法科大学院入試の受験資格はある?受験資格の条件や取得方法について詳しく解説!

法科大学院入試の受験資格はある?受験資格の条件や取得方法について詳しく解説!

法科大学院入試の受験資格はある?受験資格の条件や取得方法について詳しく解説!

司法試験を受けるには法科大学院を修了するか、予備試験に合格するという高い難易度が課せられています。

皆さんもご存知の通り、予備試験合格は司法試験に匹敵するといわれるレベルですので、法科大学院ルートを視野に入れている方も多いでしょう。

ただし、法科大学院の受験にあたっては、資格制限や実質的な年齢制限があるので注意が必要です。

この記事では、法科大学院の受験資格に焦点を当て、条件やルートについて詳しく解説します。

司法試験受験や法曹界への進路を考える上で条件を確認したい方は、ぜひ参考に読んでみてください。

※本ページにはPRが含まれます。

法科大学院(ロースクール)の基本情報

法科大学院(ロースクール)の基本情報

まず、法科大学院の成り立ちや役割といった、基本から解説していきましょう。

法曹(弁護士・検察官・裁判官)養成に特化した専門職大学院

司法試験合格を目指すには、予備試験ルートと法科大学院ルートの2つの進路があります。

その1つである法科大学院は、法律学の専門教育を提供している法曹(弁護士・検察官・裁判官)養成の専門職大学院です。

法科大学院は2004年に創設され、多様な問題に対応できる高度な法律家の養成を目指しています。

法科大学院の「2年コース」と「3年コース」とは?

法科大学院には、法学未修者を対象とした3年コースと、法学既修者を対象とした2年コースが存在します。

3年コースは法学の未経験者向けに基礎から学ぶプログラムであり、法律について1から学習するコースです。

法科大学院では少人数制の教育を重視し、双方向・多方向の授業や実務研修が展開されています。

社会人向けの夜間コースも用意され、様々なバックグラウンドを持つ人材を受け入れていることが特徴です。

学費は国立大学がおよそ80万円、私立大学が55万~170万円と幅広いですが、一般的には110万円前後の法科大学院が多いようです。

転職で資格をとりたい方は「転職で役に立つおすすめ資格!理由や難易度を徹底解説!」から詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください

法科大学院入試の受験資格とは?

法科大学院入試の受験資格とは?

法科大学院への入試資格には、いくつかの条件があります。

以下では、法科大学院の受験資格に関する条件や取得方法について詳しく解説します。

大学卒業もしくは卒業見込みであることが条件

法科大学院入試の基本的な条件の一つは、大学を卒業しているか、または卒業見込みであることです。

これは、高度な法曹職に進むための基本的な要件となっています。

ただし、一部の法科大学院においては、大卒資格に代わる何らかの資格や認定試験合格により、受験資格を取得できるケースも存在します。

「飛び級制度」を採用している法科大学院もある

さらに一部の法科大学院では、「飛び級制度」を採用しているケースもあります。

この制度は、大学に3年以上在籍し学部卒業要件を満たしている場合に、法科大学院の入試を受験することができるというものです。

通常の大学卒業生以外にも、各法科大学院が独自の基準で行う個別の資格審査により、異なる経歴や学歴を持つ方々が法科大学院へ進学するための柔軟な選択肢となっています。

入学試験の態様は大学院や募集コースによって異なりますが、一般的には第一次選考として書類選考を実施しています。

これを通過した受験者に対して、第二次選考として小論文試験(未修者コースの場合)や法律科目の論述試験(既修者コースの場合)、面接試験などを実施し、総合して最終的な合否を判断する仕組みが一般的です。

法曹コースなら5年で法科大学院を修了できる

法曹コースなら5年で法科大学院を修了できる

司法制度改革に伴い、法科大学院進学の新しい選択肢として「法曹コース」が新設されました。

このコースは、従来の「大学4年・法科大学院2年」の学び方に比べ、より迅速に法科大学院過程を修了することを可能にする制度です。

法曹コースでは、所定の条件をクリアすれば、「大学3年・法科大学院2年」の計5年間で法科大学院を修了できます。

法曹コースの設置により、学生は1年間の時間短縮を実現し、法曹の資格を取得することができます。

また、法曹コースを選択した学生が在学中に司法試験に合格すれば、通常よりも2年早く法曹となることが可能です。

これにより、法曹を目指す学生は時間的・経済的負担を最小限に抑えつつ、効率的に法曹の資格を取得することができます。

法科大学院入試の基本情報については「 法科大学院入試とは?試験科目や対策についても解説しています!」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。

