「測量士」は、土地の場所や、広さなどの面積、距離などの測量を行う仕事です。
測量士になるには国家資格である測量士試験へのパスが必要よなり、難易度は高めとされています。
しかし測量士の資格を持っていれば就職や転職に有利となるので、将来性はある仕事だといえます。
そこで今回は測量士になるためのルートや受験資格、仕事内容などについて詳しくご紹介します。
測量士を目指している方はぜひ参考にしてみてください。
測量士の将来性や需要は今後どうなる?AIに取られるって本当?
測量士試験の受験資格はない
測量士試験は年齢や性別、学歴、実務経験の有無といった受験資格の制限はなく、誰でも受験できます。
また試験に合格しなくても養成施設への即業などでも測量士にはなれるので、自身の状況に合わせて目指せます。
測量士になる方法
測量士は測量業者に配置が義務づけられている国家資格で、測量法に基づいて国土交通省国土地理院が所管しています。
仕事内容としては測量業者の行う測量に関する計画の作製、または実施です。
ここでは、測量士になるルートについて詳しくご紹介します。
測量士の国家試験に合格する
測量士になるには測量士試験と呼ばれる国家資格への合格が挙げられます。
試験は午前と午後に分かれており、午前の試験を400点以上獲得することで午後の試験にすすめます。
なお合計点だと1400点満点中910点以上で合格となります。
測量士試験の受験資格は特になく、年齢、性別、学歴、実務経験等に関係なく誰でも受験できます。
したがって高卒からでも測量士になれます。
「できるだけ最短で測量士になりたい」「働きながら測量士を目指したい」といった方は、測量士試験は難易度が高いですがチャレンジしてみるといいでしょう。
試験に合格して資格を得た後に国土交通省国土地理院の公式ページから登録することで、晴れて測量士として働けます。
大学・短大・高専を卒業して実務経験を積む
測量士を目指すルートには、文部科学大臣認定の学校を卒業し測量士補を取得後に大学卒業で1年、短大・高専卒業で3年以上の実務経験を経て測量士への申請をして取得するといったものが挙げられます。
短大や高専の場合、文部科学大臣の認定を受けた緑地環境学科や環境都市工学科、都市システム工学科などの学科で測量に関する科目を修めて、当該短大・高専を卒業するのが一般的です。
測量に関して3年以上の実務経験を積んだ後、国土交通省国土地理院の公式ページから登録することで測量士として働くことができます。
ほかにも、工業関係の短大で必要単位を取る、もしくは高専を卒業することで測量士補が取得できるケースもあります。
直近の調べでは、測量士の資格取得ができる大学は50校、短大は1校、高専は18校です。
ただし、大学・短大・高専の卒業によるルートの場合、卒業まで5年程度かかることや400万~500万円程度かかるなど時間的・経済的負担がかかるので注意が必要です。
実務経験年数における注意点
大学や専門学校を経て測量士補資格を取得後の実務経験年数についてですが、従事日数に計上できるのは測量実務に限られます。
作業現場への往復時間、休憩・休息時間、打ち合わせ、立会い等は、計上できないので注意が必要です。
- 実務1年:従事期間1年以上かつ従事日数が225日以上
- 実務2年:従事期間2年以上かつ従事日数が450日以上
- 実務3年:従事期間3年以上かつ従事日数が675日以上
専門の養成施設を卒業して実務経験を積む
専門の養成施設を卒業して実務経験を積む方法もまた、測量士になるためのルートとして挙げられます。
国土交通省の認定を受けた測量士補を試験なしで取得できる専門学校で、1年以上測量士補となるために必要な測量学概論や三角多角測量実習等の専門の知識及び技能を修得します。
専門学校である測量士補養成施設は全国に9校あります。
1年で卒業、くわえて2年の実務経験をへて晴れて測量士の資格を取得できます。
夜間の学科では平日の日中は授業が無いため、日中に働きながら通えるので、社会人でも働きながら学習できます。
測量士養成施設を卒業する
測量士を目指すための教育機関として、愛知県にある東海工業専門学校金山校と東京都にある中央工学校の2校に測量士養成専門学校が設立されています。
測量士補の資格を取得した後、さらに測量の専門知識を学ぶことで、最短1年で測量士の資格を取得することができます。
測量士養成専門学校では、理論だけでなく実技の習得も重視されているのが特徴です。
また、実務経験がなくても測量士の資格を取得できるため、社会人でも取り組みやすい環境が整っているのもうれしいポイントです。
測量士補から測量士を目指す
測量士補から測量士を目指す方法もあります。
測量士補は測量士よりも難易度が低く、測量計画の指示に従いながら測量を行うことができる反面、測量士ができる測量計画はできないといった違いがあります。
実際にも測量士補の方には、キャリアアップのために測量士を目指す方も少なくありません。
測量士補から測量士を目指すにはおもに以下のルートが挙げられます。
- 測量士補の資格を取ったあと、測量士試験に合格する
- 専門学校で測量士補の資格を取り、実務経験を2年積む
- 専門学校で測量士補の資格を取り、特定の専門学校で1年学ぶ
- 大学、短大、専門で測量士補の資格を取り、実務経験1~3年の実務経験を積む
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測量士の試験の難易度・合格率
次に測量士試験の難易度について合格率や勉強時間から見ていきます。
測量士試験の受験を考えている方は参考にしてみて下さい。
測量士試験の合格率
年度別の測量士試験の合格率は以下のようになっています。
年 | 受験者数(人) | 最終合格者数(人) | 最終合格率 |
---|---|---|---|
令和5年 | 3,667 | 379 | 10,3% |
令和4年 | 3,194 | 460 | 14,4% |
