司法試験の合格率はかなり低いの?必要な学習期間についても紹介!

司法試験の合格率はかなり低いの?必要な学習期間についても紹介!

司法試験の合格率はかなり低いの?必要な学習期間についても紹介!

司法試験は弁護士や検察官、裁判官(法曹)になるために必要な試験です。

試験の難易度は皆さんご存知の通りですが、

「司法試験の合格率ってどのくらいなの?」

「合格する人は何人くらい?」

など、具体的な数字が気になる方も多いでしょう。

そこで今回は、司法試験の難易度や合格率に加え、必要な勉強時間について紹介していきます。

司法試験の合格率を大学別にランキングしていますので、志望校を決める参考にもなるでしょう。

司法試験受験を検討されている方は、ぜひ最後までお付き合いください。

※本ページにはPRが含まれます。

2023年(令和5年)司法試験の結果と合格率

2023年(令和5年)司法試験の結果と合格率

司法試験は厳しい試験であり、合格率に関する情報は多くの受験生にとって重要です。

合格者数は1,781人で合格率は45.34%

2023年(令和5年)における、司法試験の合格者数および合格率は以下の通りです。

令和5年 令和4年 増減
出願者数 4165人 3367人 +798人
受験予定者数 4165人 3339人 +826人
受験者数 3928人 3082人 +846人
短答式試験の合格に
必要な成績を得た者の数 3149人 2494人 +655人
合格者数 1781人 1403人 +378人
合格率 45.34% 45.52% -0.18%

2023年のデータを見ると、出願者数が3,367人から4,165人に増加し、受験予定者数も3,339人から4,165人に増えました。

受験者数も前年比で846人の増加があり、受験者数の増加傾向が見られます。

短答式試験の合格に必要な成績を得た者の数は2,494人から3,149人に増加し、これは前年比で655人の増加を示しています。

合格者数も1,403人から1,781人に増え、合格率は45.52%から45.34%に若干減少しましたが、引き続き高い水準を維持しています。

全体的に見ると、2023年の司法試験では受験者数や合格者数が増加傾向にあり、競争が一層激化していることが伺えます。

総合点と論文式試験の得点

次に、得点の状況について解説します。

まず、総合点は以下の通りです。

令和5年 令和4年
最高点 1220.8点 1287.56点
最低点 440.56点 464.97点
平均点 813.28点 802.22点

続いて、論文式試験の得点は以下のようになっています。

令和5年 令和4年
最高点 611.31点 639.17点
最低点 189.46点 207.41点
平均点 392.01点(379.93点) 387.16点(371.98点)

※()内の点数は、最低ライン点未満の者を含んだ点数です。

司法試験の合格点と合格ラインについて

令和5年(2023年)の司法試験において、短答式試験の合格点および合格ラインは99点でした。

司法試験は、短答式試験と論文式試験に分かれ、採点は短答式試験から行われます。

短答式試験で合格点を下回ると、論文式試験の採点は行われません。

司法試験の短答式試験の科目は民法、憲法、刑法の3科目で、それぞれの配点は75点、50点、50点となっており、総合得点は175点満点です。

短答式試験合格者の平均点は例年120~130点程度で推移しています。

短答式試験と論文式試験の配点割合が1:8であるため、短答の成績が悪くても最終的に合格する可能性が十分にあります。

また、短答式試験には足切りラインが存在します。

各科目の配点の4割が足切りラインで、民法が30点、憲法と刑法がそれぞれ20点です。

1科目でも足切りラインを下回ると、即座に不合格となるので注意しましょう。

転職で資格をとりたい方は「転職で役に立つおすすめ資格!理由や難易度を徹底解説!」から詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください

司法試験の合格者数と合格率の変化

司法試験の合格者数と合格率の変化

司法試験における合格者数と合格率は、年々の変動が見られます。

合格者数と合格率の変化を把握することは、受験生にとって重要な情報です。

司法試験の受験者数は減少している

最近の傾向として、司法試験の受験者数は一定のスピードで減少しています。

過去10年の司法試験受験者数をまとめていますのでご覧ください。

年度 受験者数
平成26年 9255人
平成27年 9072人
平成28年 7730人
平成29年 6716人
平成30年 5811人
令和元年
令和2年 4266人
令和3年 3754人
令和4年 3367人
令和5年 3928人

