現在大学3年生の方で、このまま就職するか、あるいは大学院に進学するかで悩んでいる方は多いでしょう。
院卒は社会に出てから何かと有利になると聞きますよね。
そこで今回この記事では、院卒の新卒社会人の年齢ごとの平均年収や生涯年収、初任給などをご紹介していきます。
是非最後まで見ていってください。
院卒の初任給、平均年収は?
院卒有利の傾向は近年強まってきており、特に理系の大企業に就職するなら院卒は必須と言われる時代になっています。
また大学院卒と大学卒では年齢が異なりますが、初任給から大きく差がつきます。
院卒の初任給
厚生労働省が発表したデータによると、院卒(修士)の初任給は23万8,900円でした。
学部卒の初任給が20万6,100円なので3万2,800円高いことになります。
これは多くの企業が学歴で給料を決定していることを表しています。
企業によっては院卒しか新卒を取らない企業もあるようです。
年齢ごとの平均年収の推移
院卒と学部卒の年齢ごとの平均年収の推移は下の表のようになります。
年齢 | 平均年収 |
---|---|
20代後半 | 420万円 |
30代前半 | 580万円 |
30代後半 | 800万円 |
40代前半 | 900万円 |
40代後半 | 1,050万円 |
50代前半 | 1,000万円 |
引用:大学院卒の賃金プレミアム
年齢 | 平均年収 |
---|---|
20代後半 | 400万円 |
30代前半 | 550万円 |
30代後半 | 620万円 |
40代前半 | 750万円 |
40代後半 | 780万円 |
50代前半 | 840万円 |
引用:大学院卒の賃金プレミアム
大学院を卒業すると業界や出世の速さで個人差はありますが、40台後半で平均年収が1,000万円に到達します。
また院卒の平均年収は30代での給料の上がり幅が大きく、40代に突入するころには900万円前後になっており出世しやすいことが伺えます。
しかし学部卒の平均年収は最終的に840万円止まりとなっており、30~40代の給料の上がり幅は低くなっています。
生涯年収は?
学部卒の方が院卒に比べ2年早く働き始めますが、生涯年収を比較すると院卒が約3億3,500万円、学部卒が約2億8700万円となっており院卒の方が4,800万円程高くなっています。
院卒の方が給料の上がり幅が大きくさらに最終的に1,000万円まで到達するため、これだけの大きな差が生まれると考えられます。
院卒の手取りはどれくらいになるのか
院卒の方が初任給が高いことは上記に示しました。
しかし学生の皆さんが気になるのは実際どれくらいの額が手元に残るのかということですよね。
そこで具体的に手元に残る金額を参考例として解説します。
4月分の給料(初任給)
院卒の初任給が23万8,900円だったとします。
ここから所得税、雇用保険料が引かれます。
・所得税 6,000円
・雇用保険料 720円
そして最終的に23万2,180円が手元に残ることになります。
5月分の給料
5月になると基本給が少し上がり、25万3,000円とします。
そこからさらに以下のお金が引かれていきます。
- 所得税 6,500円
- 健康保険料 9,300円
- 厚生年金保険料 22,000円
- 雇用保険料 750円
すると手取りは21万4,500円となります。
そして寮に入っていたりすると寮費もここから引かれます。
6月分の給料
6月になると基本給が少し上がり、28万6,000円とします。
そこからさらに以下のお金が引かれていきます。
- 得税 6,650円
- 健康保険料 9,300円
- 厚生年金保険料 22,000円
- 雇用保険料 850円
- 労働組合関係 3,600円
- 財形貯蓄関係 11,000円
すると手取りは23万2,600円となります。
そして寮費ですね。
その後の給料はこれらの控除金が安定しするため、所得税は増えますが基本給に比例して手取りも増えていきます。
大学院に進学するメリットは?
