通信制高校の編入のタイミングはいつ?ある生徒の1パターンを紹介
1度高校を中退しても、別の高校へ「編入」することで高校卒業の資格を取得できます。
しかし、通信制高校はいつでも編入を受け入れているわけではありません。
また編入のタイミングによって卒業できる時期が異なるため、慎重に考える必要があります。
ここでは、通信制高校の編入のタイミングや、編入に関する注意点を解説しています。
「編入するのにベストなタイミングが知りたい」
「同級生と一緒に卒業するにはどうしたらいい?」
と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
通信制高校への「転入」と「編入」の違いとは?
編入の仕組みやタイミングを知るため、まず「転入」と「編入」の違いからしっかり理解しましょう。
まずは双方の違いについて、詳しくご紹介します。
転入とは?
転入とは、今在籍している学校を辞めずに別の高校へ入学することです。
つまり「転学」「転校」と同じ意味で、学校に在籍したまま移籍することを指します。
転入の場合、前の学校で習得した単位をそのまま引き継げるので、学年の途中であっても同級生と同じタイミングで卒業することが可能です。
編入とは?
編入とは、すでに以前の高校を退学した人が、別の高校に再入学することです。
中退してから編入するまでの空白期間や、学年途中までの単位が引き継げないという理由で、同級生と同じ時期に卒業できない可能性があります。
しかし「9月に中退して10月に編入する」といったタイミングで編入できた場合、同級生と一緒に卒業できるよう学校側が考慮してくれるケースも少なくないようです。
つまり編入して最短で卒業するには、「タイミングが鍵になる」ということを念頭に入れておきましょう。
通信制高校の転入と編入の違いにについて詳しく知りたい方は是非 「転入と編入の違いってなに?高校生活での違いを比較」を参考にしてみてください!
通信制高校へ編入するタイミングはいつ?
そもそも、通信制高校では編入をいつ受け入れているのでしょうか?
またタイミングが大切なのは、どうしてでしょうか?
編入に向けて計画的に行動できるよう、タイミングについて把握しておきましょう。
通信制高校へ編入できる時期は4月と10月が多い
編入が可能な時期は学校によって異なるため、事前に情報を集めておくことが大切です。
編入したくても、その時期に志望校が編入を受け付けていない場合、来年に持ち越ししなければならないこともあります。
多くの通信制高校では、入学を「4月」と「10月」に設定しており、編入もそれに合わせて行うことが多くなります。
しかし、私立の通信制高校では随時受け付けている学校もあったり、年に4回受け付けていたりするため、学校のサイトや資料などで確認しておきましょう。
転入ならどのタイミングでも可能
転入に関しては、時期を問わず受け入れている学校が多いです。
学年の途中でも単位をスムーズに引き継げるため、同級生と同じタイミングで卒業できる可能性が高くなります。
さらに転入は空白期間が生じないので、就職活動の履歴書にも「中退」や「退学」と記載する必要はありません。
もし現在、中退するか転入するかで迷っているならば、学校を辞めずに転入することをおすすめします。
通信制高校の編入でタイミングが大事なワケ
次に、通信制高校の編入のタイミングについて具体的に解説していきます。
単位の引き継ぎや卒業のタイミングなど、事前に把握しておくと慌てることはありません。
とくに卒業を間近に控える3年生は、数ヶ月の違いが卒業に大きく影響するので注意が必要です。
卒業のタイミングを逃さないよう、しっかり確認しておきましょう。
全日制高校で習得した単位は通信制高校で引き継げる
転入や編入おいて気になるのが、「以前の学校で取得した単位が新しい学校に引き継げるか?」ということではないでしょうか。
まず覚えておいてほしいのは、「編入は前年度までの単位しか引き継げない」ということです。
つまり2年生の途中で中退した場合は、1年生で習得した単位のみが引き継げることになり、2年途中までの単位が無駄になってしまいます。
