労働や社会保険のプロフェッショナルとして活躍することが可能な社労士。
試験に合格した方が最初に頭を悩ませるのが連合会への登録ですが、社労士の連合会とはそもそもどういった組織でどのような役割があるのでしょうか。
今回は社労士連合会の概要に加えて、連合会に登録する際の必要な書類や手続き、必要な費用などをまとめてご紹介します!
今後社労士を目指す方にとって有益な情報となっておりますので、ぜひ最後までご覧ください!
社労士連合会って何?
まずは、社労士連合会についてその趣旨や社会での役割についてご紹介します。
幅広い内容の情報をまとめておりますので、ぜひお見逃しなく!
社労士の連合会とは
連合会の正式名称は「全国社会保険労務士会連合会」といい、厚生労働大臣の認可を受けた法定団体として各都道府県の社労士会を統括しています。
社労士を束ねる組織体である連合会ですがその目的は、全国の社労士会の登録事務や試験業務、指導や連絡などを通じた資質の向上と業務の改善進捗です。
また連合会では様々な情報発信も行っており、公式YouTubeチャンネルでは社労士の認知拡大や社労士としての活躍を広げる講演映像などが配信されています。
全国の社労士会を統括する連合会ですが、具体的にはどういった取り組みを行っているのでしょうか。
広範囲な取り組み
社労士連合会は、社労士に求められる役割が年々変化する中でそこへ対応するべく様々な活動を行っています。
特に最近では雇用・労働問題や年金問題が深刻化することで社労士の社会的責任が増しており、近代の国家的な問題へ向けていち早く行動しているのが連合会です。
・社労士診断認証制度
・デジタル化の促進
・無料相談会、社労士会セミナー
・公契約における労働条件審査
・学校教育への協力
・倫理研修
・成年後見制度
・東日本大震災に関する取り組み
・建設業における社会保険未加入対策
・グローバル関連事業
多様性のある社会を実現するために欠かせない成年後見制度や市民の雇用や労働といった相談に無料で対応する無料相談会など、社会貢献性の高い活動を行っているのが連合会です。
上記の取り組み以外にも、連合会は行政に直結した活動も行っています。
行政へ向けた意見の表明などをも行う
連合会は労働や社会保険のプロフェッショナルとしての視点から、国民の福祉の向上に資するための改善策を含めた意見等を厚生労働省へ向けて表明しています。
令和5年3月には「人を大切にする企業と社会の実現に向けて」という政策提言・宣言を行っており、社会保障と人事労務の観点から意見の発信がされているのです。
これは連合会のコーポレートメッセージである『「人を大切にする企業」づくりから「人を大切にする社会」の実現』へ向けた活動の一環であり、時代に即したアクションを行っています。
このように、連合会は全国の社労士会の意見を集約して国民のために活動する団体として幅広い活動を行っている法廷団体です!
社労士連合会と社労士の関係性について
全国の社労士会の意思を集約して活動を行っている連合会ですが、自分が一社労士だったとして連合会としての関係性はどのようになっているのでしょうか。
制度や手続き内容、必要な金額などをまとめてご紹介します!
