不登校・発達障害でも安心できる通信制高校とは?チェックするべきポイント 更新時間 2023.08.01
「発達障害で高校に通えていない……」
「不登校気味になってしまったけど解決策がわからない……」
発達障害が原因で不登校になってしまうケースはあります。
その場合、全日制の高校では卒業が難しくなってしまうでしょう。
そんなときの選択肢としてオススメなのが、通信制高校です。
今回は、通信制高校の魅力と選び方をご紹介。
不登校・発達障害のある生徒でも卒業するために、ぜひ役立ててください。
【今回の記事でわかること】
- 発達障害とは
- 通信制高校の6つの強み
- 通信制高校選びでチェックすべきポイント
発達障害とは
発達障害は、対人関係やコミュニケーションを上手くこなせない・落ち着きがないなど症状はさまざまです。
- 吃音
- 自閉症スペクトラム症(ASD)
- 注意欠陥・多動性障害(ADHD)
- 学習障害(LD)
- チック障害など
症状の程度にも個人差があり、それぞれに寄り添った支援や治療が必要です。
また小学校や中学校には支援学級がありますが、高校にはないというのも大きな壁となります。
そのため発達障害のある生徒は、全日制の高校に通うのが難しいと感じるのです。
では高校卒業は諦めるしかないのでしょうか?
決してそんなことはありません。
不登校・発達障害を抱えていたとしても、通信制高校という選択肢があります。
発達障害の生徒が不登校になる理由とは?
発達障害の生徒には、心理的にも物売り的にもサポートしてくれる人が身近にいなければ、不登校になってしまう可能性が高いです。
受け入れる学校側のサポート体制が充実していない場合は、他の生徒と馴染めなくなったり学習ペースについていけなくなったりと様々な問題が起きます。
誰でもこのような状況下で、楽しくない学校に通い続けるのは難しいですよね。
不登校になった生徒を調べてみると、約10%近くの生徒が発達障害の疑いがあり、学校側がしっかりとこの事実に向き合う必要があるといえるでしょう。
発達障害の生徒や個性を磨きたい人におすすめの環境として、通信制高校への進学・編入が人気です。
サポートの充実している通信制高校だからこそ、自分らしく学べる環境が整っています。
通信制高校なら安心して卒業までサポートしてもらえる
発達障害の症状はさまざまあります。
「席に座ってじっとしていられない」
「文字の読み書きが不得意」
「周囲に合わせられない」
症状によっては、障害がないように見えて気付かれないパターンもあるでしょう。
周りからの理解を得られず、不登校になってしまう生徒も少なくありません。
そんな時にオススメなのが通信制高校です。
実際に発達障害等困難のある生徒は通信制高校を選んでいる
文部科学省の調査によると、発達障害など困難がある生徒の中学校卒業後の進路は以下の通りです。
- 通信制高校 15.7%
- 定時制高校 14.1%
- 全日制高校 1.8%
通信制高校を選んでいる生徒が多いことがわかるかと思います。
発達障害を抱えていても通いやすいからこそ、通信制高校が選ばれているのです。
ではなぜ通信制高校が選ばれているのか、その理由を解説していきます。
不登校の生徒を無理に通学させるのは逆効果!
なかには不登校の生徒を無理に学校に通わせようとする人もいますよね。
しかしそれは逆効果でしかありません。
発達障害の生徒には、できる限り寄り添った対応をしてあげることで、前向きな考えに少しずつ変化してきます。
もしくは、不登校になった生徒の興味のある分野を学べる学校をおすすめしたりと別角度から親身にサポートをすることが大事です。
通信制高校の6つの強み
通信制高校には6つの大きな強みがあります。
- 自宅にいながら学べる
- 発達障害への理解がある
- サポート体制が整っている
- 学習以外のことにも打ち込める
- 入学しやすく卒業しやすい
- 自分のレベルに合わせて学習できる
1つずつ詳しくみていきましょう。
自宅にいながら学べる
通信制高校は、その名の通り家にいながら通信で学習できる高校です。
学校に通う回数は必要最低限で済むため、学校に行きたくなくても勉強が続けられます。
なかには年数回のスクーリングだけでOKな通信制高校もあり、自分のペースでゆっくり学ぶことが可能です。
急に学校に行きたくなくなったり、通院の予定が入ってしまっても問題はありません。
スケジュールを柔軟に動かせることこそ、通信制高校の強みなのです。
実際の授業内容について詳しく知りたい方は「通信制高校の授業内容を徹底解説!」を参考にしてください。
発達障害への理解がある
発達障害への理解が深いのも、通信制高校ならではです。
通信制高校にはさまざまな生徒が通っています。
生徒の数だけさまざまな事情があり、それだけ通信制高校も柔軟に対応している実績があるのです。
もちろん発達障害を抱える生徒が多く通っている通信制高校もあります。
発達障害へのの理解があるからこそ、相談や悩みも打ち明けやすくスムーズな対応をしてもらえるのです。
サポート体制が整っている
通信制高校はサポート体制が手厚いのも特徴の1つです。
サポート体制はさまざまありますが、なかには発達障害を抱えている生徒へのサポートに力を入れているところもあります。