データを見ると、ここ10年で受験者が約半数以下になっていることが分かります。

受験者数の減少は、法科大学院への入学者が減少したことが影響していると言われているようです。

法科大学院を経て司法試験を受験する場合、まずは4年制大学を卒業し、続いて法科大学院にて学ばなくてはなりません。

履修者でも6年間の時間と費用が必要であり、経済的負担が大きいため、進学を選ばない人が増加しています。

法科大学院入学者の減少に伴い、もう1つの進路である予備試験を受験する人が増加しました。

しかし、ご存知の通り予備試験は難関であり、合格者が極めて少ないため、結果的に司法試験受験者も減少していると言えるでしょう。

司法試験の合格率は上がっている

一方で、司法試験の合格率は上昇している傾向があります。

以下は、法務省のデータを参考にした、ここ10年間の合格率の推移です。

年度 合格率 受験者数 合格者数
平成26年 22.60% 8015人 1810人
平成27年 23.10% 8016人 1850人
平成28年 22.90% 6899人 1583人
平成29年 25.90% 5967人 1543人
平成30年 29.10% 5238人 1525人
令和元年 33.60% 4466人 1502人
令和2年 39.20% 3703人 1450人
令和3年 41.50% 3424人 1421人
令和4年 45.52% 3082人 1403人
令和5年 45.34% 3082人 1403人

受験者数は減っているものの、合格者数にはほとんど変化がありません。

さらに、合格率を見てみると、20%台から40%台まで大きく伸びていることが分かります。

合格率の上昇に関しては、平成27年に政府が「法曹養成制度改革推進会議」で法曹合格者の数をおよそ1,500人程度にしていくべきだと決定したことが関係しているでしょう。

他にも役立つ資格が多くあり「介護資格の種類はどのくらいあるの?スキルアップに取るべき資格を徹底解説!」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。

予備試験ルートと法科大学院ルートはどちらの合格率が高い?

予備試験ルートと法科大学院ルートはどちらの合格率が高い?

予備試験と法科大学院どちらの合格率が高いのか、受験生にとって迷いや疑問があることでしょう。

それぞれのルートの合格率を比較してみましょう。

予備試験合格者の合格率は約93%

予備試験を経て司法試験に進むルートでは、合格率が約93%と高い水準を維持しています。

予備試験は司法試験と似ていることが特徴で、予備試験に合格できるレベルの場合、高い確率で司法試験に合格できることが分かります。

予備試験に合格することは、司法試験へのスムーズな移行が期待できることを示唆しています。

法科大学院修了生の合格率は32.61%と低め

一方で、法科大学院を修了した者が受験するルートでは、合格率が32.61%と比較的低めの水準です。

令和5年度の司法試験の受験者数は、全国で3,928名であり、昨年より846名増加しました。

全体の合格者数は1,781名であり、昨年の1,403名より378名増加しています。

受験者に対する合格率は45.3%で、昨年(45.5%)よりも0.2%下落しました。

一方、法科大学院修了生・在学生を併せた合格率は40.7%でしたが、法科大学院修了生の合格率は32.6%で、昨年(37.7%)より5.1%下落しています。

新たに受験資格を得た法科大学院在学生の合格率は59.5%と、高めの結果となりました。

【大学別】令和5年度の司法試験合格者数と合格率

【大学別】令和5年度の司法試験合格者数と合格率

令和5年度における、法科大学院別で見た合格者数および合格率をランキングにしました。

なお、合格者がいなかった法科大学院は省略しています。

順位 大学院名 合格者数 既修・未修 合格率
1位 京都大 188人 167人・21人 68%
2位 慶應義塾大 186人 168人・18人 60%
3位 東京大 186人 152人・34人 59%
4位 早稲田大 174人 153人・21人 45%
5位 一橋大 121人 110人・11人 67%
6位 中央大 90人 81人・9人 39%
7位 大阪大 78人 68人・10人 43%
8位 神戸大 71人 68人・3人 49%
9位 名古屋大 71人 33人・9人 47%
10位 同志社大 29人 27人・2人 33%
11位 明治大 29人 26人・3人 27%
12位 北海道大 28人 23人・5人 38%
13位 東北大 25人 21人・4人 30%
14位 九州大 22人 20人・2人 23%
15位 立命館大 20人 20人・0人 18%

