通信制高校のメリットとデメリットを徹底比較!新型コロナでも通信制高校なら大丈夫! 更新時間 2022.10.24
新型コロナウイルスによって、私たちを取り巻く生活環境や働き方は大きく変わりました。
しかしそれは大人だけに限らず、高校進学を迎える子どもも同じです。
「高校へ進学したとしても毎日学校へ行けるのか?」
「出席日数が足りずに留年するかも・・・」
このような悩む抱えながら高校を選ばなくてはならず、進学に対して後ろ向きになっている家庭も少なくないでしょう。
そんなコロナ禍の進学先として人気を集めているのが、毎日の登校が不要な「通信制高校」です。
本記事では、通信制高校が人気のワケと、通信制高校の進学するメリット・デメリットを解説したいと思います。
新型コロナによる不登校児童の増加問題
新型コロナウイルスは強い感染力を持っているため、「感染するリスク」と「周囲にうつしてしまうリスク」という2つの問題が存在します。
コロナという病に関して、まだまだ未知な部分があるということで、「我が子を感染させたくない」という保護者は当然のことながら少なくありません。
また子どもが感染することで家族全員が隔離になり、仕事や日常に影響を及ぼしてしまうことも、子どもを不登校にする原因の1つです。
ワクチン接種は広がりつつあるものの、100%感染しないとはいえないため、日常が取り戻せるのはまだまだ先になるでしょう。
コロナ禍で通信制高校が人気の理由
コロナ禍の影響を受け、多くの学校でオンライン授業が開催されました。
しかし突然の学習スタイルの変更に、子どもたちだけでなく先生たちも慣れておらず、また回線の問題もあって継続されていない学校も数多くあります。
そんな中、オンライン授業を以前から実施していた通信制高校に注目が集まり、ここ数年で生徒数が増加しているようです。
文部科学省の調査によれば、2021年度の通信制高校の生徒数は21万8,423人になり、前年度から1万1,480人も増加していることが分かりました。
コロナ感染のリスクや「3密」を避けられる通信制高校の需要は、今後も高まっていくことが予測されます。
コロナ禍における通信制高校のメリット
オンライン授業以外にも、通信制高校へ進学するメリットはたくさんあります。
ここでは、以下の4つのメリットについて詳しく解説していきます。
- 1.オンライン授業でマイペースに勉強を進められる
- 2.不登校サポートが手厚い
- 3.入試に学力試験がない
- 4.学費が安くお金の不安を解消できる
オンライン授業でマイペースに勉強を進められる
先述した通り、通信制高校の多くがオンライン授業を導入しており、週1日〜や年数回のスクーリングで卒業できる仕組みになっています。
通信制高校と全日制の大きな違いは、「学年制」を採用している全日制に対し、通信制高校は「単位制」を導入している点です。
通信制l高校の場合、1年間に必要な単位を生徒自身が決められるため、全日制のように留年する心配がありません。
通信制高校を卒業するための条件は、以下の3つです。
- 1.必履修科目を含む74単位以上の単位取得
- 2.36ヶ月以上の在籍期間
- 3.30単位時間以上の特別活動
また転入・編入のどちらでも、以前の学校で習得した単位を引き継げるケースもあり、自分のライフスタイルに合わせて勉強を進めることができます。
不登校サポートが手厚い
通信制高校を選ぶのは、小・中学時代に不登校だったり、高校で学校に行かなくなったりした生徒が多いです。
そのため社会福祉士や心理カウンセラーなどの資格を持った専門家が常駐し、精神的なサポートに力を入れています。
生徒同士のコミュニケーションを支援してくれたり、授業の遅れをカバーしてくれたりと、状況や症状に合わせた個別対応も特徴の1つです。
全日制では出席日数が不足したり一定の学力を満たしていなかったりすると、留年になってしまい、同じ学年をもう1度やり直さなくてはなりません。
一方で、通信制高校は通学の回数も少なく、自宅などのリラックスできる場所で授業が受けられるので、不登校に悩んでいる生徒も安心して学習できます。
入試に学力試験がない
全日制高校へ入学するには、公立は5科目、私立は3科目の試験を受ける必要があります。
また定時制も国語・英語・数学の試験があり、ともに4月のみの入学となっているのが特徴です。
そのため自分の学力に見合った高校を受けるしかなく、無理してレベルの高い高校へ入っても、授業についていけず学業不振になってしまう生徒も少なくありません。
一方で、通信制高校の入試には学力試験がなく、ほとんどが面接や作文のみで入学が決まります。
また入学時期は4月に限定されておらず、学校によっては通年入学OKの高校もあります。
近年は私立の通信制高校の人気が高く、「個別指導」「少人数制指導」「科目別指導」などが充実しており、不登校だった時期の勉強を取り戻すことも可能です。
中には完全マンツーマンで大学進学を目指せる通信制高校もあり、全日制・定時制にはない手厚いサポートが魅力です。
学費が安くお金の不安を解消できる
全日制高校と比較すると、通信制高校の学費は安いケースが多いです。
通信制高校の学費について詳しく知りたい方は是非「通信制高校の学費の平均はいくら?学費が安い学校や無償化制度について解説!」を参考にしてみてください!
