通信制高校の学費はいくら?学費が安い通信制高校 更新時間 2023.10.06
通信制高校への進学を考えている方にとって、学費は重要なポイントですよね。
「通信制高校の学費ってどれくらいかかるの?」
「学費を安くする方法を知りたい」
このような疑問や不安を抱えている方に向けて、この記事では、通信制高校の学費について詳しく解説していきます。
さらに、学費を抑える方法や奨学金制度についてもお伝えしますので、学費に不安を抱える方、無理なく通信制高校で学びたい方は参考にしてみてください。
通信制高校の魅力的な学費事情を知り、自分に合った進学プランを見つけてみましょう。
【公立VS私立】通信制高校にかかる学費
通信制高校の学費は一般的にどの程度かかるのか、平均的な費用について説明します。
公立の学費は年間4〜5万円
公立の平均学費は以下のとおりです。
3年間通ったとしても、12〜15万円ほどで卒業できるとあって、学費を抑えたい方におすすめです。
私立の学費は年間25万円〜
私立の学費は、公立と比べて年間20万円以上高くなるのが一般的です。
上記のほか、スクーリング費用や通信費などがかかります。
スクーリングは本校がある都道府県で開催されるケースが多く、宿泊を伴う合宿タイプが多いです。
お住まいの地域によっては、電車代や飛行機代、ホテル代、食事代などの費用がかかります。
また私立の場合、1単位あたりの授業料が高くなりますが、就学支援金を利用すれば無償もしくは半額近い減額が可能になるでしょう。
私立の通信制高校へ進学する生徒が増えている
以下の表は、文部科学省が調査した「高等学校の生徒数」のデータです。
高校生全体の人数は減少していますが、私立の通信制高校の生徒数のみ増加しているのが分かります。
全日制・定時制 | 公立通信制 | 私立通信制 | |
平成2年 | 5,623,336人 | 97,271人 | 69,715人 |
平成7年 | 4,724,945人 | 97,330人 | 56,653人 |
平成12年 | 4,165,434人 | 107,854人 | 74,023人 |
平成17年 | 3,605,242人 | 93,770人 | 89,748人 |
平成22年 | 3,368,693人 | 86,843人 | 100,695人 |
平成27年 | 3,319,114人 | 66,702人 | 113,691人 |
令和2年 | 3,092,064人 | 55,427人 | 151,521人 |
学費が高いのにも関わらず、多くの生徒は公立よりも私立の通信制高校を選んでいるようです。
学費が高い私立の通信制高校が人気のワケとは?
ここでは、なぜ学費が高い私立の通信制高校が人気を集めているのかについて考えてみましょう。
年数回のスクーリングで卒業できる
私立の通信制高校が人気を集める理由の一つは、年数回のスクーリングで卒業できる点です。
学校によっては、年間3日〜5日程度のスクーリングで卒業資格が得られる通信制高校もあります。
通信制の基本は自宅学習なので、全日制高校のように毎日登校する必要はありません。
進学や家庭などの都合に合わせて学習ペースを調整できるため、無理なく学業と両立することができるのです。
登校日数が少なくても、きちんとした教育を受けながら卒業へのステップを進めることができるのが、多くの生徒にとって大きなメリットになります。
ICTの活用を通じた学習の充実
私立の通信制高校は、情報通信技術(ICT)によって学習環境が充実しているのも強みです。
現代の通信制高校では、オンライン授業やバーチャルラボを通じて、生徒がどこでも自由に学習に参加できる環境が整っています。
例えば、難しい科目や理解が追いつかない問題に対しては、動画視聴を何度も繰り返し学習することができるのです。
また、オンライン上で教師や仲間とのコミュニケーションも円滑に行えるため、質問や意見交換を通じて学習の理解を深めることができます。
ICTを活用することで、学習の効率化と質の向上を促進する一方、将来における情報社会で必要とされるスキルを身につけることも可能です。
多様な生徒へのきめ細かなフォロー
通信制高校には、さまざまな事情を抱えた生徒が集まっているのが特徴です。
学習スタイルや進路に個人差があるため、私立の通信制高校では生徒一人ひとりに合わせたフォローアップが行われます。
スクールカウンセラーや専門家が在籍しており、生徒の進捗状況や課題に対してきめ細かなサポートが可能です。
これにより、生徒の成績向上や進路決定に対する不安が減り、学費に見合った価値が提供されていると言えるでしょう。
通信制高校の学費の仕組み
通信制高校の学費は、一般的な全日制高校とは異なる仕組みで設定されています。
学費の仕組みを理解し、進学を考える上でのポイントをつかみましょう。
登校回数や通学形態で学費が変わる
通信制高校では、学校に通う回数や方法によって学費が変わることがあります。
通信コースや在宅コースを選択した場合、オンラインで勉強することが多くなるので、施設費が少なくなったり補習費がかからなかったりして学費を抑えることが可能です。
一方で、頻繁に登校する場合は、学費が高くなるケースが多くなるでしょう。
週1日登校するのと週5日登校するのとでは、年間で30万円以上も学費に差が生じることがあります。
また学習センターやキャンパスが自宅近くならいいですが、離れた場所にあると交通費もかさんでしまうでしょう。
オプションコースや専門コースの選択で学費が高くなる
通信制高校にはさまざまな専門コースがあって、その中から興味のあるものを選ぶことができます。
美容師やネイル、アニメ、プログラミング、進学コースなど、通信制高校と専門学校が提携しているケースも少なくありません。
ただ、専門的なことを学ぶコースや特別なコースは、学費が高くなってしまうことがほとんどです。
自分の進路や好みに合ったコースを選ぶときは、学費がどれくらい高くなるかを検討した上で決めるようにしましょう。
集中スクーリングや合宿は別途費用がかかる
通信制高校では、年に1〜2回ほど集中的な授業や合宿スクーリングを設けています。
スクーリング費用は授業料には含まれておらず、宿泊や食事、交通費が別途かかるケースがほとんどです。
また修学旅行や遠足といったイベントへ参加する際にも、費用が別途かかることを理解しておきましょう。
通信制高校のメリット、デメリットについて詳しく知りたい方は是非 「通信制高校に通う5つのメリットデメリット!対策も合わせてご紹介!」を参考にしてみてください!
