うつ病で高校行けないときはどうすればいい?うつ病でも高校を卒業する方法 更新時間 2023.10.17
「うつ病で高校に行けない・・・」
「高校を卒業できなかったらどうしよう」
このような不安を抱えている人、実はあなたが思っているよりも多いかもしれません。
現在、高校を30日以上欠席している生徒は11万人以上もいて、なかにはうつ病で学校に通えなくなった生徒も含まれます。
今回の記事では、高校生がうつ病になる原因や、うつ病で高校に行けないときの対処法について解説したいと思います。
さらに、うつ病でも高校を卒業する方法を紹介していますので、進路を決める際の参考にしていただければ幸いです。
高校生の約5万人が不登校である
文部科学省の調査によると、令和3年度の長期欠席者(年間30日以上欠席する者)は11万8,232人で、前年度よりも4万人近く増えていることがわかりました。
そのうち不登校生徒は50,985人という結果で、全体の1.7%が登校できない状況のようです。
そもそも「不登校」ですが、文部科学省では以下のように定義付けがされています。
「年度間に連続又は断続して30日以上欠席した児童生徒」のうち「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者(ただし、『病気』や『経済的理由』による者を除く)
この定義にあてはまらない、「保健室登校」「遅刻や早退が多い」「30日未満だが20日以上休んでいる人」を加えると、さらに多くの生徒が不登校に近い状況であることを理解しておきましょう。
また、不登校の学生に関する悩みに対する専門家の意見についても、「不登校に関する悩みのを専門家が解決します!不登校のタイプはどのタイプ?」にて解説しているので、是非ご覧ください!
高校生がうつ病になる4つの原因
ここでは、高校生がうつ病になる原因について深く掘り下げてみたいと思います。
まずは自分がうつ病になった原因について、しっかりと考えてみましょう。
複雑な人間関係
高校生になると交友関係が広がり、人間関係が複雑になることも多いようです。
校内だけでなく、塾や趣味を通じた友人関係、また現代はネットを通して友だちになるケースも多く、親御さんがお子さんの交友関係を把握できないケースが増えています。
とくに女子の場合は複雑で、グループ内での駆け引きや陰口に疲れ、学校に行けなくなってしまう生徒も少なくありません。
将来への不安
将来のリスクばかりを考えてしまい、悲観的になってしまう人もいます。
とくに新型コロナによる影響は大きく、「感染するリスク」と「周囲にうつしてしまうリスク」で不登校になった生徒も少なくないようです。
なかには「我が子を感染させたくない」と危惧する親御さんが、あえて学校へ行かせないと判断したケースもありました。
このような周囲の行動に追い込まれた結果、「学校に行くのが怖い」「自分の居場所がない」と感じたことがうつ病になった原因の1つと考えられます。
思春期による心と身体の変化
高校生は、心と身体が大人へと成長している激動の時期です。
- 原因がわからないのに気分が落ち込む
- いつもイライラしている
- 感情がコントロールできない
このような症状がある方は、うつ病である可能性を疑ってみましょう。
10代は精神的に不安定になりやすく、些細なことで悩みを膨らませてしまう傾向があります。
自分でも気がつかないうちにストレスを溜めてしまい、うつ病を発症するケースも少なくありません。
無気力
近年、増加傾向にあるのが、子どもの現代病とも考えられる「無気力」です。
無気力は中学生や高校生に加え、好奇心が旺盛な小学生にも多く、うつ病や不登校になる原因の1つとなっています。
意外かもしれませんが、真面目で落ち着いていて、平均以上の学力を持った生徒に多いのが特徴です。
食欲低下や不眠など、気になる症状があれば早めに対処するようにしましょう。
うつ病で高校に行けないときの対処法
うつ病になると学習への意欲も落ち込み、友だちに会いたい気持ちもなくしてしまいがちです。
そうなると学校へ行く意味を見出せず、結果的に不登校になってしまいます。
うつ病で学校に行けないときは、次に紹介する3つの対処法を試してみましょう。
- 学校よりも休息を優先する
- 運動で心と体をリフレッシュする
- 専門家に相談してみる
では、それぞれの対処法について詳しく解説していきます。
学校よりも休息を優先する
まず大切なのは、しっかりと休息をとることです。
うつ病になってしまったあなたは、心身ともに非常に疲れた状態であることを認識してください。
無理をして学校に行っているなら、親や先生に事情を話してみるといいでしょう。
症状が深刻化してしまうと、それだけ治療の時間も長くかかってしまいます。