心理カウンセラーやソーシャルワーカーの常駐、個別学習システムや医療機関との連携など、安心できる制度が豊富。
全日制の高校よりも手厚いサポートを受けながら、着実に高校卒業を目指せるのです。
学習以外のことにも打ち込める
スケジュールが柔軟に動かせるからこそ、時間を自由に使えます。
学習以外のことに時間を多く割けるのはもちろん、休みたいときは休むなどメリハリをつけることも可能。
通信制高校のなかには、特定の科目を置いているところがあるのも見逃せないポイントです。
アニメ・ゲーム・音楽・料理・コンピュータなど、自分の興味のある分野を学んだり将来の夢に向かって努力ができます。
発達障害の生徒の中には、特定のことに興味を持ち、ほかの科目の授業を受けるのが嫌になってしまう子もいます。
通信制高校なら、そんな時無理やり勉強するのではなく自分の好きなことを学べるのです。
時間を無駄にすることなく、将来のためになることができます。
入学しやすく卒業しやすい
通信制高校は、入学と卒業がしやすいのも大きな魅力です。
全日制高校には入学試験があり、定員や合否ラインなどが厳しく入学が簡単とはいえません。
一方通信制高校の場合、入学試験はあるものの面接や作文・書類審査などかなりハードルが低くなっています。
なかには学科試験を行うところもありますが、全日制高校よりも簡単な試験を行っているのがほとんどです。
また全日制高校の場合、卒業の条件は「3年間で74単位以上を修得すること」となっています。
3年間という決まった期間に単位を修得できなければ、留年してしまうのです。
通信制高校であれば、「3年以上で74単位以上を修得すること」が卒業の条件となっています。
3年間ではなく3年以上という余裕があり、単位の修得もレポート提出やスクーリングなどでOKです。
登校回数も全日制高校より少ないため、発達障害を抱えている生徒でも高校卒業へと確実に歩んでいけます。
自分のレベルに合わせて学習できる
個別で指導をしてくれる通信制高校なら、自分のレベルに合わせて勉強をスタートできます。
不登校が長く続いていた場合、しばらく勉強をしておらず今後が不安になってしまうものです。
通信制高校であれば、個人に合わせて教えてくれるため安心して学べます。
最初はゆっくりと勉強を進めて、慣れてきたころに少しずつ学習のペースを上げていくことも可能です。
自分に一番合った学習計画を立てられるのが、通信制高校の強みといえます。
他にも通信制高校のメリットはたくさんあります。
「通信制高校のメリット・デメリットを完全解説!」にて詳しく解説しているのでチェックしてみてください。
通信制高校を選ぶ際のポイント4選
通信制高校は全国各地に数多くあります。
サポート体制や強みもそれぞれ違うため、通信制高校選びに悩む方も多いです。
また発達障害といっても症状はさまざまであり、求めているサポートも生徒によって異なるでしょう。
どんなサポートがあるのかチェックをしつつ、通いたいと思える通信制高校を選んでください。
そのために、チェックすべきポイントは4つ。
- 個別に対応してくれるかどうか
- カウンセラーがいるかどうか
- 生徒同士の関わりはどれくらいか
- SSTを学べるとなお良い
1つずつ詳しくみていきましょう。
①個別に対応してくれるかどうか
個別に対応してくれるかどうかは重要なポイントです。
教職員が実際に家まで訪問して授業をしてくれる通信制高校もあります。
親身に対応してくれる通信制高校なら、安心して通えますよね。
どこまで個別に対応してくれるか不安なときは、事前に高校側に電話などで聞いておきましょう。
②カウンセラーがいるかどうか
校内にカウンセラーが常駐しているかどうかも要チェックです。
発達障害や不登校で心に傷を負っている生徒の場合、いつでも即座に対応してくれるカウンセラーがいるかどうかは重要なポイントですよね。
支えとなってくれる存在が学校内にいつもいてくれれば、安心して高校に通えます。
カウンセラーではなく、教職員が臨床心理士や社会福祉士などの資格を持っているケースも。
保護者からの相談も受け付けてくれるカウンセラーがいれば、より安心ですね。
③生徒同士の関わりはどれくらいか
通信制高校のなかには、生徒同士の交流が出来るような行事を用意しているところもあります。
合宿や文化祭など、通信制高校によって行事はさまざま。
同じ悩みを持つ生徒同士で打ち解けられるように支援してくれるため、人間関係を作るのが苦手な生徒でも友達を作れます。
自分のペースでゆっくり人間関係を構築できますし、無理やり作る必要もありません。
サポートを受けつつ友達が出来れば、今後の人生にとって大きな財産となるでしょう。
④SSTを学べるとなお良い
SSTを学べる通信制高校もオススメです。
SSTとはソーシャルスキルトレーニングの略であり、生活技能訓練や社会生活技能訓練とも呼ばれます。
社会で生活していくために、対人関係を作る技能やストレスへの対処などのスキルを修得できるリハビリテーション技法のことです。
通信制高校の中にはSSTを学べるところもあり、高校という枠を超えた知識をつけられます。
不登校・発達障害でも安心して通える通信制高校の特徴2選!
