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発達障害のセラピストってどんな仕事?役立つ資格も紹介!

更新日:2019-10-03

発達障害のセラピストってどんな仕事?役立つ資格も紹介!

セラピストとは、セラピー(薬や手術以外での治療法)を施す人のことを指します。

セラピーには様々な種類がありますが、その中でも特に発達障害の治療を専門とする「ABAセラピスト」という仕事があります。

今回はABAセラピストの仕事内容や有効な資格、勉強のポイントについてご紹介します。

発達障害のセラピスト(ABAセラピスト)は、応用行動分析学を用いて発達障害の子どもを治療する仕事です。

発達障害とは?

発達障害とは

はじめに、発達障害とは何かについて確認してみましょう。

文部科学省によると、発達障害は「発達障害者支援法」によって、以下のように定義されています。

「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」

出典: 文部科学省Webページ

発達障害は後天的に発生するものではなく、生まれつきの脳機能の発達のかたよりによって生じるものです。

発達のかたよりによって得意・不得意なものに凸凹(でこぼこ)があり、さらに見た目からは障害の有無が分かりません。そのため、「うまくできないこと」によって周囲との人間関係で問題が発生しやすくなります。

また、発達障害の特性の一つであるコミュニケーションの障害感覚過敏などにより社会生活に適応できず、うつ症状などの二次障害を併発することもあります。

主な治療法

現時点では、残念ながら発達障害を根本的に治す治療法はありません。

治療の目標は、学校や家庭での困難の悪循環が好転すること、それにより当事者がより良い社会生活を送れるようにすることにあります。

発達障害の治療法には、大きく分けて「お薬による治療」と「支援」の二つがありますが、ここでは「支援」の内容についてご紹介します。

支援について大まかに分けると、以下のようになります。

環境調整…子どもが目的や課題に集中しやすい環境を整える
ソーシャルスキル・トレーニング…当事者が集団行動や非言語的コミュニケーション、自己コントロールなどを学ぶ
ペアレント・トレーニング…保護者が発達障害をもつ子どもへの理解を深める

これらの支援を効果的に行うための手法の一つとして注目されているのがABAセラピーです。

ABAとは「応用行動分析学(Applied Behavior Analysis)」を表します。

この理論をもとにしたセラピーを発達障害の子どもに施す仕事が、今回ご紹介する「ABAセラピスト」です。

発達障害セラピスト(ABAセラピスト)の仕事内容

それでは、ABAセラピストの具体的な仕事内容を見てみましょう。

施術する

ABAセラピーでは、発達障害の子どもの行動を分析し、一人ひとりのニーズに合わせた個別の指導を行っていきます。

一例として、発達障害の子どもの行動のうち、望ましい行動と抑えたい行動(問題行動)があったとします。

望ましい行動には、褒めたりご褒美をあげたりすることでその行動を強化していき、子どもが適切な行動を取りやすくします。

逆に問題行動に対しては、あえて関わりを持たないようにしたり、適切な行動のためのヒントを与えることで、問題行動を抑えていきます。

子どもがうまく言葉を発することができないケースもあります。その場合は言葉の代わりにジェスチャーを教えたり、専用の教材を用いるなどして、言葉以外のコミュニケーション方法も教えていきます。

保護者でも行えるプログラムの作成

ABAセラピストの仕事は、子どもに対する施術だけではありません。

子どもの保護者が家庭の中でもABAセラピーが行えるように、子ども一人ひとりの特性に応じたプログラムを作成することもあります。

専門家による正しいマニュアルさえあれば、保護者でもABAセラピーが可能とされています。

子ども一人ひとりの問題を正しく把握し、家庭でも施術可能かつ適切なプログラムを作成するのもABAセラピストの重要な仕事の一つです。

どんな人がABAセラピストに向いているか

ABAセラピスト

ABAセラピストはコミュニケーションに問題を抱える子どもと直に接する仕事です。

子ども一人ひとりの特性を見抜く観察力と、辛抱強くコミュニケーションを続けるための忍耐力が求められるでしょう。

さらに、発達障害のセラピストとしての専門知識だけでなく、子どもの個性・特性を尊重して前向きに問題改善に取り組む姿勢が大切です。

また、発達障害の子どもを持つ保護者とのやり取りも密に発生するため、子どもだけでなく保護者とも良好な関係を築いていく必要があります。

行動分析を勉強して得た専門知識を活かしつつ、子どもや保護者の心に寄り添ったケアをしていきたいと考えている人には、ABAセラピストが向いているかもしれません。

ABAセラピストの役立つ資格

ABAセラピストとして働くにあたり、必須の資格というものはありません。

しかし、取得すると役立つ資格がいくつかありますのでご紹介します。

ABA国際資格(BACB)

アメリカで設立された行動分析士認定協会(BACB)が認定する国際資格です。

BCBA-D(協会認定行動分析士・博士)、BCBA(協会認定行動分析士・修士)、BCaBA(協会認定準行動分析士)、RBT(登録行動テクニシャン)と4つのレベルが設けられています。

各レベルに応じて心理学や教育学、行動分析学の修士号などが必要とされています。

また日本語での試験は現時点では行われていないため、日本人がこれらの資格をゼロから勉強して取得するのは難易度が高いと予想されます。

取得を狙う場合は、各レベルの試験資格の要件をしっかりと調べ、要件を満たせる教育機関に入学するところから始めましょう。

認定ABAセラピスト(Together)

Together合同会社(富山県富山市)が認定する資格です。

BACB認定の国際資格であるRBT(登録行動テクニシャン)と同難易度に設定されていますが、BACBの試験と異なり筆記試験も含めて全て日本語で受験可能な点が特徴です。

講習・筆記・実技試験を経て資格認定されます。

認定ABAセラピストの在籍する事業所は、様々なサポートが受けられるTogether提携事業所として登録することができます。

初級ABAセラピスト(ADDS)

特定非営利法人ADDS(東京都新宿区)が認定する資格です。

「応用行動分析(ABA)の基礎的な理論を理解している」かつ「専門家やスーパーバイザーがお子さんの発達に合わせて構成した課題にそって、ABAに基づいた個別指導を行う知識と技能を有する」ことを証明するものとされています。

養成研修・認定試験・フォローアップ研修を経て資格認定され、認定後はADDSの認定セラピストとして活動することができます。

ABA療育支援員(つみきの会)

NPO法人つみきの会(兵庫県明石市)が認定する資格です。

この法人が主催する養成講座を受講し、筆記・実技試験に合格すると仮認定とされます。

その後、所定の講習会に参加して二次試験に合格すると「ABA療育支援員」として正式認定とされます。

資格認定されると各地の定例会や講習会に参加して指導を受けることができます。

就職する方法

発達障害のセラピストとして働く場合、発達障害の子どもの療育事業を手掛ける企業に就職するのが一般的です。

そういった企業の求人を探すことから始めてみましょう。

また、別の職種から転職して発達障害のセラピストになる場合、下記の職種だと歓迎されたり、優遇されたりするケースがあるようです。

特別支援学校教諭、言語聴覚士、作業療法士、臨床心理士、保育士、ソーシャルワーカー、スクールカウンセラーなど

発達障害のセラピストのまとめ

今回は発達障害のセラピストであるABAセラピストについてご紹介しました。

アロマやボディといった一般的なセラピストと異なり、ABAセラピストはまだ知名度があまり高くないかもしれません。

しかし、発達障害に悩むお子様と保護者の双方にとって強い味方になれるため、やりがいのある仕事であることは間違いありません。

勉強して得た専門知識をセラピーに活かしたい方は、検討してみてはいかがでしょう。