高校に行きたくない理由!不登校にしてしまう行動

高校に行きたくない理由!不登校にしてしまう行動

高校に行きたくない理由!不登校にしてしまう行動

「高校に行きたくない」と言われたら、動揺しない親はいません。

「不登校になったらどうしよう」「高校を卒業できなかったらどうしよう」と不安になり、戸惑ってしまうのは当然のことです。

そのことを前提にまずは肩の力を抜いて、お子さんのために親は何ができるかを考えてみましょう。

本記事では、子どもが高校に行きたくない理由や親の対処法、やってはいけない親の行動を徹底解説します。

【2023年最新】高校生の不登校データ

【2023年最新】高校生の不登校データ

文部科学省による最新のデータでは、高校生の不登校生徒はおよそ5万人でした。

  令和2年度 令和3年度
長期欠席者数 80,527人 118,232人
不登校生徒数 43,051人 50,985人
不登校生徒の割合 1.4% 1.7%

文部科学省の不登校の定義は、以下の通りです。

『何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの』

また長期欠席者は、4月1日から翌年3月31日の1年間に通算30日以上欠席した児童・生徒を指しています。

不登校の割合は、60人に1人程度の生徒が不登校になっています。

つまり、2クラスに1人くらいです。

しかし本データには「年間欠席が29日以下の生徒」「発達障がいで学校が苦手な生徒」「高校を中退した生徒」は含まれていません。

これらのケースを加算すると、不登校予備軍や中退を考えている生徒は、長期欠席者数よりも多いことが考えられるでしょう。

高校に行きたくない理由トップ10

高校に行きたくない理由トップ10

子どもが不登校になってしまう原因を知るために、高校に行きたくない理由について考えてみましょう。

文部科学省のデータをもとに、高校に行きたくない理由を10個まとめました。

  • 無気力
  • 授業についていけない
  • 進路への不安
  • 不規則な生活
  • 新しい環境に適応できない
  • 友人や先生との問題・トラブル
  • いじめ
  • 家庭の事情
  • 部活動での悩みやストレス
  • 遊びや非行