法科大学院入試に関する注意点

法科大学院入試に関する注意点

法科大学院入試においては、留意すべきポイントがいくつかあります。

以下では、法科大学院入試における重要な注意点について解説します。

法科大学院ごとに求められる条件がある

各法科大学院は異なる入試条件を設けており、受験生はこれらの条件を確認する必要があります。

例えば、出願に際して外国語能力の証明を求める大学院が一例です。

TOEFLやTOEICなどの外国語検定試験を受験し、成績証明書を取得しておかなくてはなりません。

条件には「出願時前2年以内に発行された証明書」なども含まれるため、詳細は各大学院に問い合わせてみましょう。

社会人や他学部出身のための特別枠が用意されている

一部の法科大学院では、社会人や他学部出身者向けに特別枠が用意されています。

これは、以下の司法制度改革審議会意見書の理念を具体化したものです。

『21世紀の法曹には、経済学や理数系、医学系など他の分野を学んだ者を幅広く受け入れていくことが必要である。 社会人等としての経験を積んだ者を含め、多様なバックグラウンドを有する人材を多数法曹に受け入れるため、法科大学院には学部段階での専門分野を問わず広 く受け入れ、また、社会人等にも広く門戸を開放する必要がある。』

これにより、一定の社会的実績を有する者や特定の資格を有する者が、通常の出願資格を満たすことなく入試に応募できる場合があります。

ただし、「顕著な社会的実績を有する者(公認会計士、弁理士、司法書士等の資格保有者、企業の法務担当者)」にしか出願資格が認められなかったり、単に大学の学部卒業から一定年数を経た人でさえあれば出願できたりと、要件は各大学院によってさまざまです。

試験科目や審査方法などについては、各法科大学院の募集要項等を確認してみましょう。

法科大学院を選ぶ際の5つのポイント

法科大学院を選ぶ際の5つのポイント

法科大学院の選択は、将来の法曹としてのキャリアに大きな影響を与える重要な分岐点です。

法科大学院を選ぶ際に考慮すべき5つのポイントについて解説します。

司法試験の合格率

法科大学院の司法試験合格率を知ることは、志望校を決める上で重要な要素です。

合格率が高い大学院で学ぶことは、将来の法曹としての成功に直結する可能性があります。

ただし、法科大学院は規模が異なり、小規模校では数人の合否で合格率が大きく変動するため注意が必要です。

最新の合格率情報については、次の章で紹介しています。

アクセスの良さ

大学院の立地は学生生活に影響を与えるため、志望校を選ぶ際に重視したいポイントの1つです。

法科大学院は専門職大学院で、修了には毎学期末の試験を受験して単位を取得する必要があります。

単位認定の要件は非常に厳格で、一定の出席日数が確保されていない場合、単位認定試験さえ受験できないこともあり、結果的に即留年となることも考えられます。

このため、通学の際の距離や交通の便は、重要な要素となります。

住んでいる場所から大学まで、または最寄りの駅から大学までの距離を考慮することが重要です。

教員の質

法科大学院の教員の質は学習の質に大きく影響します。

経験豊富で専門知識が豊富な教員陣が揃っているかどうかを確認しましょう。

教員との密なコミュニケーションは学びの深化に寄与します。

教員の情報は、各法科大学院の公式ホームページやパンフレットに掲載されていますので、自分が利用している書籍の著者が在籍しているかどうかを調べてみましょう。

奨学金制度の充実

法科大学院では、奨学金制度の充実度も重要な要素です。

奨学金の制度は、各大学によって異なるため、しっかりと確認しておく必要があります。

例えば、九州大学法科大学院では、九州各県からの出身者を対象にした特別奨学金が提供されています。

一方、専修大学法科大学院では、自身の大学の学部出身者を対象にした奨学金が設けられています。

また、司法過疎地での勤務を志す法科大学院生をサポートするため、NPOが提供する奨学金制度も存在します。

経済的に不安な点があれば、奨学金を狙える法科大学院に行くというのも、法科大学院を選ぶ1つの要素となるでしょう。

学習環境

良好な学習環境は学生の成長に不可欠です。

図書館や研究室、ITインフラなどの充実度、また学内外での研究・実習の機会が学習環境に影響を与えます。

たとえば、近畿大学法科大学院などでは法科大学院生専用の自習室が24時間開いていたり、早稲田大学であれば図書館内に大学院生用の資料閲覧個室を設けていたりと、学校によって環境が異なります

また、法科大学院のカリキュラムやサポート体制も学習環境を評価する上で重要なポイントです。

【大学別】令和5年度の司法試験合格者数と合格率

【大学別】令和5年度の司法試験合格者数と合格率

令和5年度の司法試験の合格者数を、ランキングにて紹介します。

順位 大学院名 合格者数 既修・未修 合格率
1位 京都大 188人 167人・21人 68%
2位 慶應義塾大 186人 168人・18人 60%
3位 東京大 186人 152人・34人 59%
4位 早稲田大 174人 153人・21人 45%
5位 一橋大 121人 110人・11人 67%
6位 中央大 90人 81人・9人 39%
7位 大阪大 78人 68人・10人 43%
8位 神戸大 71人 68人・3人 49%
9位 名古屋大 71人 33人・9人 47%
10位 同志社大 29人 27人・2人 33%
11位 明治大 29人 26人・3人 27%
12位 北海道大 28人 23人・5人 38%
13位 東北大 25人 21人・4人 30%
14位 九州大 22人 20人・2人 23%
15位 立命館大 20人 20人・0人 18%

