HSCの子は通信制高校の方が向いてるってほんと?HSCとの向きあい方も伏してご紹介 更新時間 2023.06.06
「HSC」という言葉をご存知でしょうか?
知らない方も多いかもしれません。
「HSC」とは「ひといちばい敏感な子」を意味する概念です。
学校に馴染めず、不登校になってしまう子の多くがHSCの傾向にあると言われています。
また全日制高校よりも、HSCの子は通信制高校の方が相性が良い場合もあります。
しかし実際、通信制高校はハードルが高いですよね。
そこで今回は、HSCの解説と、HSCと通信制高校の相性、HSCとの接し方を紹介します!
HSCって何?
HSCとは、具体的にどんなものなのでしょうか。
実際、どんなものか聞いてもよく分からないですよね。
ここではHSCの具体的な解説をします。
- HSCの傾向
- HSCと発達障害の違い
- HSCのチェック方法
HSCの傾向
HSCと聞いてもパッと想像がつかない方も多いのではないでしょうか?
まず、HSCとは生まれつき繊細で感性が鋭い子のことを指します。
具体的な傾向としては、下記のようなものが挙げられます。
- ひといちばい敏感な特性を持つ(5人に1人の割合)
- 生まれつきよく気が付き、深く考えてから行動する
- 身体の内外のことに敏感
- 雰囲気や表情、におい、ユーモア、動物とのコミュニケーションなど気づくポイントは人それぞれ
- 悲しみや喜びを他の人よりも強く感じる
- 感受性が強く、豊かな想像力がある
このようにHSCの子は生まれながらに感受性が強く、刺激に敏感なため、人が多く集まる場所や騒音が苦手だったり、他者への共感力が強い子も多いです。
そういった気質から、上手く学校生活や環境に馴染めずにいる子どもも少なくありません。
また具体的な傾向として取り上げているように、日本では5人に1人の割合で気質を持っています。
HSCは多いわけでもありませんが、決して珍しいことではないため、ネガティブに捉えるのは控えましょう。
HSCと発達障害の違い
ここで注意してほしいのは、HSCは生まれ持った気質であり治療の必要な発達障害ではないという点です。
原因を追究したりし、ネガティブに捉えるものではないことを理解しましょう。
たとえHSCの気質を持つ子がいたとしても、それはその子の生まれ持ったものです。
否定せず、その子の気質なのだと受け入れることが大切と言えるでしょう。
HSCについてもっと詳しく知りたい方は、「私はHSC?HSCとは?HSCでも大丈夫な通信制高校を紹介!」をご一読ください!
HSCになる理由
HSCは気質ですが、それでもHSCの子どもの自己肯定感が低くなることには原因があります。
自己肯定感とは、「自分は大切な存在だ」「生きていてもいいんだ」というような自分に対する自信です。
自己肯定感は心の成長の土台となり、しつけやルール、勉強などといった者が積み上がり育っていきます。
では、具体的にどのようなことで、HSCを持ちにくくなり自己肯定感はを上げることができるでしょうか。
ここでは4つの理由をご紹介します。
- しつけの影響
- 自分に厳しい
- 手のかからない子になりやすい
- 集団生活が苦手
また不登校の子が通信制高校に通うとどうなるのか知りたい方は、「不登校の人が通信制高校へ行くとどうなるの?進学するメリット・デメリット」をご一読ください!
しつけの影響
HSCの子どもは真面目な子が多いです。
ルールを守る傾向にあり、ちょっとした否定の言葉を強く受け取ってしまいやすい傾向にあります。
そのため、否定の言葉を人格全体を否定されたと感じてしまうこともあり、深く傷つくこともあるでしょう。
周囲にそんなつもりが無くても、傷ついてしまうことがあるため、言動には注意が必要です。
自分に厳しい
自分に厳しい傾向にあるのも、HSCの子どもの特徴です。
この厳しさから、自分をネガティブに見てしまうこともあります。
失敗を重く受け止めることもあることを覚えておくようにしましょう。
手のかからない子が多い
嫌や周囲の大人の気持ちを察し、何を求められているのかを理解できるHSCの子は手がかからないことが多いです。
手がかからないから安心だと放っておくと、甘えたいときに甘えられない子になってしまう可能性があります。
手がかからないからといって、安心してしまうのはやめましょう。
集団生活が苦手
感受性豊かで騒音が苦手な子が多いHSCは、集団生活が苦手です。
人前で緊張してしまう傾向にあるため、学校などでは十分に実力を発揮できず、自信を失ってしまう子も多い傾向にあります。
さらに、HSCの子は友達の暴力的なふるまいや悪口に過剰に反応してしまいやすいです。
たとえ自分に向けられたものではないとしても、自分が責められているような気持ちになってしまう子も少なくありません。
こういった出来事が重なり、学校へ行きたがらず不登校になってしまう子もいます。
様々な要因がありますが、HSCにとって学校は大変なことだと周囲の大人は理解し、無理に行かせないようにしましょう。
HSCの子どもと接する5つのポイント
HSCの子どもは環境変化や周囲の人の気持ちにより、ストレスをため込みやすい傾向にあります。
そのため、どう接すればいいのかわからない方も多いでしょう。
そこでここでは、HSCの子どもと接する方法を5つご紹介します。
- 1.HSCの正確な情報を得る
- 2.子どもの状態を見守る
- 3.感情的に子どもを叱らない
- 4.子どもの味方であることを伝える
- 5.子どもの感性を否定しない
不登校や引きこもりの子へのやってはいけない接し方を知りたい方は、「不登校や引きこもりの親がやってはいけない行動6つ」をご一読ください!