無気力

高校生が不登校になる理由の多くが「無気力」です。

本来ならば、何かに夢中になったりのめり込んだりして、友だちとの交流も盛んな時期。

しかし意欲が乏しく、すべてが「面倒くさい」と感じる子どもが増えているようです。

無気力タイプの心の根底には、「自分に自信がない」「何かに挑戦しても失敗するのではないか」との不安や悩みが隠されていることもあります。

親としても解決の方法が見つからず、苦労するケースの1つです。

授業についていけない

学校の授業についていけなくなって、不登校になってしまうケースもあります。

周囲についていけなくなって勉強を放棄してしまい、さらに沼に陥ってしまうようなパターンです。

中でも、無理してワンランク上の学校に入学した生徒によくみられます。

進路への不安

将来への不安が子どもを追いつめ、学校に行けなくなるパターンもあります。

「今の学力では志望大学はむずかしいと言われた」
「やりたいこともなく自分の将来が見えない」

そういう子どもが誰にも相談できず、学校に行くことに不安や恐怖を覚えて不登校になってしまうケースです。

進路に関する問題は、親や教師がアドバイスをしても、本人が納得しなければ解決には至りません。

不規則な生活

現代社会は、子どもにとって面白いもの、楽しいものでいっぱいですよね。

スマホがあれば何時間でもひまを潰せるし、知らない人と交流だってできます。

ゲームに夢中になって徹夜して学校に行くケースもまれにございます。

そういった不規則な生活をしている内に昼夜逆転してしまい、朝起きられなくなってそのまま不登校……というパターンも少なくありません。

スマホは依存性が高く、成績が落ちても手放せない、触っていないと不安になるというような「スマホ依存症」も社会問題です。

とくに中高生は依存傾向が高く、心療内科のお世話になるような子どもも増えています。

新しい環境に適応できない

転職や異動で大人が緊張するように、子どもも新しい環境に抵抗を示します。

「時間が解決してくれる」「子どもは順応性が高いから大丈夫だ」と考える人もいるようですが、現代の子ども社会は単純なものではありません。

「新しいクラスメイトと親しめない」「学校に友だちがいない」というのは、子どもにとって非常に辛いことです。

特に中高一貫校に高校から入学した子どもは、友だちづくりに苦労するという話も耳にします。

引っ込み思案や口下手な子どもは、新しい環境に馴染むのに時間がかかり、精神的に疲れ果て不登校になってしまうんです。

友人や先生との問題・トラブル

友人関係のトラブルや、先生と相性が悪いという理由で、不登校になるケースは非常に多いです。

とくに気の強い子は自分の意見を通そうとして、友人とケンカになってしまうことがよくあります。

反抗期真っ盛りという状況も重なり、周囲にイライラしたり、些細なことで傷ついたりしてしまうケースも少なくないでしょう。

こういったストレスから人間関係に疲れ、不登校になってしまうケースもあります。

いじめ

不登校の中でも深刻な問題がいじめです。

いじめといっても、暴力や嫌がらせのように目にみえる行為とは限りません。

近年増えているのがネットでのいじめで、親や教師が関与できないケースが増えているんです。

周囲が気付きにくいこともあり、子どもは一人で問題を抱え込んでしまいます。

「誰にも助けてもらえない」という状況に耐えきれず、不登校になってしまう子どもも多いでしょう。

家庭の事情

家庭内の不和、生活環境の急激な変化に耐えきれず、不登校になる子どももいます。

親の離婚やリストラ、再婚、引越しなど、理由はさまざまです。

「誰にも相談できない」といったストレスや孤独から逃避するため、不登校を選択してしまいます。

また「自宅にも居場所がない」と悩み、学校が終わるまで公園などで時間を潰している子どもも少なくないようです。

部活動での悩みやストレス

最近は少なくなりましたが、ひと昔前までは部活動は全生徒強制でした。

特に体育会系の部活動は顧問も厳しく、指導がエスカレートしてしまうこともあります。

部活での暴力行為がメディアで批判され、今はいき過ぎた指導も少なくなったように思います。

しかし言葉の暴力や特定の生徒に対するひいき、先輩との関係性など、まだまだ問題はあるようです

「部活を辞めたくても辞めさせてくれない」「先輩が怖くて部活に行きたくない」といった悩みから、不登校という選択肢を選んでしまう子もいます。

遊びや非行

高校生になると、一気に活動範囲が広くなりますね。

親に内緒でこっそりバイトをしたり、SNSで知り合った人と仲良くなったりして、遊びや非行を覚えてしまうことがあります。

高校生らしい思春期ならではの行動ですが、それが不登校になるのは困った問題です。

非行に走って補導されるケース、犯罪に手を染めてしまうケースも考えられます。

また夜遊びで朝起きられない、そもそも家に帰って来ない、ということも起こりがちです。

高校生活に疲れている方は、高校しんどい!しんどい時こそ通信制高校をご覧ください。

高校に行きたくないと言われたときの親の対応

高校に行きたくないと言われたときの親の対応

「学校に行きたくない」と言いだしたら、不登校になる前ぶれかもしれません。

そんなとき、親としてはどう対処したらいいのでしょうか?

我が子を不登校にしないよりも前に、親が心掛ける対処法を紹介します。

学校に行かないのは悪いことじゃないと伝える

最初に考えるべきは、学校に行きたくないのは「サボり」や「なまけ」ではないということです。

先述したように、子どもはさまざまな問題を抱えて苦しんでいることを理解しましょう。

高校生にもなれば、親に弱さを見せたり悩みを打ち明けたりするのは、相当の勇気が必要です。

親の不安な気持ちは一旦しまって、まずは子どもの気持ちを優先して考えましょう。

「学校に行かないことは悪いことではないんだよ」と伝えてあげるだけで、お子さんは安心できるはずです。

しっかりと休息をとる

昔と今とでは、子どもを取り巻く環境は大きく変わりました。

大人は、子どもの疲れを見逃さないよう注意しなくてはなりません。

「LINEの返信が5分遅れただけで翌日からシカトされた」というのは、最近の女の子の間ではよく聞く話です。

「不登校なんかダメ!」と無理やり学校に連れて行くのではなく、まずは休息を与えてあげてください。

学校でも家でも安心できる居場所がないと、子どもはますます心を閉ざしてしまうかもしれません。

子どもの心に寄り添う

「何で学校に行きたくないの!」「他の子は行っているのに何が不満なの?」と問いただしていませんか?

