家です。

主にマッサージやアロマテラピー、瞑想などの手法を用いて、クライアントのリラクゼーションや癒しをサポートします。

セラピストはクライアントのニーズや好みに合わせて施術をカスタマイズし、心地よい環境を提供してストレス解消や健康増進をサポートするのが仕事です。

人間関係や仕事、スマホやパソコンなどで疲弊した、クライアントの 心と体のバランスを取り戻す手助けを果たします。

リラクゼーションセラピスト認定資格では、解剖生理学や骨格、神経、衛生学から、コミュニケーション心理学や心の病に至るまで、幅広い知識が身につきます。

結論から申し上げると、働きながら整体師の資格取得は可能です！ 以下の方法で整体師の資格取得が可能です。

通信講座で取得

講座を受けるのであれば通信講座になりますが、通信講座は働きながら資格取得するのにおすすめな方法です。

休日はもちろんのこと、通勤時間や休憩時間など、ちょっとした時間にも勉強できるため、多忙な社会人に最もやりやすい学習スタイル でしょう。

自分のペースで勉強を進められるので、育児や介護などで離職している方にもおすすめです。

通信講座でも取得できる資格があるので、スクール選択肢の1つに入れることを推奨します。

夜間・土日開講のスクールで取得

講師から直接学びたいという方は、夜間・土日開講のスクールをおすすめします。

民間資格が取得できるスクールは、社会人を対象が多いため、同じ志を持った人たちとともに仕事終わりや休日を利用して学習できるのが特徴です。

グループ制やマンツーマン指導、少人数制など、クラス形態がスクールによって異なります ので、自分が学びやすいと思えるスクールを検討しましょう。

独学で取得

独学は勉強時間の融通が利くほかに、講座受講より安い費用で学習できるのが特徴です。

実際に、市販のテキストで整体を勉強し資格取得した方も少なくありません。

しかし、効率的な学習の進め方や実技のスキル習得が難しいという側面があります。

資格が取れないため、転職に不利 というデメリットもあります。

その点、スクールは、効率的かつ効果的な学習プログラムが用意されており、専門講師から指導があるため正しい知識を習得できます

また、学費の分割払いや教育ローンが利用できるスクールもあります。

費用面に懸念のある方は、一度スクールに相談することをおすすめします。

整体師を目指す場合の勉強方法は、ポイントが3つあります。

まず、自分に適した学習方法を選択しましょう。

勉強方法のポイント

≪タイプ別例≫

以上のように、継続的に学習しやすい方法の選択が重要です。

目標を設定する

専門学校のなかには整体師育成コースがある学校もあります。

年単位で時間がかかりますが、その分授業や実習を通して整体師としての知識・スキル をしっかりと身につけられます。

整体師を目指すからには、場当たり的に進めていくのではなく、以下のような目標を設定しましょう。

先行して筋道を立てておくと、その時々で自分が何を学ぶべきか判断しやすくなるというメリットがあります。

勉強時間の確保と学習スケジュールの策定

整体師の資格取得に向けて最重視すべきことは、勉強時間の確保と学習スケジュールの計画です。

予定がが進まなければ、いつまで経っても目標には到達できません 。

整体師の働き方は多様にあります。

勤務先によって業務内や目的が大きく変わりますので、ここでは整体師のそれぞれの職場での働き方を見ていきましょう。

整体院・整体サロン

整体院・整体サロンはたくさんの利用者がいるため、業務内容もある程度認知されていると思います。

業務内容、施設の目的としては、患者さんの姿勢の歪み、そこから発生している筋肉の凝りや痛みなどを矯正し、不調を改善するお仕事です。

行きつけの整体院のおかげで生活がよくなった患者さんが整体師に興味をもち、整体の資格を目指すといった話も少なくありません。

「同じ不調で悩んでいる人の力になりたい」など整体を通して周りの人の悩みを解決できる のが特徴です。

介護施設・福祉施設

介護施設、福祉施設では主に高齢者向けのリハビリや健康の維持を目的としたお仕事になります。