令和3年度 | 2,773 | 497 | 17.9% |
令和2年度 | 2,276 | 176 | 7.7% |
令和元年 | 3,232 | 479 | 14.8% |
平成30年 | 3,345 | 278 | 8.3% |
平成29年 | 2,989 | 351 | 11.7% |
参照:国土地理院
上記は過去5年の測量士試験の受験者数と最終合格者と最終合格率となっていますが、測量士試験は受験者数に対して、合格者数が比較的少なくなっていますね。
そのため、合格率も高くて約18%、低くて約8%と差はありますが、基本的に合格率は低いことがわかります。
測量士試験の概要
測量士試験に合格するためには絶対に押さえておいた方が良い情報があります。
- 試験形式
- 合格基準
- 合格に必要な勉強時間
以上について詳しく解説していきます。
試験形式
測量士試験は午前に2時間30分、午後に2時間30分の合計5時間で実施されます。
午前の試験は以下の分野を問う全28問で全て5肢択一、1問25点で700点満点となっています。
- 測量に関する法規及びこれに関連する国際条約
- 多角測量
- 汎地球測位システム測量
- 水準測量
- 地形測量
- 写真測量
- 地図編集
- 応用測量
- 地理情報システム
午後の試験は測量法や水準測量を含める必須問題1問と、基準点測量・地形・写真測量・地図編集・応用測量のうち選択問題2問の全3問ですべて記述で答える試験です。
午前の試験では700点満点中のうち400点、午後の試験では合計1400点中の内910点以上で合格となります。
なお午前の試験で50%以下の場合、不合格となるので注意しなければいけません。
実際に勉強で過去問に挑むときも、同じ問題数を5時間以内で解き終えるように意識して取り組むと良いでしょう。
合格基準
測量士試験では、あらかじめ決められている点数を超えることができるかどうかで評価する絶対評価で採点されます。
測量士試験の合格点は、午前と午後の試験を合わせて1400点満点中910点以上となっています。
これは65%の正答率で合格できることになるため、そこまで高い正答率を求められているわけではないことが分かります。
また、測量士試験は絶対評価に加え、午前の試験の得点が低いと足切りされるようになっているため、こちらにも注意が必要です。
午前の試験で400点未満の場合、その時点で不合格となってしまうことから、どの出題範囲も手を抜くことはできない試験となっています。
上記の事柄を把握するかしないかでは勉強への意気込みが全く異なるので、しっかり確認しておきましょう。
合格に必要な勉強時間
測量士試験合格に必要な勉強時間は初学者の場合で約500時間です。
1科目の知識を身に着けるのにおよそ20時間かかり、試験の出題範囲は9科目あるので、約200時間は必要になります。
過去問に取り組む時は、1年分を解く時間として本番の試験時間と同じく5時間は確保してください。
答え合わせや内容の理解にはさらに5時間程度かかるため、10年分の過去問を解くと合計で約100時間は必要です。
習熟度によりますが、苦手分野の復習や問題の解き直すために更に追加で100~200時間は必要になると見積もっておきましょう。
ただし、すでに知識や経験がある人はより短い期間で履修できます。
仮に500時間勉強する場合は平日に1時間・休日に2時間以上行えば1年間で達成しますが、無理のないスケジュールを組むと勉強を継続しやすくなるのでおすすめです。
測量士試験の試験内容
測量士試験に合格して登録すれば免許が取得できるため、求められているのは「測量士として相応しい知識があるかどうか」の1点です。
「測量士として相応しい知識」は試験での出題範囲を確認すれば分かります。
- 測量に関する法規および関連する国際条約
- 多角測量
- 汎地球測位システム測量
- 水準測量
- 地形測量
- 写真測量
- 地図編集
- 応用測量
- 地理情報システム
上記9科目が測量士試験の出題範囲となります。
この出題範囲を勉強し、測量士として相応しい知識があることを示せば合格ですが、前述した通り測量士試験の合格率は12.8%と難易度が高いです。
測量士資格取得におすすめの勉強方法
ここでは、測量士資格取得のためのおすすめの勉強方法についてご紹介します。
過去問を繰り返し解く
測量士試験の学習を効率的に進めるためには、過去問を何度も解くことが重要です。
過去問を解くことで、試験でよく出題される内容や問題の傾向やパターンの把握ができます。
また間違えた問題は苦手分野にあたるので解説や参考書の該当部分を丁寧に読み、重要な知識を効率的に身につけることが大切です。
測量士試験の過去問を公開しているサイトもあるので、積極的にチェックしてみるといいでしょう。
問題集・参考書を使って学習する
とくに独学から測量士資格取得を目指すのであれば、市販の音大集や参考書を使って学習するのもおすすめです。
ただし参考書を最初から読み込むと時間がかかってしまうため、問題演習を中心に学習するのがいいでしょう。
また後から復習しやすいように間違えた問題は問題集に印をつけたり、ノートにまとめたりしておくとさらに理解が深まるはずです。
通信講座を活用するのもひとつ
測量士試験の対策のために通信講座を活用するのもひとつです。
通信講座では、プロの講師が重要な知識を指導してくれるため、効果的に学習ができるメリットがあります。
例えばアガルートの通信講座では、動画形式で講義を受けることができるため、スマートフォンさえあればいつでもどこでも学習ができます。
また、日本測量協会の通信添削講座では、Web上で模擬問題に取り組み内容に応じて回答が添削されるため、とくに記述試験の対策に効果的です。
独学で試験対策をしているものの成績が上がらない方は、通信講座の活用を検討してみると良いでしょう。
測量士資格を取得するメリット
測量士になるために合格が必要な測量士試験について紹介してきましたが、測量士になることのメリットには何があるのでしょうか?