質問攻めやお説教で子どもを追い詰めるよりも、子どもの心に寄り添うことを心がけてください。

親子の信頼関係を深めるためにも、まずは子どもの話に耳を傾け共感することが大切です。

子どもを信じていれば、そのうち心を開いて、学校に行きたくない原因を話してくれるかもしれません。

学校や担任の先生に相談する

子どもが不登校になったら、学校や担任の先生と情報を共有しましょう。

担任教師が状況を把握している可能性もありますし、問題次第では学校で対処してもらえるかもしれません。

ただし注意してほしいのが、「学校にすべてを解決してもらおう」と考えないことです。

先生は不登校やいじめ問題の専門家ではありません。

また担任が家庭訪問に来るケースもありますが、プレッシャーに感じてしまう子もいることを理解しておきましょう。

クリニックや専門機関に相談する

学校に行きたがらない理由として、不安症や適応障がい、うつ病を発症しているケースも考えておかなくてはいけません。

また学校生活での不安や不満を解消するため、過食や拒食に走ってしまう子どももいます。

医療機関にかかることに強い抵抗を示すかもしれませんが、一度クリニックや専門機関に相談することをおすすめします。

どうしても行きたくない場合は無理強いせず、まずは親御さんだけで伺いましょう。

医師に子どもの状況を話して、間接的にカウンセリングを受けることもできます。

親が動揺しない

子どもにとっての親は、自分を守ってくれる揺るぎない存在です。

しかし自分のせいで動揺したり、悩んでいたりする様子を見て、「悪いことをしてしまった」と自責の念にかられてしまうかもしれません。

親として気持ちが落ち着かないのは当然ですが、何ごとも焦りは禁物です。

まずは肩の力を抜いて、「学校以外にも居場所をつくってあげよう」「学校以外の選択肢にも目を向けよう」と、広い視野で考えましょう。

通信制高校について知りたい方は、通信制高校とは?わかりやすく徹底解説!をご覧ください。

我が子を不登校にしてしまう親の行動とは?

我が子を不登校にしてしまう親の行動とは?

子どもが「高校に行きたくない」と言い出したとき、つい取りがちな親の行動について紹介します。

どれもありがちな行動なので、ぜひ一度目を通しておいてください。

高校に行きたくない理由を無理に聞こうとする

これは不登校の子どもに対して、ほとんどの親がやってしまうことではないでしょうか。

「いじめにあっているのか?」「トラブルに巻き込まれているのか?」

親としては心配でたまらないからこそ、理由を聞きたくなるものです。

しかし子どもは「うまく言えない」「今は言いたくない」という状況かもしれません。

一刻も早く原因を知りたい気持ちは分かりますが、子どもから言い出すまでは問い詰めないようにしましょう。

どうにかして学校に行かせようとする

無理やり車に乗せて学校に連れて行ったり、校舎に入るまで見守っていたりする親がいますが、これも逆効果です。

子どもが勇気を出して「学校に行きたくない」と言ったにも関わらず、その意志を尊重せずに無理やり学校に連れて行かせたりしてはいけません。

自ら「学校に行きたい」という気持ちが芽生えるまでは、そっとしておいてあげましょう。

親の意見や理想を押し付ける

親は子どもに、自分の理想や期待を押し付けがちです。

そして子どもは、親の期待に応えようと頑張ります。

真面目な子ほど「親に喜んでほしい」と無理をして、心や体調を崩してしまう危険があります。

そんな状況で不登校になると、「親の期待に応えられない」と感じ取り、自分を追い込んで悪化してしまうこともあります。

親として意見を伝える前に、「自分は子どもの理想の親になれているのか」と考えることも大切です。

世間体を気にする

子どもの状況や気持ちよりも、周囲の目を気にする親御さんも少なくありません。

世間体を気にして「学校に行きなさい」というのは、子どもの心を傷つけてしまうだけです。

「周囲の目」と「子どもの心」、どちらが大事でしょうか?