しかし学校によっては、中退するまでの在籍期間を引き継いでくれたり、出席した授業の単位を加味してくれるケースもあります。
そうなると通信制高校に編入した際、卒業に必要なレポート数やスクーリング回数が変わってくるので、少しでも多くの単位を引き継げる学校が望ましいでしょう。
編入のタイミングによっては卒業が遅れることも
編入する時期によって、卒業できるタイミングも異なります。
また行きたい高校が編入を随時受け付けているか、4月と10月のみかも卒業するタイミングに深く影響します。
例えば、2年生の5月に編入した場合、残りの11ヶ月で1年分の単位を習得するのは現実的に可能です。
一方、2年生の5月に中退して10月に編入すると、残りの半年で1年分の単位を習得しなくてはなりません。
半年で20〜30単位を習得するには、大変な努力が必要です。
しかし、仮に同級生と一緒に卒業できなくても、通信制高校は3月と9月に卒業時期を設けている学校も多いので、最低でも半年の延長で卒業できるというメリットがあります。
高校3年生が編入する際に気をつけること
高校3年生から編入する場合は、いくつか注意するポイントがあります。
まず学校によって、「最低でも何ヶ月以上在籍しなくてはならない」という条件が提示されていることです。
さらに中退者に限っては、学校に行っていない空白期間が在籍日数に含まれないため、出席日数が足りずに単位を習得できないケースもあります。
また同級生と同じタイミングで卒業するには、「高校3年生の○月までに編入すること」といった条件が提示されていることもあるので、編入前に学校に問い合わせて確認しておきましょう。
通信制高校の入学手続き、転入と編入について詳しく知りたい方は是非 「通信制高校の入学手続きは簡単?転入と編入についても解説」を参考にしてみてください!
ある生徒が高校中退後に通信制高校へ編入したパターン
通信制高校の編入のタイミングをしっかり理解するため、ある生徒(Aさん)が通信制高校に編入したパターンを紹介します。
2年生の2学期から不登校に
Aさんは2年生の2学期から学校に行かなくなりました。
はじめは1日おきでしたが、徐々に登校回数が減り、10月からは1日も出席できなかったようです。
2年生3学期に全日制高校を中退
出席日数が足りず試験も受けていないので、「このままだと留年になる」と学校から連絡を受け学校を退学することを決めました。
もともと学校の雰囲気と合わないと悩んでいたAさんは、通信制高校への編入を考えるようになりました。
調べると、通信制高校の半分くらいの生徒が転入・編入していると知り、4月から編入することを決意します。
4月に通信制高校へ編入
Aさんは年数回のスクーリングで卒業できる通信制高校を選び、願書を提出。
入試を受け無事に合格し、4月から晴れて通信制高校生になりました。
しかしその際、2年生の途中までの単位が認められず、同じ学習をもう1度やり直すことになってしまったのです。
卒業までに最低2年はかかるため、前籍校と合わせると4年間も高校に在籍することになりました。
退学を早まらなければ、あと1年早く卒業できていたかもしれません。
全日制高校を辞めてしまう前に、もっとしっかり確認しておけばよかったと後悔する羽目になりました。
通信制高校への編入はタイミングが鍵!最短で卒業できる時期を狙おう
通信制高校の編入のタイミングは、卒業できる時期に大きく影響します。
学年途中に中退すると、せっかく習得した単位が無駄になり、同じ学習をやり直さなくてはなりません。
このような無駄を避けるため、「退学を早まらないこと」「編入のタイミングを慎重に選ぶこと」とアドバイスしているわけです。
転入と編入では、転入の方がスムーズに単位を引き継げ、卒業に有利に働きます。
「通信制高校へ転校したい!」と思ったら、まずは引き継げる単位や出席日数を学校に確認しましょう。
そして学校を中退せず「転入学」として、ベストなタイミングで通信制高校へ入学できるよう調整してください。
通信制高校に通うメリット、デメリットについて詳しく知りたい方は是非 「通信制高校に通う5つのメリットデメリット!対策も合わせてご紹介!」を参考にしてみてください!