前年と同じく、京都大学法科大学院が188人の合格者を出してトップの結果となりました。

東京大学法科大学院、一橋大学法科大学院、慶應義塾大学法科大学院といったランキング上位常連校は、例年通りの実績です。

法科大学院を志す主な理由は、司法試験に合格することにあります。

前年の結果をもとに、志望校を絞り込みましょう。

法科大学院のメリットとデメリット

法科大学院のメリットとデメリット

法科大学院に入ることは、実はメリットとデメリットがあります。

では、双方について詳しく解説していきましょう。

メリット

法科大学院に進学するメリットはいくつかあります。

まず、在学中に司法試験の受験資格を確実に得られる点です。

予備試験の合格率が低い中、法科大学院では比較的高い合格率を誇ります。

次に、法曹以外のキャリア形成が可能です。

法科大学院修了後、法曹の道以外にも企業や公共機関でのキャリアを構築することができます。

法律の専門性を活かした職場での活躍が期待でるでしょう。

最後に、共に目標を追い求める仲間が得られることも大きなメリットです。

司法試験は難関であり、仲間と切磋琢磨することで学びの質が向上し、将来の実務でも刺激しあえるパートナーとなります。

デメリット

一方で、法科大学院にはデメリットも存在します。

まず、膨大な時間と費用が掛かる点です。

通常、大学4年間+法科大学院2〜3年間で6〜7年かかり、法曹コースを選択しても5年は必要です。

また、高額な学費も負担になるでしょう。

次に、司法試験の合格率が必ずしも高くないという点があります。

令和5年司法試験では合格率が40.6%となっており、各法科大学院でも合格率に大きな差があります。

上位ロースクールに入ることが必要であり、合格は容易ではありません。

総じて、法科大学院進学は将来の法曹としての成功に繋がる一方で、時間・費用・合格の難易度など検討すべきポイントが多いことを理解しておきましょう。

40代からでも異業種に転職したい!という方は「40代からでもやり直せるおすすめ資格はある?転職にも使える資格も紹介!」から詳しく見ることができます。参考にしてみてください。

中卒・高卒なら受験資格がない予備試験がおすすめ

中卒・高卒なら受験資格がない予備試験がおすすめ

司法試験の受験資格を得るための代替ルートとして、予備試験は中卒や高卒の方におすすめの選択肢です。

予備試験の受験においては、司法試験と同様に制限がなく、一切の学歴要件がないため、中卒・高卒の方でも受験が可能です。

さらに、司法試験には最大で5回の受験回数制限があるのに対し、予備試験には一切の回数制限がありません。

これは同じ受験資格を持つ方にとって、何度でも挑戦できる柔軟性を提供しています。

中卒や高卒の方が司法試験を目指す上で、予備試験は貴重な道を開く可能性があるといえるでしょう。

法科大学院入試の受験資格を確認して志望校を決めよう

法科大学院入試の受験資格を確認して志望校を決めよう

法科大学院入試に挑む際は、大学卒業や卒業見込みが基本条件です。

一方で、「飛び級制度」や特別枠も存在し、異なる経歴を持つ方々にも門戸が開かれています。

また、法曹コースや奨学金制度、学習環境も考慮すべきポイントといえます。

最終的には、各大学院の条件や合格率、アクセスや学習環境などを比較し、慎重に志望校を選びましょう。

あわせて読みたい

不登校や引きこもりの親が実はやってはいけない行動6つ

不登校や引きこもりの親が実はやってはいけない行動6つ
不登校や引きこもりの子どもの面倒を見ている親は、毎日不安や焦りでいっぱいですよね。 しかし、子どもを思っての言動が逆効果を生んでいる可能性があるのです。 今回は、親の対応として実はNGなことを6つ紹介します。 子どもの長期的な幸せを願うのであれば、まずは自分自身が前向きな生活を送りましょう。 この…

【まるでドラマ?】制服がかわいい通信制高校一覧!

【まるでドラマ?】制服がかわいい通信制高校一覧!
通信制高校に通いたいと考えている方の中には、「高校生だから制服を着たい!」と思っている方も少なくないのではないでしょうか。 制服があると登校日が楽しくなりますし、何より私服よりも断然楽ですよね! 今回は、登校日が楽しくなるような、可愛い制服がある通信制高校をご紹介していきたいと思います! 通信制高…

【おすすめ】学費が安い通信制高校をご紹介!

【おすすめ】学費が安い通信制高校をご紹介!
通信制高校に通いたい! できるだけ学費が安いところがいいのだけれども、通信制高校って実際に学費がどのくらいかかるのか全く分からない。 そんなお悩みをお持ちの方って多いと思います。 通信制高校もたくさんの学校やコースがあり、迷ってしまいますよね。 ここでは、学費をできるだけ抑えたい人に向けて、学費の…
お住まいのエリア
資料請求される方
操作方法などご不明な方は(無料)
受付時間:10:00~22:00