土地家屋調査士は不動産の「表示に関する登記」の専門家で、その年収は年齢や就業地域によって変わってきます。
独立開業する方や会社に勤務する土地家屋調査士の方など、働き方によっても年収は異なります。
今回は土地家屋調査士の平均年収や働き方ごとの年収を紹介します。
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土地家屋調査士の平均年収と初任給
日本土地家屋調査調査士連合会にとると、日本全国の土地家屋調査士の人口は2021年4月時点で16,141人、法人の数は441となっています。
地域や働き方によっても異なりますが、まずは平均年収や初任給を見ていきましょう。
土地家屋調査士の平均年収
具体的な統計はありませんが、土地家屋調査士の平均年収は、500万円~600万円と言われています。
2021年の国税庁「民間給与実態統計調査」によるとサラリーマンの平均年収は433万円であり、一般的なサラリーマンよりも高い年収になっていると言えます。
土地家屋調査士は国家資格であり独占業務が存在するため、専門性が高く基本的には年収が高めの傾向にあります。
また、土地家屋調査士は年齢が上がることに平均年収も高くなっていく傾向にあり、働き方によっても変わっていきます。
土地家屋調査士の初任給
土地家屋調査士の初任給は約20万円・年収は300万円前後とされていて、一般的な大卒の初任給とさほど変わりはありません。
しかし、経験を積みスキルを身に着けこなせる仕事の範囲が広がると、収入はアップしていきます。
土地家屋調査士として3年勤務するタイミングで「確定測量」という重要な仕事ができるようになり年収がアップすることが多く、責任のある仕事ややりがいも増えていきます。
現在募集中の土地家屋調査士の平均年収
例として、現時点で求人募集されている土地家屋調査士の仕事の平均年収を見ていきましょう。
「求人ボックス」に掲載されている土地家屋調査士の求人情報によると、正社員の平均年収は381万円となっています。
月給換算で32万円と、初任給と同じ程度の給料となっていますが、幅としては274万円〜620万円と広いため、経験のある方は土地家屋調査全体の平均年収を望むこともできるでしょう。
土地家屋調査士は求人数も安定しているため、就職先に困ってしまうことは少ないでしょう。
土地家屋調査士の年代構成・年代別年収・地域別年収
続いて、土地家屋調査士の年代や地域・性別平均年収を見ていきましょう。
まず土地家屋調査の年代構成ですが、以下のようになっています。
年代 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
20歳代 | 54人 | 0.3% |
30歳代 | 1,011人 | 6.1% |
40歳代 | 3,852人 | 23.4% |
50歳代 | 3,351人 | 20.3% |
60歳代 | 4,662人 | 28.3% |
70歳代 | 2,938人 | 17.8% |
80歳代 | 6725人 | 3.8% |
こちらは2020年4月時点の土地家屋調査士の年代別構成です。
土地家屋調査士は90%以上が40歳代以上の年齢となっていますがその幅は広く、年齢にとらわれず働けることがわかります。
年代 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
20歳代 | 21人 | 7.3% |
30歳代 | 83人 | 28.9% |
40歳代 | 124人 | 43.2% |
50歳代 | 40人 | 13.9% |
60歳代 | 15人 | 5.2% |
70歳代 | 3人 | 1.0% |
80歳代 | 1人 | 0.3% |
また、こちらは新しく土地家屋調査士に登録した方の年代ですが、約7割を30歳代、40歳代が占め、多くの方は社会人経験を積んでから土地家屋調査士になります。
土地家屋調査士の年代別の平均年収は?
