簿記3級は会計の基礎を学べる人気の資格ですが、難易度はそこまで高くありません。
概ね100時間程度の勉強時間で合格を狙えるため、経理の仕事に就くことを考えている方は、気楽に勉強を始めると良いでしょう。
また、簿記3級は独学でも十分に合格を狙えるため、予備校に通う時間が無い方や通信講座にかけるお金がもったいないけど資格を取りたいと考えている方におすすめです。
こちらの記事では、簿記3級の合格率や難易度、おすすめの勉強方法などを解説していきます。
簿記3級の勉強を独学で進めようと考えている方や、具体的な試験レベルを知りたい方に役立つ内容となっているので、ぜひ最後までお読みください!
簿記3級に合格するための勉強時間は?
簿記3級に合格するために必要な勉強時間の目安は、100~120時間程度と言われています。
もちろん、経理や会計の実務経験がある方や商業高校で簿記の勉強をした経験がある方であれば理解がスムーズに進むため、50時間程度で合格できるケースもあります。
ある程度勉強時間を確保できる方であれば、1ヵ月程度の勉強期間で簿記3級の合格を狙えるため、経理の仕事に興味がある方は取得を目指すと良いでしょう。
仕事が忙しくて勉強時間が確保できない方でも、3ヵ月もあれば十分に簿記3級の合格を狙えるため、勉強すれば誰でも合格を狙える難易度と言えます。
簿記3級は独学でも合格できる?
続いて、簿記3級は独学でも合格できるのかどうかについて解説していきます。
100時間程度の学習で合格を目指せるのであれば、わざわざ予備校や通信講座に行く必要は無いように思えますが、実際はどうでしょうか?
「独学で勉強を進めたい」「お金をかけずに合格を目指したい」と考えている方は参考にしてみてください。
簿記3級は独学でも合格可能!
簿記3級の難易度は高くないため、独学でも十分に合格を狙うことができます。
簿記3級では基本的な会計知識が問われ、難解な仕訳などは出題されないため、独学でも本試験で対応できるレベルの学力を習得できるでしょう。
財務諸表の作成などは少々時間がかかりますが、簿記3級の問題は基本的な知識で十分に対応できるため、しっかり勉強すれば問題ありません。
市販のテキストと過去問題集で合格レベルに到達できるため、まずは独学で勉強に臨んでみると良いでしょう。
簿記3級の合格率は?
それでは、直近5回の簿記3級の合格率について見ていきましょう。
試験回 | 合格率 |
---|---|
第161回 | 45.8% |
第160回 | 50.9% |
第159回 | 27.1% |
第158回 | 28.9% |
第157回 | 67.2% |
合格率が20%台の試験回もありますが、概ね40%〜50%に収まっていることが分かります。
つまり、約2人に1人が合格しているため、合格率という客観的なデータからも、「簿記3級の難易度は低い」と言えます。
実際に、簿記3級に独学で合格している人も多いことから、しっかり勉強すれば誰でも合格を目指せる難易度です。
モチベーションを保つことが重要
独学で勉強を進める際に気を付けたいのは、モチベーションを保つことです。
独学は自分のペースで勉強できるメリットがある反面、疑問を解消できずに挫折してしまう可能性も高い勉強方法です。
「やるもやらないも自分次第」なので、モチベーションを保って勉強しなければ、難易度が低いといえども合格することは難しいでしょう。
そのため、独学で勉強を進める場合は、上手にモチベーションを保つことを意識してみてください。
簿記3級のおすすめ勉強方法
それでは、簿記3級を独学で合格するためのおすすめ勉強方法について具体的に紹介していきます。
十分な勉強時間を確保したとしても、誤った勉強方法をしていては意味がありません。
特に、簿記や会計の勉強が初めての方は、下記で紹介する勉強方法を実践してみてください。
テキスト・参考書の内容を理解する
まずは、テキスト・参考書の内容を理解することに努めましょう。
簿記3級の試験は、テキストや参考書に記載されている内容を理解すれば、十分に合格を狙えます。
そもそも、簿記3級は会計初心者が取り組むレベルの資格なので、テキストも初心者向けに解説されているはずです。
テキストや参考書を読んで概要を掴めたら、実際に練習問題に取り組んでみましょう。
仕訳のルールを理解する
仕訳とは、毎日の取引を記録する作業です。
仕訳は企業会計の基本的な作業なので、簿記3級の問題に着手するためには仕訳のルールを理解する必要があります。
仕訳は「貸方」と「借方」に分かれますが、会計初学者にとっては聞き慣れない言葉です。
しかし、「貸方」と「借方」は簿記の根幹となる部分ですから、しっかりと時間をかけて理解しましょう。
勘定科目の意味を理解する
勘定科目と仕訳のルールの理解は、簿記3級に合格するためには必須です。
先述した仕訳をする前に、「勘定科目」という分類に従って収支の種類をグループ分けします。
簿記の勉強では様々な勘定科目が出てくるため、馴染みがないと混乱してしまうことがありますが、企業のお金の流れを把握するためには、勘定科目の意味を理解することが重要です。
全ての勘定科目は、「資産」「負債」「純資産」「費用」「収益」のいずれかに該当するため、どの勘定科目が上記のどれに該当するのか、イメージしながら勉強すると良いでしょう。
勘定科目を理解し、正確に仕訳を行うことで、貸借対照表や損益計算書が作成されますので、勘定科目の意味を理解することは重要です。
過去問を繰り返し解く