そのため、金銭的な問題で進学を諦めている方もチャレンジしやすく、コロナ禍によるリストラや不安定な収入の家庭を助けてくれるでしょう。
公立の全日制であれば、3年間でも12万円ほどで卒業することが可能です。
しかし個別授業やITを活用したサポート体制を整えている私立の学校は、場合によっては全日制よりも高いケースがあります。
以下は、全国の通信制高校の学費平均で、公立と私立を比較しています。
(※金額は当社で調べた目安になり、学校やコース、都道府県によって異なります)「とにかく学費を安く済ませたい!」という方は、公立の通信制高校に限るでしょう。
通信制高校を選択したときのデメリット
通信制高校には、コロナ禍でも安心して学習できるメリットがたくさんあることが分かりました。
しかし進学を決める上では、通信制高校のデメリットも把握しておくことが重要です。
ここでは、以下の3つのデメリットについて詳しく解説していきます。
- 1.自己管理ができないと単位を取得できない
- 2.通信制高校に対して偏見を持った人もいる
- 3.友人や先生との関わりが少ない
自己管理ができないと単位を取得できない
通信制高校の学習スタイルは、「自主学習」が基本です。
そのため、自分で計画を立てて勉強し、日々のレポートやスクーリングに向けた取り組みが必要になります。
勉強に対する意欲がなければ、卒業するまでに何年もかかったり、途中で挫折してしまったりするでしょう。
通信制高校で卒業資格を得るには、「絶対に卒業する!」という意欲が必要不可欠です。
自己管理に自信がない方は、個別授業やフォロー体制が充実している学校を選ぶようにしましょう。
通信制高校に対して偏見を持った人もいる
少子化に逆らって、通信制高校に進学する生徒は急激に増えています。
しかし知名度が高くなる一方で、「通信制は全日制に通えない生徒が行く学校」という偏見が根強く残っているのも事実です。
通信制高校に通う生徒の中には、不登校やいじめ問題を抱えた人もいますが、「目標」や「夢」を叶えるために通信制を選んだ生徒もたくさんいます。
プロスポーツ選手を目指す学生や、タレントやアイドルとして芸能活動している学生なども多く、専門的な分野の学習も盛んです。
「全国に友だちができた」
「周囲より早く美容師の資格をとった」
このように、通信制高校に通った経験を前向きに捉える生徒も多いので、周囲の目を気にしすぎないよう注意しましょう。
友人や先生との関わりが少ない
通信制高校は登校日が少ないという特性があるため、友だちや先生と過ごす時間は当然のように少なくなります。
また体育祭や文化祭などの学校行事は必要最低限しかなく、高校生活を満喫できないと感じる生徒もいるようです。
毎日友だちと顔を合わせる全日制や定時制高校と比較すると、新しい友だちが出来づらい環境と言えるでしょう。
しかし近年は週5日の通学コースを用意している学校も多く、全日制と同じようにキャンパスライフが楽しめるようになっています。
また同じ悩みを抱える人がたくさんいるので、何でも話せる友だちや気の合う友人に出会えるチャンスにも恵まれています。
通信制高校のメリット、デメリットについてさらに詳しく知りたい方は是非「今知っておくべき!通信制高校の現実|8つのメリットとデメリット」を参考にしてみてください!
新型コロナが不安なら通信制高校を選ぼう
新型コロナの影響で、通信制高校が人気になった理由について解説しました。
また通信制高校に進学するメリット・デメリットについても、深く理解できたと思います。
通信制高校はオンライン授業やITを活用した学習サポートが行き届いており、最低限の登校日数で高校を卒業できるのが魅力です。
「体調管理シート」や「マニュアルに基づいた感染対策」など、コロナ対策を徹底している学校もたくさんありますので、気になる学校があれば問い合わせて話を聞くのもいいかもしれません。
感染リスクや経済的な悩みを軽減するためにも、通信制高校に目を向け、広い目で高校進学を検討するようにしましょう。
通信制高校にはどんな人が通っているのか詳しく知りたい方は是非「通信制高校には普通の子もいるの?」を参考にしてみてください!