ケアマネージャーという職種は2000年に施行された介護保険法とともに作られた比較的新しい職種です。
それから約20年が経ち、介護に関わる施設やサービス、職業も増えてきていますよね。
ケアマネージャーの仕事も一時は飽和状態とも言われたこともありましたが、今後も高齢者人口は増え続けるのでケアマネージャーの仕事も増えていく事が予想されるでしょう。
仕事をされながらでも取れる資格ですので、早めに試験日程を確認して合格に向けて準備しましょう!
ケアマネージャーとは
ケアマネージャーとは、「介護支援専門員」の意味で、今ではケアマネとして広く知られる仕事となっています。
ケアマネージャーは、介護保険法に基づいて、介護が必要な人達、そしてその家族の相談になり、今後の介護プランを一緒に考える役目を担っています。
プランを立てて終わりではなく、それを実行に移す為に必要なサービスを提供する施設や、市町村とも連絡を取り繋いで行くのです。
これらの業務を行う為に、ケアマネージャーは介護に関する専門知識・技術を広く持ち合わせていることが必要であり、ケアマネジャーの試験に合格する必要があります。
ケアマネの仕事って具体的に何するの?
ケアマネジャーの仕事は、「介護が必要かもと思うお年寄りたちに寄り添い、快適な介護生活を送れるようにあらゆる面からサポートする人」です。
分かりやすい様に、Aさんが介護受けるまでの流れと共にケアマネージャーの仕事を紹介てみます。
- ①要介護認定の「申請」
- ②ケアマネとかかりつけ医による認定調査
- ③ケアマネの訪問調査
- ④介護認定審査会
- ⑤介護サービスの利用に向けてケアプランの作成
- ⑥介護サービスが始まってからのアフターケア
Aさん、もしくはAさんの家族が「介護を受けたいな」と思ったら、まずは市町村役場の窓口で「要介護認定の申請」を行います。
申請の次は、どれくらいの介護が必要なのか認定調査が行われます。
この調査は主にかかりつけ医の意見書と、ケアマネージャーの訪問調査によって行われます。
訪問調査では、ケアマネージャーは直接、介護認定希望者の自宅に訪れ、心身の状態、日常生活がどれくらい自分で行う事ができるか、普段の様子などを聞き取ります。
ご家族にとっての介護の手間や頻度も重要な調査ポイントとなります。
かかりつけ医の意見書と、ケアマネージャーの訪問調査の内容を見て、保険や医療、福祉の専門家がAさんの要介護度※が認定されます。
ここで、ケアマネージャーの訪問調査の内容はその後のAさんが受けられる介護の度合いを大きく左右する重要な役割を担っています。
※要介護度とは、Aさんが受ける介護の必要レベルです。5段階評価で示され、数値が大きいほど介護の必要度合いが高い事を示します。
Aさんが介護サービスを利用することが決まったら、こんどはどんなサービスをどの程度利用するかを費用や施設などを含めてケアマネージャーが相談します。
ケアマネージャーはどのような介護サービスの選択肢があるのか情報提供し、各介護サービスの施設との連絡調整も行います。
Aさんは受けたい、受けたくないサービスがあれば希望を出す事ができます。
ここで作られる介護の利用計画を、ケアプラン、介護プランなどと表現します。
いざ介護サービスを受けられるようになったとしても、Aさんは介護サービスがイメージしていたものと異なるかもしれません。
しかし、直接介護サービス事業者に伝える事ができない場合など、ケアマネジャーに相談し間を取り持ってもらう事なども多いようです。
こうして、ケアマネジャーはAさんと地元の医療や介護施設を繋ぐ橋渡しのような役割をになっているのです。
ケアマネに向いている人
ケアマネジャーの仕事は非常広く、実際になってみないと分からない仕事も多くあります。
また、介護を受けようと思う家族も、それぞれの家で抱える課題は多義に渡っています。
重度の認知症の患者さんを抱えている方を家族が介護施設に入れたいと思っていても、本人がなかなか同意しないなど難しい問題もあるでしょう。
そんな中、ケアマネジャーになるのに向いている人はこんな人です。
- コミュニケーション能力が高い人
- 偏見や偏った味方が無く公平な人
- 介護サービスの専門的な知識をもっていること
- 連絡が取りやすい、すぐに返事が返って来ること
利用者や、家族の話をまず親身になって聞くことができればその後の信頼関係もうまくいくでしょう。
利用者本人と家族は、時に心身の状態が疲れ切っていることがあります。
そんな時、どちらかの声だけに耳を傾けるのではなく、それぞれの関係者の声を平等に聞き分けることができる必要があるでしょう。
当たり前ですが、介護に関する知識が乏しければ相談を受けても応える事はできませんよね。
また、その地域の介護サービスは勿論、介護以外の支援サービスについての知識があると総合的に相談者の悩みに答える事ができるでしょう。
介護を受けると検討し始めてから、相談者はケアマネージャーとのやり取りや、非常に多くなります。
また、介護サービスが始まってからも何度もやり取りは行われます。
困っている時に連絡がすぐに取れるケアマネージャーだと安心ですよね。
変わる?ケアマネージャーの受験資格や処遇
これまで介護職に就いていた幅広い介護の現場で働く人たちは、ケアマネージャーの資格を取る事で、給与が上がったり、力仕事が減るなど人気の資格でもありました。
しかし、最近では2014年に17万人いたケアマネージャー試験の受験者数は、2018年には5万人、2019年には3万人にま急激に減少しているのです。
ケアマネージャーの現状
受験者数が減ってしまった要因の1つとしては、もともとはケアマネージャーが沢山必要となり合格率もたかかった時代から、ケアマネージャーの質が問われる時代に代わり合格率も下がってきたことが挙げられます。
また、ケアマネージャーの業務が多義に渡っていたり、1人で50~60人ものお客さんも持つことも多く、日々残業に追われていることなどから業界では大変な職業というイメージがつき始めていることも要因でしょう。
そして、後に紹介しますが、2018年から受験資格が大幅に制限されたため、単純に受験資格を持つ人が減ってしまったことも受験者数を減らしてしまっている大きなでしょう。
平均年収が上がる?!
