通信制高校の試験を実際に体験してみた!面接や作文のコツを徹底解説
通信制高校の入学試験は、全日制高校とはまったく違うのをご存知でしょうか?
高校受験では「偏差値」を重視し志望校を選びますが、通信制高校には偏差値という概念はありません。
そのため学校選びも受験対策も、全日制高校とは異なります。
「通信制高校の入学試験ってどれくらいむずかしい?」
「不合格になってしまうことはあるの?」
などの疑問や不安を、実際に通信制高校の試験を体験した私が解消していきます。
通信制高校の入学試験はどれくらいむずかしい?
通信制高校にも入学試験があり、入学するには受験に合格する必要があります。
「通信制高校って誰でも入れるんじゃないの?」と考えている人は要注意です。
では、通信制高校の入試はどのようなもので、難易度レベルはどれくらいなのでしょうか?
信制高校の学力試験はむずかしくない
私の体験をもとに伝えると、通信制高校の入学試験はむずかしくありません。
全日制高校では偏差値を基準に、学力テストを実施して合否を判断します。
しかし通信制高校では入試に学力テストを用いることが少なく、テストがあったとしても点数で落とすことはほとんどありません。
実際に、私が受験した高校では学力テストがありましたが、手応えはありませんでした……。
しかし無事に合格したので、中学時代の学習に自信がなくても問題なさそうです。
学力テストは、あくまでも生徒の学力レベルや理解度を判断するものと考えておいて大丈夫でしょう。
通信制高校の入試は面接重視
通信制高校の入試では、学力よりも面接重視です。
つまり志望動機や人柄、高校生活に対する意欲などが入試で判断されるというわけです。
面接でよく聞かれる質問や対策については、本記事の後半で詳しく解説しています。
通信制高校では「落とすための試験」ではなく、「受け入れるための試験」を行うと言われており、98%の人が合格するといわれています。
しかし稀に、定員オーバーになって不合格になるケースもあります。
人気が高く、定員が少ない高校を受験する方は注意しましょう。
通信制高校の入学から卒業までについて詳しく知りたい方は是非 「学力不足の人も通信制高校に入学できる!?入学から卒業までの不安を解決!」を参考にしてみてください!
通信制高校の受験対策は面接と作文が大事!
通信制高校の受験対策は、「面接」と「作文」に力を入れておくことが重要です。
なかでも大切なのは「志望動機」で、作文のテーマになったり面接で聞かれたりと、合否の重要な判断材料となっています。
また学校によっては学力テストが行われないケースも多いため、面接と作文にポイントを置いた試験が行われているのです。
通信制高校の入学時期と方法ついて詳しく知りたい方は是非 「通信制高校はいつでも入れるの?入学時期と方法についてご紹介!」を参考にしてみてください!
通信制高校の面接で押さえておきたいポイント
面接が重視されるとなると、あがり症の方や人見知りの方、コミュニケーションが苦手な方は不安になりますよね。
本章では、通信制高校の受験対策について詳しく解説したいと思います。
面接時のマナーと身だしなみ
通信制高校は染髪やピアスが禁止されていない学校が多く、全日制高校と比べても校則が緩めです。
しかし面接はマナーや身だしなみがチェックされますので、髪は黒くし、ピアスなどのアクセサリーは外して臨みましょう。
面接時の服装は、中学校の制服やスーツが最適です。
別の高校から転入・編入する場合は、違う高校の制服でも問題ありません。
制服がない方はスーツ、ジャケットに襟付きのシャツやブラウスであれば好印象を与えられます。
志望動機
面接では、「なぜこの高校を志望したのか?」「理想の高校生活はどのようなものなのか?」などの志望動機をよく聞かれます。
ここは無難で模範的な解答をする必要はなく、あなたの正直な気持ちや目標を述べるようにしましょう。
面接での回答は、入学後のフォローやサポートの材料になりますので、不安なことがあれば率直に伝えてください。
「中学で不登校だったため授業についていけるか不安」「人間関係でつまずいた経験があり友だちができるか心配」など、気になることは前もって伝えておくことが望ましいです。
面接で注意すべきことは、「全日制高校に通えないから」「通信制高校なら入学できると思った」など、ネガティブな動機を伝えてしまうことです。
これから3年間の学校生活を送るのですから、出来るだけ前向きな意見が伝えられるよう注意しましょう。
卒業後の進路や将来の夢について
通信制高校の卒業率は、公立で94.4%、私立で97.0%となっています。
ただし3年以上在籍している生徒も含まれるため、3年間と定めると卒業率はさらに少なくなるでしょう。
通信制高校は1人でも多くの生徒を卒業させるため、手厚いサポートやメンタルケアを行なっています。
「高校を卒業したら憧れの美容業界で働きたい」「大学受験にチャレンジしたい」「海外留学をして語学力を身に付けたい」など、具体的な目標があれば率直に伝えてください。
私の場合は、「この高校で不足している学習を取り戻し、大学に進学したい」と答えました。
その際に「どんな大学に行きたいとか具体的にありますか?」と突っ込まれましたが、「それは高校で学びながら考えたい」と答えて、ことなきを得ました。