実際に過去問を繰り返し解くことで、出題される内容がイメージできます。
テキストを読むだけでは理解できなかった内容でも、実際に問題演習を通じてアウトプットすることで、理解できることは多々あります。
なお、テキストの読み込みが不十分でも、過去問に取り組んで構いません。
通常、「インプット→アウトプット」という順番で勉強しますが、「軽いインプット→アウトプット→インプット」の順番でも、高い学習効果を得られるでしょう。
積極的に問題演習に取り組み、早い段階で手応えを掴むようにしてください。
独学で勉強するメリット
独学での合格率やおすすめの勉強を見てみても、やはり簿記3級は独学で十分目指せる資格だという事が分かります。
ここからは、簿記3級試験を独学で勉強するメリットを具体的に解説していきます。
独学ならではのメリットに魅力を感じる場合は、独学で簿記3級の合格を目指してみてください。
学習費用を抑えられる
独学の場合は、学習費用を抑えられる点が大きなメリットです。
通信講座や予備校によって受講費用に差がありますが、簿記3級の試験対策講座は1〜3万円の範囲で設定されていることが多いです。
しかし、独学であれば市販のテキストと過去問題集で済むため、1万円もかからず教材が揃えられます。
「できるだけ学習費用を安く済ませて合格したい」という方であれば、独学で臨む価値はあるでしょう。
自分のペースで勉強できる
独学の場合、自分のペースで勉強を進められるメリットがあります。
予備校やスクールに通う場合は、決められたカリキュラムに出席するなど勉強時間が固定されている場合があり、通信講座でも「想定スケジュール」が組まれているケースがほとんどです。
そのため、自分のペースで勉強できず、かえって非効率な勉強になってしまう可能性も否定できません。
しかし、独学であれば、自分の仕事の都合や理解度に応じて、柔軟にペース配分を決められます。
自分で勉強することに慣れている方であれば、独学の方が効率よく勉強できる可能性があるでしょう。
使う教材を選べる
独学だと、自分自身で使う教材を自分で選べるメリットもあります。
予備校や通信講座の場合、当然のことながら使う教材に選択の余地はありません。
もし高い受講費用を払って、自分と相性の悪い教材を利用することになったらコストパフォーマンスは最悪です。
しかし、独学であれば、書店で何種類かテキストや過去問題集の中身を確認してから購入できます。
その結果、自分と相性の良い教材で勉強を進められるメリットが期待できるでしょう。
独学に不安がある人は予備校や通信講座の利用がおすすめ
独学は費用を安くすませられたり、勉強時間を自分で決める事が出来たりなどのメリットが多い学習方法です。
簿記3級は独学でも十分合格を狙えますが、独学に自信がない方は予備校や通信講座の利用をおすすめします。
費用は嵩みますが、質の高い教材を利用しつつ、質問対応サービスなども利用できます。
初学者の方にとって嬉しいポイントが多くあるため、独学に拘りすぎないようにしましょう。
予備校や通信講座の方が理解が早くなる
予備校や通信講座には、これまでの指導に基づく合格のノウハウが蓄積されています。
また、過去問題を入念に分析した上で、効率よく得点を伸ばせる勉強法を実践できる強みがあります。
このように、独学よりも予備校や通信講座を利用した方が、勉強の質が高まり理解が早くなる事実は見逃せません。
会計初学者は、簿記の勉強に馴染めずにドロップアウトしてしまうことがあるため、確実に合格を目指したい場合は予備校や通信講座の利用を検討しましょう。
予備校や通信講座は疑問が出てきても質問できる
予備校や通信講座は、質問対応サービスを提供しているところが多く、疑問点や不明点が出てきてもすぐに対応できる強みがあります。
独学だと、勉強の過程で不明点が出てくると「後回しにしよう」となってしまい、勉強が後手後手に回ることも多いです。
疑問点や不明点をすぐに解決することで、気持ちがスッキリして勉強のモチベーション維持にも役立ちます。
特に、会計初学者で一人で勉強を進められる自信がない方は、質問対応サービスに助けられる場面は多くあるでしょう。
簿記3級と2級まとめて目指せる講座もある
予備校や通信講座の中には、下記のように簿記3級と2級をまとめて勉強できるコースがあります。
講座 | 簿記3級2級セットの受講費用 |
---|---|
スタディング | 22,000円 |
フォーサイト | 41,800円 |
クレアール | 50,000円 |
たのまな | 79,500円 |
キャリカレ | 71,800円 |
簿記3級も立派な資格ではありますが、就職に役立つのは「簿記2級以上」と言われています。
そのため、当初から「就職に生かしたい」「簿記2級を目指そう」と考えている方は、簿記2級の合格も目指せる講座を受講した方が合理的です。
簿記3級以上のレベルを目指している方は、手っ取り早く2級まで学べる講座の利用を検討しましょう。
簿記3級の勉強時間|まとめ
簿記3級の合格に必要な勉強時間や、具体的な難易度などを解説してきました。
簿記3級の難易度は低く、合格率も比較的高い試験なので、独学でも問題なく合格を目指せます。
なお、独学で勉強を難なく進められるかどうかは人によるため、もし「独学だと難しい」と感じたら、予備校や通信教育の利用を検討すると良いでしょう。
こちらの記事で紹介した勉強方法を参考にしながら、効率よく簿記3級の合格を目指してみてください。