ケアマネージャーの業務は多義に渡り、残業も多いようですが、そんなケアマネの平均年収はいくらなのでしょうか。
現状では、ケアマネージャーの年収は約350万~400万円に満たないことが多いようです。
このような現状は介護職全般で問われてきた問題でしたが、実はこの現状を変えようと厚生労働省は介護職員処遇改善加算という、介護職につく職員たちの給与を上げるための施策に取り組み始めています。
その結果、2018年から介護職員の平均給与が月30万円を初めて超えました!
実はケアマネージャーはこれまで対象外だったのですが、2021年の介護報酬改定ではケアマネージャーの処遇改善が認められることが期待できるようです。
尽きない需要
厚生労働省の調査によると、2020年時点で約1,879万人いる75歳以上の高齢者は、2030年頃には2,278万人に増加する傾向となっています。社会保障審議会:介護分野の最近の動向
あと10年程で75歳以上は約400万人増えることになります。
つまり高齢者人口の増加と共にケアマネージャーケアマネージャーの需要は増えていくので、持っていて損はない資格になるでしょう。
ケアマネージャーになるには
ケアマネージャーになるためには、「介護支援専門員実務研修受講試験」という通称「ケアマネージャー試験」に合格する必要があります。
毎年、5月中旬から6月にかけて受験案内と、申し込みが始まります。
そして毎年10月2週目の週末頃に試験日程が設定されています。
都道府県により申し込み案内が若干異なりますので、公益財団法人社会福祉振興・試験センターでご自身のエリアの実施案内から日程や会場をご覧ください。
また、既に2020年はコロナウィルスの影響で延期を決めているところもありますので、最新情報にご注意ください。
ケアマネ試験の試験日程と合格発表
ケアマネジャーの試験は、毎年各都道府県別に5月下旬から6月中旬辺りで募集が行われています。
現在はまだ令和2年度の試験日程は公開されておりません。
しかし、毎年10月1週目か2週目の週末に日程が組まれているので、10月を目安に準備しておくといいでしょう。
こちらに、各都道府県で担当している管轄が詳細にまとめられているので、受験される都道府県の内容を確認しておきましょう。
また試験の合格発表は、12月の初旬までに合否の通知が郵送されます。
受験資格
先ほども少し触れましたが、2018年から受験資格は変更されました。現在の受験資格は、以下の通りです。
以下の業務を通算して5年以上あり、且つこれらの業務に900日以上従事した者
- 該当の国家資格等に基づく業務(※)
- 生活相談員・支援相談員・相談支援員・主任相談支援の業務
※医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士を含む。)又は精神保健福祉士が、その資格に基づき当該資格に係る業務に従事した期間。
2017年までは、資格などがなくても介護関連の仕事を10年以上経験していれば、受験資格を得る事ができました。
しかし、2018年からはこれまで対象だった、ホームヘルパー2級や実務者研修の資格を持っているだけでは、経験年数があってもケアマネ試験は、受験できなくなりました。
介護福祉士は引き続き対象となります。
出題分野
「介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネージャー試験)」の出題分野は、①介護支援分野、②保健医療福祉サービス分野です。
問題数は①25問、②35問の全60問で、試験時間は120分となっています。
- 介護支援分野
- 保健医療福祉サービス分野
介護支援分野では、ケアマネジャーの業務内容や処遇、そして高齢者が利用できる介護サービスが決められている介護保険制度や、介護プランの作り方などが問われます。
保健医療福祉サービス分野では、高齢者の方が抱える問題や、病気、またそれらに関連して提供できるサービスや在宅介護、終末期の迎え方などの考え方が問われます。
二つは分野が分けられて出題されますが、どちらもケアマネジャーの業務に必要な知見として互いに関連しているので、それぞれの関連性をイメージしながら学習しましょう。
試験の難易度
ケアマネジャー試験の合格率は、10%~20%を推移しています。
2018年には受験資格の変更があり、受験者数が約4分の1程度にまで落ち込みました。
合格率は高いとは言えないので、難易度は高いと言えるでしょう。
また、試験では、全体の7割を取れると合格できると言われていますが、独学で勉強しているだけでは、難しいかもしれません。
皆どうやって勉強してるの?働きながら資格取得
ケアマネジャーの試験を目指すのは、現在介護や医療の現場で働きながら勉強するという方がほとんどのはずです。
勉強のために長い時間は取れない方におすすめなのが、効率的な学習方法を提供してくれる通信教育です。
体形的な学習が数か月で完了できるので、試験日程を確認して今すぐはじめることをおすすめします!気になる方はこちらから検索してみて下さいね!
ケアマネって介護に関わる仕事?なるために必要な資格試験!まとめ
いかがでしたでしょうか。
介護職は給与が低くて大変なイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、徐々に厚生労働省も所得向上などに向けて動き始めています。
長い目で見ても日本には必要不可欠で、今後も需要は尽きない仕事となるので、徐々に状況は改善されていくでしょう。
需要はあるもののケアマネの資格取得は、受験条件も狭まり難易度も高くなってきたようです。
様々な条件に翻弄されてしまうこともあるかもしれませんが、長い目で見ると安定している職業にはなるので、これから試験に向けて目指していってもいいのではないでしょうか。
興味が湧いた方はこれから取っておいて損はない資格なので、まずは試験日程を確認して合格目指して頑張ってみてください!