健康運動指導士は幅広い年齢層の男女が目指せるやりがいのある資格です。
健康運動指導士とは一体どんな資格で、社会では一体どんな事に活かせられるのかをご紹介します。
また、資格試験の合格率や試験の傾向、受験するための受験資格もまとめました。
資格を取得した後に健康運動指導士資格の強みを出せる職業と給料も見ていきましょう。
健康運動指導士になるために必要な知識
【スポーツ関係の資格をとるなら】
健康運動指導士の資格は人々の生活や健康に深く関わっていく資格の為、健康や運動に対して正しく幅広い知識が求められます。
健康運動指導士の合格を目指すには勉強しなくてはならない知識が数多くありますので、数多い知識の基本をどれだけ抑える事が出来るかが重要になります。
また受験資格には条件もあるため、まずは抑えるべき知識と受験資格を得るための条件をご紹介します。
健康運動指導士になるために必要な知識
健康運動指導士の資格試験の合格を目指すには運動や健康のより専門的な知識が必要とされます。
健康運動指導士に求められる知識をまとめました。
- 健康管理概念・健康づくり施策概論
- 運動プログラム作成技術
- 運動生理学
- 健康づくりと運動に関する知識
- 救急処置方法
- 栄養摂取と運動の大切さ
- 機能解剖とバイオメカニクス
- 生活習慣病(NCD)
- 運動障害と予防
求められる知識の理解
健康と運動に関する知識から救急処置や生活習慣病まで、非常に幅広い知識が健康運動指導士には求められます。
これらの学ばなくてならない知識を見てみると健康運動指導士とは、生活習慣病予防や健康水準の維持・増進の観点から大きく貢献する運動指導の専門家です。
健康運動指導士の資格試験の合格を目指すにはこれらの専門知識を学ぶ事が必要不可欠となりますので、しっかりと基礎から勉強していきましょう。
健康運動指導士になるための受験資格
健康運動指導士の資格試験を受けるには、受験資格が必要となります。
健康運動指導士の受験資格はいくつかあり、受験資格を得るためには長く時間が掛かるものが多いので努力を積み重ねる事が必要となりますので、まずは受験資格の詳細をまとめていきます。
健康運動指導士の受験資格
健康運動指導士に受験するためにまずは受験資格をクリアする必要があります。
受験資格の条件は大きく分けて2つありますのでまとめていきます。
健康運動指導士の受験資格
- ①健康運動指導士養成講習会を受講する
- ②健康運動指導士養成校で学ぶ
健康運動指導士の受験資格を得るには、健康運動指導士養成学校を出るか健康運動指導士養成講習会を受講する必要があるのですが、養成学校を卒業していない方が絶対に受けなければならないのが養成講習会になります。
健康運動指導士養成講習会の参加条件
この養成講習会に参加するためにも条件が存在するのでこちらも併せてご紹介します。
養成講習会の参加資格
- ①保健師又は管理栄養士の資格を有している者
- ②4年制体育系大学(教育学部体育系学科を含む)の卒業者(卒業見込者を含む)
- ③歯科医師、看護師等の受講可能資格を有している者で大学(修業年数4年以上)卒業者
- ④健康運動実践指導者の称号を有する者
健康運動指導士の養成講習を受講するのにも条件が4つに分類されております。
講習会で所定の単位を修得すると健康運動指導士の認定試験を受けることができるので、養成学校を卒業するか講習条件をクリアして講習会で単位を取得しましょう。
健康運動指導士の運営管理
健康運動指導士の資格は「健康・体力づくり事業財団」が運営管理を行っています。
主な事業は健康や体力作りの正しい知識や実践方法などを世の中に普及する広報活動や教材を作成しています。
健康・体力づくり事業財団は、財団法人健康づくり振興財団と社団法人国民健康つくり運動協会(その後、「社団法人国民健康・体力つくり運動協会」に名称変更)が合併してできた団体で、平成24年4月に今の名前になりました。
活動内容は、「健康日本21」(国民健康づくり対策)などの施策に沿って、それらを具現化するための各種事業を推進したりしています。
また、健康運動指導士・健康運動実践指導者などの指導者養成事業、健康関連分野の調査研究のほか健康日本21推進全国連絡協議会の事務局運営を行っています。
健康運動指導士ってどんな仕事?