各年代の人口が分かったところで、年代別の平均年収を見ていきましょう。
先ほども述べましたが、基本的に土地家屋調査士は年齢が上がるほど年収も上がる傾向にあります。
年齢 | 平均年収 |
---|---|
20〜24歳 | 428万円 |
25〜29歳 | 533万円 |
30〜34歳 | 585万円 |
35〜39歳 | 668万円 |
40〜44歳 | 750万円 |
45〜49歳 | 840万円 |
50〜54歳 | 900万円 |
55〜59歳 | 893万円 |
60〜65歳 | 608万円 |
参考:平均年収.jp
この表では年齢が上がるほど平均年収も上昇し、50〜54歳の年収が900万円と1番高くなっています。以降は減っていく傾向にありますが、それでも十分な収入を得ることができます。
このように、長く続けられる仕事として土地家屋調査士はとても人気がありますが、仕事内容はデスクワークだけでなく現場での実測など体力を使った仕事もあるので、体力的な部分も必要になっていきます。
土地家屋調査士の勤務年数ごとの平均年収
年齢が上がるほど平均年収が高くなる土地家屋調査士ですが、実務経験がなければ当然40、50歳代でもここまでの年収をいきなり望むことはできません。
初任給は上述の通り300万〜400万円程度で、3年ほど経つと500万円近くの平均年収となります。
勤務から3年経つとチームのリーダー的ポジションにつけるだけの仕事ができるようになり、平均年収は大きく上がります。
7年目からは700万円以上の平均年収となり、全体の平均を大きく上回る年収を得られるようになります。
土地家屋調査士の地域別年収
土地家屋調査士の仕事は全国どこでも必要とされており、地方だから生活できないということはありませんが、地域によってその平均年収は大きく変わります。
地域別の年収が高い順にランキングにするとこのようになります。
1位 | 東京都 | 1,050万円 |
---|---|---|
2位 | 大阪府 | 900万円 |
3位 | 神奈川県・愛知県 | 825万円 |
4位 | 福岡県 | 750万円 |
5位 | 北海道 | 675万円 |
参考:平均年収.jp
年収の高さでは、1位が東京都で2位は大阪府となっています。
人口が多く地価の高い東京都の土地家屋調査士の平均年収は、1,000万円を超えています。
都市部であるほど平均年収は高いですが、一方で都市部には土地家屋調査士の数も多く、人によって年収は大きく違うため一概には言えないでしょう。
土地家屋調査士の性別年収
土地家屋調査士の人口は約16,000人ですが、そのうち女性は約500人、3%程度しかいません。
そのため性別年収は母数の差が激しく、年収の比較は正確なものではないかもしれませんが参考として性別平均年収も見ていきましょう。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
20〜24歳 | 602万円 | 398万円 |
25〜29歳 | 619万円 | 483万円 |
30〜34歳 | 610万円 | 485万円 |
35〜39歳 | 630万円 | 564万円 |
40〜44歳 | 704万円 | 629万円 |
45〜49歳 | 802万円 | 718万円 |
50〜54歳 | 880万円 | 790万円 |
55〜59歳 | 872万円 | 783万円 |
60〜65歳 | 568万円 | 508万円 |
参考:平均年収.jp
土地家屋調査士は男女によって平均年収に大きな差がありますが、男性と同じように働き収入を得ている女性もいます。
依頼者が女性である場合は、土地家屋調査士も女性の方が安心できるケースもあり、需要も少なからず存在するでしょう。
士業はスキルを身につけ、独立も可能な職業であるため、年齢や性別にとらわれず活躍できる点が魅力です。
事務所や会社に所属する場合の年収
土地家屋調査士は、会社の社員として働くか独立開業して自分の事務所を持って働くという働き方があります。
また少数ではありますが、パートやアルバイトとして会社や事務所に勤務して働いている土地家屋調査士の方もいます。
まずは会社員としてやパート・アルバイトとして働く土地家屋調査士の平均年収を解説します。
会社・事務所勤務の土地家屋調査士の年収
会社員として働く土地家屋調査士の平均年収は、300万円~400万円と言われています。
基本的には独立開業する土地家屋調査士が多く、会社や事務所で会社員として働く期間は実績を積むための修行期間なので、高い年収や待遇は期待できません。
しかし、会社員として働く期間に経験を積み独立開業するための高いスキルを身に着けることができます。
また、会社・事務所の中で役職を上げていけば相応に年収も上昇し、部長クラスになれば1,000万円を超えることも可能でしょう。
パート・アルバイトで働く土地家屋調査士の平均時給
パート・アルバイトとして働く土地家屋調査士の平均時給は約1,000円が相場ですが、スキルを持っている土地家屋調査士の場合1,500円以上の時給をもらえる場合もあります。
パートやアルバイトとして働く場合、資格を生かしながら限られた時間を有効的に使い働くことができるので、仕事に使える時間が少ない方などが働きやすくなっています。
自営業として独立する場合の年収
独立開業し自身の事務所を持ち働いている自営業の土地家屋調査士の平均年収は、700万円~800万円と言われています。
自営業であれば仕事の報酬設定やどの案件を受けるかなど全て自分で決められるため、雇用されている時より自由な働き方ができ、1,000万円以上の年収も目指せます。
しかし自ら動かない限り仕事はこず、信頼関係が大切であるため営業や接客など、気を配らなくてはいけない部分は圧倒的に増えます。
土地家屋調査士は日本のどこでも開業しやすく、仕事がなくなることはないため独立して自営業としてやっていくのは一つの有力な選択肢でしょう。
自営業として開業する際にかかる費用
自営業として独立開業する場合、土地家屋調査士はおよそ300万円〜400万円ほどの開業資金が必要になります。
例えばCADソフトや車両、作業道具が必要となりますが、それまで土地家屋調査士事務所に勤めていた方は既に持っていたり、中古品を買うことで支出を抑えることもできます。
その他日本土地家屋調査士連合会への登録手数料25,000円や会費、名刺の作成代など多くの設備や準備、費用がかかります。
自営業土地家屋調査士のメリット・デメリット
自営業として働く一番のメリットは、やはり自身の裁量で仕事をすることができる点でしょう。
年収を上げたい方はバリバリ働き、そこまで必要でない方は仕事量を抑え自分の時間を増やせます。
デメリットは初めのうちは営業活動をしないと案件が来ないこと、土地家屋調査士以外の業務も行う必要が出てくることです。
しかしこれは土地家屋調査士に限らず全ての自営業者に言えることなので、独立したい方はこの辺りのスキルを身につけておくようにしましょう。
土地家屋調査士とは?