大学院に進学すると収入面で大幅に有利になることを上記に示しました。
しかし大学院に進学するメリットは収入面だけではありません。
ここからはその他のメリットについて解説していきます。
その分野についてさらに知識を深めることができる
大学院に進学すると教授の元に付き研究を行うわけですが、通常の授業も取らなければなりません。
そしてその授業も学部時代とは異なり自分の専門分野に精通しつつより深い内容になっています。
また研究を進めていく中で、様々な論文を読んだり実験やシミュレーションで得た結果を考察するためその分野に関する知識が大幅に深くなります。
プレゼンテーション能力が上がる
大学院に進学すると学会だけではなく研究室内でも何度もプレゼンテーションの練習をすることになり、学部時代とは比にならない程プレゼンテーションの機会が増えます。
そして研究内容の多くはあまり広く知られていない内容になるため、知識のない相手に自分の研究を伝える力が身に付きます。
学校推薦を受けやすい
就職をする時に「マイナビ」や「リクナビ」を活用するイメージが多いですが、大学院に進学すると学校からの推薦を受けやすくなります。
特に有名大学では大手企業とのつながりが多く、大学院生の枠が確保されていることも多いと聞きます。
よって1次試験から頑張る必要がなく就職活動において大きなアドバンテージを受けることができます。
ストレス耐性が付く
大学生活から社会人生活へのギャップは凄まじいものです。
特にストレスに関しては、自由な時間が減り仕事では上手くいかないことの方が多いためパフォーマンスが落ちる方が多いです。
一方大学院に進学すると理不尽に怒られたり、研究が上手くいかなかったりと社会人に似たストレスを受けることが多くなります。
中にはブラック研究室と言われる社会人より厳しい環境の研究室もあるようです。
そこに2年間身を置くことで、社会人になった時ストレスに耐えパフォーマンスを落とさず働くことができるのです。
大学院に進学するデメリットは?
大学院に進学するとメリットばかりがあるわけではありません。
そのメリットに見合ったデメリットも存在します。
ここではそのデメリットを解説していきます。
時間を無駄にしていると感じてしまう
そもそも大学院とは、その分野に興味がある人がより深く学ぶために進学する場所です。
しかし最近大学院は就職活動を有利にするための学歴として見なされることがほとんどです。
それにより、大して興味もないのに学歴のために大学院に進学する学生が多くなりました。
しかし興味がないことに2年間も従事するというのは非常に退屈であり無駄だと感じてしまいます。
そしてその分野に関して何の意欲も湧かないため大して知識が身に付かず、就職しておけばよかったと後悔する人もいるようです。
病んでしまう場合がある
「大学院に進学するメリットは?」でストレス耐性が付くと解説しましたが、それは研究室でのストレス耐えられることを前提としています。
大学生活から大学院生活へのギャップも相当大きく中にはそのストレスに耐えられず病んでしまう学生も出てくるようです。
学歴を傷つけることもある
大学院に進学するためには、大学院入試を通過する必要があります。
大学院入試は基本的にその大学に通っていた学生は優遇されると言われていますが、定員が決まっているため落ちてしまうこともあります。
そうなると学歴を上げて就職を有利にするどころか、時間を無駄にすることになってしまいます。
受験をするということはそれだけリスクを負うことになるので、しっかりと勉強してから挑みましょう。
特に最近では大学院進学者が増えているので、倍率が高くなっている大学も多くなっています。
院卒の初任給はいくら?メリットデメリットまとめ
今回は院卒の平均年収や学部卒との生涯年収の違い、大学院進学のメリット・デメリットなどを解説しました。
院卒は2年間社会に出るのが遅くなりますが、生涯年収で比べると学部卒より多くの収入を得られます。
その他にもプレゼンテーション能力が上がったり、ストレス耐性が付いたりとメリットが多くあります。
しかし研究室と合わないと時間を無駄にしていると感じたり、病んでしまう学生も出たりとデメリットも存在しています。
大学院進学は自分の性格に合うかどうかを考えて決めることが大切です。
是非この記事を参考に考えてみてください。