人々の身体を癒やし、整えるイメージのあるセラピスト。
資格なしでもセラピストになれ、開業したり就職したりできるのでしょうか?
セラピストの仕事内容や開業にあたっての注意点などを今回は詳しくアドバイスします。
セラピストは資格なしでもなることができます。ただし、専門の技術と知識を身につける必要があります。
「セラピスト」ってどんな職業?
「セラピスト」とは、心や身体を様々な方法で癒す職業に就いている人のことを指します。
「カウンセラー」と混合されがちですが、心理学の専門知識を持ちカウンセリングを行いながら悩みを抱えている人をサポートするカウンセラーに対し、セラピストはアロマを使用したり直接体に触れるなどの施術を通して人々を癒します。
とはいえ「セラピスト」は資格なしでもなることができ、かつ明確な定義は無いため、その境界は曖昧です。
今回は「アロマセラピスト」や「ボディセラピスト」などのセラピストについて解説します。
どんな人に向いているの?
セラピストという仕事はどのような人に適性があるのでしょうか。
やはり一番は「人を癒すことに喜びを感じる」性格かどうかが大切です。
次いで「人と接することが好き」な人もセラピストに向いていると言えるでしょう。
お客様にはいろいろな人がいます。
例えば、セラピストと話すことに癒しを感じるお客様や、できるだけ黙って施術を受けたいと思っているお客様。
自分がやりたいことを主体にするのではなく、お客様それぞれの癒しポイントを見つけながら、その人に合う施術をおこなうことが相手の癒しに繋がるのです。
また、マッサージなどをおこなう場合は「心地よい」と思う箇所もひとそれぞれ。
お客様や状況に応じて臨機応変に対応できれば、人気のセラピストになれるでしょう。
資格なしでもセラピストになれるって本当?
前述のように、セラピストは特定の資格なしでも名乗ることができます。
ただし、専門の知識や技術は必ず必要となりますので頭においておきましょう。
資格なしでもなれはするものの、専門知識を勉強するきっかけとして、また、自分の知識を証明するために何らかの民間資格を取る方が多いです。
資格を持っておいたほうが就職や集客に有利なのはもちろん、お客様に安心感を与えられる材料にもなります。
人の体や心に触れる仕事なので、しっかりとした知識や技術を身に着けておきたいですね。
セラピストの1日
セラピストの1日のスケジュールは雇用形態によって大きく異なります。
ここでは、10時開店のサロンに勤めるセラピストのスケジュール例をご紹介します。
開店前 / 開店一時間ほど前に出勤し、店内の掃除や当日使用する備品(タオルやアロマオイルなど)を準備する。
看板やポップを店外へ出す。その日の予約や担当をミーティングで確認する。
開店時間 / サロンオープン。接客や会計などの業務をおこなう。
休憩 / 開店から閉店までの間、お客様が途切れた時などに各自休憩を取る。
閉店時間 / その日の売り上げを計算し、業者に委託していない場合はタオルなどを洗濯する。
翌日の予約の確認・出勤者の確認をおこない、お店を締めて帰宅。スタッフ同士で施術の練習をする場合も。
休日 / アロマセラピー関係の資格を取得するための勉強をしたり、技術向上のための研修を受けたりする。
これはほんの一例ですが、セラピストとしての接客だけでなく店舗運営に関わる業務を一通りおこなう店舗がほとんどです。
また、基本的には土日出勤で休みはシフト制で決まることが多いようです。
就職するか、開業するか
セラピストとして働くには、大きく分けて2パターンがあります。
一つは、サロンへ就職するパターン。そしてもう一つは、開業して自分のサロンを開くパターンです。
サロンへ就職する場合
雇用条件にもよりますがサロンへ就職した場合はある程度の安定した収入が見込めますし、営業に費やす時間は自分で開業する場合に比べれば少ないでしょう。
ただし、雨の日や新規開店時などは街中でチラシを配らなければならないとする店舗もあります。
資格なしでもセラピストは名乗れますが、他のサロンへ就職する場合は民間資格の有無やある程度の業務経験を求められることが多いです。
独立開業する場合
自ら開業する場合は自分自身で営業時間、接客する人数などを決められるため自由度は高いです。
ただし、お客様が来ない場合には全て自分の責任になるため、お店が軌道に乗るまでは営業に多くの時間を割かなければならないという事を念頭においておきましょう。
より多くのお客様に来ていただくには信頼感が大切ですので、資格なしの状態よりもいくつかの資格を取得しておいたほうが好ましいです。
開業するにあたっての注意点
サロンを自分で開く場合には、施術をおこなう場所を確保しなければなりません。
主に自宅サロンやレンタルサロン、店舗を契約するケースが考えられますが、それぞれのメリットと注意点の一例をご紹介しておきます。
自宅サロンの場合
自宅サロンの場合、賃貸料などの固定費を抑えられるのが一番の魅力です。
それを施術代にも反映しやすいため、メニューの料金を比較的低価格にできるでしょう。
施術する部屋の広さを確保できれば、子連れの方でも気軽にご来店いただけるような環境も整えやすくなります。
デメリットとしては、繁華街に自宅がない場合お客様が来にくいということ。
そして、広告などを打つ際には住所を明記しなければならない為、不特定多数の方に自宅の住所を知られてしまうという事が挙げられます。
また、賃貸物件にお住まいの方は、契約上業務用に使えないというケースがほとんどです。
あらかじめ貸主に確認をしておきましょう。
レンタルサロンの場合
開業資金が少ない方でも比較的開業しやすいのがレンタルサロンです。
月極と時間貸しの契約が主で、場所によっては備品を貸し出してくれるところもあります。
また、駅近くにある場合が多いためお客様が来店しやすいのもメリットです。
デメリットとしては時間貸し契約の場合、満室で借りたいときに借りられないという事態が起こりかねない点。
また、内装を自分好みに変えられないという点でしょう。
レンタルサロンによって料金体系や貸し出す備品の種類が異なるため、事前によく調べてから契約しましょう。
店舗を賃貸契約する場合
サロンの開業が可能な賃貸物件なら、契約の範囲内で自分好みの店舗づくりをおこなえます。
またブランディングがしやすいため、自分の理想の店舗を展開していきやすいでしょう。
職場と住居を分けることで仕事とプライベートの区別もつけやすいため、固定費を払っても良いならばかなり良い環境だと言えます。
ただし、サロンを開いて良いという契約だったとしても、不特定多数の方が物件へ立ち入ることになるため近隣住民とトラブルが起きたり、サロン名をドアやポストに掲示してはいけない等の条件を貸主から提示される場合があります。
何が良くて何がダメなのか賃貸契約をしっかりと確認しておきましょう。
また、どの形態で開業するにしても、個人事業主の開業届を税務署に出すなどの手続きが必要となります。
後々困ったことにならないよう計画を立てた上で開業するのが大切です。
セラピストについてのまとめ
セラピストは資格なしでもなれるのか、仕事内容や就職先、開業についてまとめました。
資格なしでもセラピストは名乗れますが、ある程度の責任を伴う仕事です。
就職したり開業をしたりする際は、セラピスト用の保険に加入しておくことをオススメします。
セラピストを目指す方は、今回の記事を是非参考にしてくださいね。