フリースクールに行こう! 学校との違いや学費を紹介! 更新時間 2023.07.04
「フリースクールと学校って何が違うの?」
「学費ってどれくらいかかるんだろう……」
「どんな授業をするのかな?」
お子さんが不登校になったとき、選択肢の1つとしてあげられるのがフリースクールです。
しかし名前はよく聞くけど、どんなスクール生活を送っているかまでは知らない方も多いでしょう。
そこで本記事では、フリースクールの授業内容や費用、学校との違いについて
詳しく解説していきます。
フリースクールってどんなところ?
フリースクールは、NPO法人やボランティア団体などが運営する民間の教育機関です。
何らかの事情で学校に行くことができない、行きたくない子どもたちが、学校の代わりに過ごしています。
不登校や引きこもり、いじめ、発達障がいなど、さまざまな子どもを受け入れ、学びの場を提供している フリースクールがあります。
ここでは、「フリースクールとは何か」について詳しく解説していきます。
フリースクールは不登校児童の学習や生活をサポートする施設
フリースクールは、不登校の子どもを受け入れている団体や施設を指します。
全国には474ヵ所の施設や団体があり、少なくとも4,196人が通っている ことがわかっています。
フリースクールは、以下のような目的を持って運営されています。
- 子どもが安心して生活できる居場所の提供
- 社会とのつながりを感じられること
- 学習の遅れを取り戻し学校に復帰しやすくすること
- 医療機関や専門家と連携しサポートする
2016年に制定された「教育機会確保法」により、小・中学生であれば、在籍する学校に籍をおいたままフリースクールに通えるようになりました。
子どもの個性や自由に重きをおき、のびのびと生活することを重視して、学習や心理的ケアを行っています。
フリースクールはどんな人が通っている?
フリースクールに通っているのは、不登校や引きこもり、発達障がいなどで学校に通いづらくなった子どもたちです。
フリースクールは「子どもの居場所になること」を目的としていますが、いくつかのタイプがあるのをご存知でしょうか。
発達障がいや学習障がいに特化していたり、学校復帰のためのサポートが充実していたり、スタッフが自宅に訪問して一緒に過ごす スクールもあります。
さらにフリースクールと似ているようで異なる「サポート校」、ヨーロッパやアメリカの哲学的思想を取り入れた「オルタナティブスクール」も、フリースクールと同じくくりにされていることが多いです。
お子さんのフリースクールを選ぶ際には、医療機関や子育て支援などに相談して決めるのも1つの手段です。
フリースクールに年齢制限はある?
入学できる年齢は、施設によって異なります。
もっとも多いのは、小・中学生を受け入れ対象としているところです。
施設によっては高校生~20歳くらいまで、幅広く受け入れている施設もあります。
ちなみに、平成27年時点でのフリースクール在籍者数は、小学生が1,833名、中学生が2,363名でした。
高校生は1,633名で、高校にも大学にも在籍しない16歳以上は1,182名です。
しかし、ここ数年で不登校児童の生徒は急激に増えており、施設数や生徒数も著しく増えている
ことが予測できます。
フリースクールと学校の違い
フリースクールと学校の違いについて、クラス構成や授業の様子について解説します。
個別指導や少人数制
1つの施設・団体に在籍する小・中学生の平均人数は、およそ13人です。
生徒数20人以下のフリースクールが全体の8割強を占めています。
学年によっては1、2人しか同学年がいないことも多いため、クラス構成がされていないスクールも多いです。
学年や年齢に関係なく、さまざまな年代の子が混ざり合って生活していることが、一条校との大きな違いといえます。
また大人数が苦手な子どもは、1人で本を読んだり制作をしたりして、1人の世界に没頭することもできます。
フリースクールは本人が安心して過ごせることを重要視しており、集団生活に慣れるよう強要することもありません。
授業内容
フリースクールの普段の活動は、生徒自身が自由に決めていることが多いです。
そうなると、「勉強しないんじゃないか…」「進学や就職に不利では?」と不安になる方も多いでしょう。
文部科学省によれば、およそ9割のフリースクールが個別学習を行っており、社会体験や自然体験、芸術、スポーツ体験など、一条校と同じような活動をしていることがわかります。
学校のように決まったプログラムやカリキュラムはありませんが、教科書や市販の教材を使用して学習しているところがほとんどです。
スクールごとに特徴や強みがあり、学習に重きを置いていたり、屋外活動に強かったり、芸術活動を大切にしていたりと、それぞれ特色があります。
お子さんの趣味や得意・不得意によって、楽しく通えるスクールを選ぶことが大切になってくるでしょう。
フリースクールの学費平均は月額3万3千円
フリースクールは、学校教育法で認められた学校ではないため、公的な支援はありません。
費用は民間団体・施設によって異なり、学費はすべて自己負担になります。
平成27年の文部科学省の調査によると、月額授業料は全国平均で3万3,000円 、入会金の平均は5万3千円でした。
施設によっては授業料が月額5千円以下のところもあったり、逆に5万円以上になる施設も全体の10%超あるようです。
医療に関する資格も多くあり「医療事務の資格には何があるの?おすすめや選び方について」から詳しく見ることができます。参考にしてみてくださいね。
フリースクールの出席認定
フリースクールに通うことで、学校で出席扱いになるか疑問に思う方も多いのではないでしょうか?