将来の目標や進路をアピールすることで、途中で諦めることなく高校を卒業できると捉えてくれるでしょう。
通信制高校の入試における作文対策
通信制高校では、入試で作文を課している場合があります。
学校から与えられたテーマや題材に沿って、400〜800字に程度の作文を書くことになりますが、その方法は2通りです。
- 願書類と一緒に提出する
- 入試会場で作文を書き提出する
では、それぞれの方法の試験対策について紹介していきます。
出願書類と同時に作文を提出する場合
出願書類と同時に作文を提出するケースでは、指定の様式に鉛筆で記入するのが一般的です。
作文テーマは志望動機をストレートに書くほか、明聖高校では「入学後の抱負」、第一学院高等学校では「自分の未来について」をいうテーマをもとにした作文作成がありました。
いずれも「入学したらこんな高校生活を送りたい」「高校ではこんなことを頑張りたい」といった志望動機や抱負を書くことが多いようです。
事前に書いて提出できるので、担任の先生にチェックして添削してもらうといいでしょう。
入試会場で作文する場合
入試会場で作文する場合、文字数に加えて制限時間を設けていることが多くなります。
当日は時間配分を考えスラスラ書けるように、事前に作文の練習をしておくのがおすすめです。
30分くらいを目安に400〜800字の作文を書きますが、テーマは当日の会場にて提示され、試験直前までわかりません。
しかし志望動機に関することがほとんどなので、将来の目標や高校生活について何を書くか決めておくと良いですね。
書き終わったら必ず見直しをして、誤字や脱字がないかチェックするようにしてください。
中学で不登校だった人も大丈夫!合格するための3つのポイント
通信制高校へ進学する人の中には、小・中学時代に不登校を経験した人も少なくありません。
ちなみに私もそうでしたが、「不登校だったから合格できない」、なんてことはありませんので心配無用です。
本章では、実際に試験を体験した私のアドバイスをお伝えしたいと思います。
不登校になった理由は本当のことを話そう
面接では、「どうして不登校になったのか?」という質問を受けることもあります。
まず覚えておいてほしいのは、面接では嘘をつかないということです。
面接官はこれまでたくさんの受験生をみてきており、ささいな嘘でも簡単に見抜いてしまう目を持っています。
不登校になった理由は正直に話し、学校へ行くために努力したことなども加えて説明すると良い印象を与えられるでしょう。
例えば、先生が厳しくて学校に行けなくなったケースでは、「先生が厳しすぎて・・・」というような答え方はNGです。
「担任の先生との相性が悪く、学校へ行く努力をして保健室登校などをしていましたが、体調が悪化して行けなくなってしまいました」という風に、努力した内容を具体的に述べることが望ましいですね。
不登校改善に向けて努力していることを話す
不登校になった理由を話したら、その後の経過や改善している点も伝えるといいでしょう。
「週1回登校できるようになった」「学習の遅れを取り戻せるよう努力している」「1日1回は外出して引きこもらないようにしている」など、回答はなんでも構いません。
私の場合は、受験に向けて体力をつけるためにジョギングを始めたことを伝えました。
これだけで、「引きこもりではなく前向きに努力していること」をアピールできたと思います。
このように改善目標を具体的に伝えることで、不登校でも前向きに取り組む姿勢をアピールできます。
高校生活に対する目標や意志をハキハキと伝える
面接官はあなたの過去よりも未来を重視し、入学試験の合否を判断します。
「高校ではこんなことを頑張りたい」「〇〇に挑戦したい」という意見をアピールできるように、当日までにしっかり準備しておきましょう。
通信制高校には不登校の生徒が集まりやすいため、あなただけ特殊ということはありません。
面接官をはじめ通信制高校の教師は、「当校を経て不登校を回復し、無事に高校を卒業してほしい」と願っていることを胸に置いておきましょう。
通信制高校の入学の手続きについて詳しく知りたい方は是非 「通信制高校の入学手続きは簡単?転入と編入についても解説」を参考にしてみてください!
通信制高校の入試は「作文」と「面接」が合格の鍵!
通信制高校の入学試験について解説しました。
通信制高校では、「学力や生活態度で受験者を落とす」試験ではなく、「どんな生徒も広く受け入れる」試験を行なっているのが特徴です。
そのため不登校や病気などが受験にマイナスになることはありません。
しかし高校生活への意欲や前向きな志望動機を伝えるため、作文や面接の練習はきちんとやっておきましょう。
ここを押さえておけば、99%の確率で受験に合格すると思います。
試験会場で行う作文は時間制限があります。
時間内に終わらせられるよう、どんなテーマについて書くかをあらかじめ決めておき、何度も練習しておくといいでしょう。
私は志望動機を書く練習をすることで、受験のモチベーションも上がりました。
また面接練習は先生や両親に手伝ってもらい、どんな質問がくるかを想定して何度も練習に臨みました。
「自分にはこんな目標がある」「こんな希望を持って入学したいと思っている」ということを素直に伝える気持ちで、入学試験にチャレンジしてください!