土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)は、不動産の表示に関する登記について調査や測量・登記を行う有資格者です。
土地や建物の所在・形状・床面積・利用状況などの調査・測量・図面の作成を行い、登記記録に反映させ申し込みの手続きなどを行います。
また、土地の境界に関して揉め事があった時などに行う手続きも土地家屋調査士の仕事となるので、法律の知識も必要な仕事です。
調査や測量などの技術面と法律関係の知識も必要になってくるので、資格取得の難易度は高くなっています。
土地家屋調査士になるには
土地家屋調査士になるには、年に1回行われる土地家屋調査士試験に合格する必要があります。
試験の合格率は8〜9%と低く、難易度の高い試験と言えるでしょう。
土地家屋調査士の試験は作図の問題が難関とされており、量が多い上に正確さが求められます。
記述式の問題は独学での対策が難しいため、土地家屋調査士試験に合格したい方は予備校や通信講座を利用した対策をおすすめします。
土地家屋調査士試験合格ならアガルートアカデミー
土地家屋調査士の最短合格を目指すなら、おすすめは通信講座アガルートアカデミーです。
アガルートは法律系国家資格をメインに扱う難関試験対策校で、高い合格率や豊富なサポート制度が評判の通信講座です。
最後に、アガルートアカデミー土地家屋調査士試験対策講座の特徴をご紹介します。
合格率が全国平均の6.56倍
アガルート受講生の令和5年土地家屋調査士試験合格率は63.41%。
なんと全国平均の6.56倍という合格率を誇ります。
3人に1人が合格しているわけです。
アガルートは高い合格率を誇っており、この実績の裏にはサポート制度の高さやカリキュラムの優秀さが伺えます。
サポート豊富で学習を継続できる
アガルート最大の特徴は、通信講座でありながら対人サポートをしっかりと受けられる点です。
例えば定期カウンセリングでは月に1回30分、アガルートの講師と直接電話で話すことができ学習状況の相談や悩みの解決を図れます。
さらに学習中の質問は24時間いつでもOKで、よくある悩みや最新の法改正などは月に1回動画で配信されます。
自分のペースで学習を進めながら直接講師と相談できるため、モチベーションの維持にもつながるでしょう。
測量士補とのダブル合格も狙える
土地家屋調査士の試験は、特定の資格を持っていることで一部免除を受けることができます。
その一つが測量士補の資格であり、多くの受験生はこれにより試験を免除して土地家屋調査士試験に臨んでいます。
アガルートでは土地家屋調査士試験と測量士補試験のダブル合格カリキュラムも用意されており、アガルートの測量士補試験の合格率はなんと92.41%。
圧倒的合格率で土地家屋調査士試験の最短合格を目指しましょう。
一発合格カリキュラム | 一発合格カリキュラム ライト |
ダブル合格カリキュラム | ダブル合格カリキュラム ライト |
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土地家屋調査士 講義内容 |
導入講座 合格総合講義 過去問解説講座 新・定規の使い方講座 [中山式]複素数計算 書式ひな形対策講座 実践答練 『法改正対策』過去問解説講座 直前予想模試 |
導入講座 合格総合講義 過去問解説講座 新・定規の使い方講座 [中山式]複素数計算 『法改正対策』過去問解説講座 |
導入講座 合格総合講義 過去問解説講座 新・定規の使い方講座 [中山式]複素数計算 書式ひな形対策講座 実践答練 『法改正対策』過去問解説講座 直前予想模試 |
導入講座 合格総合講義 過去問解説講座 新・定規の使い方講座 [中山式]複素数計算 『法改正対策』過去問解説講座 |
測量士補 講義内容 |
× | 測量士補 総合講義 3時間で抑える計算問題 3時間で抑える文章問題 実力診断模試 |
測量士補 総合講義 | |
フォロー制度 | ホームルーム 質問制度 |
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価格 | 338,800円(税込) | 272,800円(税込) | 393,800円(税込) | 327,800円(税込) |
多数のカリキュラム
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測量士補のダブルライセンスを狙えるダブル合格カリキュラム、初学者向けの一発合格カリキュラムが人気。
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土地家屋調査士の年収|まとめ
・土地家屋調査士の平均年収は500万円~600万円
・資格を取得し経験を積み、独立開業すれば年収1000万円以上稼ぐことも可能
土地家屋調査士になるにはさまざまな知識が必要とされ、国家試験の倍率も8~10%と難易度は高くなっていますが、土地家屋調査士の資格はとても価値が高く土地や建物が動き続ける限り必ず必要とされます。
年齢や地域によって年収は変わってきますが、独立開業している場合がんばり次第で年収1,000万円以上稼ぐことも可能です。
これから土地家屋調査士を目指そうと思っている方は、ぜひアガルートアカデミーで試験合格を目指してみてください。