1.HSCの正確な情報を得る
大切なのは、まずHSCの正確な情報を得ることにあります。
自分がHSCの知識を深めることで、何が正確で何が嘘の情報か見抜くことができるようになりますよ。
また、HSCの知識を深めるためにインターネット検索や友達に聞くことはおすすめできません。
相手によっては逆に不安を煽るような言葉を投げかける方もいます。
さらにインターネットも情報が玉石混淆のため、真実を見抜くのは至難の業でしょう。
正確な情報を得たい場合は、HSCの専門家に相談をするのがベストと言えます。
2.子どもの状態を見守る
HSCの子どもは普段通りに見えて、実は日々の不安や恐怖と戦っています。
特に共感力の強いHSCの子どもは、「親に迷惑をかけたくない」という思いからSOSを伝えられない子も多いです。
見かけや学校に行っているからといって安心せず、子どもの助けに気づいてあげることが重要になります。
子どものSOSに気づくためには、HSCの特徴を理解し、日々の行動や様子の観察を怠らず見守ってあげるようにしましょう。
3.感情的に子どもを叱らない
子どもの行動や態度に一貫性がなかったとしても、感情的に叱るのは良くありません。
HSCの子どもは気持ちにムラがあることが多く、情緒不安定になってしまうことも珍しくないです。
親からしたらしつけとして叱らなければいけないと思う人も多いでしょう。
しかし、叱り過ぎることで自己肯定感を下げてしまい、何もやる気の起きない状態になってしまう可能性があります。
日によってムラがあるのはHSCの子どもの気質です。
少し普段と様子が異なる際は叱らず、見守るようにしましょう。
4.子どもの味方であることを伝える
HSCの子どもは日々の刺激により不安を抱えている子が多いです。
特に学校では、様々な子と集団生活を共にするため、刺激は普段よりもずっと強いでしょう。
そういった刺激から自己肯定感を低くしてしまい、不登校につながるケースもあります。
こういった場面で親にできることは、まず味方であることをはっきり伝えることです。
近くに味方がいることを伝えることで、子どもは安心して過ごすことができます。
たとえ学校で嫌なことがあっても、味方がいるという事実は心を強く保つことに役立つはずです。
親は日々生活の中で、子どもの味方であることを伝え続けるようにしましょう。
5.子どもの感性を否定しない
HSCの子どもは物事ひとつひとつに対して、深く考えてしまう傾向にあります。
周囲の子が気にしないことでも、HSCの子は気にしてしまうことも少なくありません。
そういった際、他の子と違うことを親としては否定してしまう事もあるでしょう。
しかし、口をはさんでしまうと子どもは自分の感性を否定されたと思ってしまう可能性があります。
また、他の子との違いからからかいの対象になってしまうことも少なくありません。
まずは親が子どもの感性を認めてあげれば、子どもの自己肯定感は上がります。
自分に自信がつくと新しいことにも挑戦しやすくなるため、まずはその子の感性を認めてあげるようにしましょう。
HSCの子のためにできることは?