また、福祉施設では事故などの後遺症を患った若い患者様もいます。

「健康を維持させたい」「後遺症を患った患者様の症状が少しでも良くなってほしい」

そういった優しさに溢れる人 に非常に向いている職場です。

スポーツジム

スポーツジムでは、ジムの利用者のストレッチ、姿勢改善が主なお仕事になります。

トレーニングをすればするほど、姿勢が変わったり筋肉の付き方が偏ったりしがちです。

整体師は、ジム利用者のけがをさせない、姿勢改善などトラブルを未然に防ぎ、利用者がスポーツジムを問題なく通っていただくための「サポーター」です。

「スポーツが好き」「ジム利用者のために働きたい」 そういった方におすすめな職場だと思います。

整体師と柔道整復師との違い

整体師と似ている仕事に柔道整復師がありますが、大きな違いがあります。

整体師と柔道整復師の最も大きな違いは国家資格を持っているかそうでないかです。

整体師になるために必要な国家資格はありませんが、柔道整復師は医療資格であることから国家試験に合格する必要 があります。

柔道整復師は医療資格であり、医師以外で単独の骨折・脱臼の整復固定が認められているのが大きな特徴です。

解剖学・生理学・病理学などの必要な知識を学び、柔道整復師養成施設にて3年以上の修学の上、国家試験に合格することで柔道整復師として働くことが可能です。

その一方で、整体師になるために必要な資格は法律には存在しません。ですが、適切に施術するためには筋肉・骨格に関する知識や、接客マナーなどを学ぶ必要があります。

より良い条件の職場で働きたい場合は、知識・技術を証明するために民間資格を取得することをおすすめします。

整体師ができないこと

整体師は国家資格ではなく、知識・経験・スキルを磨くことで誰でも目指せる仕事です。

これらの行為・施術は、柔道整復師やあん摩マッサージ技師などの国家資格を持っていないとできません。

整体師はあくまでも関節・骨格などの歪みを矯正して痛みを軽減し、健康維持・疲労回復・リラクゼーションが目的です。なお、保険は適用されず、施術の範囲も狭まります 。

整体師の年収について気になる方も少なくないでしょう。

ここからは整体師の年収・給料について詳しく説明していきます。

整体師の年収

整体師の平均年収は、350万円前後です。

月収換算すると、30万円程度 が相場になります。

これはあくまで平均ですので、整体院を経営している方の中には1000万円以上稼ぐ整体師もおり、この年収差が生まれるのは働き先や雇用形態、独立しているかが理由として挙げられます。

年収をアップさせる方法

整体師としての年収をアップする方法は、現在の職場環境によって大きく変わります。

例えば、歩合制を採用している職場は、指名を増やす ことが収入アップにつながります。

指名を増やしてもらうには、お客の役に立てるよう知識を深め、技術を磨くことが必要です。

現在よりも高いレベルのスキルを身に付けることにより稼ぎやすくなります。

知識・技術を磨くためのスクールやセミナーは多くあり、収入アップを希望する人は空いている時間を活用し、参加すると良いでしょう。

現在では、オンラインで通信講座を受講できます。

整体に関係する資格の取得も年収アップにつながるでしょう。

特に整体と関係が深い国家資格を取得することにより、施術できる事が増えて指名を獲得しやすく、独立・開業も近づきます。

整体師になるのに、とくに決まった資格は定められていません。

そのため、「整体師になりたい！」と思ったら誰でもチャレンジ可能な職業です。

しかし、患者さんに信頼される整体師になるには、専門性の高い知識やスキルと資格取得が欠かせません。

本記事で紹介したおすすめの資格を参考に、 自分の目標に沿った資格を選択してみましょう。

資格によっては3年以上専門の学校で学ぶ必要があるので、しっかりと計画を立ててからチャレンジしてください。

整体師の年収について知りたい方は「整体師の平均年収は？年収を上げる方法について解説」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。