世間体やプライドは、お子さんのためにはならないので注意してください。

将来がダメになると脅す

「このままだと将来立派な大人になれないよ」「ずっと逃げて生きていくつもり?」など、子どもを脅して責めてしまうこともすくなくありません。

確かに引きこもりになったり、不登校が続いたりすると、親として子どもの将来が心配になる気持ちも分かります。

しかし考えるべきは、子どもの将来よりも「今」です。

将来に対して一番不安なのは、子ども自身だということを忘れないようにしましょう。

高校中退からの再入学について知りたい方は、高校中退しても再入学はできる!再入学すべき理由と方法についてご紹介!をご覧ください。

我が子が不登校になったときの選択肢

我が子が不登校になったときの選択肢

子どもが不登校になったとき、親ができることは新しい道を見つけてあげることではないでしょうか。

ここでは、今の学校に通い続ける以外の5つの選択肢を紹介します。

「こんな道もあるのか」と、参考にして頂ければ幸いです。

全日制高校へ転校する

「今の学校が合わない」「授業についていけない」という場合は、別の全日制高校へ転校する方法があります。

大学進学を見据えて高校を決めたけど、途中で進路を変更したくなるケースもあるでしょう。

どちらにしろ、「転校という選択肢もあるよ」とお子さんに提案して、今後の進路について話し合ってみてください。

お子さんが転校を視野に入れたいと言ったら、一度その高校に連絡をして、学内を見学できるか相談してもいいでしょう。

定時制高校へ転校する

学業よりも熱中していることがある、家庭の事情で働かなくてはいけない、という場合は定時制高校へ転入もアリです。

定時制高校は主に春と秋に募集があり、試験は国語、英語、数学の3教科が実施されます。

また成人はテストを行わない、学力検査の他に面接があるという学校もありますので、転校を視野に入れたら募集要項をよく確認しておきましょう。

通信制高校へ転校する

「毎日通学するのは自信がない」というお子さんには、通信制高校という道もあります。

通信制高校は基本的に自宅で学習をし、年に数回のスクーリングで卒業資格を得る高校です。

学校によっては週1〜5日通える、全日制高校に近い学校もあります。

「自宅学習は怠けてしまう」「友だちをつくりたい」というお子さんは、通学コースがある通信制高校がいいでしょう。

通信制高校は登校を強要されないため、「絶対に卒業する」という強い意志が必要です。

しかし不登校の生徒が集まりやすいことから、スクールカウンセラーが常駐していたり、心の専門医が定期的に訪問したりといった手厚いサポートが魅力になっています。

留年して再登校

「今の高校は辞めたくない」というお子さんは、あえて留年してから再登校するという手段もあります。

クラスに馴染めなかった子どもは、学年が変わることで不登校が解消される可能性も少なくありません。

学費は二重でかかってしまいますが、環境がさほどかわらず、子どものストレスも少なくて済む方法です。

高卒認定を取得して大学受験する

いっそ高校を退学して、高卒認定を受けるという大胆な方法もあります。

高卒認定、昔は大検と呼ばれていましたね。

試験に合格すれば高校卒業と同程度の学力があるとみなされ、大学入試の資格を得ることができます。

ただし高校より上位の学校に進学しない限り、最終学歴は「中卒」になってしまうので注意しましょう。

通信制高校と同様、「最後までやり遂げる」という本人の強い意志が必要となるので、親としてできる限り応援してあげてください。

我が子が不登校になったら別の選択肢があることを伝えましょう

我が子が不登校になったら別の選択肢があることを伝えましょう

子どもが学校に行きたくない理由や親の対処法、不登校になったときの選択肢について紹介しました。

一般的な親の反応として、「学校に行きたくない」と言われたら、不安になったりうろたえたりしてしまうのは当然のことです。

子どもは学校で楽しくやっているるとばかり思っていたのに、実際は学校に行けない程追い詰められていたと知ったら、親としても非常にショックでしょう。

しかし、そこでパニックになって子どもを責めたり学校にクレームを言ったりしたら、子どもはますます学校に行きたくなくなってしまうかもしれません。

親がまずやるべきことは、「私はあなたの味方だから」と伝え、学校を休ませることです。

不登校の原因を考えたり、周囲に相談したりするのは二の次ということを念頭に入れておきましょう。

「高校に行きたくない」という子どもが、少しでも明るい表情を取り戻すよう、親としてできる限り子どもに寄り添ってあげてください。

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