測量士資格を取得することのメリットについて紹介していきます。
給料的にも将来は安定する
土木関係の仕事を独占業務として行っている測量士は、この先も仕事が無くなることはないでしょう。
測量士は一定数の需要があるので、給料的にも安定した収入を得られることが予想されます。
測量士は将来的に安定する可能性が高い資格となっています。
就職に有利になる
2つ目に測量士のメリットとして上げられるのは就職の面で有利に働くということです。
測量士は建築などの土木関係の仕事を独占して行っており、そのような専門知識は企業から必要とされる可能性が高いです。
また、転職際にも測量士の資格があることは大きなメリットとなり、就職口に困ることはあまりないでしょう。
土地家屋調査士の試験の1部が免除になる
土地家屋調査士は建築業界においてかなり難易度の高い資格となっていますが、取得することが出来れば大きなキャリアアップとなります。
測量士資格を取得していれば、土地家屋調査士の午後の試験(測量・作図)の試験が免除されます。
両者の資格は似ている部分があるので、測量士試験に合格した方はキャリアアップのために土地家屋調査士の試験に挑戦することをおすすめします。
測量士の独立ができる
独立をすることは可能となっていますが、測量法によって営業所ごとに測量士を置き国土交通省に申請をしなければいけないため資格は必須となります。
しかし、測量士の資格だけでは申請書類などを全て作成することはできないため土地家屋調査士や行政書士の資格などを合わせて取得しておくことが良いでしょう。
現状、公共事業や民間事業の縮小が目立つため競争は激化しているため、日本測量協会の認定資格なども取得し実務経験を積んだ会社と連携を取るなどすることが賢明です。
測量士試験に年齢制限は?高卒の場合や何歳までになるべきか調査
測量士とは
測量業者の行う測量に関する計画を作成し実施することを行います。
建物や道路を建設するときには適当な場所へ建てることはなく測量士によって正確な場所に建設するように測量を行います。
測量士の一般的な仕事はこの土木測量となるでしょう。
その他、登記申請するための所有している個人や法人の土地の広さを計測したり、普段利用したりする地図を作成するためなど内業と外業が混ざり合うお仕事となっております。
近年ではパソコンやGPSの普及により仕事の効率化が大幅に進んでいる資格となります。
測量士と測量士補の違いは?
測量士について調べていくと、測量士補という資格も同時に見たことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、これらの違いはあるのでしょうか?
業務内容に大きな違いはありませんが、測量士は現場の監督となって測量の計画を立てていくのに対して、測量士補は実際に測量を行います。
試験難易度的には測量士補の方が難しくなっておりますが、両者の違いはほとんどみられません。
測量士はやめとけ?仕事はきつくてやりがいも将来性もないって本当?
測量士資格を本気で取りたいならアガルート
測量士を取得すると様々なメリットがあり、魅力的な資格となっていますが、「測量士」は立派な国家資格となっており難易度は決して簡単ではありません。
中には独学での対策が不安と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
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また、測量士の全国合格率の平均が13.0%に対してアガルートは約6倍の合格率と驚異的な数字となっています。
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測量士の試験を合格するためには、幅広い知識とその応用ができるように深く理解しておく必要があります。
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アガルートのクーポンやセールは?最新の割引・キャンペーン・学割情報まとめ
測量士資格を取得するにはさまざまなルートがある!
今回は測量士になるためのルートや受験資格、仕事内容などについて詳しくご紹介してきました。
測量士になる方法と言ってもさまざまなルートがあり、試験だけではなく実務経験を積めば高卒や社会人、短大からでも測量士資格取得は目指せます。
測量士資格は例年10~15%の合格率となり、決して簡単なものではありません。
独学でも合格はできますが、測量士資格取得に向けた通信講座も増えてきています。
今回の記事を参考に測量士資格取得にチャレンジしてみてくださいね。