HSCの子どもは他の子と少し異なる面もあります。
些細な違いでも、親からしたら不安になってしまうこともあるでしょう。
ここでは、HSCの子どものためにできることを4つ紹介します。
- 無理に学校に行かせない
- 周りの子どもと比較しない
- 子どもとスキンシップをとる
- 学校にHSCの情報共有をする
無理に学校に行かせない
HSCの子どもの中には、刺激が多く集団生活の強い学校に恐怖心を抱いてしまう子もいるでしょう。
そういった子に対し、無理に学校に行かせるのは得策とは言えません。
助けを求められないHSCの子どもが学校に行きたくないと言うのは、SOSの証と言えます。
学校に行きたくないということには、理由があるはずです。
まずはなぜ学校に行きたくないというのか、聞いてみましょう。
話しやすい環境を整えれば、自ずと学校に行きたくない理由を話してくれるかもしれません。
無理に登校させると親を敵視する可能性もあるため、注意しましょう。
また、時には通信制高校の方があっている場合もあります。
通信制高校は全日制高校よりも自由であり、自分のペースで勉強ができます。
周りの環境に振り回されることも少ないため、HSCの子には向いていると言えるでしょう。
周りの子どもと比較しない
HSCの子ども以外にも言えますが、自分の子どもと周りの子どもを比較することは避けましょう。
HSCの子どもは周りの子どもと異なる考え方や行動を取りやすく、本人も自覚しているケースも多いです。
そのような状況で、周りの子どもと比較し他の子と違うとプレッシャーをかけるのは、ストレスを増長させる要因となります。
またストレスが溜まれば、学校に行きたくなくなってしまうでしょう。
周りの子どもと比較することは、HSCの子どもに限らず悪影響を与えてしまうため、比べるのではなく理解し認めてあげるのが大切です。
子どもとスキンシップをとる
子どもとスキンシップを取ることも大切なコミュニケーションと言えます。
1日1回で良いので、子どもを抱きしめてあげるようにしましょう。
親に抱きしめてもらえれば、子どもも安心感を覚え、親は自分の味方なんだと実感できます。
抱きしめることで子どもの自己肯定感が上がり、学校へ行きたいと思えるようになるかもしれません。
子どもの自己肯定感を高めるためにも、スキンシップを欠かさずおこないましょう。
学校にHSCの情報共有をする
HSCのことは、学校に伝え理解をしてもらうことも子どものために重要と言えます。
学校はHSCの子どもにとっては刺激が多く、ストレスが溜まる要因となります。
学校を拒否する前に、学校や担任の先生にHSCの情報を共有しておくと子どものストレスが軽減されることもあります。
また学校側も事前に伝えておけば、自分の理解者が学校にもいるのだと分かり、学校に行くハードルが下がるでしょう。
HSCの子どもが安心して入学できる通信制高校の特徴
HSCの子どもにとって、支援やサポートの少ない学校は辛い場所になる可能性があります。
その点、通信制高校はサポートのしっかりした学校も多いですし、自由な環境であるため通いやすいでしょう。
そこでここでは、HSCの子どもでも安心して入学できる通信制高校の特徴を紹介します。
- 安心できる場所がある
- 自分にぴったりな学習スタイル
- 社会で自立するためのサポート
安心できる場所がある
通信制高校の場合、全日制高校よりも自由な側面が強くあります。
集団生活の束縛は全日制高校よりも弱く、HSCの子どもでも安心できる場所を作れるでしょう。
また、カウンセラーなどの専門の先生がいることもあり、安心して子どもを通わせることもできますよ。
全日制高校で感じていたストレスが、通信制高校で改善されたケースもあるため、進学先の例に入れるのも良いでしょう。
自分にぴったりな学習スタイル
通信制高校は、全日制高校よりも進みが早くない為、自分のスピードで勉強することができます。
また、通信制高校は単位制のため自分のペースで学習することが可能です。
自分にあった学習スタイルを身に着けることができ、自由な学生生活を送れます。
もちろん、通信制高校でも大学や専門学校進学は可能です。
中には大学受験に強い学校もあるため、大学進学を視野に入れている方はぜひ大学受験へのサポートの手厚い学校を探してみましょう。
社会で自立するためのサポート
通信制高校の中には自立するためのサポートに特化した学校もあります。
アニメやファッション、ダンスなどの専門コースが設けられている学校もありますよ。
そういった学校では、卒業後も自立し仕事をしていけるだけの知識や経験を積むことが可能でしょう。
自分の趣味をつきつめ、仕事にしたいと考えている方にはそういった学校がおすすめです。
通信制高校で自分らしい高校生活を送ろう!
いかがでしたでしょうか。
今回はHSCの子との接し方を紹介しました。
HSCの子は、親に迷惑をかけてはいけないと助けを求められずにいる子もいるでしょう。
そういった子たちは、ぎりぎりまで我慢をしやすいです。
学校を拒否した際は、まず子どもの気持ちを尊重し長い目で見守っていきましょう。
また、HSCの子は通信制高校の方がのびのびと過ごせる場合があります。
もし全日制高校で馴染めず、苦しい思いをしている場合は通信制高校も視野に入れてみてくださいね。