試験合格時に連合会への登録が必須
社労士試験に合格した後に正式に社労士として活躍するためには、連合会の社労士名簿に登録を行うことが法律によって定められています(社労士法第14条の2第1項)。
連合会へ登録しないと社労士としての肩書きが使用できないのはもちろん、社労士としての専門業務も行えないのです。
項目 | 金額 |
---|---|
登録免許税 | 30,000円(収入印紙) |
登録手数料 | 3,000円 |
会費(開業/東京) | 入会金50,000円 年会費96,000円 |
会費(勤務等/東京) | 入会金30,000円 年会費42,000円 |
また連合会へ登録する際の費用は勤務形態や都道府県によって異なり、勤務する場合は事務所が負担してくれるケースが大半となっているようです。
もしご自身で勤務先を探す際には、こうした年会費等の会社負担制度があるかどうかといった観点もいいかもしれません。
連合会への登録に必要な実務経験
試験合格後は必須となる連合会への登録ですが、登録をするためには「労働社会保険諸法令に関する2年間の業務経験」(社会保険労務士法施行規則第1条の11)が必要となっています。
具体的には下記のような業務について2年間従事した経験が求められており、所定の実務経験を満たすことが必要です。
・雇用保険、健康保険、厚生年金保険の被保険者資格取得、喪失届に関する事務
・健康保険、厚生年金保険の被保険者報酬月額算定基礎届、月額変更届に関する事務
・雇用保険被保険者離職証明書の作成
・労働保険の概算、確定保険料の申告、納付に関する事務
・就業規則(変更)届に関する事務
・時間外労働、休日労働に関する協定届の作成
・労働者名簿の調製
ただこうした実務経験がなかったとしても、連合会が開催している指定の講習を修了することによってこの要件を満たすことができます。
では、講習を受けた後に連合会へ登録する流れはどうなっているのでしょうか。
連合会への登録に必要な書類や手続き
社労士として連合会に登録する流れとしては、まず自分が所属するであろう都道府県の社労士会に受付を行う必要があります。
そちらでの審査が通り次第連合会へ内容が伝えられ、あたらめて行われる審査に合格すると名簿に名前が載り証票が発行されるという流れです。
・社会保険労務士登録申請書(様式第1号)
・社会保険労務士試験合格証書の写し
・従事期間証明書(様式第8号)又は事務指定講習修了証の写し
・住民票の写し
・写真票(縦3cm、横2.4cm、背景無地かつ無帽)
・a~dのいずれか1つ(a.戸籍謄本、b.個人事項証明書、c.改製原戸籍、d.住民票の写し)
・通称併記願(通称名の使用を希望する方のみ)
各自で用意する必要のある書類以外の提出物に関しては連合会の公式ページで雛形が公開されてるため、ご自身で印刷後に記入する必要があります。
入会時期などに関しては各都道府県の社労士会のホームページで公開されているため、詳細はご自身で確認していただくのがおすすめです!
社労士が連合会に所属するメリットについて
試験合格後に登録が必須となる連合会ですが、社労士が連合会に所属することのメリットとしてはどういった点が挙げられるのでしょうか。
様々な観点から連合会登録の利点をピックアップしておりますので、ぜひ最後までご覧ください!
社労士として専門業務を行える
まず第一の利点として挙げられるのは、社労士として正式に業務を行うことができるという点です。
連合会に登録して初めて社労士を名乗ることが出来るため、社労士としての本格的なスタートができるのは大きなメリットでしょう。
連合会への登録時は開業登録と勤務等登録、その他登録に分かれています。
ご自身の働き方に合わせて連合会に申請しなければならない点に注意が必要です!
社労士のコミュニティを広げられる
次のメリットとしては、連合会に所属することによって社労士のコミュニティと関わりを持てるという点です。
連合会では支部などの活動などを通じて自分以外の社労士を交わる機会が非常に多く、知見を広げるチャンスが非常に多くなっています。
それ以上にそのコミュニティ経由で仕事を紹介してもらうことやキャリアアップなどに繋がることもあるため、様々なチャンスが期待できるでしょう。
また連合会に所属するメリットは他にも存在します。
連合会が行う研修でスキルアップが可能
連合会では、全国の社労士へ向けた様々な研修やセミナーを開催しています。
法改正や判例、その時々の話題を学ぶことで最新情報に対応した社労士として知識をブラッシュアップできるのです。
また連合会に登録することで送付される法改正情報などが載った会報を通じて、継続的なレベルアップを重ねることができます。
こういった点が連合会に登録するメリットとなっており、基本的にはほとんど全ての社労士が所属しています。
まとめ|社労士の連合会について
今回は全国の社労士会をた束ねる連合会について、概要や所属方法、登録することのメリットなどをまとめてご紹介しました。
社労士を名乗って業務を行う上で、連合会への登録は必須であり避けて通ることはできません。
連合会へ参加するメリットも大きく、社労士コミュニティに参加できるのはもちろんスキルアップまで狙えるのは非常に魅力的です。
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