健康運動指導士とは、保険医療関係者と連携しつつ安全・効果的な運動を実施するための運動プログラム作成及び実践指導計画の調整などを行う役割を担う人達のことを言います。
生活習慣病を予防して健康水準を保持・増進する観点から大きく貢献し、最近では特定健診・特定保健指導において運動・身体活動支援を担ったりもしています。
健康運動指導士所持者の職業例
健康運動指導士の資格を強く活かせる職業をいくつか紹介します。
- アスレチッククラブ・フィットネスクラブのトレーナー
- 診療所・病院の従事者
- 介護老人保健・福祉施設
- 健保組合・関連会社
- 保健所
- 学校の先生
- フリー活動
中でも多いのが自治体や民間企業が運営するスポーツクラブやアスレチッククラブ・フィットネスクラブのトレーナーとして活躍する事が多い傾向です。
次に医療機関や福祉施設などで多くの健康運動指導士が活躍しています。
健康運動指導士と似た他の資格
健康運動指導士と似た分野の資格を紹介します。
- 健康運動実践指導者
- ホームヘルパー
- 臨床心理士
- 介護福祉士
- 整体師
健康運動指導士と資格の分野は似ていますが資格を活かして実践する内容は全く違ってきます。
これらの資格は健康運動指導士の資格と組み合わせる事でさらに仕事の幅が広がりますので、他の資格と一緒に取得する事を視野に入れるのも選択肢の一つとなります。
健康運動指導士に向いている人
健康運動指導士に向いている人や向いている人の特徴を紹介します。
- 明るく、元気な人
- 運動と健康に対して深い興味を持てる人
- さまざまな立場の人とコミュニケーションを上手にとれる人
- 温厚で思いやりがある人
- 根気よく努力を続けられる
- プログラムやスケジュールを立てるのが得意な人
健康運動指導士が仕事で接する人は様々な心身の問題を抱えている人が多いので、相手の心身の状態を把握したうえで思いやりの気持ちを持って丁寧に接する事が出来る人、つまり明るく元気で思いやりのある人はこの仕事に向いています。
また接する人たちは動きが遅かったり耳が遠かったりする人がほとんどなので、そのような人と根気よく向き合える人も向いています。
個人個人に合った健康プログラムを組まなければならないので、親身になって思いやることが出来て計画が立てられる人も健康運動指導士に向いているといえます。
健康運動指導士資格の試験合格に向けて
健康運動指導士資格を受験するにあたって有効な勉強方法や試験範囲を紹介していきます。
健康運動指導士の受験資格でご紹介した通り、受験資格を得るには養成学校の卒業や養成講習会での単位が必要となります。
そこで培った基礎知識や勉強範囲がそのまま試験に出てくるといっても過言ではないくらいにテキストの内容での出題が多い傾向にありますので、専門知識の基礎をしっかり把握する事が試験の合格率に繋がります。
健康運動指導士の勉強方法
平成23年の試験から基礎的な内容を問われる問題が中心になって以前と比べると資格試験の難易度は低くなっている傾向にあり、基本的にテキストにある問題しか出題されることはなくテキストを何度も繰り返し読み、勉強する事で合格率は確実に上がります。
暗記や音読などと言った方法でテキストをしっかり読んで基礎知識をしっかり記憶する方法が試験の合格率アップに繋がります。
テキストには難しい専門用語や医学用語がたくさん出てきますがインターネットで検索すると詳細が簡単に出てくるので、インターネットを上手く活用しながら勉強するのがおすすめです。
健康運動指導士試験科目等の内容
出題形式は75問の4肢択一のマークシート方式で、テキストに書いてある基礎的な事がまんべんなく出題されます。
試験の鍵となるのは出題形式がマークシート形式で出題される事にありますので、最後まで問題文を注意深く読み解く事が試験の合格率を上げる重要なポイントになります。
表やグラフを使った問題も数か所出題されるので注意深く問題文を理解する事が必要です。
健康運動指導士資格の合格率
健康運動指導士資格の試験合格率をそれぞれの修了過程と再度試験を受けた人、全体の平均の合格率をまとめました。
修了課程 | 合格率 |
---|---|
養成講習会 | 67.7%~92.9% |
養成学校卒業 | 71.3% |
再受験者 | 40.7% |
平均 | 63.6% |
第133回試験の結果によりますと、養成講習会を修了した人は67.7%~92.9%の間で、養成校養成講座を修了した人は71.3%、再受験者は40.7%、平均で63.6%となっています。
学校でしっかりと基礎を学んだ結果養成学校卒業では71%と高く安定した合格率が出ており、養成講習会を修了した人は最初から知識がある分講習内容の理解度が深いため養成講習の結果が高い合格率として表れています。
再受験者の合格率は決して50%を下回る結果になっておりますが、平均合格率で見える様にしっかりと基礎知識を勉強していれば合格率は確実に上がる傾向にあります。
健康運動指導士資格の難易度
健康運動指導士資格試験の合格率はここ最近は平均で60%前後を推移していますが、決して易しい試験ではないようです。