事態を早く解決するためには、周囲に病んでいることを理解してもらい、心の休息をきちんと取ることが大切です。
運動で心と体をリフレッシュする
運動はうつ病や抑うつ状態を予防し、改善するということが、さまざまな研究でわかってきました。
またうつ病の治療にも運動が利用されており、体操やウォーキングが、うつ病の回復期に行われる定番のプログラムになっているようです。
うつ病になると自宅や自室にこもってしまい、生活のリズムも乱れがち。
そんなとき、運動は生活リズムを整えたり、運動不足の改善になったりする効果が期待できます。
最初は面倒かもしれませんが、習慣化してしまえば継続することもむずかしくありません。
ジョギングやヨガ、水泳、ランニングなど、自分が好きな種目、気持ちいいと感じる運動からはじめてみてください。
専門家に相談してみる
休息をとり運動しても改善がみられない場合は、専門家に相談してみるのがもっとも有効な手段です。
地域の教育支援センターや教育相談所には、スクールカウンセラーやソーシャルワーカーなど、心理や福祉の専門家がいて、相談に乗ってくれます。
また情報的混乱や人間関係の不安を抱える子どものサポートや指導にあたり、学校と連携する役割を担っていることもあります。
通信制高校でも、スクールカウンセラーや社会福祉士が常駐していて、生徒の悩みをいつでも受け入れる環境が整えられています。
「うつ病で学校に行けない」「学校にはいきたくないけど高校は卒業したい」という方は、毎日登校する必要がない通信制高校への進学や転入を考えてみましょう。
また、不登校になった学生への支援施設についても、「不登校になっても大丈夫!支援施設をすべて紹介!」にてご紹介しているので、是非一度ご覧ください!
通信制高校ならうつ病でも卒業できる3つの理由
うつ病を抱えた生徒は不登校になりやすく、出席日数や取得すべき単位が足りずに高校を留年してしまうケースも少なくありません。
そうなると、さらに学校に行きたくなくなって、高校卒業を諦め中退してしまうこともあります。
そうなる前に検討してほしいのが、「通信制高校への進学・転入」です。
うつ病であっても通信制高校なら卒業できる理由を、詳しく解説していきます。
毎日登校する必要がない
通信制高校は自宅学習が基本になるため、全日制高校のように毎日登校する必要がありません。
自宅でレポートをこなしたりオンライン学習を受けたりしながら、必要な単位の修得に励みます。
また小中学校での勉強の遅れもカバーしてくれるので、しっかりと復習しながら学習を進められます。
もちろん卒業をするためには、最低限のスクーリングが必要です。
しかし月に2回程度、また合宿タイプであれば年に3〜6日のみの登校で単位を習得できます。
同じ悩みを持つ仲間がいる
通信制高校には、小・中学校で不登校を経験した生徒が多く集まっています。
同じ悩みを抱える友だちの存在は、親や専門家の先生よりも心強く感じるはずです。
また「登校しなければ」というプレッシャーから解放され、心の安定や「卒業できる!」という自信も得られます。
スクールカウンセラーなど専門家が常駐している
通信制高校にはスクールカウンセラーなどの専門家が常駐していて、いつでも悩みを相談できる環境があります。
また個別や少人数制の授業もおこなっているので、自分の希望にあった学び方ができるのもメリットです。
うつ病であっても、「大学へ進学したい」と考えている方もいるでしょう。
通信制高校では大学進学を目指せる専門コースも用意されており、不登校の生徒に合わせたさまざまな学習方法が充実しています。
つまり通信制高校とは、不登校の状態に合わせた学習や精神面のフォローがあり、一人ひとりに合った個別対応をしてくれる学校というわけです。
うつ病でも高校卒業は可能!通信制高校という選択肢がある
うつ病であっても、進路の選択肢があることを知っておきましょう。
通信制高校であれば毎日の登校が不要で、自分のペースで学習を進められます。
また心のケアに詳しい専門家が近くにいて、友だち関係などのプライベートな悩みにも相談に乗ってくれます。
「学校に行かなくても高校を卒業できた!」という自信は、症状の改善や克服にも役立つでしょう。
うつ病や不登校の解消には時間がかかりますので、それらにしっかりと対応してくれる環境を見つけることが重要です。
通信制高校では不登校やうつ病のサポートに力を入れており、安心して学べる環境を整えています。
まずはしっかり休息をとって、これからの進路を親子でじっくりと話し合ってみましょう。
また、通信制高校に通う学生の一日についても、「通信制高校生の1日密着!リアル生活を紹介」にてご紹介しているので、是非ご覧ください!