不登校・発達障害でも、安心して通える通信制高校の特徴を2つご紹介してきます。
個人を尊重する通信制高校を選べば、全日制高校よりも充実した学校生活を送れるかもしれません。
発達障害の生徒でも不登校にならずに、楽しく過ごせる通信制高校の特徴は、以下の2つです。
それでは1つずつ解説していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
- 生徒一人一人のペースを尊重してくれる
- 心理的サポートが充実している
①生徒一人一人のペースを尊重してくれる
発達障害の生徒の多くが不登校になってしまう原因として挙げられるのは、自分のペースで学習を進めたり、他の生徒の学習ペースについていけないからです。
しかしサポートが充実している通信制高校を選べば、自分らしく伸び伸びと進路を決めることや、無理のない学校生活を送ることができます。
たとえば、校訓に自由を尊重する等の言葉がある通信制高校では、あらゆる状況の生徒が自分らしく学校生活を送れるように環境が整っているケースが多いです。
また生徒同士の関係性作りに、積極的な通信制高校も魅力的だといえます。
あなたのペースを第一優先で尊重してくれる学校を必ず見つけることができるので、ぜひこの機会に調べてみてはどうでしょうか。
②心理的サポートが充実している
心理的サポートが充実している通信制高校も、不登校や発達障害の生徒に向いているといえます。
というのも、心理的サポートが整っていない学校に通ってしまうと学校を好きになることは非常に難しいですよね。
悩みがあるときに、専門的なカウンセラーや親身に相談を聞いてくれる先生の存在は必要不可欠です。
発達障害の生徒でも、心から楽しめる学校が見つかると良いですね。
またあらゆる生徒が楽しめるような、学校行事がある通信制高校もおすすめです。
バラエティ豊かな学校行事を通して、充実した学校生活を送ることができますよ。
個性を磨ける専門的なコースがある通信制高校も魅力的!
不登校になってしまう生徒のなかで、普通科のような学習をしたくない生徒も多くいますよね。
そのような生徒におすすめできるのは、専門的なことを専攻できる通信制高校に進学または転入することです。
ただ専門的なことを学ぶのではなく、自分の興味のある分野を深く学んでみてはどうでしょうか。
専門性を高めることで、社会での通用する人材になることができます。
また専門的なコースに通っている人は、自分と同じものに興味を持っている人なので、日々の学校生活を楽しく過ごせるかもしれませんよ。
発達障害の生徒でも気軽に通うことができるのが、通信制高校の魅力の1つです。
まとめ:通信制高校こそ自分らしく学べる環境が整っています!
【通信制高校の強み】
- 自宅にいながら学べる
- 発達障害への理解がある
- サポート体制が整っている
- 学習以外のことにも打ち込める
- 入学しやすく卒業しやすい
- 自分のレベルに合わせて学習できる
【通信制高校選びでチェックすべきポイント】
- 個別に対応してくれるかどうか
- カウンセラーがいるかどうか
- 生徒同士の関わりはどれくらいか
- SSTを学べるとなお良い
おわりに
通信制高校は親身になってサポートをしてくれるところです。
さまざまな相談や悩みにも応えてくれるため、発達障害・不登校の生徒も数多く通っています。
自分に合った通信制高校を選び、納得のいく方法で高校卒業を目指しましょう。
焦ることはありません。
ゆっくりでも着実に、明るい未来へと進んでいってくださいね。
入学から卒業までの流れを詳しく知りたい方は「通信制高校の入学から卒業までの流れを解説!登校や卒業の条件は?」で解説しているため参考にしてください。