通信制高校の学費を安くする3つの方法
通信制高校への進学を考える際、学費の負担を減らす方法はいくつかあります。
ここでは、通信制高校の学費を安くする3つの方法をご紹介します。
通学コースよりも通信コースが格安
通信制高校には通学コースと通信コースがありますが、通信コースの方が学費が格安なことが多いです。
通信コースでは主にオンライン授業を受けるため、キャンパスに通う必要が少なくなります。
これにより、施設の利用料や交通費を節約できるため、学費を抑えることが可能です。
少ないスクーリングで卒業できる学校を選ぶ
通信制高校の中には、年に数回のスクーリングで卒業できる学校もあります。
年に数回の登校で卒業できれば、アルバイトや仕事との両立も難しくありません。
実際に通信制高校では、アルバイトなどで学費を稼ぎながら学んでいる生徒が多い印象です。
これに対して、スクーリング回数が多い学校は、施設費や人件費などで学費が高くなることがあります。
少ないスクーリングで卒業できる学校を選ぶことで、対面授業に伴う費用を節約することができます。
就学支援金制度や高校生等奨学給付金を活用する
就学支援金とは国による授業料支援で、返済不要なのが特徴です。
2020年4月から私立の通信制高校でもスタートし、全国の約8割の生徒が利用しています。
就学支援金によって授業料の実質無償化、もしくは大幅な減額によって、家庭の教育費負担を軽減することが可能です。
「就学支援金だけでは厳しい」という場合は、低所得世帯に対して授業料以外の教育費を支援する「高校生等奨学給付金」を活用しましょう。
就学支援金ではカバーできない、教材費や教科書代に充てることができ、費用を気にせず高校へ進学できるようになります。
知っておくべき!就学支援金制度の注意点
通信制高校への進学を考える際、就学支援金制度を利用することで経済的な負担を軽減できるかもしれません。
しかし、制度を上手に利用するためには注意が必要です。
ここでは、就学支援金制度の注意点を解説します。
学校により事前徴収するケースがある
就学支援金は国から学校へ直接支払われるため、事前に生徒や保護者が受け取れるわけではありません。
国からの支給が決まるまで、保護者から授業料を徴収し、あとで還付するケースがあるので注意が必要です。
家計がキツいときなどは猶予措置等を利用できるケースもあるので、学校へ相談してみましょう。
世帯年収910万円以上の生徒は利用できない
就学支援金制度は、経済的に厳しい状況にある生徒や家庭を支援するために設けられた制度です。
そのため一定の条件を満たさないと、支援の対象にはなりません。
例えば、世帯年収が910万円を超えている場合、支援金を受けとれないことがあります。
条件はお子さんの人数や共働きか否かなどによって変動するため、役所や学校での確認が必要です。
自身の家庭の収入状況を確認し、制度の対象になるかどうかを把握しましょう。
授業料以外は実費になる
就学支援金は、主に授業料を軽減することを目的としています。
しかし学校生活においては、教材費や学用品、イベント参加費などがかかり、家計の大きな負担になることも少なくありません。
支援金が適用される範囲をよく理解し、授業料以外の学費がどのくらいかかるのか把握するようにしましょう。
学費が安いおすすめの通信制高校
学費が安くサポートも充実している、おすすめの私立の通信制高校をご紹介します。
【年間約5万円】翔洋学園高等学校
翔洋学園高等学校は、日立市にある通信制の私立高校です。
やりたいことを尊重してくれる自由な校風が特徴で、生徒の個性や長所を伸ばす教育を大切にしています。
翔洋学園高等学校の注目すべき特性は、登校回数にかかわらず学費が一定な点です。
一般的には、登校回数が多いほど学費が高くなるので、
「学費を抑えたいけど通学したい」
「友だちや先生との関わりを大切にしたい」
という方におすすめできます。
ただし、福島・新潟・千葉・茨城・山形県からの入学しか受け付けておらず、他県の方は残念ながら進学できません。
就学支援金を適用すると、年間約5万円で通学できます。
【年間約5万円】代々木高等学校
1993年に開校した代々木高等学校は、東京都渋谷区にある私立の通信制高校です。