実は、在籍する学校によって出席扱いになる場合と、そうでない場合があります。
学校が「出席日数」とみなすかは、各学校長の判断によるからです。
学校によっては、フリースクールの出席日数を伝えるだけで承認してくれるケースもありますが、スクールで過ごす児童の写真や文書報告を求められるケース も。
そのため、フリースクールなどに通う場合は学校との連携が何よりも大切で、事前に確認しておくことが重要です。
高校中退した時の就活について詳しく知りたい方は、高校中退したら高卒認定と高卒資格どっちが就職に有利なのか解説をご覧ください。
フリースクールに入学資格はある?
フリースクールは基本的に入学資格を設けておらず、希望すれば誰でも入学できます。
ただし、施設によって受け入れ人数や対象年齢は異なる
ので、直接問い合わせしてみることをおすすめします。
不登校児童の実態
お子さんが不登校になると、「どうしてうちの子が?」と思われる親御さんも多いでしょう。
しかしデータをみれば、誰が不登校になってもおかしくない現状を理解できると思います。
まず不登校の人数がどれくらいなのか、小学校・中学校・高校別に、5年間の推移をみてみましょう。
年度 | 小学校 | 中学校 | 高校 |
---|---|---|---|
児童数と割合 | 生徒数と割合 | 生徒数と割合 | |
平成28年度 | 30,448人(0.47%) | 103,235人(3.01%) | 48,565人(1.46%) |
平成29年度 | 35,032人(0.54%) | 108,999人(3.25%) | 49,643人(1.51%) |
平成30年度 | 44,841人(0.7%) | 119,687人(3.65%) | 52,723人(1.63%) |
令和元年度 | 53,350人(0.83%) | 127,922人(3.94%) | 50,100人(1.58%) |
令和2年度 | 63,350人(1.0%) | 132,777人(4.09%) | 43,051人(1.39%) |
少子化によって児童数は減っているのにも関わらず、小・中学校では不登校児童の人数が毎年増え続けている のが分かります。
とくに小学生の増え方は著しく、ここ5年の短期間で2倍以上です。
全体の割合で考えると中学生がもっとも多く、中学児童の4%が不登校になっています。
小・中学校の不登校児童数は過去最多となっており、フリースクールのような学校以外の学びの場所は、今後も増えていくことが予想されます。
他にはどんな通信制高校があるのか気になる方は必見! 「偏差値60以上の難関大学を目指せる通信制高校一覧!通信制高校の大学進学は不利?有利?」を参考にしてみてください!
自分に合ったフリースクールで学生生活を楽しもう!
フリースクールの特徴や、学校との違いについて解説しました。
フリースクールは地域によって施設数が異なり、平成27年時点では岩手・群馬・石川・福井・高知県において1ヶ所しかありませんでした。
一方で、東京や神奈川は50件ほどもあり、首都圏に集中しているのがわかります。
フリースクールを検討する場合は、まず通えそうな施設をピックアップしてみましょう。
その中から、お子さんが楽しく通ってくれそうなフリースクールを選び、資料請求から始めてみるといいと思います。
個別相談や学校見学を受け入れているスクールがほとんどなので、まずは気軽に相談してみてください。
お子さんも親御さんも、安心して通えるフリースクール
が見つかることを願っています。