その理由としては試験の出題範囲が幅広いということがあります。
医学や運動生理学など専門知識が問われるので、繰り返しテキストを復習をしたり問題集を解くことが試験の合格率を上げるポイントとなります。
健康運動指導士の資格試験料金
健康運動指導士の試験料金について養成講習会を経た人と養成学校を卒業した人とでは料金が違うので注意が必要です。
過程 | 料金 |
---|---|
養成講習会を修了した人と再受験の人 | 13,371円 |
養成校養成講座を修了した人 | 13,371円+2,057円=15,428円 |
受験料は養成講習会を修了した人と再受験の人は13,371円のみで、養成校養成講座を修了した人はそれに審査料2,057円が追加されるので合計で15,428円になります。
これらは郵便局の窓口から一括で払わないといけないので注意が必要です。
健康運動指導士試験の年間試験回数
1年間に3回行われ、開催場所は仙台、東京、愛知、大阪、福岡となっています。
3月・9月・11月に各都道府県の試験会場で行われるので開催場所とスケジュールは細かく確認しましょう。
健康運動指導士試験の開催場所と詳細スケジュールは健康・体力作り事業財団の公式サイトより確認が出来ます。
健康運動指導士試験の合格発表
【スポーツ関係の資格をとるなら】
試験が終わってから約1ヶ月後に全受験者の住所宛に合否通知が郵送されます。
主催者側に合否や採点結果などの問い合わせをしても主催者側は一切応じないので結果は1ヶ月後にならないと分からないということになります。
今一度テキストを見直して問題の見直しをしてある程度自分の中で点数を付けて問題の再確認をするのが有意義になります。
健康運動指導士資格取得後の給料
健康運動指導士試験を突破して資格を得た次は健康運動指導士の資格を活かし社会で活躍するのですが、やはり気になるのが月々の給料と年収です。
健康運動指導士として活躍している方の給料と年収についてまとめてみました。
健康運動指導士の給料・年収
健康運動指導士として活躍されている人の月々の平均給料は23万円となっております。
年収にすると大体200万~400万の間と言われています。
さらに勤務先によっては2万円前後の資格手当がつくこともあり、無資格者よりも優遇されることはあるそうです。
健康運動指導士のみの給料なので、他の資格と組み合わせてステップアップを目指すことも出来るので給料はより多く目指すことが出来ます。
健康運動指導士の現状
現代の日本は生活習慣病の増加や少子化・高齢化の訪れなどで健康に関する様々な不安を抱えています。
保険医療関係者と連携しながら対象者の心身を把握し、その人にあった運動指導が出来る健康運動指導士の活躍の場が増えています。
そしてまさに今の高齢化社会の時代には健康運動指導士はなくてはならない存在となっています。
健康運動指導士の将来性と独立
健康運動指導士の資格を生かして仕事をしていく上で将来性や給料のステップアップが出来るかどうかは気になる点です。
さらに健康運動指導士として独立して動くことが出来れば自分のやりたい仕事の幅が自由に広がるので、独立できるかどうかも将来性としては大切なポイントです。
健康運動指導士の将来性と独立について紹介します。
健康運動指導士の将来性
医学的知識を持ち、その人に適した運動指導ができるスキルを持った健康運動指導士は、地域社会のあらゆる場所で活躍できると言っても過言ではありません。
さらに他の医療系資格と組み合わせて持つことで就職や転職での有利になり、昇進や手当等の給料のステップアップにも繋げることが出来ます。
とはいえ国家資格ではないので認知度はまだまだ低いですが政府が以前より資格取得者を増やすように力を注いでいますので、これからさらに注目されるようになると思いますので将来性は大いにあります。
健康運動指導士の独立について
健康運動指導士が独立するには、自ら営業活動をしてお客様との繋がりを持たないといけません。
そのため事業が上手くいくまでは時間がかかりますが、勤務先が決まっているわけではないので営業活動として行政や企業に行ったり、またはフィットネスクラブからの依頼を受けて運動指導を行ったりする事などができます。
そして順調に活動できれば勤務先で働いている健康運動指導士の人より多くの給料をもらうことも出来ます。
健康運動指導士の資格試験と合格率、試験への受験資格や給料まとめ
【スポーツ関係の資格をとるなら】
いかがでしたでしょうか?
健康運動指導士とはどう一体どういうものなのかといった基本情報から給料面や将来性までご紹介しました。
養成学校や養成講習会をしっかり受けてテキストの基本知識を繰り返し学べば合格率はかならず上がる資格試験ですので、勉強量を出来るだけ確保して効率より記憶する事が出来れば健康運動指導士になる事が出来ます。
また生活習慣病の増加や少子化・高齢化が進んでいる今、健康運動指導士はとても重要になってきておりますので、今後の給料や活躍の幅はどんどん広がっていくと思われますので非常に将来性がある資格です。