卒業率は通信制高校の中でもトップクラスの「98%」で、高校卒業資格を取得するためのサポートを徹底しています。
学校にはさまざまな専門家がいて、生徒のサポートに当たっています。
臨床心理士や家族支援カウンセラー、コミュニケーションセラピスト、発達障害学習支援サポーターなどの有資格者が常駐しており、家族のサポートやコミュニケーション、発達障がいの学習支援までフォローしてくれるのが強みです。
前の学校に馴染めなかった生徒や、不登校を経験した生徒にとって、代々木高等学校は安心して通える場所といえるでしょう。
就学支援金を適用すると、初年度の学費は約5万円に抑えられます。
【年間約6万円】明聖高等学校
2000年に開校した明聖高等学校は、千葉県初の私立の通信制高校です。
現在は東京都中野区にもキャンパスがあり、およそ6,000人以上の卒業生を輩出しています。
同校の通信コースは、年間約20日のスクーリングと定期的なレポート提出で学習を進めます。
メールで質問ができたり、個別での学習相談に乗ったりするのに加え、パソコンで学べるDVD教材もあって効率的に学べる学校です。
また教員がカウンセリング資格を所持しており、不登校や引きこもり生徒の克服も期待できるでしょう。
就学支援金を適用すると、初年度の学費は年間約6万円ほどになります。
原則、学費は入学時一括納入となりますが、授業料やコース費は分割納入も可能です。
【年間約6万円】クラーク記念国際高等学校
クラーク記念国際高等学校は北海道を拠点にし、全国にキャンパスを持つ通信制学校です。
1992年開校以来、1万人以上の生徒に学びの場を提供してきました。
週に5日通学するタイプを基本とし、自宅でのe-ラーニングを中心に月1~2日通学するコースや、週に数日通学するコースも用意されています。
クラークの素晴らしいポイントは、担任が全員カウンセラー有資格者であることです。
生徒たちは自分の担任を選ぶことができ、担任の先生と一緒に自分に合った学習計画を立て卒業を目指します。
さらに、国際、IT、声優、アート、音楽、スポーツなど、多種多様な特化コースも用意されており、自分の興味や得意分野を追求できるのが魅力の学校です。
就学支援金を適用すると、初年度の学費は年間約6万円ほどになります。
【年間約6万円】日本ウェルネス高等学校
日本ウェルネス高等学校は、自分の目標に合った専攻が選べる広域制の通信制高校です。
「週5日通学」「週2日通学」「通学0」の3つの学び方から選べるので、自分のライフスタイルに合った高校生活が送れます。
「登校を最小限にしたい」「集団生活が苦手」「働きながら学びたい」という人には、「通学0スタイル」がおすすめです。
年間わずか4日の登校で卒業できるので、忙しい方や不登校の方でも無理なく卒業できます。
また、音楽やパフォーマンス、ペット、マンガなど17のコースから専攻するコースを選べるので、将来の目標が明確な方にもぴったりの学校です。
就学支援金を適用すると、初年度の学費は約6万円に抑えられます。
高校の学費に困っている方は必見! 「高校の学費が払えない時の対処法!学費を安く高校を卒業するには?」を参考にしてみてください!
通信制高校の学費は安い!コースや通学スタイルを工夫しよう
通信制高校への進学を検討している方に向けて、通信制高校にかかる学費について解説しました。
学費のことを心配して、進学をためらっている方も多いことでしょう。
しかし、通信制高校はその柔軟なシステムから、学費を安く抑える方法がいくつか用意されています。
通学回数を少なくする通信コースや、自宅学習メインのコースなどは、施設費や交通費を抑えて高校に通うことが可能です。
また特定の分野に特化したコースも存在しますが、学費の安さを優先するならオプションをつけない方がいいでしょう。
多くの通信制高校では、奨学金や支援制度を活用することで、経済的な負担を軽減できます。
自分の状況や目標に合わせて最適な進学プランを見つけ、学費の心配を軽減しながら進学を検討してみましょう。
他にはどんな通信制高校があるのか気になる方は必見! 「偏差値60以上の難関大学を目指せる通信制高校一覧!通信制高校の大学進学は不利?有利?」を参考にしてみてください!