法科大学院別では、京都大学が最も多くの合格者を輩出し、188人が合格しました。

それに続いて慶應義塾大学と東京大学が同じく186人の合格者を出しました。

東京大学法科大学院や一橋大学法科大学院、慶應義塾大学法科大学院といった上位常連校は、例年通りの実績を挙げています。

今回より受験が認められた、法科大学院在学者の合格者数は637人でした。

法科大学院修了者のうち、法学を既習した人のコース出身者は670人で、未修者コース出身者は147人です。

司法試験を志す際のステップ

司法試験を志す際のステップ

司法試験を受験する際には、慎重な計画と準備が求められます。

以下に、司法試験を志す際の重要なステップを紹介します。

法学との適性を確かめる

司法試験は法学の知識が不可欠です。

法学に興味を持ち、その理解を深めることが司法試験への第一歩です。

法学の学習に興味を抱くことで、将来の法曹としてのキャリアに対する適性を確かめることができます。

受験資格の確認

司法試験の受験ルートには、予備試験の合格者が進む「予備試験ルート」と「法科大学院ルート」があります。

予備試験ルートには、学歴や年齢といった受験資格がありません。

一方で、法科大学院ルートでは、原則として4年制大学を卒業していることが必要とされています。

どちらのルートを選ぶかにあたり、まずは必要な条件を満たしているかを確認しましょう。

勉強時間の確保

司法試験は高度な知識と広範な範囲を要求します。

合格に向けては十分な勉強時間が必要です。

学生に関しては時間を作りやすい環境にありますが、社会人の場合はどうやって時間を捻出するかも重要な課題となってきます。

仕事や学業との両立を考慮し、計画的に勉強時間を確保することが重要です。

予備校の利用を考える

予備校は司法試験の準備に役立つ場合があります。

専門的な指導や模擬試験を受けることで、効率的な学習が可能です。

予備校の利用を検討し、自身の学習スタイルに合ったサポートを受けることで、合格への道がより開けるでしょう。

司法試験合格に必要な学習期間はどれくらい?

司法試験合格までの勉強時間には2,000~7,000時間という一般的な基準がありますが、これは合格の絶対的な保証ではありません。

人によっては2,000時間未満で合格するケースもあり、逆に7,000時間以上勉強しても合格できない場合もあります。

学習環境や経験、そもそもの能力など、個人差が大きいからです。

大切なのは正しい方向の勉強に集中し、地道な訓練として問題解決に励むこと。

絶え間ない地道な訓練が、安定した基礎を築く鍵です。

一定の勉強時間を確保しつつ、量よりも質の高い勉強に重点を置くよう心掛けましょう。

合格までの道のりは人それぞれで、柔軟なアプローチが成功への近道です。

40代からでも異業種に転職したい!という方は「40代からでもやり直せるおすすめ資格はある?転職にも使える資格も紹介!」から詳しく見ることができます。参考にしてみてください。

司法試験合格の鍵となる要点

司法試験合格の鍵となる要点

司法試験合格に向けて、成功の鍵となる重要なポイントを簡単に紹介します。

継続的な学習と実践

司法試験においては、幅広い法律知識と高度な論理的思考力が求められます。

合格には継続的で計画的な学習が欠かせません。

日常的な学習スケジュールを確保し、定期的に模擬試験や問題演習を通して実践的なスキルも養うよう努めましょう。

目標と現実のバランス

合格への道は険しいものであり、目標を持つことは重要ですが、同時に現実的な目標設定も大切です。

無理な学習計画や過度なプレッシャーは逆効果となりかねません。

合格への道を着実に進むために、目標と現実のバランスを意識しましょう。

過去5年分くらいの過去問を解く

過去問は合格の近道です。

過去5年分程度の過去問を解くことで、出題傾向や重要なポイントを把握し、自身の弱点を克服することができます。

定期的な過去問解答は、試験当日の自信となり、合格にも大きく役立つでしょう。

司法試験の合格率はルートによって大きく異なる

司法試験の合格率はルートによって大きく異なる

令和5年(2023年)の司法試験の結果は、1,781人の合格者数と45.34%の合格率を記録しました。

始まったばかりの法科大学院在学中に司法試験を受験できる制度の影響で、受験者数と合格者数は増加しましたが、全体の合格率には大きな変動は見られませんでした。

しかしながら、新制度により法科大学院在学中受験者の合格率が59.53%、法科大学院修了者の合格率が32.61%と大きな差が生まれ、法科大学院での学修期間と合格率が反比例した結果となりました。

この結果から、司法試験に合格するためには法科大学院に入学してからじっくり学ぶだけでなく、入学前からの準備が重要であることが明らかになったと思います。

司法試験を目指す際、合格率は選択する進路によって大きく変動します。

予備試験ルートを選ぶか、法科大学院ルートにするか、また両方という選択肢もあるでしょう。

受験生は自身の適性や進学経路を考慮し、最適なルートを選ぶことが合格への鍵となります。

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